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2026年5月15日金曜日

命題、条件とは何か

【命題と条件の定義】
《命題とは》
 真偽(真であるか偽であるか)が判定されうる文を 命題という.

論理的にスッキリと真か偽かが判定できる文だけを命題と呼ぶのです.

命題の例1:
xは実数とする。
2つの条件を、

とする。
命題「x>4ならばx>3である」
が真であるから、
命題「p  ⇒ q」
は真である。
 また、条件p,qを満たす実数全体の集合をそれぞれP,Qとすると、

であり、数直線上では、それぞれ下の図のようになる。

よって、

が成り立っている。

 ここで、xが属する実数全体を考え、集合PとQを考えるのは、命題を解釈するためには、以下の注意が必要だったからである。
命題「x>4 ⇒ x>3」の論理式は、
正しくは、
全ての実数xに関して、x>4  ⇒ x>3」
という論理式です。
(注意)ここで、「ならば」という言葉を使った論理式
「x>4 ⇒ x>3」
には以下の意味の広がりがある。
この論理式のxに値を入れて考える。
「5>4ならば5>3であり」という命題は、真な命題である。
あるxにおいて、「p(x)ならばq(x)」という論理式は、
p(x)が真の場合には、q(x)が真である場合に、この論理式が真な命題になると定めている。
 ここで、条件p(x) がxに何を入れても真偽がはっきりした命題にできなければならないのと同様に、「p(x)ならばq(x)」という論理式も、xに何を入れても、真偽がはっきりした命題にできなければならない。
そのため、あるxにおいて、p(x)が偽の場合にも論理式の真偽が定められている。
あるxにおいて、p(x)が偽の場合には、「ならば」という言葉の前提条件が外れているゆえに、
p(x)が偽の場合には、q(x)が何であっても、この論理式が真な命題になると定めている。
そのため、
「1>4ならば1>3である」という論理式も、真な命題である。
(注意おわり)

命題「全ての実数xに関して、x>4  ⇒ x>3」
は必ず真なので、
この論理式は真なる命題です。

つまり、
p(x)⇒q(x)
という命題は、
正しくは、
「全てのxに関して、p(x)⇒q(x)」
という命題です。

 全ての実数xに関して、命題の内容を考える必要があるので、xの集合PとQの関係を考えるのです。

 一般に、条件p,qを満たすxの集合全体をそれぞれP,Qであらわすとき、
命題「全てのxに関して、p⇒q」が真であることは、

が成り立つことと同じである。
それは、

が成り立つこと、すなわち、「ならば」を使った元の命題の論理式は:
全ての実数xが、(Pの補集合)∪(集合Q)に含まれる」
という論理式に同値です。
つまり、
命題「x>4 ⇒ x>3」という、「ならば」を使った論理式は、
全ての実数xに関して、x≦4 or x>3」
という論理式に同値です。

命題の例2:
p(x)を、(xはカラスである)という論理式とし、
q(x)を、(xは鳥である)という論理式にし、
(xはカラスである)⇒(xは鳥である)
という命題は、正しくは、
全てのxに関して、(xはカラスである)⇒(xは鳥である)」
という命題です。

命題には、「全てのxに関して、」という隠された条件が、暗黙に加えられている。

その隠された条件が付いているので、命題は、
「全てのxに関して、(p(x)で無い)∨(q(x)である)」
という論理式であらわされる命題と同値です。

「全てのxに関して、」という条件を付けずに、
単に、「(p(x)で無い)∨(q(x)である)」
というだけの論理式は、単にpとqが作る関係を表すだけであり、
それは、次に説明する「条件」であって、命題にはならない。

《集合で考えると、以下のように考える》
 与えられた条件に、「全てのxに関して、」という条件を付けて初めて、pとqに係るxの集合の(Pの補集合)∪(集合Q)が実数全体の集合になるか、ならないかの、条件が真であるか偽であるかが判定できるようになった命題をあらわすのである。
「全てのxに関して、」という条件を付けない条件「(p(x)で無い)∨(q(x)である)」は、
「xの集合が(Pの補集合)∪(集合Q)である」
という条件をあらわす。すなわち:
「全てのxに関して、」という条件を付けない以下の条件
「p(x)⇒q(x)」は、
「xの集合が(Pの補集合)∪(集合Q)である」
ということをあらわすだけの条件である。

「全てのxに関して、」という隠された条件を付けずに、
単に、(xはカラスである)⇒(xは鳥である)
というだけの論理式も、同じく、
「条件」であって、命題にはならない。
xに具体的な物をあてはめて確認しなければ、この論理式の真偽が定まらない。
xに具体的な物をあてはめた論理式は命題になる。すなわち:
(猫はカラスである)⇒(猫は鳥である)
という論理式は、
(猫はカラスで無い)∨(猫は鳥である)
という論理式と同値です。
そして、
(猫は鳥である)が偽であっても、(猫はカラスで無い)が真であるゆえに、
その論理式は真なる命題です。

《条件とは》
 真であるか偽であるかが判定できる“命題”に対し,特に数学によく現れる方程式
x2-x-6=0

x+y=-12
のように,その中にxやyなどの文字が含まれているため,それ自身としては真とも偽とも判定できないが,その中に現れる文字に特定の値を代入すると,真か偽かが決まるものがある.

