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2017年9月17日日曜日

2次元ベクトルの合成の公式と分解の公式と2つのベクトルの大きさの積の三平方の定理

【ベクトルの合成の公式】
直交するベクトルaとavに関して、任意のベクトルzに対して、以下のベクトルの合成の公式が成り立ちます。


【課題】
ベクトルzと、単位ベクトルaとbと、それらを反時計回りに90度回転した単位ベクトルaと単位ベクトルbを考える。
ベクトルzは、以下の、ベクトルの分解の公式によって、単位ベクトルaとbであらわせる。
このベクトルの分解の公式を導き出すことを課題として、その解の中で、ベクトルの合成の公式を使う。

(補足1)
ベクトルaを反時計回りに90度回転した単位ベクトルa=fを、
更に反時計回りに90度回転した単位ベクトルfは-aになる。
そのため、ベクトルの内積a・bを、

両ベクトルを一緒に反時計回りに90度回転して内積した値は同じ値になるが、
その関係は、以下の式であらわされる。
・b=-a・b

 
(解答1)
 ここで、ベクトルzを、互いに垂直なベクトルの要素に分解することは容易にできるので、以下でその作業を行う。
以下の式でベクトルaとbであらわされる単位ベクトルsと、それに垂直な単位ベクトルtを考える。 
 この単位ベクトルsとtでベクトルzを分解する。
ここで、単位ベクトルsとtの各要素は以下の式で与えられる。
式4の中のベクトルの要素をこの式5から8で置き換える。
この式にベクトルの合成の公式を適用する。
こうして得られた式は、当初の公式とはちがうが、この式のベクトルaとbをベクトルaとbに互いに入れ替えた式も成り立つ。
 よって、最初に記載したベクトルの分解の公式が得られた。
(解答1おわり)


(補足2)
 ここで、直交するベクトルsとtを単位ベクトルaと単位ベクトルbであらわし、それらのベクトルでベクトルzを分解して計算すれば、最初に記載したベクトルの分解の公式が直接に求められる。

(1)ベクトルaとbであらわした単位ベクトルsとtで分解した式から求められる式が、
ベクトルzとベクトルaの積の項とベクトルzとベクトルbの積の項に分けられ、ベクトルの合成の公式によってベクトルsとベクトルtの項が別のベクトルに集約する結果、
ベクトルaとベクトルbであらわしたベクトルの分解の公式になり、
(2)ベクトルaとベクトルbであらわした単位ベクトルsとtで分解した式から求められる式が、
ベクトルzとベクトルaの積の項とベクトルzとベクトルbの積の項に分けられ、ベクトルの合成の公式によってベクトルsとベクトルtの項が別のベクトルに集約する結果、
ベクトルaとbであらわしたベクトルの分解の公式になった。

(解答2)
 回答1で定義した単位ベクトルsとtで、回答1と同様にベクトルzを分解し、次に、ベクトルaの項とベクトルbの項に分ける。
式9の中のベクトルの要素を式5から8で置き換える。
この式の中のベクトルsとtの式にベクトルの合成の公式を適用して1つのベクトルzの式に統合する。
よって、最初に記載したベクトルの分解の公式が得られた。
(解答2おわり)

【図形で説明】
ベクトルの分解の公式は、以下の図であらわせる。
この図での三角形OZBの面積の三角形OAB面積の比の大きさのベクトルOA成分を計算している。ベクトルOBを水平線として考える。それらの三角形の面積の比は、その水平線上の点Zの高さと点Aの高さの比である。

(補足3)

 ベクトルzをベクトルaと、それに垂直なベクトルaに分解する式は、以下の式(K3)になる。
なお、式(K4)の形で、三平方の定理があらわせる。

《2つのベクトルの大きさの積の三平方の定理》
 この式K4は、以下の式K5の形の、
2つのベクトルの大きさの積の三平方の定理として覚えた方が良いかもしれない。

(補足4)
 この解答2の計算は、以下の計算をする場合には特に注意する必要がある。
(1)互いに直交する単位ベクトルsとtを以下の式で作る。
 (2)この単位ベクトルsとtでベクトルzを分解する。
この式10は以下の式11に変換できるが、この計算では、ベクトルの要素が所属するベクトルに関する情報が失われている式であるので、次の式11への変換を発想することが難しい。
式10を式11に変換できたら、以下の計算を進めることができる。
この式の中のベクトルsとtの式にベクトルの合成の公式を適用して1つのベクトルzの式に統合する。
これにより最初に記載したベクトルの分解の公式が得られた。
(補足4おわり)

【連立方程式の解】
ベクトルの分解の公式を利用して連立方程式の解を求めることができる。
(解答はじめ)
この連立方程式は、以下の式で表すことができる。
式3では、ベクトル(x,y)とベクトルaとの内積の値が与えられ、式4では、ベクトルbとの内積の値が与えられる。
ベクトルの分解の公式(2つ):
のうちの公式K1に、式3と式4を代入すると、
この式5が連立方程式の解である。
(解答おわり)

(解答の式5の補足)
 この解答の式5は、以下の様に表現することもできる。
(解答の補足おわり)
 なお、式5を無理に覚えようとしないで、覚え易い式11から13だけを覚えるだけで十分ではないかと思います。
式11から式13の関係は以下の図であらわせます。

リンク:
2元連立方程式をベクトルの内積を使って解釈する
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