《円順列を計算する上での基本的考え方》
玉を配置する円順列の問題を解くための根本的な考え方は、以下の考え方です。
(1)全ての玉は1つ1つに名前が付いていて異なっていると考えるべき。
(2)玉のどの配置も、必ず、それらの個性のある個々の玉に結び付けて考えるべき。
(3)円順列を作るための、玉を置く席は1つ1つが異なっていると考えるべき。
(4)席を固定したときの円順列の数は、その席に対して玉の配置を回転することで配置のパターンが変わるバラエティの数で割り算することで、席を固定しない場合の円順の数が計算できる。
(5)ただし、配置のパターンによっては、玉の配置を回転することで配置が変わるバラエティの数が異なることがあるので、そのバラエティの数が同じ配置のグループ毎に、席を固定したときの円順列の数を、バラエティの数で割り算することで、席を固定しない場合の円順列の数を計算する。
なお、複数の玉をまとめて1組にして、他の玉と同等に扱うことにすると、席の種類が変わる。それにより、玉の配置のパターンを変えるための回転のバラエティが変わってしまうので、要注意である。
以下に、複数の玉をまとめて1組にすると、玉の配置のパターンの回転のバラエティが変わる例を示す。
【問1】
円卓の席が8個ある。玉1,玉2,玉3,玉4,玉5,がこの番号順に、右回りに続けた席に配置され、玉6,玉7,玉8が残った席に自由に配置される。8個の席を固定した場合の、玉の配置の数は全部で何通りあるか。
【解答】
玉6,玉7,玉8の右回りの並べ方は、全部で3!=6通りある。
8個の席へのこの配置の数は、席を固定しない場合には、
玉1,玉2,玉3,玉4,玉5,の後に玉6,玉7,玉8を並べるバラエティの数であり、それは、玉6,玉7,玉8の並べ方のバラエティの数であって、全部で3!=6通りある。
8個の席を固定した場合には、その6通りの配置を各々1/8回転づつ回転した配置が異なる配置パターンの数になる。回転することで配置のパターンが変わる数は、どの配置の場合も8つの形に変わる。
よって、
8個の席を固定した場合における、玉の配置の数は全部で、
8×6
通りある。
(解答おわり)
【問2】
円卓の席が8個ある。玉1,玉2,玉3,玉4,玉5,がこの番号順に、右回りに続けた席に配置され、玉6,玉7,玉8が残った席に自由に配置される。玉1,玉2,玉3,玉4,玉5の5つの玉の群を1組にし、
その1組と、玉6,玉7,玉8とを4つの長椅子席に1つずつ配置する。
4個の長椅子席を固定した場合の、これらの玉の配置の数は全部で何通りあるか。
【解答】
玉1から玉5までの1組と、玉6,玉7,玉8との、固定した4つの席への並べ方は、全部で4!=4×6通りある。
よって、
4個の席(長椅子席)を固定した場合における、玉の配置の数は全部で、
4×6
通りある。
(解答おわり)
《問1と問2の解の比較》
問2の解答の、1/4回転づつ回転して変わる配置の回転のバラエティを、問1の配置に対応付けると下図であらわせる。
問2の解の配置パターンの回転によるバラエティは、回転角度が1/4回転毎に形が変わる。これは、問1の8個の席への玉の配置パターンの回転によるバラエティが、1/8回転毎に形が変わるのとは異なる。そのように、回転による形が変わる最小回転角度が変わってしまう。複数の玉を1組にまとめて考える場合は、回転のバラエティが変わってしまうので、要注意である。
(問1と問2の解の比較おわり)
【問3】
円卓の席が8個ある。玉1,玉2,玉3,玉4,玉5,玉6,玉7がこの番号順に、右回りに続けた席に配置され、玉8が残った席に配置される。8個の席を固定した場合の、玉の配置の数は全部で何通りあるか。
【解答】
玉8の並べ方は、残った1つの席に並べるだけなので、1通りである。
8個の席へのこの配置の数は、席を固定しない場合には、
1通りである。
8個の席を固定した場合には、その1通りの配置を各々1/8回転づつ回転した配置が異なる配置パターンの数になる。回転することで配置のパターンが変わる数は、8つある。
よって、
8個の席を固定した場合における、玉の配置の数は全部で、
8
通りある。
(解答おわり)
【問4】
円卓の席が8個ある。玉1,玉2,玉3,玉4,玉5,玉6,玉7がこの番号順に、右回りに続けた席に配置され、玉8が残った席に自由に配置される。玉1,玉2,玉3,玉4,玉5,玉6,玉7の7つの玉の群を1組にし、
その1組と、玉8と、を2つの長椅子席に1つずつ配置する。
2個の長椅子席を固定した場合の、これらの玉の配置の数は全部で何通りあるか。
【解答】
玉1から玉7までの1組と、玉8との、固定した2つの席への並べ方は、全部で2通りある。
よって、
2個の席(長椅子席)を固定した場合における、玉の配置の数は全部で、
2
通りある。
(解答おわり)
《問3と問4の解の比較》
問4の解答の、1/2回転して変わる配置の回転のバラエティ=2を、問3の配置に対応付けると下図であらわせる。
問4の解の配置パターンの回転によるバラエティは、回転角度が1/2回転毎に形が変わる。これは、問3の8個の席への玉の配置パターンの回転によるバラエティが、1/8回転毎に形が変わるのとは異なる。そのように、回転による形が変わる最小回転角度が変わってしまう。複数の玉を1組にまとめて考える場合は、回転のバラエティが変わってしまうので、要注意である。
(問3と問4の解の比較おわり)
場合の数と確率