例1
x2ーxー6=0は,
x=2のときは偽,
x=3のときは真.

このように,中に含まれている文字に値を代入すると,真か偽が確定する(つまり命題になる)文を条件という.
より詳しく, “xについての条件” とか “xとyについての条件” などということもある.
 大学数学での、述語論理の命題関数を使った論理式が、高校数学で言う「条件」です。

2≧0
という式も、一見、命題のように見えるが、この式は条件です。
xに値を代入する都度、真か偽が確定する式であって、たまたま、全ての実数を代入して、常に真であるという特徴があるだけの式なので、条件です。
この条件に、「全ての実数xに関して、」という前提条件を付けると、
「全ての実数xに関して、x2≧0」
という真なる命題になる。

同様に、
x>5
という条件についても、「全ての実数xに関して」という条件を付けて、
「全ての実数xに関して、x>5」
という論理式にすれば、その論理式は偽なる命題になる。

 「ならば」を使った命題における論理式「p(x)⇒q(x)」自体は、この命題に隠された条件である「全ての実数xに関して、」という条件とは独立していることをはっきりさせるために、以下の命題の例を示す。
〘命題の例3〙
命題「100以上の全ての実数xに関して、x>1 ⇒ x>10」という論理式は、真なる命題です。
一方で、
命題「全ての実数xに関して、x>1 ⇒ x>10」という論理式は、偽なる命題です。

〘命題の例4〙
命題「2以下の全ての実数xに関して、x≠1⇒(x-1)(x-3)≠0」という論理式は、真なる命題です。
一方で、
命題「全ての実数xに関して、x≠1⇒(x-1)(x-3)≠0」という論理式は、偽なる命題です。

《大学数学で厳密に説明すると》
「命題論理とは何か」のサイトによると:
命題と命題変数
 記号論理学には命題論理(propositional logic)と述語論理(predicate logic)の2つの分野があります。述語論理は命題論理の拡張であるため、まずは命題論理について解説します。


命題論理における議論の最小単位は命題(proposition)です。

命題とは、物事の判断について述べた文や式で、正しいか正しくないかを客観的に判断できるもののことです。

 ある主張の内容が難解で、それが真と偽のどちらであるか判断を下せない場合があります。そのような場合でも、その真偽の判定を客観的に行えることが保証されているのであれば、その主張はやはり命題とみなされます。いくつか例を挙げます。

「整数xは偶数である」という主張は、
xがどの整数であるかが特定されない限りその正しさを判定できないため、これは命題ではありません。
一方、「整数14は偶数である」は真な命題です。

 命題論理では個々の命題が具体的に何について言及しているかを問題とせず、それらを単に真か偽のどちらかの値をとる変数とみなします。そして、そのような変数を命題変数(proposition variable)と呼びます。

 命題論理において議論の対象となる論理的な主張や推論はいずれも、命題変数どうしを組み合わせることにより得られる式として表現されますが、そのような式を論理式(formula)や命題論理式(propositional formula)などと呼びます。

 論理式については後ほど正確に定義しますが、最も重要な点は、命題変数の組み合わせである論理式自身もまた真1または偽0を値としてとり得る命題変数であるということです。論理式の値は、その論理式を構成する個々の命題変数の値の組み合わせに応じて決定されます。

「述語論理」のサイトによると:
述語論理
 命題論理の基本単位が命題変数であったのに対し、述語論理では命題関数と呼ばれる概念が基本単位となります。それにより扱うことのできる言明の範囲が広がるとともに、量化と呼ばれる操作が可能になります。

論理式
 述語論理の基本単位である「論理式」と呼ばれる概念を形式的に定義します。

述語論理とは何か
 変数を含む文や式は変数に具体的な値を代入することによりはじめて命題となり、その正しさを判定できるようになります。

一般に、変数を含む文や式を命題関数と呼びます。
命題関数は述語論理の対象となる最小単位の概念です。

述語論理における議論領域
 変数とは様々な値を取り得る記号です。変数が取り得る値の範囲を定義域と呼びます。議論の対象となるすべての変数と、それらの変数の定義域をあわせて議論領域と呼びます。

述語論理における論理式の定義
 述語論理において議論の対象となる最小概念は原子論理式です。
原子論理式は命題関数を内包する概念です。
原子論理式は単独で論理式とみなされます。また、原子論理式に論理演算子や量化記号を作用させて得られる式も論理式とみなされます。
また、論理式に論理演算子や量化記号を作用させて得られる式も論理式です。

リンク:
条件付き命題の対偶の表現のバラエティ
同値変形の考え方
高校数学の目次