やさしい微分積分
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〔微分積分の目次〕
《連続関数》
微分積分の命綱を握っているのが連続関数の概念です。
【1つながりに連続する関数】
微分積分で扱う関数は、均質な基本的な要素の関数を単位にして考える。具体的には、1つながりに連続する関数を単位にして考える。その1つながりに連続する関数が、正しく定義された連続関数である。 連続関数は、グラフが途切れることなくつながっている関数です。
〔連続関数の定義の役割〕
連続関数とは、第1の条件として、関数の定義域が連結していること、第2の条件として、定義域の点毎に関数f(x) の値域が連結していること。その2つの条件が成り立ちグラフが1つながりに連結している関数f(x) をどのように表すかが連続関数の定義の役割である。
【区間とは】
関数のグラフが途切れる、すなわグラフがちちぎれる場合は、下図のように、関数 f(x) のy=f(x) のグラフのy軸の方向にすき間を空けてちぎれる場合と、

下図のように、変数xのx軸の方向にすき間を空けてちぎれる場合と

の2通りのちぎれ方がある。
区間とは、x軸上で実数がすき間なくつまって連結しているx軸上の領域を区間と呼ぶ。
上図の2通りのちぎれ方をともに判定できるようにするために、x軸の数直線上の実数がすき間なくつまった区間内の点毎に、ちぎれているか、連続であるかを把握する。
区間内の点とはx軸の数直線上の点である。
《実数の連続性》
実数には連続性がある。有理数には連続性が無い。
実数の連続性とは、連続性の公理を満足することである。連続性の公理とは、
「実数の部分集合のうち、上に有界かつ空でないものは、必ず最小上界(上限)を持つ(連続性の公理)」
というものである。
この連続性の公理を満足する数の集合(実数)では、例えば、以下の図の規則によってx=1から、x=2、次にx=3/2 というように有理数の値を変えてくと、限りなく近づく先の数が実数の中にある。

しかし、連続性の公理を満足しない数の集合(有理数)の場合では、限りなく近づける先の数がその数の集合(有理数)の中に無い。その場合には、「限りなく近づける」先は、有理数以外の実数(無理数)であると定義されている。実数の集合で考えるならば、限りなく近づける先の数も実数の集合の中にある。
この実数の連続性公理が微分積分の概念の出発点になっている。
連続関数の定義は、1817年にBolzanoが中間値の定理を証明する前提条件に定義した連続関数の定義により、歴史上初めて連続関数が正しく定義された(その定義は関数の連続性を区間で定義するものである)。
日本の大学数学では、1817年にBolzanoが定義した連続関数を、「区間で連続な関数」と呼んでいる。
関数の連続性に係る定理には、必ず「区間で連続な関数」という言葉が使われる。
関数f(x)の連続性は、x軸でのxの点毎に、各点の近傍に微小区間(xの点が連結している領域)を定めてその微小区間で関数の連続性を判定する。
更に、x軸での所定の幅の広がりがある区間において、その区間内の全ての実数のxの点で関数f(x)が連続である場合に、その区間で定義された関数f(x)が連続関数であるという。
下図の3つの区間で定義された3つの関数F1(x), F2(x), F3(x)が3つの連続関数です。
1つながりのグラフが1つの連続関数です。
【区間の定義】
「区間」という数学用語は、変数xの数直線上の1つの範囲内の、実数のすき間がなく連結している1かたまりの数の集合をあらわす数学用語である。「隙間が無い」大前提のために、連続性の公理を満足する実数の集合でなければならない。
a, b を実数とする. a≦x≦b の実数xをすべて集めた集合を [a, b] と書き, これを閉区間と呼ぶ.
a<x<b の実数xをすべて集めた集合を (a, b) と書き, これを開区間と呼ぶ.
変数xの「区間」の大切な特徴は、「区間」は、所定の1かたまりのxの範囲内での隙間が無い全ての実数の集合が「区間」である。
【連続でない点】
y=f(x) ≡ 1/xは、x=0でグラフが途切れた関数です。
関数の連続性は、x軸上の点毎に判定する。x軸上のx=0という点が存在します。その点で f(x) の値が無いので、x=0の点では関数 f(x) は連続ではない。x=0の点は、関数 f(x) が「連続でない点」と呼ぶ。
連続関数とは、関数の定義域が実数の区間で連結していて、
その連結区間の点毎に関数の値域が連結することで、関数のグラフが1つながりに連結している関数の事である。
《連続関数の定義域の指定》
連続関数は、関数の定義域が連結するために、所定の区間とセットにして定義されます。
上図の y=f(x) であらわされたグラフは、X=0とX=2で不連続ですが、
0≦x≦2の閉区間 [0,2] で定義された関数 f(x) は連続関数です。
高校数学で学ぶ初等関数はすべて、区間の端点以外には関数が連続でない点が存在しない区間を選び、その区間とセットにして区間で連続な関数が作れます。
例えば、

