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▽連立方程式の解の公式(その3)
【問1】
以下の連立方程式を解く。
(解答その1)
この連立方程式は、以下のように定義したベクトルの内積であらわすことができる。
この連立方程式を解くと以下の解が得られる。
ここで、以下のように、ベクトルaに垂直で長さがaに等しいベクトルavと、ベクトルbに垂直で長さがbに等しいベクトルbvを考える。
このベクトルavと、ベクトルbvを使って、式5と6の解をベクトルであらわす。
この式7が式3と式4を満足することは、以下の式の計算で確かめることができる。
このように、式7は、式3と4を満足する、連立方程式の解をあらわす。
(解答おわり)
(解答その2)
この問題は、ベクトルの分解の公式を使って解ける。
ベクトルの分解の公式は、以下の2つである。
このうちの公式K1に、式3と式4を代入すると式7が得られる。
この式7及び式7bが連立方程式1と2の解である。
(解答おわり)
【問2】
ここで、以下の式8から10を満足する連立方程式の解を変換する。
この連立方程式の解は式11になる。
この式11の解を変換する。
(式の変換の開始)
先ず、式10が成り立つので、以下の式12が成り立つ。
すなわち、ベクトルaとbの和のベクトルと、ベクトルaとbの差のベクトルの内積が0になり、それらのベクトルが互いに垂直である。
(これは、以下の図のひし形の対角線の直交の公式である)
ベクトルzを、互いに垂直なベクトルの要素に分解することは容易にできるので、以下でその作業を行う。
先ず、式11の第1項を、その両ベクトルの要素に分解してあらわす。
次に、同様にして、式11の第2項を、両ベクトルの要素に分解してあらわす。
そして、式11の第1項と第2項の和でベクトルzをあらわす。
結局、ベクトルzがこの式13であらわされた。
(式の変換おわり)
(補足)
この式13は、以下のように考えると、納得できる。
(1)ベクトルavと、ベクトルbvは、それぞれ、ベクトルaとbを反時計回りに90度回転させたベクトルとして定義されている。
(2)そのため、式11のベクトルzは、ベクトルbvとベクトルavの差のベクトルに平行になり、
(3)それは、ベクトルbとベクトルaの差のベクトルに垂直である。
(4)そのベクトルbとaの差のベクトルは、ベクトルaとbの和のベクトルに垂直であり、
(5)結局、ベクトルzは、ベクトルaとベクトルbの和のベクトルに平行である。
【連立方程式の解の公式(その3)】
連立方程式自体を1つのベクトル方程式(以下の式6)と見ると以下の、未知数sとuを求める連立方程式の解の公式ができあがります。
(注意)
以下の式で定義するベクトルaとb(連立方程式の縦方向の係数群)は、先の連立方程式を解くために用いたベクトルaとb(連立方程式の横方向の係数群)とは全く異なります。
連立方程式1と2をベクトルの視点で見ると、式6のベクトル方程式をあらわしていると見ることができます。
ここで、ベクトルaとベクトルbと、それらに垂直なベクトルが下図のように描けます。
ベクトルaに垂直なベクトルavと、ベクトルbに垂直なベクトルbvを以下の式7と8であらわす。
(9):ベクトルbvと式6の両辺の内積をとると、以下の式9が得られます。
(10):ベクトルavと式6の両辺の内積をとると、以下の式10が得られます。
ここで、これらのベクトルに関して以下の式11が成り立ちます。
結局、ベクトル方程式6であらわした連立方程式1と2の未知数sとuが、上の式9と式10で計算できる、
連立方程式の解の公式が導けました。
(注意)
ただし、式9及び式10の分母が0になる場合は、これらの式で連立方程式の解をあらわすことはできません。 その場合は、解が無いか、又は、分子も0になる場合に無数の解を持ちます。
リンク:
ベクトルの合成の公式と分解の公式と2元連立方程式の解
円の極の座標の解の変換
