2025年5月13日火曜日

3次方程式の問題

【問1】
以下の式を証明せよ。



【問2】
以下の式を証明せよ。

以下の式が成り立つことも証明せよ。



《実数の3乗根の解の求め方》

の解の式が簡単な場合は、その解の式は以下の手順で求められる。

上の式(4b)を満足する簡単な値のαがあれば、その値を求める。(たとえばα=1で式(4b)が成り立つかを確認する)。
その値αが求められれば、以下の値Nに関して以下の式が成り立つ。


【問3】
以下の式を証明せよ。


《虚数の3乗根の解の求め方》

の解の式が簡単な場合は、その解の式は以下の手順で求められる。

上の式(5b)を満足する簡単な値のαがあれば、その値を求める。(例えばα=1/4 で式(5b)が成り立つかを確認する)。
その値αが求められれば、以下の値Nに関して以下の式が成り立つ。


【適用例1】

に適用する。

【計算開始】


こうして、αが求まった。
そして、以下の式(6c)の値Nを、立方根の中の式に掛け算した式(6d)が成り立つ。



【適用例2】

に適用する。

【計算開始】



こうして、α=9/4が求まった。
そして、以下の式(7c)の値Nを、立方根の中の式に掛け算した式(7d)が成り立つ。

(解答おわり)

【以下の公式を用いる解き方が本命である】

 以下で説明するように、xの3次方程式の解xが有理数である場合に限り、この3乗根が簡単な解になる。その事実とこの公式とが密接な関係がある。そのため、この公式を用いて3乗根を求めることが望ましい。


《実数の3乗根の解の求め方(その2)》

の解の式は以下の手順で求められる。

この方程式の解のxの値を使って以下のようにsとtが計算できる。
sとtを含む以下のwの式からsとtを求める。


【適用例】

に適用する。

【計算開始】

この3次方程式のxの解はx=2である。

(解答おわり)

《虚数の3乗根の解の求め方(その2)》

の解の式は以下の手順で求められる。

この方程式の解のxの値を使って以下のようにsとtが計算できる。
sとtを含む以下のwの式からsとtを求める。


【適用例】

に適用する。

【計算開始】

この3次方程式のxの解はx=8である。

(解答おわり)

リンク: 
カルダノの公式を使った三乗根号(立方根)外し問題の作成
3次方程式の一般解
高校数学の目次


2025年5月5日月曜日

ε-δ論法の論理式の意味

【問1】
数列 (a_n) の極限αを定義する式に関して:
∀ε>0, ∃N∈ℕ, ∀n∈ℕ[(n>N)⇒(|(a_n)−α|<ε)]… (1)
∀ε>0, ∃M∈ℕ, ∀n∈ℕ[(n≧M)⇒(|(a_n)−α|<ε)]… (2)
(1) ⇔ (2)を証明せよ。

【証明開始】
∀ε>0, ∃N∈ℕ, ∀n∈ℕ[(n>N)⇒(|(a_n)−α|<ε)]… (1)

∀ε>0, ∃N∈ℕ, ∀n∈ℕ[(n≦N)∪(|(a_n)−α|<ε)]… (1b)
である。
また、
∀ε>0, ∃M∈ℕ, ∀n∈ℕ[(n≧M)⇒(|(a_n)−α|<ε)]… (2)

∀ε>0, ∃M∈ℕ, ∀n∈ℕ[(n<M)∪(|(a_n)−α|<ε)]… (2b)
である。

先ず、式(1b)を同値変形する。
任意のN個の命題P1,P2,・・・PNに対して、
(∀n∊{1,2,・・・N},{Pn})⇔(P1∩P2∩・・・PN)
が成り立つ。すなわち、命題P1から命題PNが連立される。

そのため、
∀ε>0, ∃N∈ℕ, ∀n∈ℕ[(n≦N)∪(|(a_n)−α|<ε)]… (1b)
という論理式は、以下の連立論理式を意味する。
∀ε>0, ∃N∈ℕ, n=1[(1≦N)]
∀ε>0, ∃N∈ℕ, n=2[(2≦N)]
・・・
∀ε>0, ∃N∈ℕ, n=N[(N≦N)]
∀ε>0, ∃N∈ℕ, n=N+1[(N+1≦N)∪(|(a_n)−α|<ε)]
∀ε>0, ∃N∈ℕ, n=N+2[ |(a_n)−α|<ε]
∀ε>0, ∃N∈ℕ, n=N+3[ |(a_n)−α|<ε]
∀ε>0, ∃N∈ℕ, n=N+4[ |(a_n)−α|<ε]
・・・
という連立論理式全てが成り立つという意味である。
これは、以下の連立論理式と同値。

∀ε>0, ∃N∈ℕ, n=N+1[(|a_n−α|<ε)]
∀ε>0, ∃N∈ℕ, n=N+2[(|a_n−α|<ε)]
∀ε>0, ∃N∈ℕ, n=N+3[(|a_n−α|<ε)]
∀ε>0, ∃N∈ℕ, n=N+4[(|a_n−α|<ε)]
・・・

任意のN個の命題P1,P2,・・・PNに対して、
(∃n∊{1,2,・・・N},{Pn})⇔(P1∪P2∪・・・PN)
が成り立つ。すなわち、命題P1から命題PNの和集合になる。

そのため、
上の連立論理式は、以下の連立論理式の和集合と同値。
「∀ε>0, N=1, n=2[ |(a_2)−α|<ε]
∀ε>0, N=1, n=3[ |(a_3)−α|<ε]
∀ε>0, N=1, n=4[ |(a_4)−α|<ε]
・・・」

「∀ε>0, N=2, n=3[(|(a_3)−α|<ε)]
∀ε>0, N=2, n=4[(|(a_4)−α|<ε)]
∀ε>0, N=2, n=5[(|(a_5)−α|<ε)]
・・・」

「∀ε>0, N=3, n=4[(|(a_4)−α|<ε)]
∀ε>0, N=3, n=5[(|(a_5)−α|<ε)]
∀ε>0, N=3, n=6[(|(a_6)−α|<ε)]
・・・」

・・・

この論理式は、以下の連立論理式の和集合と同値。
「∀ε>0, N=100, n=101[(|(a_101)−α|<ε)]
∀ε>0, N=100, n=102[(|(a_102)−α|<ε)]
∀ε>0, N=100, n=103[(|(a_103)−α|<ε)]
・・・」

「∀ε>0, N=101, n=102[(|(a_102)−α|<ε)]
∀ε>0, N=101, n=103[(|(a_103)−α|<ε)]
∀ε>0, N=101, n=104[(|(a_104)−α|<ε)]
・・・」

・・・

更に、この論理式は、以下の連立論理式の和集合と同値。
「∀ε>0, n=101[|(a_101)−α|<ε]
∀ε>0, n=102[|(a_102)−α|<ε]
∀ε>0, n=103[|(a_103)−α|<ε]
・・・」

「∀ε>0, n=102[(|(a_102)−α|<ε)]
∀ε>0, n=103[(|(a_103)−α|<ε)]
∀ε>0, n=104[(|(a_104)−α|<ε)]
・・・」