は、2つの区間(-∞,2)、(2,∞)で連続である。すなわち、2つの「区間で連続な関数」が作れます。
その個別の「区間で連続な関数」を単位にして微分積分を考えます。
このサイトでは、以降では、1817年にBolzanoが正しく定義した連続関数を、誤って定義された連続関数と区別するために、「区間で連続な関数」と呼ぶ。
(補足1)
高校数学の数Ⅲの教科書「数学Ⅲ Advanced」(東京書籍)では、1817年にBolzanoが正しく定義した連続関数を、以下のように正しく定義している。
「関数f(x) がある区間Iに属するすべての値xで連続であるとき、f(x) は区間Iで連続である。」
(補足2)
大学数学で登場する現代数学の位相空間論が定義する連続性を持つ連続関数f(x) では、実数の区間に限定されない(例えば有理数を定義域とする)関数f(x) の、点aでの連続性が位相空間論で定義される。しかし、その関数f(x) は、積分可能ではない。また、その関数f(x) は、〔連続関数の定義の役割〕の第1の条件を満足していないから、千切れている。そういう現代数学の位相空間論の連続関数を学ぶ以前に、微分積分の基礎知識として、古典的微分積分学の連続関数(区間で連続な関数)の概念をしっかり学んでおく必要がある。
区間で連続な関数の性質を、位相空間論では、「位相空間論の連続関数(千切れていても良い)」の性質と、「(定義域が)連結する関数」の性質、という2つの要素に分けて解析している。その位相空間論を理解する以前の基礎知識として、区間で連続な関数(千切れていない関数)の概念を学んでおく必要がある。
大学数学で学ぶ位相空間論の微分積分を学ぶには、
「嶺幸太郎 著「微分積分学の試練」」を学ぶと良い。
最近の大学数学の微分積分の講義は、微分積分を0から学び始めた初心者向けの古典的な(基礎的な)微分積分の概念は教えなくなっているようです。「微分積分の概念の正しい基礎は高校数学で学んで来たハズだから、大学では現代数学の微分積分を教える」という大学の数学の講義の方針があるように思います。しかし、古典的な(基礎的な)微分積分の概念を知らずして現代数学の微分積分は理解できないと思います。そういう状況なので、高校数学を学ぶ中で、古典的な(基礎的な)微分積分の概念を自力でしっかり学ぶしかないようです。
リンク:
関数が連続であるとは
やさしい微分積分
連続関数の定義
連続性公理と実数を定義する3つの方法 (初学者向けの話)
関数の極限の定義
実数はどう定義される?|実数の連続性公理から理解する
コンパクトであれば有界な閉区間である
高校数学の目次
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《連続関数》
微分積分の命綱を握っているのが連続関数の概念です。
【1つながりに連続する関数】
微分積分で扱う関数は、均質な基本的な要素の関数を単位にして考える。具体的には、1つながりに連続する関数を単位にして考える。その1つながりに連続する関数が、正しく定義された連続関数である。 連続関数は、グラフが途切れることなくつながっている関数です。
〔連続関数の定義の役割〕
連続関数とは、第1の条件として、関数の定義域が連結していること、第2の条件として、定義域の点毎に関数f(x) の値域が連結していること。その2つの条件が成り立ちグラフが1つながりに連結している関数f(x) をどのように表すかが連続関数の定義の役割である。
【区間とは】
関数のグラフが途切れる、すなわグラフがちちぎれる場合は、下図のように、関数 f(x) のy=f(x) のグラフのy軸の方向にすき間を空けてちぎれる場合と、

下図のように、変数xのx軸の方向にすき間を空けてちぎれる場合と

の2通りのちぎれ方がある。
区間とは、x軸上で実数がすき間なくつまって連結しているx軸上の領域を区間と呼ぶ。
上図の2通りのちぎれ方をともに判定できるようにするために、x軸の数直線上の実数がすき間なくつまった区間内の点毎に、ちぎれているか、連続であるかを把握する。
区間内の点とはx軸の数直線上の点である。
《実数の連続性》
実数には連続性がある。有理数には連続性が無い。
実数の連続性とは、連続性の公理を満足することである。連続性の公理とは、
「実数の部分集合のうち、上に有界かつ空でないものは、必ず最小上界(上限)を持つ(連続性の公理)」
というものである。
この連続性の公理を満足する数の集合(実数)では、例えば、以下の図の規則によってx=1から、x=2、次にx=3/2 というように有理数の値を変えてくと、限りなく近づく先の数が実数の中にある。

