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2013年7月28日日曜日

(5)複素数平面での円と直線の交点


http://schoolhmath.blogspot.jp/2016/04/blog-post_17.html
大学への数学(旧数B:複素数)の勉強 

【問1】
下図のように複素数平面に、原点を中心とする半径1の円がある。
そして、複素数平面に描いた直線上の点をあらわす複素数z=X+iYとあらわす(XとYは実数とする)とする場合に、直線上の点のXとYの関係がP1X+P2Y=1であらわされるものとする。
その直線とその円との交点BとCの点をあらわす複素数を求めよ。


【解1】
この直線は、実数のパラメータtを使って、上式(1)であらわせる。
(1)は以下の式(2)に変形できる。

この直線はパラメータtの係数の複素数のあらわすベクトルの方向に伸びる直線である。この直線は傾いているので、全図形を原点を中心にして回転させて形を整えて問題を解くことにする。
その回転をさせるには、以下の式で定義される絶対値が1の複素数wを複素数平面上の点をあらわす複素数zに掛け算することで図形を回転させることができる。

以下のようにwを掛け算して整えた図形で答えを求めたら、答えの点に(1/w)を掛け算して、点の位置を逆回転させればよい。
この直線の式(4)は実数パラメータtの係数が実数であるので、以下の図のように整った図形である。
この図形での直線と円との交点は以下の式のように求めることができる。
この答えに1/wを掛け算することで、図形を逆回転させて元の位置にもどすことができる。その1/wは以下の式であらわせる。
この1/wを式(7)(8)に掛け算することで元の回転位置での図形の交点の座標を与える式(10)と(11)を得る。
(解答おわり)

【解2】
(解答おわり)

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2013年7月27日土曜日

(5)複素数平面での円の極と極線



大学への数学(旧数B:複素数)の勉強 

【問1】
下図のように複素数平面に、原点を中心とする半径1の円がある。
複素数平面上の実数aであらわされる点aから、この円に接する接線を引いて、円と接する点をzとwとする。その接点zとwを結ぶ線(極aに対する極線と呼ぶ)がz=x+itであらわされるものとする。
(xは実数定数であり、tは実数の可変パラメータ)。
この場合に、極線が実軸と交わる点xの値を求めよ。


(解答)
原点を中心とする半径1の円の接点zとwはxを用いて以下の式であらわせる。

接点zにおいて接線AZと円の半径OZとが直交する条件は、実数のパラメータsを用いて以下の式(3)であらわせる。

1/z=wだから:
(6)に(2)を代入する。

(8)の実部と虚部それぞれが0になるので以下の式がなりたつ。


(9)を変形するとxを与える式が求まる。
(解答おわり)

【解2】
複素数のaで表された点aを通って半径1の円に接する直線の接点zを求める方程式が、以下の図の様に考えられる。
ここで、aを通り円に接する点zを表す式1は、ある直線上の点zの式であり、その直線の式と円の交点としてzが求められる。
そのため、式1の表す直線が、円と接する点zとwを結ぶ線(極aに対する極線と呼ぶ)である。
その直線の式から、以下の様にして、原点からその直線へ下した垂線の足xの位置を与える式が得られる。
(解答おわり)

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2013年7月21日日曜日

4次方程式の一般解



佐藤の数学教科書「式と証明・複素数」編の勉強
第6講 複素数平面

【問】

この4次方程式の一般解を解きたい。
(4)を(1)に代入して式を書き換える。

未知数Zを追加して解の自由度を増した式に書き換える。

未知数Zを定める方程式を1つ増して、解答に都合の良いように、(9)を満足させる以下の2つの式を定める。 
この2つの式が成り立つときは(9)が成り立つ。
ただし、(9)が成り立つ全ての解が上の2つの式から導かれる保障は無い事には気を付けておく。
(この懸念があるが、計算をすすめて、結局4次方程式の4つの解が全て得られた。
そのため、その結果から、上の2つの式は(9)が成り立つ全ての解を導くことができることが分かる。)
以下で、この2つの式のうち、先ず(11)を解く。

Zの3次方程式の解Zを以下の3つとする。
この3つの解は3次方程式の解の公式をエクセルの関数で定義してエクセルで解を自動計算して求める。

未知数Zの解αを(10)に代入して式を書き換える。
(19)(20)を解いてyの4つの解を得る。
その解は、2次方程式の解の公式をエクセルの関数で定義してエクセルで解を自動計算して求める。
それを(3)に代入してxの4つの解が得られる。