・・・

この連立論理式の和集合を、第1の論理式とする。


次に、式(2b)を同値変形する。
任意のN個の命題P1,P2,・・・PNに対して、
(∀n∊{1,2,・・・N},{Pn})⇔(P1∩P2∩・・・PN)
が成り立つ。すなわち、命題P1から命題PNが連立される。

そのため、
∀ε>0, ∃M∈ℕ, ∀n∈ℕ[(n<M)∪(|(a_n)−α|<ε)]… (2b)
という論理式は、以下の連立論理式を意味する。
∀ε>0, ∃M∈ℕ, n=1[(1<M)]
∀ε>0, ∃M∈ℕ, n=2[(2<M)]
・・・
∀ε>0, ∃M∈ℕ, n=M[(n<M)∪(|a_n−α|<ε)]
∀ε>0, ∃M∈ℕ, n=M+1[(M+1<M)∪(|a_n−α|<ε)]
∀ε>0, ∃M∈ℕ, n=M+2[(|a_n−α|<ε)]
∀ε>0, ∃M∈ℕ, n=M+3[(|a_n−α|<ε)]
∀ε>0, ∃M∈ℕ, n=M+4[(|a_n−α|<ε)]
・・・
という連立論理式全てが成り立つという意味である。
これは、以下の連立論理式と同値。

∀ε>0, ∃M∈ℕ, n=M[(|a_n−α|<ε)]
∀ε>0, ∃M∈ℕ, n=M+1[(|a_n−α|<ε)]
∀ε>0, ∃M∈ℕ, n=M+2[(|a_n−α|<ε)]
∀ε>0, ∃M∈ℕ, n=M+3[(|a_n−α|<ε)]
∀ε>0, ∃M∈ℕ, n=M+4[(|a_n−α|<ε)]
・・・

任意のN個の命題P1,P2,・・・PNに対して、
(∃n∊{1,2,・・・N},{Pn})⇔(P1∪P2∪・・・PN)
が成り立つ。すなわち、命題P1から命題PNの和集合になる。

そのため、
上の連立論理式は、以下の連立論理式の和集合と同値。
「∀ε>0, M=1, n=1[|(a_1)−α|<ε]
∀ε>0, M=1, n=2[|(a_2)−α|<ε]
∀ε>0, M=1, n=3[|(a_3)−α|<ε]
・・・」

「∀ε>0, M=2, n=2[|(a_2)−α|<ε]
∀ε>0, M=2, n=3[|(a_3)−α|<ε]
∀ε>0, M=2, n=4[|(a_4)−α|<ε]
・・・」

「∀ε>0, M=3, n=3[|(a_3)−α|<ε]
∀ε>0, M=3, n=4[|(a_4)−α|<ε]
∀ε>0, M=3, n=5[|(a_5)−α|<ε]
・・・」

・・・

この論理式は、以下の連立論理式の和集合と同値。
「∀ε>0, M=101, n=101[(|(a_101)−α|<ε)]
∀ε>0, M=101, n=102[(|(a_102)−α|<ε)]
∀ε>0, M=101, n=103[(|(a_103)−α|<ε)]
・・・」

「∀ε>0, M=102, n=102[(|(a_102)−α|<ε)]
∀ε>0, M=102, n=103[(|(a_103)−α|<ε)]
∀ε>0, M=102, n=104[(|(a_104)−α|<ε)]
・・・」

・・・

更に、この論理式は、以下の連立論理式の和集合と同値。
「∀ε>0, n=101[(|(a_101)−α|<ε)]
∀ε>0, n=102[(|(a_102)−α|<ε)]
∀ε>0, n=103[(|(a_103)−α|<ε)]
・・・」

「∀ε>0, n=102[(|(a_102)−α|<ε)]
∀ε>0, n=103[(|(a_103)−α|<ε)]
∀ε>0, n=104[(|(a_104)−α|<ε)]
・・・」

・・・

この連立論理式の和集合は、第1の論理式と同値である。
よって、
(1) ⇔ (2)が証明された。
(証明おわり)

(補足)
 以上で考察したε-N論法で極限を定義する論理式を展開して得た「連立論理式の和集合」の持つ意味は、ある点αのまわりの”開区間”に、n≧Nなる点列a_nが収納されていることを「連立論理式の和集合」によってあらわしていると捉えることができる。


リンク: 
19世紀の解析学における「厳密化革命」とは何か
ε-δ論法の誕生
【ε論法】関数の連続性とδのテクニック
連続関数の定義
高校数学の目次


2025年4月12日土曜日

微分積分学を厳密化する道

(当ブログの結論)
 高校2年生が微分積分を学習するのに適切な本は、高校生用の教科書や参考書なのでは無く、大学1年生向けの参考書:例えば:
「やさしく学べる微分積分」(石村園子)
書評「素晴らしいほどわかりやすい。 高校2年の知識があれば、すらすら読める。 数学苦手な人でも、やさしくシリーズは、微積とベクトルはとっつきやすいと思うので、おすすめです。」

などだと思います。
その本は、初めて微分積分を学ぶ高校2年生にとって、内容がわかり易いです。説明が正確でごまかしが無いので、高校教科書の微分積分の説明にあるようなごまかしが納得できず(ごまかしに納得する方がおかしい)学習が止まってしまう様なことが無く、スムーズに勉強を進めることできるので良いと思います。その本の36ページから45ページまで勉強するだけで、微分の必須知識が学べます。


 (微分積分学の歴史)
 ライプニッツが、1684年に「極大と極小にかんする新しい方法」を出版して、その中で微分法を発表し、
ついで1686年に「深遠な幾何学」を出版して積分法を発表しました。

 その後に、ニュートンが微分積分学を発表しました。

 それに対して、旧い数学者のバークレー司教(Bishop George Berkeley)が微分積分学を攻撃した論争が微分積分学を正しく育てました。
 バークレー司教は、ダブリンのトリニティ・カレッジで神学を学び、後に講義をする。アイルランド、クロインの(英国国教会の)監督Bishopとなる(1734)。

 バークレー司教は、数学から唯物論を追放する目的で、『解析者―不誠実な数学者へ向けての論説』(The Analyst: or a Discourse Addressed to an Infidel Mathematician, 1734)で、ニュートン・ライプニッツ理論(微分積分学)を攻撃し、大論争を引き起こす(『解析教程』第II章第1節参照)。
ド・モアブル、テイラー、マクローリン、ラグランジュ、ヤコブ・ベルヌーイ、ヨハン・ベルヌーイなどが論争に加わり、微積分学の論理的基礎づけに対する関心を高めた功績は大きい。
とくに、マクローリンは反論のためにニュートンの方法の厳密な構成を行った。


以下で、バークレー司教の微分積分学に対する感想を見てみます。

『バークレー司教:解析者より』
  「しかし、速度の速度、その速度、そのまた速度、またその速度、またまたその速度などなどというのは、私が間違っているのでなければ、すべての人間の理解を越えてしまっています。

精神がこの捉え難いアイデア(微分積分学)を解析し追及すればするほど、それはまごつき狼狽えることになり.....」

『バークレー司教:解析者より』
  「......我が時代の解析者(微分積分学)は有限の量の差を考えるだけでは満足しません。

彼ら(微分積分学)はさらにその差の差を考え、最初の差の差の差を考えます。 そしてさらに無限にまで。
 つまり彼ら(微分積分学)は認識できる最小の量よりさらに無限に小さい量を考えます。

その無限に小さい量よりもさらに無限に小さな量を、そしてその上これまでの無限小量よりもさらに無限に小さい量を考え、終わりも限界もないのです。
......もう告白するしかありませんが、無限に小さい量を心に描くことは ......私の能力を超えています。
しかし、そのような無限に小さい量の、それよりさらに無限に小さい一部、だから結局それを無限倍したとしても最も微細な有限の量にまでなることもできない、そんなものを想像するということは、どんな人にとってもそれこそ無限に困難なことだろうと、私は思うのです。.....」

『バークレー司教:解析者より』
  「そして、この流率(微分)とは何だろうか?