複素数平面が、円の2つの接線の交点問題を簡単にする
高校数学の目次
▽連立方程式の解の公式(その3)
【問1】
以下の連立方程式を解く。
(解答その1)
この連立方程式は、以下のように定義したベクトルの内積であらわすことができる。
この連立方程式を解くと以下の解が得られる。
ここで、以下のように、ベクトルaに垂直で長さがaに等しいベクトルavと、ベクトルbに垂直で長さがbに等しいベクトルbvを考える。
このベクトルavと、ベクトルbvを使って、式5と6の解をベクトルであらわす。
この式7が式3と式4を満足することは、以下の式の計算で確かめることができる。
このように、式7は、式3と4を満足する、連立方程式の解をあらわす。
(解答おわり)
(解答その2)
この問題は、ベクトルの分解の公式を使って解ける。
ベクトルの分解の公式は、以下の2つである。
このうちの公式K1に、式3と式4を代入すると式7が得られる。
(解答おわり)
【問2】
ここで、以下の式8から10を満足する連立方程式の解を変換する。
この連立方程式の解は式11になる。
この式11の解を変換する。
(式の変換の開始)
先ず、式10が成り立つので、以下の式12が成り立つ。
すなわち、ベクトルaとbの和のベクトルと、ベクトルaとbの差のベクトルの内積が0になり、それらのベクトルが互いに垂直である。
(これは、以下の図のひし形の対角線の直交の公式である)
ベクトルzを、互いに垂直なベクトルの要素に分解することは容易にできるので、以下でその作業を行う。
先ず、式11の第1項を、その両ベクトルの要素に分解してあらわす。
次に、同様にして、式11の第2項を、両ベクトルの要素に分解してあらわす。
そして、式11の第1項と第2項の和でベクトルzをあらわす。
(式の変換おわり)
(補足)
この式13は、以下のように考えると、納得できる。
(1)ベクトルavと、ベクトルbvは、それぞれ、ベクトルaとbを反時計回りに90度回転させたベクトルとして定義されている。
(2)そのため、式11のベクトルzは、ベクトルbvとベクトルavの差のベクトルに平行になり、
(3)それは、ベクトルbとベクトルaの差のベクトルに垂直である。
(4)そのベクトルbとaの差のベクトルは、ベクトルaとbの和のベクトルに垂直であり、
(5)結局、ベクトルzは、ベクトルaとベクトルbの和のベクトルに平行である。
【連立方程式の解の公式(その3)】
連立方程式自体を1つのベクトル方程式(以下の式6)と見ると以下の、未知数sとuを求める連立方程式の解の公式ができあがります。
(注意)
以下の式で定義するベクトルaとb(連立方程式の縦方向の係数群)は、先の連立方程式を解くために用いたベクトルaとb(連立方程式の横方向の係数群)とは全く異なります。
連立方程式1と2をベクトルの視点で見ると、式6のベクトル方程式をあらわしていると見ることができます。
ここで、ベクトルaとベクトルbと、それらに垂直なベクトルが下図のように描けます。
ベクトルaに垂直なベクトルavと、ベクトルbに垂直なベクトルbvを以下の式7と8であらわす。
(9):ベクトルbvと式6の両辺の内積をとると、以下の式9が得られます。
(10):ベクトルavと式6の両辺の内積をとると、以下の式10が得られます。
ここで、これらのベクトルに関して以下の式11が成り立ちます。
結局、ベクトル方程式6であらわした連立方程式1と2の未知数sとuが、上の式9と式10で計算できる、
連立方程式の解の公式が導けました。
(注意)
ただし、式9及び式10の分母が0になる場合は、これらの式で連立方程式の解をあらわすことはできません。 その場合は、解が無いか、又は、分子も0になる場合に無数の解を持ちます。
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ベクトルの合成の公式と分解の公式と2元連立方程式の解
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