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(2b)複素数平面での正三角形の条件



大学への数学(旧数B:複素数)の勉強 

【公式】複素数平面上に書いた三角形が正三角形になる必要十分条件の公式

【考え方】
 複素数平面上の書いた2つのベクトルの間の角度とベクトルの長さの比をあらわす複素数wが以下の図のようにあらわせます。

ベクトルの始点が0で無い場合には、その複素数wは以下の図の式のようにあらわせます。
三角形の他の辺をあらわすベクトル間の角度と長さ比をあらわす複素数kは以下の図の式のようにあらわせます。

正三角では、三角形の辺をあらわすベクトル間の角度と長さ比をあらわす複素数wとkとが等しくなります。
そして、その逆に、複素数wとkが等しい場合には:


その三角形は3辺が等しくなるので、正三角形になります。
式w=kは、複素数平面上の点s,p,qを結ぶ三角形が正三角形になるための必要十分条件です。
その正三角形の条件式を変形して整理すると以下の式が得られます。


この式は、複素数平面上の点s,p,qを結ぶ三角形が正三角形になるための必要十分条件です。

(補足)
 なお、この式の形は、以下の式を因数分解した式の一部の形と同じであることに注意したい。


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2013年7月16日火曜日

3次方程式の一般解




佐藤の数学教科書「式と証明・複素数」編の勉強
第6講 複素数平面

【問】
この3次方程式の一般解を解きたい。

(この一般解にかかわる歴史)
 16世紀の中頃、イタリアでは問題を出して、解いて、討論する一種の公開討論会めいた数学の試合が流行しました。ここでは賞金が稼げるし、数学師としての評判をとれるのです。こんなこともあり、当時は数学者が”ある事実”を発見しても、すぐには公表しないというのが一般的でした。つまり、試合に勝った者が”ある事実”の優先権を確保することができたのです。
 さて、そんな数学の試合において、当時もっともよく出題されたのが「三次方程式を解きなさい。」という問題でした。
 タルタリアは努力家で独学で数学を身につけた、当代随一の数学者でした。タルタリアはフロリドとの試合のとき、密かにフロリドの秘蔵していた術を探索し、そこに自分の創意を加えた新しい方法をも身につけていたので、タルタリアは圧勝して三次方程式のチャンピオンになりました。当時の秘密主義の風習から、タルタリアは三次方程式の術を公表しなかったのですが、この試合のあとに彼のもとにその方法を教えて欲しいと申し入れる人が殺到しました。
 (悪徳で)有名であったジェロラモ・カルダノ(Gerolamo Cardano1501~1576)という人物がいました。カルダノはうるさいほどにタルタリアにつきまとい、だましたり、ときには脅したりして頼み込み、とにかく「絶対に他には公表しない」 と誓って、証明を教えず方法だけを教えてもらいました。ところが、カルダノは約束を破って自らの著書である『Ars Magna(大いなる術)』(1545)にこの術を掲載し出版してしまったのです。

 これにタルタリアが黙っているはずがありません。怒ったタルタリアは、カルダノの誓約違反を責めまくり、カルダノと試合をすることになったのですが、カルダノは逃げ、 弟子の若いロドヴィゴ・フェラリ(Lodovico Ferrari 1522~1565)を代役にたてました。 しかし、タルタリアは、不覚をとってフェラリに負けてしまったのです。というか、フェラリはのちに四次方程式の術(これも大いなる術に入っています)も会得するほどの実力者で、数学の才能についてはタルタリアやカルダノ以上であったといわれています。
 そんなわけで、これがのちに三次方程式の公式の別名として『カルダノの公式』と名付けられたのはいうまでもありません。四次方程式の一般解については『フェラリの公式』」となっています。

 それでは、以下で、タルタリアが解いて、カルダノが公表した『カルダノの公式』を見てみましょう。

(4)を(1)に代入して式を書き換える。
 この解は過去の数学者が大勢かかって何年も何年も解いてもわからなかった。
 この問題を解こうとする努力の中で、高次方程式の複素数解を求める方法の全ては知り尽くされた。
 そのため、以下の解説では、高校数学の、高次方程式の複素数解を求める一般的な技術は当たり前の知識だとして特に説明せずに、この問題の解き方の本質的な部分に的を絞って説明します。

この式を解くための(タルタリアの)天才的方法は:

