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2013年10月29日火曜日

論理の問題では余分な部分を無くす(20)問題をやさしくする数学

http://schoolhmath.blogspot.jp/2013/10/blog-post_28.html
http://schoolhmath.blogspot.jp/2013/10/blog-post_31.html
【問】三角形に関する条件p,q,rを次のように定める。
p: 3つの内角がすべて異なる。
q: 直角三角形でない
r: 45°の内角は一つもない
命題「(pまたはq)⇒r」に対する反例になっている三角形を考えよ。

【解答1】
命題「(pまたはq)⇒r」に対する反例は、
(pまたはq)及び(rでない)
です。

これは、
と書きます。

この式を以下の様に変形して考える。

この式は:
1行目の式:
この式の命題pのうち、qである場合は、その命題pと(又は)でつなぐ命題qに含まれていて余分なので、
pについては、p及び(qでない)場合のみを考えて、
そう書き換えた命題と(又は)命題qと記述した2行目の式に書き換えた。

そうして書き換えた2行目の式を整理して得た3行目の式は:
(p及び(qでない)及び(rでない))または(q及び(rでない))
という意味です。

(p及び(qでない)及び(rでない))
または
(q及び(rでない))
の何れかが有れば、それが反例である事を示す式です。

以上を以下の様に整理して書く。
ここで、
(p及び(qでない)及び(rでない))
については、
上図に書いたとおり、有り得ないことです。
そのため、反例は、

残りの式の、
q及び(rで無い)
のみだと分かりました。

すなわち、反例は:
(直角三角形でない)及び(45°の内角が1つ以上ある)
とわかりました。
 (解答おわり)

【解答2】

最初の式:
この式の命題qを、
その命題qと(又は)でつなぐ命題pに含まれていて余分なので、
q及び(pでない)と書き換えてみます。
そう書き換えた命題と(又は)命題pと記述した、以下の2行目の式に書き換える。
そして式を整理する。
 すなわち、反例のうちの1つは、最後の行の式の右の項があらわす命題:
(直角三角形でない)及び(3つの内角のうち少なくとも2つが同じ)及び(45°の内角が1つある)
とわかりました。
それは、45°を頂角とする二等辺三角形です。
(解答おわり)

【解答3】

この問題の命題がややこしくて考えにくいので、
問題を等価な、わかり易い問題に変換して考える。
(問題A)
p: 3つの内角がすべて異なる。
q: 直角三角形でない
r: 45°の内角は一つもない
命題「(pまたはq)⇒r」に対する反例になっている三角形を考えよ。


(問題B)
s: 二等辺三角形である。
t: 直角三角形である
u: 45°の内角を持つ
命題「((sでない)または(tでない))⇒(uで無い)」に対する反例になっている三角形を考えよ。


このように分かり易くした問題Bを解く。
反例を命題の式に書くと以下の式になる。
 
ここで、
(s及びt)

は、直角二等辺三角形
という、命題です。
よって、反例は、
(直角二等辺三角形ではない)及び(45°の内角を持つ)
であるとわかりました。
(解答おわり)

(補足1)
この解答3の方が、解答1よりも使い易い解き方のように思います。

(補足2)
 論理の問題の解き方は、以下の様に、論理式で書く命題を整理して記述した上で、論理式を簡単化することで解けば良いと考えます。
(解答3のように)
①意味の把握しにくい命題を、もっと単純な命題を種にして、意味をわかりにくくしている部分を論理式で記述する。
②複雑な論理式を単純な論理式に変形する。
(解答1のように)
③ (又は記号)でつなぐ命題Aと命題Bは、(及び記号)で重なる部分が無い命題にA’と命題Bという、命題の重なり部分という余分な部分が無い命題に置き換えて、その命題A’とBを(又は記号)でつないだ論理式を記述する。
④複雑な論理式を単純な論理式に変形する。 
 そのように、
(1)問題を把握し易いように書き換えて記述し、
(2)その書き換えた論理式を単純化して、
(3)その単純化した論理式を見て考える解き方で解けば良いと考えます。

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