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2018年6月17日日曜日

未知ベクトルとそれに垂直なベクトルを使うベクトル方程式

【問1】
上の三角形において、点B,Cの位置ベクトルを、B (1,0)と、C(0,√3)とする。
 ベクトルOZに関して図の角度の条件が成り立つ場合、すなわち、
∠OZC=∠OZB=120°
となる場合の、
位置ベクトルZを求めよ。

(解答の方針)
 この問題は、余弦定理等を使って解くことは困難ですが、複素数平面を使うと解けます。
複素数平面を使う解き方は、ここをクリックした先のページにあります。

 以下では、複素数平面を使う解き方の有効性をベクトル方程式にも持たせた形のベクトル方程式の作り方を参考に示します。
この問題を解くために作るベクトル方程式は、未知ベクトルZとそれに垂直なベクトルを使ったベクトル方程式を作ります。
 ただし、この解き方は、複素数平面を使う解き方に比べかなり複雑な解き方ですので、この解き方よりは複素数平面を使って解く解き方(未知数の1次式~2次式)の方がエレガントな解き方だと考えます。

ベクトルの回転変換の公式を使った解答(参考用)】
この図で、ベクトルZを左回りに90度回転したベクトルZを使います。
この問題を解くために、
ベクトルの回転変換の公式を使って、未知数sとtを使った以下の方程式11と式12を作ります。
式11と12を式15と式16に変形した。
以下のように式15と式16から、ベクトルZを消去した式を作りベクトルZを求める。
この式は、未知数sとtとx及びyの3次の式である。
この式からベクトルZを表わす式17を作る。
この式17でベクトルZが得られたので、そのベクトルZに垂直なベクトルZが以下の式18で得られる。
 この式17と式18をベクトル方程式16に代入して、未知数sとtだけを含む未知数の最大次数が2次のベクトル方程式19を作る。
それにより、未知数sとtを求めることができる。
式20と21を更に変形する。

t=0の場合は不適。
t≠0の場合を計算する。
以上で得たsとtを式17に代入して位置ベクトルZの座標を計算する。
(解答おわり)

(補足1)
 この解き方は、未知数を、ベクトルZの変数x,yと、未知数sとtとの4つの未知数を含む3次の方程式を解く解き方です。その3次の方程式を、変数x,yと未知数s、tを切り離して解を求めることで、問題を実質的には2次の方程式と同等な式として扱い、問題を解き易くしました。

(補足2)ベクトルを90度回転したベクトルの法則
ベクトルaを反時計回りに90度回転した単位ベクトルa=fを、
更に反時計回りに90度回転した単位ベクトルfは-aになる。
そのため、ベクトルの内積a・bを、

両ベクトルを一緒に反時計回りに90度回転して内積した値は同じ値になるが、
その関係は、以下の式であらわされる。
・b=-a・b


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