  無限小の増分の速度。 そして、これら同じ無限小の増分の速度とは何なんだろうか?
  これらは有限の量でもなく、無限に小さい量でもなく、無でもない。 こんなものなら、過ぎ去った量の幽霊と呼んではいけないというのだろうか? 」

 ニュートンとライプニッツの微分は、「無限小」の概念が十分に論理付けされていなかったため、今日のような厳密さが欠けていただが、微分は、力学や天文学などで応用可能、しかも実用的であったため、ベルヌーイやロピタル、オイラー、ラグランジュ、ラプラスなどの研究によって普及していった。

 微分学が厳密性を伴うようになったのは、19世紀に入ってからである。仏の数学者コーシーは、1821年に発表した「解析教程」で「極限」や「無限小」、「連続関数」の概念を定義し、解析学の基礎を刷新し、その後デデキントやカントールによる実数論などを経て、今日の微分の基礎が完成した。

連続関数の定義は、1817年にBolzanoが中間値の定理を証明する前提条件に定義した連続関数の定義により、歴史上初めて連続関数が正しく定義された(その定義は関数の連続性を区間で定義するものである)。
その歴史的経緯から、中間値の定理を成り立たせない関数を連続関数と呼ぶ高校数学での連続関数の定義は偽物である。なお、高校数学で定義された連続関数という言葉が使い物にならないので、 大学数学では、連続関数という言葉を使わずに「区間連続」という言葉で本来の意味の連続関数をあらわすことにしています。

微分積分学を厳密化するしくみ
 初期の微分積分学では,「限りなく近付ける」という概念を使って来た。この極限の最大の問題点は、「限りなく近づく」という表現の曖昧さです。その概念を具体的に数学的に明確な概念にするのが「ε-δ論法」です。
 コーシー(1789-1857)は不等式を使ったε-δ論法を導入した。
コーシー以前たとえばラグランジュが「無限小」や「極限」を曖昧なものとして数学の記述から排除しようとしたのに対して、コーシーは動的な表現が不等式評価と結びつくことを洞察して積極的に数学の記述に取り込んだ。不等式評価と結びついていることが把握されてさえいれば、動的表現自体を排除する必要はない。


 極限の概念を明確にすると、(1) コーシーらの開拓した古典的(基礎的)微分積分学のイプシロンデルタ論法による極限の表し方と、(2) 位相空間論に係わり再構築した微分積分学のイプシロンデルタ論法による極限の表し方との、異なる2つの極限の表し方があります。そのようにイプシロンデルタ論法によって明確に表した極限の概念は複数あるのです。その2つを合わせて「限りなく近付ける」と言っていたのですから、その表現がいかにあいまいであったかが分かると思います。
(イプシロンデルタ論法の説明は、ここをクリックした先のサイトが参考になる。)
《古典的(基礎的)微分積分学のイプシロンデルタ論法の大前提》
 関数f(x) は少なくとも、微小な区間
a − δ<x<a + δ,  (ここで、δはある小さな正の実数)
の全ての実数の点で定義されている(1点のみは区間ではない)とする。(定義域Aはその区間だけを考えれば良い。)
ということを初めから前提にして、古典的(基礎的)微分積分学による関数の極限の定義と関数の連続の定義をイプシロンデルタ論法で表現すると、以下のようにとても簡単にあらわせる。(ただし、極限の定義の場合にはf(a) が定義されていないでも良いものとする)

《基礎的微分積分学による関数の極限の定義》
 関数f(x) がxの点列の収束するあるx=aの点で実数bに収束する極限値bが存在するということを、以下のようにイプシロンデルタ論法で定義する。
 x=aの点で、
十分小さい正の値の実数εを考える(あらゆる値のεを考える)。
次に、ある小さな正の値の実数δを考える。
そして、どのように小さい値のεに対しても(あらゆる値のεに対して)、
ある値の実数δが存在して、
0<|x-a|<δ, x≠a,
を満足するa以外のxが存在し(当たり前)、このδで値を制限された変数xの、その範囲内の全ての実数の値において、
|f(x)-b|<ε
となるような実数bが(あらゆるεの値に対して)存在するならば(またそうなる場合に限って)、f(x)の極限が存在するものとし、その極限値をbとする。
(極限の定義おわり)

《連続の定義》
 関数の定義域Aのx=aの点において、十分小さい正の実数εを考える。次に、正の実数δを考える。
そして、どのように小さい値のεに対しても、
ある値の実数δが存在して、
|x-a|<δ
を満足するa以外のxが存在し(当たり前)、この式を満足する全ての実数xで、
|f(x)-f(a)|<ε
となるならば(またそうなる場合に限って)、f(x)が点aで連続である。
(連続の定義おわり)


-----(連続の定義の言い換え)----

 この定義をハッキリ把握するために、想像力を膨らませて、この定義を、以下の様に噛み砕いて自分の言葉で言い換えて定義を覚えると良い。

(0)
 この、関数の点aでの連続の定義は、関数の点aの近傍の幅を持った微小区間で連続を判定している。
 すなわち、関数の連続を確認する点x=a については、その点の座標の周りに広がりを持つ区間の、少なくとも、
a− δ<x<a +δ, 
(ここで、δはある小さな値の正の実数)
という微小区間の全ての実数値xで関数f(x)が定義されていることが大前提である。
「区間」と言う場合は、それは1つの連結区間であって、その区間内の全ての実数が関数の定義域である事を意味する。
(1)
次に、
aに近い(値aも含む)関数の定義域の変数xを考える。
(2)
aから、正の値δの範囲内でずれる、aも含む定義域の全てのxの値についてf(x)を考える。
 この定義における「全てのxの値」の意味は、aから、正の値δの範囲内でずれる値の区間に属する全て実数のxを考慮することを意味する。
(3)
その全てのxの値の関数f(x)の値のバラツキの誤差を求める。
その誤差<εとする小さな正の値εでバラツキの範囲を定める。
すなわち、点aの近傍の区間の全ての実数x(ただし、x=aの場合も含む)の値の関数値f(x)について、
-ε< (f(x)-f(a))<ε
となる正の値εを定める。
(4)
点aの近傍の区間の全ての実数xの値の区間の範囲を式:
a− δ<x<a +δ
で定める正の値δを十分小さくすれば、
その範囲内の全ての変数x(値aも含む)によるf(x)の値のバラツキが小さくなりバラツキの範囲の値 ε をいくらでも小さくできるならば;

f(x)はx=aで極限値bを持ち、かつ、その極限値bがf(a)に等しい。
その場合に、
関数f(x)は、
x=aで連続である。
(第1の定義の連続)。

言い換えると、
「点aでf(x)が連続であるとは、
どんなに小さい正の実数値εに対しても、
十分小さい正の実数値δを使ってxの微小区間を、
a − δ<x<a +δ 
(x=aとなる場合も含む)
に限定すれば、その微小区間内のどのxの値でも
-ε< (f(x)-f(a))<ε
が成り立つようにできる事である。」
----(定義の言い換えおわり)----------- 


