【問題1】
以下の式を因数分解する:

この式は、以下のたすき掛けの方法で因数分解できます。

上の図の右端の列の(3x)と(4x)を足すと、最初の式
のxの1次の項(7x)になります。
こうして、
f=(2x+3)(x+2),
に因数分解できました。
(例1)以下のように因数分解します。

〘係数(定数)を積に分割するコツ(その1)〙2つの項の和を-17にするのが目標。-17が2の倍数ではないので和を求める各項は、両者が一緒に2の倍数にはならない。
そのため、2次式の定数(ー60)を積に分割する際に、2の倍数と2の倍数との積にはしない。例えば、(-10)×(6)という積に分割しない。(ー30)×(2)という積に分割しない。
(例2)以下のように因数分解します。

〘係数(定数)を積に分割するコツ(その2)〙2つの項の和を9にするのが目標。9が3の倍数なので和を求める2つの項は、両者が一緒に3の倍数である。
そのため、2次式の定数(18)を積に分割するとき、両者が一緒に3の倍数である場合:
18=3×6
だけが有効な分割である。
(例3)以下のように因数分解します。

2つの項の和を15にするのが目標。15が3の倍数なので和を求める2つの項は、両者が一緒に3の倍数である。
そのため、2次式の定数(18)を積に分割するとき、両者が一緒に3の倍数である場合:
18=3×6
だけが有効な分割である。
〘積に分割した数を嚙み合わせるコツ〙この因数分解をする際に、かけて18の定数になる組合せは3と6。かけて2になる係数の組合せは1と2。両者の嚙み合わせをチェックするとき、以下の図のような(嚙み合わせのたすき掛け位置の数同士に公約数がある)ものはチェックしないで良い。

もし、1つのカッコでくくられる2項に公約数がある場合には、因数分解をする前に、以下のように式を変形して公約数をくくり出した式を因数分解するようにしている。

公約数をくくり出した式を因数の積に分けた各因数の中の数には(既にくくり出された)公約数が無いから、噛み合わせのたすき掛けの位置の数同士には公約数が無いからである。
(例4)以下のように因数分解します。

2つの項の和を-67にするのが目標。-67が2の倍数ではないので和を求める2つの項は、両者が一緒に2の倍数にはならない。両者が一緒に3の倍数にもならない。
そのため、2次式の定数(180)を積に分割する際に、2の倍数同士の積にはしない。3の倍数同士の積にもしない。
180=(-20)×(-9),
180=(-45)×(-4),
という2つの分割のみが有効である。
〔分割した数の噛み合わせに注意する〕
xの二乗の係数の6の積への分割については、
6=(1)×(6)
6=(2)×(3)
という2つの分割のみが有効である。
係数6=(2)×(3)という積の分割と、定数180=(-20)×(ー9)という積の分割を噛み合わせるときに、たすき掛けの位置の数同士に公約数が生じないように注意して嚙合わせる。
6=(2)×(3)の順の積の分割に、180=(-20)×(-9)の順の積の分割を嚙み合わせるのが良い。
6=(2)×(3)の順の積の分割に、180=(-9)×(-20)の順の積の分割を嚙み合わせると、たすき掛けの位置の数同士に、公約数の2や3が表れてしまうので、その順の積の分割は噛み合わせない。
《例4の、たすき掛けの手順の別解》
例4の上記の表において、xの係数の-67を足して求めるための上記の表の真ん中の2つ数、-40と-27との積は必ず、xの2乗の係数の6と、定数項180との積(6×180)に等しい。
そのため、上図の表のように、以下の手順で計算する。
(第1の処理)
その積(6×180)を、=(-40)×(-27)という積に分割して、足してー67になる積の分割を求める。
▷(ただし、足してー67にする積の分割は、その和がー67のときは、ともに2の倍数にもならず3の倍数にもならないので、積の分割の一方の数を27の倍数にしてもう一方の数が3の倍数にならないようにして、数の選定作業を節約する)。
そのように積を分割した2つの数(ー40)と(-27)を、上図のたすき掛けの計算表の真ん中に書き込む。
(第2の処理)
表の真ん中がそれらの2つの数になるように、定数の180=(-20)×(-9)を分割し、xの2乗の係数の6=(2)×(3)を分割し、嚙み合わせて上記の表に書き込む。この手順で上記のたすき掛けの表を完成させても良い。
(例5)以下のように因数分解します。

〔分割した数の噛み合わせに注意する〕
係数(3a)=(3)×(a)の順の積の分割に、定数(-2a)=(2)×(-a)の順の積の分割を噛み合わせるのが良い。
係数(3a)=(3)×(a)の順の積の分割に、定数(-2a)=(-a)×(2)の順の積の分割を噛み合わせると、たすき掛けの位置の数同士に、公約数の(a)が表れてしまうので、その順の積の分割は噛み合わせない。
(例6)以下のように因数分解します。