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玉を配置する円順列の問題を解くための根本的な考え方は、以下の考え方です。
(1)全ての玉は1つ1つに名前が付いていて異なっていると考えるべき。
(2)玉のどの配置も、必ず、それらの個性のある個々の玉に結び付けて考えるべき。
(3)円順列を作るための、玉を置く席は1つ1つが異なっていると考えるべき。
(4)席を固定したときの円順列の数は、その席に対して玉の配置を回転することで配置のパターンが変わるバラエティの数で割り算することで、席を固定しない場合の円順の数が計算できる。
(5)ただし、配置のパターンによっては、玉の配置を回転することで配置が変わるバラエティの数が異なることがあるので、そのバラエティの数が同じ配置のグループ毎に、席を固定したときの円順列の数を、バラエティの数で割り算することで、席を固定しない場合の円順列の数を計算する。
なお、複数の玉をまとめて1組にして、他の玉と同等に扱うことにすると、席の種類が変わる。それにより、玉の配置のパターンを変えるための回転のバラエティが変わってしまうので、要注意である。
以下に、複数の玉をまとめて1組にすると、玉の配置のパターンの回転のバラエティが変わる例を示す。
【問1】
円卓の席が8個ある。玉1,玉2,玉3,玉4,玉5,がこの番号順に、右回りに続けた席に配置され、玉6,玉7,玉8が残った席に自由に配置される。8個の席を固定した場合の、玉の配置の数は全部で何通りあるか。
【解答】
玉6,玉7,玉8の右回りの並べ方は、全部で3!=6通りある。
8個の席へのこの配置の数は、席を固定しない場合には、
玉1,玉2,玉3,玉4,玉5,の後に玉6,玉7,玉8を並べるバラエティの数であり、それは、玉6,玉7,玉8の並べ方のバラエティの数であって、全部で3!=6通りある。
8個の席を固定した場合には、その6通りの配置を各々1/8回転づつ回転した配置が異なる配置パターンの数になる。回転することで配置のパターンが変わる数は、どの配置の場合も8つの形に変わる。
よって、
8個の席を固定した場合における、玉の配置の数は全部で、
8×6
通りある。
(解答おわり)
【問2】
円卓の席が8個ある。玉1,玉2,玉3,玉4,玉5,がこの番号順に、右回りに続けた席に配置され、玉6,玉7,玉8が残った席に自由に配置される。玉1,玉2,玉3,玉4,玉5の5つの玉の群を1組にし、
その1組と、玉6,玉7,玉8とを4つの長椅子席に1つずつ配置する。
4個の長椅子席を固定した場合の、これらの玉の配置の数は全部で何通りあるか。
【解答】
玉1から玉5までの1組と、玉6,玉7,玉8との、固定した4つの席への並べ方は、全部で4!=4×6通りある。
よって、
4個の席(長椅子席)を固定した場合における、玉の配置の数は全部で、
4×6
通りある。
(解答おわり)
《問1と問2の解の比較》
問2の解答の、1/4回転づつ回転して変わる配置の回転のバラエティを、問1の配置に対応付けると下図であらわせる。
問2の解の配置パターンの回転によるバラエティは、回転角度が1/4回転毎に形が変わる。これは、問1の8個の席への玉の配置パターンの回転によるバラエティが、1/8回転毎に形が変わるのとは異なる。そのように、回転による形が変わる最小回転角度が変わってしまう。複数の玉を1組にまとめて考える場合は、回転のバラエティが変わってしまうので、要注意である。
(問1と問2の解の比較おわり)
【問3】
円卓の席が8個ある。玉1,玉2,玉3,玉4,玉5,玉6,玉7がこの番号順に、右回りに続けた席に配置され、玉8が残った席に配置される。8個の席を固定した場合の、玉の配置の数は全部で何通りあるか。
【解答】
玉8の並べ方は、残った1つの席に並べるだけなので、1通りである。
8個の席へのこの配置の数は、席を固定しない場合には、
1通りである。
8個の席を固定した場合には、その1通りの配置を各々1/8回転づつ回転した配置が異なる配置パターンの数になる。回転することで配置のパターンが変わる数は、8つある。
よって、
8個の席を固定した場合における、玉の配置の数は全部で、
8
通りある。
(解答おわり)
【問4】
円卓の席が8個ある。玉1,玉2,玉3,玉4,玉5,玉6,玉7がこの番号順に、右回りに続けた席に配置され、玉8が残った席に自由に配置される。玉1,玉2,玉3,玉4,玉5,玉6,玉7の7つの玉の群を1組にし、
その1組と、玉8と、を2つの長椅子席に1つずつ配置する。
2個の長椅子席を固定した場合の、これらの玉の配置の数は全部で何通りあるか。
【解答】
玉1から玉7までの1組と、玉8との、固定した2つの席への並べ方は、全部で2通りある。
よって、
2個の席(長椅子席)を固定した場合における、玉の配置の数は全部で、
2
通りある。
(解答おわり)
《問3と問4の解の比較》
問4の解答の、1/2回転して変わる配置の回転のバラエティ=2を、問3の配置に対応付けると下図であらわせる。
問4の解の配置パターンの回転によるバラエティは、回転角度が1/2回転毎に形が変わる。これは、問3の8個の席への玉の配置パターンの回転によるバラエティが、1/8回転毎に形が変わるのとは異なる。そのように、回転による形が変わる最小回転角度が変わってしまう。複数の玉を1組にまとめて考える場合は、回転のバラエティが変わってしまうので、要注意である。
(問3と問4の解の比較おわり)
場合の数と確率
リンク:高校数学の目次