(注意1)このε-δ論法による連続の第1の定義は、
xの微小区間の a − δ<x<a+δ の全ての実数についてf(x)の値が存在する(定義されている)事を条件にしている。そのため、関数値f(x)が点aを含む微小区間で定義されていない場合は、連続であるとは定義しない。

(注意2)ここで、ε-δ論法というものは、εとδを使った極限の表現の手段であって、そのε-δ論法を使った「連続」の定義は、上の形の第1の連続の定義に限られない。
片側連続についても、第1の連続の定義とは形を変えた別のε-δ論法によって片側連続が定義される。

〔位相空間論に係わり再構築した微分積分学〕
 一方で、位相空間論に係わり再構築した微分積分学は、位相空間の数の集合(限定された数)のみに基づいて関数の性質を解析する。

 先に述べたように、古典的(基礎的)微分積分学の発展の歴史は、微分積分の概念を確立する過程で間違いを繰り返してようやく厳密性(論理的正しさ)を確保できた歴史がある。現代数学の位相空間論に係わり再構築した微分積分学も、同様に、多くの間違いを繰り返して最後に厳密性(論理的正しさ)を確保する過程の途上にあると考える。

 位相空間論に係わり再構築した微分積分学では、関数の連続性の定義は、εδ論法(イプシロンデルタ論法)を使うのではあるが、関数の(値域の)連続性を、定義域が実数の区間であるとは限らない関数に対して定義する。その関数では、定義域が実数の区間であるべしという制約を無くしたので、(値域の)連続性があるとされた関数のグラフが連結しているとは限らない。その関数のグラフは切れ切れのグラフになる。
〔位相空間論に係わる、関数の(値域の)連続性の定義〕
関数f(x) の定義域をAとする。(Aは有理数のみでも良い)
ある点a∊Aにおいて、(点aは孤立点であっても良い)
『どのようなε>0に対しても、
あるδ>0において、
全てのx∊Aに対して、
|x-a|<δ
となるならば、
|f(x)-f(a)|<ε
となる。』
という命題が成り立つならば、
f(x)は点aで「(値域の)連続性」がある。
という定義である。
(関数の連続性の定義おわり)

「関数 f(x) が、その関数f(x) の定義域Aのすべての x =aの値で位相空間論に係わる連続性があるとき、 f(x) は位相空間論に係わり定義された(値域の)連続関数である」
 例えば、以下のグラフであらわす、定義域Aが有理数全体である関数f(x) が、位相空間論に係わり定義された(値域の)連続関数である。(√2 は定義域Aの外の数である)。

(この位相空間論に係わる(値域の)連続性の定義には、孤立点に連続性があるという定義が含まれている。孤立点の極限は、この(値域の)連続性の定義を経由して定義する。
 この関数の(値域の)連続性の定義は、正確には、位相空間論の連続写像の定義の基礎となる定義であって、位相空間論の連続写像の定義そのものではない。 実数R全体での点aでのこの連続性の定義が満足される関数ならば、実数全体での位相空間の連続写像と同値になる。

《関数の連続性の条件》
 関数がある点aで連続であるとは、第1の条件として、関数の定義域Dが点aと、aの近傍で連結していることである。第2の条件として、点aで関数f(x) の値域が連結していることである。その2つの条件を満足しない点aは「連続でない点」である。

 第1の条件は、変数xの点aが関数f(x) の定義域Dに含まれることと、x=aの近傍の定義域は実数が連結したxの微小区間であることとを要請する(連結している数の集合は実数がすき間なく存在する区間だけである)。
 第2の条件は、式(10)であらわすように、点aに限りなく近づく関数f(x) の極限の値がf(a) であることを要請する。

 (第2の条件の補足)更に、第1の条件が満足されない点βでは、(位相空間論に係わる微分積分学では)第2の条件を不問にしている。しかし、その点βで関数f(x) の値f(β) を定義して第1の条件を満足させると、再度第2の条件で判定すると点βが連続ではないことが判明することがある。そのような点βでは、そうした後に調べる以前から(値域の)連続性を判定する必要がある。その判定は、以下の式(10b)であらわす、点βに限りなく近づく関数f(x) の極限値が存在する条件により判定する必要がある。

 すなわち、関数f(x) の定義域D上の点aの点列で、n≧Nなる点列a_nが収束する先の点βのまわりの”開区間”に含まれる点a_nの関数の値f(a_n)  が値域の”開区間”に含まれることを、点βでの関数f(x) の(値域の)連続性の定義とするべきである。

【積分とは何か】
 積分については,ここをクリックした先のpdfファイルにある原教授の以下のコメントが大切です。
---(原教授のコメント開始)---------
 積分については高校でも習ってはいるが,その基礎を突き詰めていくといろいろと困ったことがでてくる.
特に「積分は微分の逆演算」として定義すると,「ある関数 f の積分を求めよ」という問題や「この関数の積分は定義できるか?」という問題でハタと困ってしまう.
(微分して f になるような関数がわからない場合,高校までの知識ではお手上げだ.)
この節では高校までの知識はいったん忘れて,「積分とは何か」「積分をどのように定義すべきか」から話を始める.

4.1 積分(定積分)の定義
 ということで,まずやるべきは「与えられた関数f(x) に対して,その積分を定義すること」である.
これから見ていくように,かなり広いクラスの関数に対してその積分(定積分)を定義することができる.
定積分を通して不定積分も定義できるので,高校までの知識とのつながりがつくことになる.
・・・
積分の最も素朴な定義はこれから紹介する「リーマン和」に基づくもので、、、
---(原教授のコメントおわり)------


(補足2)
(「リーマン積分可能」の定義)
「微分積分学入門」(横田 壽)の124ページから125ページに「リーマン積分可能」の定義が書いてあります:

この本は書店で購入できます。) 

その他に、高校2年生が勉強するのに適切な、書店で購入できる微分積分の参考書は:
「やさしく学べる微分積分」(石村園子) ¥2000円
が内容がわかり易くて良いと思います。

 ここではドイツの数学者G.F.B. Riemann (1826-1917) によって示されたRiemann 積分について学んでいきます.リーマン積分による「積分可能」の定義は、全ての種類の「積分可能」の定義の基礎になっています。
f(x) は閉区間[a, b] で定義されているとします.この閉区間[a, b] を次のような点xi(i = 1, 2, . . . , n) でn 個の小区間に分割します.

(a = x0 < x1 < x2 < · · · < xi < · · · < xn = b)

 この分割をΔ で表わし, Δxi = xi − xi−1 (i = 1, 2, . . . , n) のうちで最も大きい値を|Δ| で 表わします.