(例7)以下のように因数分解します。
2つの項の和を89にするのが目標。
項の和が89になるには、各項が一緒に2の倍数にはならない。各項が一緒に5の倍数にはならない。そのため、用いることができるのは:
かけて75になる組み合わせは、1と75、3と25の2つだけ、
かけて164になる組み合わせは、1と164、4と41の2つだけです。
その組合せの中から、2項の和がちょうど89になる組合せを選ぶだけです。

扱う数が大きな数というだけで、通常のたすき掛けの問題を解くのと同じようにして解けました。
《例7の別解》例4の別解と同様な解き方

xの2乗の係数の75と、定数項(-164)との積を、2つの数の積に分解して、その2つの数の和がxの係数の89になるようにする。
▷積に分解した数の和が89になるには、各数が一緒に2の倍数にはならない。各数が一緒に5の倍数にはならない。
そうなる数の組み合わせは、123と(-100)、164と(-75)、1025と(ー12)、などの8組しかない。そのうち、2つの数の和がちょうど89になる組合せは、164と(-75)です。
この組合せが求められたので、75の積への分割の2つの数と、(-164)の積への分割の2つの数と、を嚙合わせて164と(-75)が得られるように各項の積の分割を定める。
(例8)例4の別解と同様な解き方

xの2乗の係数の12と、定数項(-5)との積を、2つの数の積に分解して、
その2つの数の和がxの係数の(-4)になるのが目標。
▷目標の(-4)が2の倍数なので、積に分解した2つの数の和が2の倍数の目標になるには、その2つの数が一緒に2の倍数になる。
そうなる2つの数の組合せは、2と(-30)、6と(-10)、の2組しかない。そのうち、2つの数の和がちょうど(-4)になるのは、6と(-10)の場合である。
この2つの数(6と(-10))が求められたので、
この2つの数を、xの2乗の係数の12の因数と、定数項(-5)の因数と、の積であらわす。
すなわち、
6=6×1、
とする式の右辺の6に、xの2乗の係数(12)の因数6を用い、右辺の1に、定数項(-5)の因数1を用いる。
また、
ー10=2×(-5)
とする式の右辺の2に、xの2乗の係数(12)の残りの因数2を用い、右辺の(-5)に、定数項(-5)の残りの因数(-5)を用いる。
そのように、それらの因数を分割して嚙合わせて目標の6と(-10)を得る。
その因数の噛み合わせをたすき掛けして、
(6x-5)(2x+1)
という因数分解の式が求まる。
(例9)以下の数式は因数分解できない

(例4の因数分解の、たすき掛け以外の方法)


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以下の式を因数分解する:
この式は、以下のたすき掛けの方法で因数分解できます。
上の図の右端の列の(3x)と(4x)を足すと、最初の式

のxの1次の項(7x)になります。
こうして、
f=(2x+3)(x+2),
に因数分解できました。
(例1)以下のように因数分解します。

〘係数(定数)を積に分割するコツ(その1)〙2つの項の和を-17にするのが目標。-17が2の倍数ではないので和を求める各項は、両者が一緒に2の倍数にはならない。
そのため、2次式の定数(ー60)を積に分割する際に、2の倍数と2の倍数との積にはしない。例えば、(-10)×(6)という積に分割しない。(ー30)×(2)という積に分割しない。
(例2)以下のように因数分解します。

〘係数(定数)を積に分割するコツ(その2)〙2つの項の和を9にするのが目標。9が3の倍数なので和を求める2つの項は、両者が一緒に3の倍数である。
そのため、2次式の定数(18)を積に分割するとき、両者が一緒に3の倍数である場合:
18=3×6
だけが有効な分割である。
(例3)以下のように因数分解します。

2つの項の和を15にするのが目標。15が3の倍数なので和を求める2つの項は、両者が一緒に3の倍数である。
そのため、2次式の定数(18)を積に分割するとき、両者が一緒に3の倍数である場合:
18=3×6
だけが有効な分割である。
〘積に分割した数を嚙み合わせるコツ〙この因数分解をする際に、かけて18の定数になる組合せは3と6。かけて2になる係数の組合せは1と2。両者の嚙み合わせをチェックするとき、以下の図のような(嚙み合わせのたすき掛け位置の数同士に公約数がある)ものはチェックしないで良い。

もし、1つのカッコでくくられる2項に公約数がある場合には、因数分解をする前に、以下のように式を変形して公約数をくくり出した式を因数分解するようにしている。

公約数をくくり出した式を因数の積に分けた各因数の中の数には(既にくくり出された)公約数が無いから、噛み合わせのたすき掛けの位置の数同士には公約数が無いからである。
(例4)以下のように因数分解します。