しかし、連続性の公理を満足しない数の集合(有理数)の場合では、限りなく近づける先の数がその数の集合(有理数)の中に無い。その場合には、「限りなく近づける」先は、有理数以外の実数(無理数)であると定義されている。実数の集合で考えるならば、限りなく近づける先の数も実数の集合の中にある。
この実数の連続性公理が微分積分の概念の出発点になっている。
連続関数の定義は、1817年にBolzanoが中間値の定理を証明する前提条件に定義した連続関数の定義により、歴史上初めて連続関数が正しく定義された(その定義は関数の連続性を区間で定義するものである)。
日本の大学数学では、1817年にBolzanoが定義した連続関数を、「区間で連続な関数」と呼んでいる。
関数の連続性に係る定理には、必ず「区間で連続な関数」という言葉が使われる。
関数f(x)の連続性は、x軸でのxの点毎に、各点の近傍に微小区間(xの点が連結している領域)を定めてその微小区間で関数の連続性を判定する。
更に、x軸での所定の幅の広がりがある区間において、その区間内の全ての実数のxの点で関数f(x)が連続である場合に、その区間で定義された関数f(x)が連続関数であるという。
下図の3つの区間で定義された3つの関数F1(x), F2(x), F3(x)が3つの連続関数です。
1つながりのグラフが1つの連続関数です。
【区間の定義】
「区間」という数学用語は、変数xの数直線上の1つの範囲内の、実数のすき間がなく連結している1かたまりの数の集合をあらわす数学用語である。「隙間が無い」大前提のために、連続性の公理を満足する実数の集合でなければならない。
a, b を実数とする. a≦x≦b の実数xをすべて集めた集合を [a, b] と書き, これを閉区間と呼ぶ.
a<x<b の実数xをすべて集めた集合を (a, b) と書き, これを開区間と呼ぶ.
変数xの「区間」の大切な特徴は、「区間」は、所定の1かたまりのxの範囲内での隙間が無い全ての実数の集合が「区間」である。
【連続でない点】
y=f(x) ≡ 1/xは、x=0でグラフが途切れた関数です。
関数の連続性は、x軸上の点毎に判定する。x軸上のx=0という点が存在します。その点で f(x) の値が無いので、x=0の点では関数 f(x) は連続ではない。x=0の点は、関数 f(x) が「連続でない点」と呼ぶ。
連続関数とは、関数の定義域が実数の区間で連結していて、
その連結区間の点毎に関数の値域が連結することで、関数のグラフが1つながりに連結している関数の事である。
《連続関数の定義域の指定》
連続関数は、関数の定義域が連結するために、所定の区間とセットにして定義されます。
上図の y=f(x) であらわされたグラフは、X=0とX=2で不連続ですが、
0≦x≦2の閉区間 [0,2] で定義された関数 f(x) は連続関数です。
高校数学で学ぶ初等関数はすべて、区間の端点以外には関数が連続でない点が存在しない区間を選び、その区間とセットにして区間で連続な関数が作れます。
例えば、

は、2つの区間(-∞,2)、(2,∞)で連続である。すなわち、2つの「区間で連続な関数」が作れます。
その個別の「区間で連続な関数」を単位にして微分積分を考えます。
このサイトでは、以降では、1817年にBolzanoが正しく定義した連続関数を、誤って定義された連続関数と区別するために、「区間で連続な関数」と呼ぶ。
(補足1)
高校数学の数Ⅲの教科書「数学Ⅲ Advanced」(東京書籍)では、1817年にBolzanoが正しく定義した連続関数を、以下のように正しく定義している。
「関数f(x) がある区間Iに属するすべての値xで連続であるとき、f(x) は区間Iで連続である。」
(補足2)
大学数学で登場する現代数学の位相空間論が定義する連続性を持つ連続関数f(x) では、実数の区間に限定されない(例えば有理数を定義域とする)関数f(x) の、点aでの連続性が位相空間論で定義される。しかし、その関数f(x) は、積分可能ではない。また、その関数f(x) は、〔連続関数の定義の役割〕の第1の条件を満足していないから、千切れている。そういう現代数学の位相空間論の連続関数を学ぶ以前に、微分積分の基礎知識として、古典的微分積分学の連続関数(区間で連続な関数)の概念をしっかり学んでおく必要がある。
区間で連続な関数の性質を、位相空間論では、「位相空間論の連続関数(千切れていても良い)」の性質と、「(定義域が)連結する関数」の性質、という2つの要素に分けて解析している。その位相空間論を理解する以前の基礎知識として、区間で連続な関数(千切れていない関数)の概念を学んでおく必要がある。
大学数学で学ぶ位相空間論の微分積分を学ぶには、
「嶺幸太郎 著「微分積分学の試練」」を学ぶと良い。
最近の大学数学の微分積分の講義は、微分積分を0から学び始めた初心者向けの古典的な(基礎的な)微分積分の概念は教えなくなっているようです。「微分積分の概念の正しい基礎は高校数学で学んで来たハズだから、大学では現代数学の微分積分を教える」という大学の数学の講義の方針があるように思います。しかし、古典的な(基礎的な)微分積分の概念を知らずして現代数学の微分積分は理解できないと思います。そういう状況なので、高校数学を学ぶ中で、古典的な(基礎的な)微分積分の概念を自力でしっかり学ぶしかないようです。
リンク:
関数が連続であるとは
やさしい微分積分
連続関数の定義
連続性公理と実数を定義する3つの方法 (初学者向けの話)
関数の極限の定義
実数はどう定義される?|実数の連続性公理から理解する
コンパクトであれば有界な閉区間である
高校数学の目次
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