として、未知数がy1つだったのを、sとtの2つの未知数に置き換えて、未知数を増す。
 この方法を発想した理由は、公式を盗作したカルダノの記述からは分からない。
その理由を理解するには、天才タルタリアやフェラリ、また、後世のガロア以上に数学を勉強することで、天才たちがこれを発想する心の内を理解できるようにならなければ理解できないと思う。
 式6によって、未知数の数を増した分、その2つの未知数を定めるために、従来は方程式(5)だけの1つだけだった方程式が2つ必要になる。
その2つの方程式は、問題を解くために好きに定めて良い。ただし、式(5)の条件は満足しなければならないが。
 結局、解答に都合の良いように2つの式を自由に定めて良くなったので、解答の自由度が増した。これが、式6を使う効果だと考える。
ただし、その2つの式が合わさって式(5)を満足させる条件は守らなければならないが。
 これから定める2つの式をうまく定めると、運が良ければ、その2つの式で、式(5)を満足させる全ての解が得られるが、この式6を試す最初の段階では、そのような完全性にはあまりこだわらず、とにかく式5に係る2つの方程式を定めて、1つでも良いから解を得てみるのが大事と考える。

(6)を(5)に代入する。 

解答に都合の良いように、 (8)を満足させる以下の2つの式を定める。 
この2つの式が成り立つときは(8)及び(5)も成り立つ。
ただし、(8)が成り立つ全ての解が上の2つの式から導かれる保障は無い事には気を付けておく。
(この懸念があるが、計算をすすめて、結局3次方程式の3つの解が全て得られた。
そのため、その結果から、上の2つの式は(8)が成り立つ全ての解を導くことができることが分かる。)
以下で、この2つの式を解く。

(9’)と(10’)の表現をもっと単純な式に書き換える。

(11)(12b)から、sとtを解とするzの2次方程式を考える。


√の中が負の場合は、この答えは複素数。
ここで(12)を満足するように2つの解を整える。
(12)を満足する。
(6)に(13)(14)を代入することで第1の解を得る。
(第1の解)

この解は実数解になる。二重根号の中の平方根の根号の式の中の値が負になる場合に根号が虚数になるが、
その場合も、sとtが互いに共役な複素数になり、
そのsとtの和が実数になる。

《簡易化した解の求め方》
 以上の手順を以下の手順に簡易化して把握できる。方程式(5')のyの解は式(15c)の形で求められる。それは、式(15b)が成り立つβを使うことである。式(15b)を満足するβが簡単には求めることができない場合は、式(15b)を変形した式(15a)を使ってβを求めれば良い。


(第2の解を以下のように求める)


(第3の解を以下のように求める)


これで、この3次方程式の3つの解(15)(18)(21)が全て求められた。

(解の判別)
 この3つの解の元になるsとtは、式(13)と(14)で与えられる。元の3次方程式(5)が実数係数の3次方程式の場合は、sとtがともに実数であるか、又は、sとtが互いに共役な複素数になる。sとtが互いに共役な複素数の場合は、式(15)(18)(21)で与えられる解は全て実数になる。sとtがともに実数である場合は、式(15)の解は実数解であるが、式(18)(21)で与えられる解は互いに共役な複素数解になる(その2つの解は、重解になる場合に(s=tの場合に)限って実数解になる)。

 結局、元の3次方程式の全ての解が実数になる条件は、sとtが共役な複素数になるか、s=tになる場合である。それは、式(12d)の根号の中が負になるか0になる場合であり、以下の式(22)の場合である。



 この解の公式は、以下の式で表した方が使い易いと思います。
このsとtには、互いに共役な複素数を使っても良い。
(解の公式おわり)

なぜなら、以下の計算を覚えて使えるからです。
(補足)このように、(x+y+z)の因数で分解できる事と、この式のy,zが、y→ωy,z→(ω^2)zと置き換えても元の式が変わらない事を利用して、(x+ωy+(ω^2)z)も因数だと分かる。それを利用して、因数分解する事もできる。その小手技以外の以下の計算でも因数分解できる。


 なお、上の解の公式で使った3次方程式は、その解の1つを有理数解にするように3次方程式を作る場合は、その解が整数解にならないようにしたら、その3次方程式の係数のどれかは整数で無い方程式になります。

sとtが共役な複素数であって3つの解が実数になる3次方程式の例とその解を以下に示す。

この場合は、

になり、

という3次方程式が対応する。
その解は、以下の式で与えられる。


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