2つの項の和を-67にするのが目標。-67が2の倍数ではないので和を求める2つの項は、両者が一緒に2の倍数にはならない。両者が一緒に3の倍数にもならない。
そのため、2次式の定数(180)を積に分割する際に、2の倍数同士の積にはしない。3の倍数同士の積にもしない。
180=(-20)×(-9),
180=(-45)×(-4),
という2つの分割のみが有効である。
〔分割した数の噛み合わせに注意する〕
xの二乗の係数の6の積への分割については、
6=(1)×(6)
6=(2)×(3)
という2つの分割のみが有効である。
係数6=(2)×(3)という積の分割と、定数180=(-20)×(ー9)という積の分割を噛み合わせるときに、たすき掛けの位置の数同士に公約数が生じないように注意して嚙合わせる。
6=(2)×(3)の順の積の分割に、180=(-20)×(-9)の順の積の分割を嚙み合わせるのが良い。
6=(2)×(3)の順の積の分割に、180=(-9)×(-20)の順の積の分割を嚙み合わせると、たすき掛けの位置の数同士に、公約数の2や3が表れてしまうので、その順の積の分割は噛み合わせない。
《例4の、たすき掛けの手順の別解》
例4の上記の表において、xの係数の-67を足して求めるための上記の表の真ん中の2つ数、-40と-27との積は必ず、xの2乗の係数の6と、定数項180との積(6×180)に等しい。

そのため、上図の表のように、以下の手順で計算する。
(第1の処理)
その積(6×180)を、=(-40)×(-27)という積に分割して、足してー67になる積の分割を求める。
▷(ただし、足してー67にする積の分割は、その和がー67のときは、ともに2の倍数にもならず3の倍数にもならないので、積の分割の一方の数を27の倍数にしてもう一方の数が3の倍数にならないようにして、数の選定作業を節約する)。
そのように積を分割した2つの数(ー40)と(-27)を、上図のたすき掛けの計算表の真ん中に書き込む。
(第2の処理)
表の真ん中がそれらの2つの数になるように、定数の180=(-20)×(-9)を分割し、xの2乗の係数の6=(2)×(3)を分割し、嚙み合わせて上記の表に書き込む。この手順で上記のたすき掛けの表を完成させても良い。
(例5)以下のように因数分解します。

〔分割した数の噛み合わせに注意する〕
係数(3a)=(3)×(a)の順の積の分割に、定数(-2a)=(2)×(-a)の順の積の分割を噛み合わせるのが良い。
係数(3a)=(3)×(a)の順の積の分割に、定数(-2a)=(-a)×(2)の順の積の分割を噛み合わせると、たすき掛けの位置の数同士に、公約数の(a)が表れてしまうので、その順の積の分割は噛み合わせない。
(例6)以下のように因数分解します。

(例7)以下のように因数分解します。

2つの項の和を89にするのが目標。
項の和が89になるには、各項が一緒に2の倍数にはならない。各項が一緒に5の倍数にはならない。そのため、用いることができるのは:
かけて75になる組み合わせは、1と75、3と25の2つだけ、
かけて164になる組み合わせは、1と164、4と41の2つだけです。
その組合せの中から、2項の和がちょうど89になる組合せを選ぶだけです。

扱う数が大きな数というだけで、通常のたすき掛けの問題を解くのと同じようにして解けました。
《例7の別解》例4の別解と同様な解き方

xの2乗の係数の75と、定数項(-164)との積を、2つの数の積に分解して、その2つの数の和がxの係数の89になるようにする。
▷積に分解した数の和が89になるには、各数が一緒に2の倍数にはならない。各数が一緒に5の倍数にはならない。
そうなる数の組み合わせは、123と(-100)、164と(-75)、1025と(ー12)、などの8組しかない。そのうち、2つの数の和がちょうど89になる組合せは、164と(-75)です。
この組合せが求められたので、75の積への分割の2つの数と、(-164)の積への分割の2つの数と、を嚙合わせて164と(-75)が得られるように各項の積の分割を定める。
(例8)例4の別解と同様な解き方

xの2乗の係数の12と、定数項(-5)との積を、2つの数の積に分解して、
その2つの数の和がxの係数の(-4)になるのが目標。
▷目標の(-4)が2の倍数なので、積に分解した2つの数の和が2の倍数の目標になるには、その2つの数が一緒に2の倍数になる。
そうなる2つの数の組合せは、2と(-30)、6と(-10)、の2組しかない。そのうち、2つの数の和がちょうど(-4)になるのは、6と(-10)の場合である。
この2つの数(6と(-10))が求められたので、
この2つの数を、xの2乗の係数の12の因数と、定数項(-5)の因数と、の積であらわす。
すなわち、
6=6×1、
とする式の右辺の6に、xの2乗の係数(12)の因数6を用い、右辺の1に、定数項(-5)の因数1を用いる。
また、
ー10=2×(-5)
とする式の右辺の2に、xの2乗の係数(12)の残りの因数2を用い、右辺の(-5)に、定数項(-5)の残りの因数(-5)を用いる。
そのように、それらの因数を分割して嚙合わせて目標の6と(-10)を得る。
その因数の噛み合わせをたすき掛けして、
(6x-5)(2x+1)
という因数分解の式が求まる。
(例9)以下の数式は因数分解できない

(例4の因数分解の、たすき掛け以外の方法)


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