(注目ポイント)

 高校数学で教える区分求積法では、区間を細分した部分区間のグラフの高さf(x)を求めますが、そのxの位置が部分区間の中の特定の位置に固定されています。
その固定をしないで、どの位置のxでのf(x)を棒グラフの高さにして計算しても良い、
というのがリーマン積分です。

いま,それぞれの小区間[xi−1, xi] のなかに任意の位置に点ξi をとり,Riemann 和 (Riemann sum) とよばれる次の和を考えます.

このとき、
となる実数S が存在するならば,このS をf(x) の定積分(definite integral) といい, f(x) は閉区間[a, b] で積分可能(integrable) であるといいます.また,このS を次のように表わします.
つまり関数f(x) が閉区間[a, b] で積分可能であるということは,分割の仕方および点ξi(i = 1, 2, . . . , n) のとり方に関係なく、各点の関数値の和が一通りに定まるということです.

 この定義に従い、関数の積分可能性を以下の様にして調べることができます。
先ず小さな閉区間[a, b] を定めて、
その区間の小区間への分割の仕方および点ξi(i = 1, 2, . . . , n) のとり方に関係なく、各点の関数値の和が一通りに定まる(積分可能)か否かを調べることができます。 

(積分が不可能な関数)
 下のグラフの関数f(x)のように、どの位置においても関数の極限が存在しない関数があり得ます。
 例えば、 
xが有理数の場合にf(x)=0であって、
xが無理数の場合のf(x)=1
という、極限が存在しない関数f(x)などです。
 そういう、極限が存在しない関数f(x)を積分して関数F(x)を得た場合(もし積分できた場合)、その積分により得られた関数F(x)は微分可能だろうか。
 そもそも、微分の計算は極限を求める計算なので、その関数f(x)が積分できても、その積分した関数F(x)を微分した場合に、元の関数f(x)は(極限値が存在しないので)、微分によっては得られないと考えます。

 上図の関数f(x)の変数x=x1からx=x2までの変数xの閉区間をn等分して、その区分した部分毎にf(x)の値f(ξ)を求めて、その値の和で積分します。
(1)その際に、 変数x=ξが全て有理数なら、f(ξ)=0になり、積分結果は0になります。
(2)一方、変数x=ξが全て無理数√2の有理数倍なら、f(ξ)=1になり、積分結果は(x2-x1)になります。
(3)f(x)の値f(ξ)の選び方によって結果が変わるような計算の値は定かでは無いので、その様な関数f(x)は積分することができません。

 このように、微分積分学では、あらゆる関数に微分積分を行う理論を作ろうとすると、いろいろな難しい問題があることがわかりました。
 微分積分学で、難しい問題が生じない関数の範囲を把握して、その範囲内で微分積分の計算をすることで、応用上で微分積分を使い易くできます。
 そのため、使い易い関数として、極限が存在し、かつ、連続な「連続関数」(関数f(x)が連続な範囲にxの定義域を限定した1つながりに連続な関数が連続関数です)を主に扱う対象にし、また、「微分可能性」で関数の種類と、また、関数の変数xの定義域内の所定の範囲を定めて、その所定の範囲内だけで微分積分を行うようにします。その範囲内で成り立つ法則を把握して、種々の公式を導き出して使うことで微分積分学を最大限に応用できるようになります。

 微分積分学は、微分可能な関数と積分可能な関数を定義して、その種の関数の間で微分したり積分をします。

「関数を積分して、それを微分したら元の関数に戻る」 
という、微分積分学の基本定理がありますが、
その定理は、その関数f(x)の積分可能な部分に限り、かつ積分後の関数F(x)の微分可能な部分に限って成り立つ定理です。
 その定理の大前提に、何が微分可能で何が積分可能であるかの定義があります。
(微分積分学の基本定理を厳密に定義すると、「微分積分学の基本定理」という命題は、積分可能条件を記述した命題です)

微分可能の定義微分積分学の基本定理を左右する)

 微分積分学の基本定理の根底を支えているのが微分可能の定義です。高校数学の微分可能の定義は、変数xが開区間(a<x<b)で定義された関数f(x)にしか微分可能が定義されていません。そのため、高校数学の範囲内の知識では、開区間(a<x<b)で定義された関数 f(x)にしか、微分積分学の基本定理が成り立ちません。
 一方、大学数学では、変数xが閉区間(a≦x≦b)で定義された関数f(x)の区間の端点x=a,bでも 微分可能が定義されています。そのため、大学数学では、閉区間(a≦x≦b)で定義された関数f(x)にも 微分積分学の基本定理が成り立つと教えられています。

 微分積分を学ぶ者は、「微分可能」と「積分可能」という制限条件を定め、その制限条件を満足する関数を扱うのが微分積分学だと認識することがとても大切です。 
 しかし、この一番大切な概念を高校2年には教えない。高校3年に至っても「積分可能」の概念を教えていないようです。

 積分の概念は、数学の研究対象を微小な部分に分割して研究し、その微小部分を集積した全体にまとめ上げて全体を考えるという、適用範囲が広い概念です。
「歴史的に見ても、微分より積分の方がずっと前に出現している。」

 積分の被積分関数の計算においては、xのある値で0になる関数を分母にする、すなわち、そのxの値で0になる関数で式を割り算する計算が許されています。しかし、(大学で初めて学ぶ)広義積分を知らないと、その計算が何故許されるかが理解できません。

リンク: 
19世紀の解析学における「厳密化革命」とは何か
ε-δ論法の誕生
【ε論法】関数の連続性とδのテクニック
ε-δ論法の論理式の意味
連続関数の定義
高校数学の目次


2025年4月7日月曜日

組合せの数の展開の公式

(組合せの数の展開の公式の覚え方)

この、組合せの数の展開の公式を覚えましょう。

 数学の公式は覚えられません(覚えていてもすぐに忘れる)。特に、覚えていた公式に似ている公式を覚えようとする場合に、その新しい公式に似ている、旧くから覚えていた公式は、新しい公式を覚える必要のために忘れ去られます。

 そういうふうに、数学の公式は覚えられないものです。
 そのため、忘れかけている不確かな公式を思い出して使うのでは無く、毎回公式を導き出して使うと良いです。公式を出来るだけ速やかに導き出せるように、公式を導き出す道を洗練させておくのが、ある意味、「公式を覚える」作業です。

 この公式は、以下のように計算することで導き出せます。この導き出し方を覚えておいて、毎回、この方法でこの公式を導き出して使うのです。

n個の物の組合せの数を、(n-1)個の物の組合せの数であらわす公式が導き出せた。

【問1】

を証明せよ。

この問題の解答はここをクリックした先にあります。

リンク:
高校数学の目次
計算ミス対策:計算ミスの改善方法

2025年3月4日火曜日

微分積分の礎の関数の連続性と現代数学の位相空間論

やさしい微分積分
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《実数とは》
 例えば、以下の図の規則によってx=1から、x=2、次にx=3/2 というように有理数の値を変えてくと、限りなく近づく先の数が有理数の中には無い。しかし、そのように限りなく近づく先の数が存在すると考えた。その数を実数と呼ぶ。


 このように、「限りなく近づける」操作(極限の操作)が、数の概念を拡張することを要請し、そうして拡張された新たな数が実数であった。この拡張された数である実数から成るとされる数直線には数の連続性があるとされた。このように極限の操作によって数の概念が実数にまで拡張され、それが数の連続性と微分積分の礎になった。


1970年代の高校数学の参考書「大道を行く数学(解析編)」から、以下の知識が得られる。

[連続の定義]

のとき、関数y=f(x)は x=a で連続であるという。

 また、f(x) がある区間のすべてのxで連続のとき、その区間で連続であるという。

 しかし、(10)式は単なる定義であって、それだけではいろいろな問題を考察するのに不十分であろう。連続について知るには、裏返して不連続である場合を知るのが早道である。不連続の場合は、(10)式が成り立たない場合だから、次の4通りが考えられる。

以下、これらについて、例をもって説明しよう。 





例2.9 [x] はxを越えない最大の整数とする.





