2011年11月20日日曜日

(1)1の三乗根を複素数平面で求める




佐藤の数学教科書「式と証明・複素数」編の勉強
第5講 高次方程式

【問】次の式を因数分解してx=1の解を求めよ。
-1=0

この式は以下のように変形して解きます。
-1
=(x-1)(x+x+1)
=(x-1){(x+(1/2))-(1/2)+1}
《公式P-Q=(P-Q)(P+Q)を使う。その準備》
よって、x=1の解は
上のようにして因数分解することで、x=1の複素数の解が得られました。この3つの解を複素数平面上で表示すると、以下の図のようになります。

上の図で、x=1,A=ω,B=ω2 が、x=1の3つの解です。
Aは、複素数平面上で、0と1を結ぶ実軸上の線分から0を中心にして左回りに120度(2π/3ラジアン)回転した直線上にあり、Bは右回りに120度(左回りに240度)回転した直線上にあります。

Aと0を結ぶ直線が0と1を結ぶ実軸上の線分と成す角120度を3倍すれば360度になり、実軸に戻ります。Bと0を結ぶ直線が0と1を結ぶ実軸上の線分と成す角の、右回りに120度(左回りに240度)を3倍すれば右回りに360度(左回りに720度)になり、実軸に戻ります。

複素数を3乗するということは同じ複素数を3回掛け算することであり、複素数の掛け算では偏角が足し算されるので、複素数を3乗すれば、その複素数の偏角が3回足し算されて3倍になりました。
すなわち、
=1の複素数の解は、1の偏角を360度及び-360度と考えて、その偏角を3分の1の120度(点A)や-120度(点B)にし、その偏角を持つ絶対値1の複素数の値を図から求めれば、それがx=1の複素数の解になります。

 こうして答えを求める方法は、昔は、「禁じられた複素数平面の教え」だったので、そうやってその答えを出したと解答に書く事が出来ませんでした。最初に書いた、教わった範囲の解き方で解答するのが昔の高校生のやり方でした。

  この教えは、2011年度からは禁止が解けました。
2011年度から、高校3年の数Ⅲで複素数平面を教えるようになりました。
そのため、高校3年からは、複素数平面の考えで問題を解いたと解答に書いても、合格点をもらえるようになりました。

リンク:
高校数学の目次

0 件のコメント:

コメントを投稿