2018年6月13日水曜日

ベクトルの回転変換と三角関数の加法定理

 ベクトル計算は本質的に、余弦定理に関連する計算に向いています。正弦定理や円周角の定理で解ける問題は、ベクトル計算を使わないで、正弦定理や円周角の定理を使った図形問題として解く方がスムーズに解けます。回転変換についても、円周角の定理を使うのと同様に、正弦定理や円周角の定理を使った図形問題として解く方が良いです。

 正弦定理や円周角の定理で解ける問題がベクトルで解きにくいというベクトル計算の弱点(不自由さ)は、 ベクトル計算で問題を解かずに、XY座標軸を使って解き、その座標成分同士の関係を計算する自由な計算により改善できます。

【問】
 以下の図のように、
ベクトル(X,Y)を、左回りに角度θ回転させたベクトル(X’,Y’)の各座標をXとYであらわす座標の回転変換の公式を導け。

(解答)
 上図を見て導いた上式で、ベクトル(X,Y)を、左回りに角度θ回転させたベクト(X’,Y’)の座標をあらわすベクトルの回転変換の公式が得られた。
(解答おわり)

ここで、
(x,y)を(x’,y’)であらわす式と、
(x’,y’)を(x,y)であらわす式とは、
以下の式の様に、θの正負を逆にしただけの式であらわされる、
回転変換式の間の対の関係がありますので、覚えておきましょう。

 この回転変換の公式は常識として、素早く導き出せるようにしましょう。

 この回転変換の公式は、図を目の視線でたどって、
以下の様に場合分けした式の部分を素早く導き出せるようになりましょう。

すなわち、
上の図を思い描いて、図から、

X座標のみがある場合のY’座標が(sinθ)・Xであること。
Y座標のみがある場合のX’座標が(-sinθ)・Yであること。

を想像します。
すなわち、以下のような式を想像します。

 次に、それ以外は、係数がcosθの項を加えることで、
式1と式2の回転変換の式ができあがります。
式1と式2は、以下の式5の形のベクトルの合成の式にまとめられます。

(三角関数の加法定理)
ここで、ベクトル(X,Y)が既にX座標軸から角度アルファで回転していた場合を考えます。
その場合は、ベクトル(X’,Y’)は、それよりも更にθ回転していますので、式1と2は、以下の式6と7になります。
この式6と7によって、三角関数の2つの加法定理が導けました。

リンク:
複素数平面での座標回転を応用した例

ベクトルによる座標の回転変換の公式
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