どちらも存在しない.このことについては多くを語る必要もないであろう.



例2.10 無限個の項の和が存在するとして定義された関数

は、x≠0のとき、次のような工夫をすると簡単な形にまとめられる.


この関数のグラフは図2.10 の通りである.

 不連続な場合、f(x) のグラフは不連続なxにおいて切れていて、連結していない.このことは逆に連続なときは、グラフはxにおいて切れ目のない線になっている.また(10)式は、
  x-aが無限小のとき、f(x)-f(a) が無限小
ということである.したがってf(x) が連続なところでは
  xの微小変化に対応し、f(x) が微小変化する
そして、このような関数を連続関数というといいかえても良い.

(参考)藤原松三郎の「微分積分学 第1巻」によると、「f(x)がx=ξで連続でない場合に、x=ξ(という変数xの数直線上の点)をf(x)の不連続点という。」と定義されている。

〔定義の役割〕
 連続関数とは、第1の条件として、関数の定義域が連結していること、第2の条件として、定義域の点毎に関数f(x) の値域が連結していること。その2つの条件が成り立ちグラフが1つながりに連結している関数f(x) をどのように表すかが連続関数の定義の役割である。

(注意1)関数f(x) の点とは、関数をあらわすグラフ上の点ではなく、変数xの数直線上の点である。

(注意2)
 「不連続点」の定義は、現代数学の位相空間論の定義では、その不連続なxの値で関数値f(x) が定義されている場合のみに「不連続点」という言葉を使っている。つまり、古典的(基礎的)な微分積分学における上の例2.8 の(1°)や(3°)の点のように関数値f(x) が定義されていない点は、位相空間論の定義では不連続点とは呼んでいない。(しかし、後に説明するように、これは誤りである)

〔古典的(基礎的)微分積分学〕
 古典的(基礎的)微分積分学では、関数の連続性の定義は、〔定義の役割〕における2つの条件が満足されるように定義する。先ず、第1の条件を満足するために、変数xの点aの近傍で実数が連結する区間内(連結する全ての実数)での極限を用いる。次に、第2の条件を満足するように、式(10)によって関数f(x) の連続性を定義している。

「区間で定義された関数f(x)が、その区間のすべてのxの値で古典的(基礎的)な連続性があるとき、f(x)は古典的(基礎的)な微分積分学で定義された連続関数である」

 そして、実数上のx=aの点で関数f(x) の連続性の条件が満たされない場合を、その(実数上の)点aを、不連続点と呼んでいる。

 実数上のx=aの点は、関数f(x) の連続な点であるか、関数f(x) の不連続点(当ブログでは「連続でない点」と呼ぶ)かの2つの場合のどちらかである。
すなわち、あるxの点が不連続である条件は、そのxの点が連続でないことである。

 古典的(基礎的)微分積分学は、実数全体の数の集合に基づいて解析することで、関数の性質の解析の見通しを良くしています。

〔位相空間論によって再構築した微分積分学〕
(微分積分を学び始めた高校生はこれ以降は読まないで良い)

 一方で、位相空間論によって再構築した微分積分学は、位相空間の数の集合(限定された数)のみに基づいて関数の性質を解析するので、関数の解析の見通しが極めて悪い。手探りで関数を解析するので間違え易いという特徴があります。

 古典的(基礎的)微分積分学の発展の歴史は、微分積分の概念を確立する過程で間違いを繰り返してようやく厳密性(論理的正しさ)を確保できた歴史がある。現代数学の位相空間論で再構築した微分積分学も、同様に、多くの間違いを繰り返して最後に厳密性(論理的正しさ)を確保する過程の途上にあると考える。

 位相空間論によって再構築した微分積分学では、関数の連続性の定義は、〔定義の役割〕における2つの条件のうちの第2の条件のみを満足する定義である。
すなわち、例えば位相空間の数の集合を有理数のみ(数の集合が連結しない)に定めても良く、関数f(x) の定義域はその数の集合の部分集合に限られる。そのようにして定義域の連結性が要求されていない

 そして、式(10) により値域の連続性を定義する。

すなわち、独立変数x及び点aが、位相空間の数の集合(例えば有理数)に属する場合のみを考える。そして、関数f(x) の定義域は位相空間の数の集合の部分集合に限られ、点x及び点aは定義域内の点である。式(10) は、その点xが限りなく点a近づくときに、f(x) が限りなくf(a) に近づくという関係があることによって関数f(x) の値域の連続性を表している。

「関数 f(x) が、その関数f(x) の定義域のすべての x =aの値で位相空間論的な連続性があるとき、 f(x) は位相空間論で定義された連続関数である」

 そして、例えば有理数の位相空間の数の集合に属するx=aの点で関数f(x) の連続性の条件が満たされない場合を、その点aを、不連続点と呼んでいる。
位相空間の数の集合(有理数)に属するx=aの点は、
①関数f(x) の定義域に属さない点aの不連続点であるか、
②定義域上の点aであって関数f(x) の連続な点であるか、
③定義域上の点aであって関数f(x) の不連続点であるか、
の3つの場合のどれかである。
(4つ目の場合として、例えば無理数のx=βの点などの、有理数の位相空間の数の集合に属さない点βについては、位相空間の数の集合に属さないので存在しない数とみなす。その点βについては言及しない)

 位相空間論では、(3°の)関数f(x)=1/x において、点x=0は、関数f(x) の定義域内の点ではないが、位相空間の数の集合(有理数や実数)に属する点なので、不連続点である。
すなわち、あるxの点が不連続である条件は、
(1)先ず、そのxの点が位相空間の数の集合に属する点であること。
(2)次に、そのxの点が連続でないこととの、
2つの条件を満足する必要がある。
点x=0は、その2つの条件を満足するので不連続点である。

(点の種別の定義付けの心)
 位相空間論での「不連続点」の厳密な定義は、定められた位相空間の数の集合だけで議論することである。その位相空間の数の集合に属するxの点は、関数f(x) の定義域に属するか、定義域に属さないかの何れかである。
 位相空間論は、(1°)の、変数xの定義域に属さない「取除きうる不連続点a」については、その点aが位相空間の数の集合に属する場合は、関数f(x) の定義域の外の「境界点」とする。
その「境界点」は連続な点ではないので「不連続点」である。かくして、位相空間論では、定義域の外の境界点を「不連続点」と定義付ける。
 しかしながら、有理数のみの位相空間においては、以下の図の関数のx=√2 の点は無理数であって、その位相空間の数の集合に属さない。

