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2023年10月15日日曜日

関数と区間と定義域

  高校では、中学で学んで来た関数の概念を広くした関数を学びます。

《1.1 関数の定義(definition of function)》
 2 つの集合の間の関係を決める規則を関数といいます.ここでは,実数の集合を考えます.
Rを実数全体の集合とします.
ある実数の集合D に属する各数x に対して,実数y が1 つ定まるような規則 f を、
D からR への1 価関数(single-valued function),または、1変数(の1価)関数、または単に関数といいます.

ある実数 x の集合Dを定義域と呼びます。
すなわち、関数f(x)は、定義域(ある実数 x の集合)Dと組み合わされて定義されています。

ある実数 x の集合Dの要素の実数 x はどの数を選んでも良いです。その集合Dの要素の選び方の違いによって違う関数が定義されます。

そのように、中学生のときから教わって来た「定義域」という言葉の定義が、高校以上の数学では、所定の区間を指すだけではない、区間内の数の集合の様々な部分集合を定義域Dにできるように変わりました。

変数xの数直線の中の自然数だけの集合の定義域Dもあります。

中学で教わって来た関数の定義域Dは、数直線上の区間だったと思います。

ーー【区間の定義】ーー
「区間」という数学用語は、変数xの数直線上の「一繋がり(ひとつながり)」になった範囲内の、実数のすき間がない1つながりの実数の集合をあらわす数学用語である。
《神奈川大学》【定義 14.2.4.】
 a, b を実数とする. a 以上かつ b 以下の実数をすべて集めた集合を [a, b] と書き, これを閉区 間と呼ぶ.
 a より大きくかつ b 未満の実数をすべて集めた集合を (a, b) と書き, これを開区間と呼ぶ.
----定義おわり----


a≦x≦bを満足するxの区間という表現は、a≦x≦bの範囲内の全ての実数xという意味です。
-∞<x<∞という区間もあります。
区間はxの値の範囲を限定するためのa≦x≦bという式とは意味が異なることに注意する必要があります。
 変数xの「区間」の性質で大切なのは、
「区間」のなかに変数xの値が隙間なく存在すること。
つまり所定範囲内での隙間が無い全ての実数の集合という概念が「区間」という用語で定義されています。

「区間」という概念は、「その範囲内の全ての実数」という意味です。
そのため、「範囲」a<x<b という概念と「区間」とは異なる概念です。

「範囲」という数学用語は、
「範囲」a<x<b という表現は、xがaより大きくbより小さいという、xが定まる限界を定めるものであり、それが変数xの「範囲」です。
a<x<b
という表現が「範囲」を意味している。

範囲で指定された数の集合であって、その範囲内においてすき間が無い全ての実数の集合という意味を込めた概念が「区間」です。

関数の「定義域」の決め方の自由度がとても大きいです。
その大きい自由度のうちの1つとして、
a<x<b の区間を定義域にする関数、
という関数の定義域の決め方があります。
区間を定義域にすることは、xは、その範囲内の全ての実数に対して関数値f(x)が定められる規則を関数f(x)とすることです。

定義域を自然数nとした関数f(n)は、
区間を定義域にしないで、
nが自然数のときにだけ関数値f(n)が定められる規則を関数f(n)とした関数です。

(関数の例1)
自然数の関数f(n)を考えます。
1≦n≦1000,
f(n)=2n,
という関数があります。

(関数の例2)
1≦n≦5
f(1)=1,
f(2)=4,
f(3)=2,
f(4)=10,
f(5)=8,
というのも関数です。
1≦n≦5の範囲内の自然数の集合に対して、f(n)を何にするかの規則が定められているからです。

 そのように高校数学では、関数の概念を広くした結果、変数xに対応する関数値を定義する変数xの集合の範囲(変数xを想定する範囲)を明確化する(変数xの「定義域」を指定する)必要が生まれました。

《定義域が異なる関数は、異なる関数》
 そのように、関数は変数xの定義域の各変数値に対して関数値f(x)を対応付けさせる関係の事です。f(x)をxで演算する演算が同じであっても、定義域が異なれば異なる関数です。そのため、関数の変数xの定義域の数だけ関数が作れる事になります。


また、関数 f の値の集合を「値域」と呼びます。


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