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2016年11月27日日曜日

正弦定理余弦定理を使った問題の解き方

【解答に向かう式の変形の方向】 
以下で、正弦定理と余弦定理を整理して、
問題を解く道具の形の式に表します。
 
上の式で、
(上昇)とは、解答に向かって進む式の変形の方向を言います。
(下降)とは、解答から遠ざかり問題側に戻る式の変形の方向を言います。
 なお、正弦定理と余弦定理を以下の式の形であらわすと、公式が更に覚え易くなると考えます。

サイン、コサインで表された式を、サイン、コサインを使わない式に変形することが、問題の解答に近づく式の変形の方向(上昇)です。
式をあえてサイン、コサインを使った式にする式の変形は、解答に近づいた式を問題側に戻す、逆戻り(下降)の式の変形です。

【問題を発見する】
以下では、式を解答側から問題側に戻して問題を発見してみます。
上の図で、
AD-MD=AM (3’)
を考えます。
式(4)では、頂点から垂心までの距離Pが外心の高さYの2倍であることを使いました。
(ここをクリックした先のページを参照)
式(4)において、外心の高さYをcosAを使ってあらわすのは、問題側へ逆戻り(下降)する式の変形です。

次に、以下の式を考えます。
三角形の高さAD=hをサインとコサインで表した式(5)は、問題側に逆戻りする式の変形(下降)であり、
AD=hをサイン、コサインを使わないで表した式(6)は解答に近付く式の変形(上昇)です。

ここで、垂心の高さMD=mは、以下の式(7)で表されることが分かっています。
(「三角形の垂心の高さ」(ここをクリック)を参照)
この式(7)を、以下のようにして、問題側に逆戻りさせる計算をします。
上の式でhを変形する際に、解答に近付く(上昇)の式(6)を使ったのは、式の変形をなるべくスッキリした解答に近付けたかったからです。
その目的通り、スッキリした式(8)が得られました。

上の式で、hを変形する際に、解答から遠ざかる、(下降)の式(5)を使うと式が複雑になる落とし穴に落ちます。
しかし、hもbもcも一緒に徹底して解答から遠ざかる、(下降)の式の変形をすると、それはそれで、以下の式のように変形することができます。

次に、最初の式(3)を、式(4)と、解答から遠ざかるように逆戻りした式(5)と(8)を使って整理します。
式(9)は、問題に逆戻りした式です。
以上の逆もどりの式の変形の結果、式(9)という、証明すべき式が存在することがわかりました。
この式(加法定理)とその証明は、高校2年で学びます。

次に、以下の当然の式(10)を、解答から遠ざかるように逆もどり(下降)する式の変形をします。
式(11)は、問題に逆戻りした式です。
以上の逆もどりの式の変形の結果、式(11)という、証明すべき式が存在することがわかりました。
この式(加法定理)とその証明は、高校2年で学びます。

【三角形の図から加法定理を導出する】
 なお、この式11の加法定理は、以下の図の計算からも導き出されます。
 以下の様に三角形の各辺を正弦定理を使って表わして、また、点Aから辺BCに垂直な補助線を引いてBCの長さを分割された要素の和でもあると考えると、加法定理が導き出されます。
そして:
sin(π-B-C)=sinC・cosB+sinB・cosC ,
sin(B+C)=sinC・cosB+sinB・cosC ,
(加法定理の導出おわり)

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