この場合は関数f(x) の有理数の「境界点」が存在しないので、有理数の位相空間の不連続点も存在しないことに注意すべきである。古典的(基礎的)微分積分学の視点(実数を数の集合とする位相空間)で見ると、この図の関数(厳密に言うと無理数でも定義された関数の場合)は、無理数の境界点で分断された3つの異なる連続関数から成ることがわかる。

(注意3)
 位相空間論の説明において、位相空間の数の集合に属する点であって「不連続点」の資格がある点の一部の、数f(x) の定義域に属する点のみを「不連続点」と説明する誤りが流通している。(そういう誤りを基礎的微分積分学(高校数学)に混ぜないでほしい)。そういう誤りに巻き込まれないために、古典的(基礎的)な微分積分学が定義する「不連続点」や、(位相空間論においても)定義域を連結させない境界点の「不連続点」は、このブログでは、「連続でない点」と呼ぶことにして数学用語を明確にする。
(補足)
 なお、位相空間論で点の連続性を厳密に議論するためには、関数の定義域に属する「連続でない点」と、関数の定義域の外の(位相空間の数の集合には属する)「連続でない点」とは性格が異なる点であるので区別して考えた方が良い。
 特に、連続関数の連続性を、位相空間論では独立変数xの連結性と従属変数yの連結性(位相空間論の連続関数の定義による)に分けて扱った。そのため、関数f(x) が定義されている点の不連続点は、すなわち従属変数yの連結性のみが損なわれた不連続点は、「位相空間論の不連続点」と呼ぶのが適切であろう。関数f(x) が定義されない点などの、独立変数xの連結性が損なわれた点の不連続点は、xの連結性が損なわれているだけでなく同時にyの連結性も損なわれている場合(上図のグラフ:実数の位相空間の場合)もあるので、定義付けが難しい。「位相空間論以外の不連続点」と呼ぶのが適切であろう。
〔不連続点の定義の誤り〕
 なお、位相空間論で、関数の定義域に属する点のみを「不連続点」と説明している誤りの原因は、位相空間論の「変数xの点」定義のあいまいさが原因である。位相空間論で「連続な点」と「不連続点」を定義付ける対象のxの点は位相空間の数の集合のすべての点を対象にすべきである。(それらの点のうち関数の極限にかかわる境界点は特に、連続性の判定対象にすべき点である)。しかし、それを、関数の定義域Aに属する点のみにしている不徹底さがある。そのため、「不連続点」の資格がある関数f(x) の境界点(下図のx=0の点)が、連続性を判定する対象にされなかった。

その結果、その点が「不連続点」とも「連続な点」とも呼ばれなかった。(位相空間論において「連続な点」とも「不連続点」ともされないで良い点は、位相空間の数の集合に属さない点だけである)
 位相空間論では、極限の概念を、例えば位相空間の数の集合を有理数のみとした場合には、変数xが限りなく近づく先を有理数のみに限定するなどの、極限の宛先を位相空間の数の集合に属する点kのみに限定する。位相空間の数の集合が有理数のみの場合には、数同士の距離が近いか遠いかの関係が有理数同士の間でのみ定義されているからである。しかし、そうだからといって関数f(x) の極限の宛先の点kが関数の定義域A内の数のみに限定されているわけではない。上図の場合では、関数f(x) の極限の宛先がx=0の点も対象になっている。上図の関数f(x) では、そのx=0の点で極限が存在しない。関数の連続性の条件は極限の存在条件よりも厳しいのであるから、x=0の点では、関数の連続性も満足されない。よって、x=0の点は、この関数の不連続点である。

【微分積分の初心者には、位相空間論の議論が破綻しているように見える】
 位相空間論では、極限の概念を、例えば変数xの位相空間の数の集合を有理数のみとした場合に、変数xが限りなく近づく先を有理数のみに限定するなどの、極限の宛先を位相空間の数の集合に属する点aのみに限定している。位相空間の数の集合が有理数のみであるということは、数同士の距離が近いか遠いかの関係が有理数同士の間でのみ定義されているからである。
 位相空間論では、位相空間の数の集合を有理数のみにしている場合に、その有理数の点の数列の極限を位相空間の数の集合以外の新たな数(無理数β)に向ける操作を認めない。(無理数βは有理数ではないのだから)数列の極限の数βが存在しないとみなして無視しその極限を排除する。そういうルールにより、極限の概念の適用を制限し、数学体系を再構築する。
(厳密に言うと、極限の概念の元になっている数同士の近さの関係を、位相空間の数の集合に属する数同士にしか認めないのが位相空間の概念だからである。もし、近いと思われる新しい数を発見してそれを今までの位相空間の数の集合に加えることは、それまでとは異なる位相空間を設定することになる。なお、近いと思われる新たな数が発見されるならば、それまでの位相空間の数の集合に不備があった、と言える。)

 位相空間論は、そのように既存知識(数とは位相空間の数の集合に属する点=有理数のことである)という思考の枠組みからはみ出さないように極限の操作を制限して構築した数学体系である。
それにより、独立変数xを既に定めている数の集合(有理数)の範囲に限定して抽象化した関数f(x) の連続性の性質を調べている。
 これは、有理数の数列の極限が有理数でない場合に新しい数(無理数)が発見されたと考えて数の概念を拡張する従来の発想とは全く逆の、(知らない数は存在しないと考える)内向きの発想を基礎にした考え方である。

 位相空間論では、関数f(x) の点aにおける連続性の定義の式(10)の独立変数xの極限の宛先の数aはxの位相空間の数の集合の点に限定する制限を加えた極限を利用して、抽象化された「位相空間論の関数の連続性」を定義する。
しかし、そうして定義した関数f(x) の連続性には以下の難点がある。

 位相空間論での関数の連続性の定義では、以下のグラフであらわされる、有理数を位相空間の数の集合とし、その数の集合全てを定義域とする関数f(x) が、どの有理数の点aでも連続になる。しかしそのグラフが切れ切れである。

(参考)同様な議論が、「嶺幸太郎 著:微分積分学の試練」の130ページにある。
(130ページから引用)「なお,単に関数が連続だからといってグラフが繋がるとは限らない.次の例は、連続関数のグラフが繋がるためには定義域自身が繋がっている必要があることを示唆する:例8.5.2」

上のグラフで、x=√2 の点は、位相空間のxの数の集合(有理数)に属さない。位相空間論では、位相空間のxの数の集合に属さない点 x=√2 は、関数が連続とも、不連続とも評価しない(不連続点とは、位相空間の数の集合に属する点に対して言えることである)。
 上図の、位相空間の数の集合を有理数とした場合に、その数の集合をxの定義域とする関数f(x) は、定義域内(有理数)のどの点においても位相空間論の連続性が満足されている。
 図の通りに関数f(x) はf(x) の値がx=√2 の点でf(x) の値が極端にずれている。しかし、その点は位相空間の数の集合に属さない。この関数f(x) は、有理数の位相空間では連続関数である。位相空間論では、独立変数xの数列の極限値がxの位相空間の数の集合に属さない場合には、その値を数で無いとして無視する。位相空間論では、そのように極限の概念を制限する。有理数の位相空間の数の集合が連結しないことに起因して、この図のようにグラフが切れ切れで繋がっていないことは位相空間論の「連続性の定義」によっては判別できず、この関数を連続関数と呼んでいる。位相空間論の定義する連続関数のグラフが繋がるためには関数の定義域が連結している(〔定義の役割〕の第1の条件を満足する)必要がある。(有理数全体は連結していない)
 位相空間論では、上図の関数f(x) の定義域のxの集合の中の2つの独立したxの集合B(-√2<x<√2)と集合C(√2<x<3√2)を考える。集合BとCが、xの境界点β(x=√2 )をそれらの集合の共通の境界点としている。その境界点βが集合BにもCにも含まれない場合は、独立変数xの定義域の数の集合がその無理数βの点で連結していない。

