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2020年2月11日火曜日

指数関数の合成関数の微分の公式

 高校2年の微分の授業で、対数微分を教えていない。
 そもそも、対数関数の微分を高校3年になってから数Ⅲでようやく教えている。
 しかし、対数微分を教えないと微分の重要な公式を導き出す(証明する)こともできない。証明していない公式を覚えさせて使わせるという、数学教育の崩壊に近いことも行われているようです。
 そういう不健全状態を改善するために、高校2年生も、対数微分を覚えるべきと考えます。

 対数微分法を使って、以下の、指数関数の合成関数の微分の公式を導きます。

【問題1】 
 以下の式1の、関数fの関数g乗である関数 h(x) を微分せよ。
ただし、f>0とする。

【解答】
関数 h(x) の対数をとる。
 この式2の両辺を微分する。
(対数関数の微分の公式を使う)

 この式を整理して関数 h(x) の微分の式を求める。
(指数関数の合成関数の微分の公式おわり)

(補足1)
この公式の第2項は、関数f(x)>x の場合で、g(x)=実数nの場合の、f(x)のn 乗の式の微分の公式をあらわす。

(補足2)
この公式の第1項は、以下の、f(x)=実数 a の場合の、aの g(x) 乗の式の微分の公式をあらわす。

(まとめ)
以上の補足1と補足2をまとめると、上記の指数関数の合成関数の微分の公式は、関数fかgの一方が定数の場合に、一方の項が消える形をした以下の形の公式:
 で覚えた方が覚えやすいと思います。
更には、大学1年生になると学ぶ、2変数関数の微分公式:
で覚える方が、もっと簡単だとも思います。
2変数関数の微分公式は、大学1年生向けの参考書:例えば:「やさしく学べる微分積分」(石村園子)などで学んでください。

(注意)
 なお、関数 h(x) がfのg乗であるからといって、
誤解した合成関数の微分の公式に従って、h(x)の微分を、
(fの(g-1)乗)×g×g'(x)
や、
(fの(g-1)乗)×g×f'(x)

であるという間違いをしないように注意してください。

合成関数の微分の公式は、変数xを完全に変数g(x)に置き換えて、その変数gによって、
h(x)=m(g)とあらわされる(関数m(g)の中に変数xが混在していない)場合に成り立つ公式です。
上の計算の誤りは、 
fのg乗=h(x)を、fを無視して良い関数m(g)だと誤解したところにあります。
その式は、以下の式に置き換えて考えるようにしてください。

fのg乗=h(x)が、変数xが混在していない、媒介変数gだけで表されている関数 m(g)に置き換えられた場合に合成関数の微分の公式を適用します。
そういう関数 m(g)が見つけられなければ、合成関数の微分の公式は使え無いのです。
(上の式の様に変換してしまえば、指数部分にxの全ての関数を押し込めたgが記述でき、簡単に微分計算ができます)
(厳密に言うと、関数m(g)が見つけられない場合は、2変数関数の微分公式を使うのです。) 
変数xが混在していない変数gだけの関数m(g)でh(x)が置き換えられた場合に、
dh(x)/dx=(dm(g)/dg) (dg/dx)
という式が成り立つというのが、
合成関数の微分の公式なのです。

(事例1)

(fのg乗)の関数が、変数fと定数aによって、
m(f)=fのa乗とあらわされる場合に、
合成関数の微分の公式を使って
dh(x)/dx=(fの(a-1)乗)(df/dx)
という計算ができます。

(事例2)

(fのg乗)の関数が、変数gと定数aによって、
m(g)=aのg乗とあらわされる場合に、
合成関数の微分の公式を使って
dh(x)/dx=(aのg乗)(log(a))(dg/dx)
という計算ができます。

上の事例1と事例2の様に合成関数の微分の公式が使える場合は、
関数fかgかの一方が定数である場合なのです。
(注意おわり) 


【問題2】 
以下の関数 h(x)を微分せよ。
ただし、x>0とする。

この問題の解答は、ここをクリックした先にあります。
この問題を自力で解いた後で、解答のページも見て下さい。
参考のために、合成関数の微分の公式を利用して解く解答も書きましたので、、、

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