---〔点xの定義域が連結しない条件〕---
 点xの定義域の集合は左側の集合Bと右側の集合Cに分割できる。左側の集合Bの点を右側に限りなく近づけた先の境界点βは集合Bにも集合Cにも属さない。また、その境界点βは右側の集合Cの点を左側に限りなく近づけた先の境界点でもある。その境界点βが集合Bにも集合Cにも属さないので、集合Bと集合Cを合わせた集合は連結しない。
(厳密な議論)
 境界点とは、有理数の位相空間の数の集合に属する有理数の点に限られる。数同士の距離が近いか遠いかの関係は、位相空間の数の集合に属する数同士の間でのみ定義されているからである。
 無理数βは有理数では無いので、有理数の位相空間の数の集合に属さず、境界点にならない。(注意:この点はもし位相空間の数の集合に属するならば、定義域に属さないでも「境界点」になる)。集合Bと集合Cに分割した境目の境界点βは、位相空間の数の集合に属さない点なので、点βは数では無く境界点の数は存在しないとされる。この場合に位相空間論では、集合Bと集合Cがともに開集合であることを理由にして(境界点βを考えないで)点xの定義域の数の集合が連結しないと認識する。
 古典的(基礎的)微分積分学では、定義域の数の集合が無理数の不連続点βによって分断されていると考えるが、位相空間論の微分積分学では、その「分断の原因」を考えない手探りで、定義域が「連結しない」と認識する。(しかし、ある数の集合に関する真実を記述する場合には、その集合を超える要素が必要になる場合があるので、このようなやり方で数の集合に係わる真実を把握することには危うさがある「間違えやすい」と考える)
---(点xの定義域が連結しない条件おわり)---

 有理数の変数xの定義域の数の集合が境界点βで連結していない(境界点βが無理数なので定義域に含まれない)ことが、古典的な微分積分学での「関数f(x) が点βで連続でない」に対応する。
 位相空間論には、フェリックス・ハウスドルフの貢献が大きい。
ハウスドルフの書いた集合論の教科書が位相空間論の基礎になっている。ハウスドルフの集合論の教科書を読むと、議論が破綻しているものになっていることに驚く。もちろん、議論の全体としては、(ある意味で?) 破綻をきちんと回避している。
 フェリックス・ハウスドルフの研究成果の位相空間論を簡単に理解できると安易には考えずに、その理論が教えようとする心を学んで欲しい。その心の理解のためには、位相空間論を学ぶ以前に、 古典的(基礎的)微分積分学の基礎になっている連続関数の概念は、区間で連続な関数のことである ことを学んでおいて欲しい。

 古典的(基礎的)微分積分学で、区間で連続な関数が千切れていなかった性質は、位相空間論によって、関数f(x) の独立変数xの定義域の連結性に依存していたことが浮き彫りになった。位相空間論によって、古典的(基礎的)微分積分学で連続関数と定義されていた、区間で連続な関数f(x) の性質が、関数の抽象化された連続性の概念と、関数の独立変数xの定義域の抽象化された連結性の概念と、で構成されていることが浮き彫りにされた。
〔位相空間論の開き直り〕
 位相空間論は開き直って、関数の連結性を値域の連結性と定義域の連結性とに分けて考えることにしたと考える。定義域の連結性が満足されないことによる不連続点(関数1/xのx=0の点)の考察は後回しにして、値域の連結性が満足されないことによる不連続点のみに注目するようにしたと考える。位相空間論による関数を把握する注目点は、古典的(基礎的)微分積分学による関数の注目点(関数の値域と定義域とでの連結性)とは異なるからである。

《位相空間論に対する感想1》
 有理数の数の集合Dの位相空間を定義域とする関数f(x) の連続性を定義するには、現在の位相空間論での定義では無く、以下の式(10) と式(10b) で定義することを考える。ここで、 位相空間の数の集合Dに属する独立変数xの極限値であって、集合Dに属さない無理数をβとする。式(10)と式(10b)で関数の連続性を定義すれば、有理数のみを定義域とする関数f(X) が無理数の点βで途切れることもない連続性が定義できる。なぜ、そのように関数の連続性を定義して理論を作らないのだろうか?


《位相空間論に対する感想2》
 実数全体を位相空間の数の集合とし、関数f(x) の定義域を1点の実数aとする。すなわち、関数f(x) の定義域の数の集合を{a} とする。そして、f(a)=b とする。この関数f(x) の極限を厳密に定義する場合に、うまく関数の極限を定義しないと、この1点のみの関数では、関数の極限の定義が無意味になり、連続性の定義も無意味になる。そのような問題点を回避するために、位相空間論では孤立点は全て連続な点と定義し、孤立点aの極限値はその点の関数値f(a) に等しいと定義付けていると考える。

《関数の連続性の条件》
 関数がある点aで連続であるとは、第1の条件として、関数の定義域が点aと、aの近傍で連結していることである。第2の条件として、点aで関数f(x) の値域が連結していることである。その2つの条件を満足しない点aは「連続でない点」である。
 第1の条件は、変数xが限りなく近づく宛先の点のうち、関数f(x) の定義域に含まれる点aであることと、x=aの近傍の定義域は実数が連結したxの微小区間であることとを要請する(連結している数の集合は実数の区間だけである)。
 第2の条件は、式(10)であらわすように、点aに限りなく近づく関数f(x) の極限の値がf(a) であることを要請する。

 (第2の条件の補足)更に、第1の条件が満足されない点βでは、(位相空間論に係わる微分積分学では)第2の条件を不問にしている。しかし、その点βで関数f(x) の値f(β) を定義して第1の条件を満足させると、再度第2の条件で判定すると点βが連続ではないことが判明することがある。そのような点βでは、そうした後に調べる以前から(値域の)連続性を判定する必要がある。その判定は、以下の式(10b)であらわす、点βに限りなく近づく関数f(x) の極限値が存在する条件により判定する必要がある。

 すなわち、関数f(x) の定義域D上の点aの点列で、n≧Nなる点列a_nが収束する先の点βのまわりの”開区間”に含まれる点a_nの関数の値f(a_n)  が値域の”開区間”に含まれることを、点βでの関数f(x) の(値域の)連続性の定義とするべきである。

 古典的(基礎的)微分積分学は、実数全体を位相空間の数の集合にした上で、実数の区間を定義域とする関数f(x) の微分積分学である。

リンク:

連続関数
連続関数の定義
連続性公理と実数を定義する3つの方法 (初学者向けの話)
関数の極限の定義
関数の極限と連続性
第3章 位相空間の基礎のキソ
ハウスドルフの集合論と位相空間論の誕生
高校数学の目次