【課題】
以下の立体図の面BCDに垂直な法線hを求める。
面BCDに垂直な法線ベクトルhは、面上のベクトルBCとベクトルBDの外積であらわされる。
下図のように、
x軸上の単位ベクトルx、
y軸上の単位ベクトルy、
z軸上の単位ベクトルz、
同士のベクトルの外積の以下の公式があります。
この公式を使うと、ベクトルBCとベクトルBDの外積が以下の式で計算できる。
この式8は、3次元ベクトルの外積の公式として知られています。
面BCDに垂直なベクトルを表す公式は、2次元平面における直線に垂直なベクトルを表す公式が2つあるのと同様に、この外積の公式で表す以外にも、他の表現の公式も作れます。ベクトルには、観点を変えて異なる表現ができるという特徴があるからです。
しかし、その観点を変えて表した「他の公式」は、公式の形が複雑になって、不便な公式であると考えます。
便利な公式であるベクトルの外積の公式を覚えるだけで十分と考えます。
この法線ベクトルhの公式を、ベクトルb,c,dの外積であらわすと以下の式9になります。
また、各ベクトルb,c,dと法線ベクトルhの内積は、各ベクトルの法線ベクトルへの正射影であるため、全て等しくなります。
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以下の図に、ベクトルaを左回りに90度回転したベクトルavを作る方法を考えます。
(補足)
ベクトルaを反時計回りに90度回転したベクトルav=fを、
更に反時計回りに90度回転したベクトルfvは-aになる。
このベクトルavを、ベクトルaに直交しないベクトルbとcであらわせる以下の公式があります。
このベクトルがベクトaに直交する事は、以下の内積の計算で確認できます。
また、ベクトルavを、ベクトルbとcであらわせる以下の公式も成り立つ。
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【共役複素数を使ってグラフを解析する方法に関する本質的な問題点】
共役複素数を使ってグラフを表現する方法では、以下の双曲線のグラフを変換した場合のグラフの形がどういう形になるかを解析することができません。
要するに、グラフを複素数zとその共役な複素数で表した場合、そのグラフの形が理解できるのは、答えのグラフが、直線か円かの、よく知られた形のみに限定されます。
自分の知らないグラフに対しては新しい情報を得ることができないという、有用性が限定された手法です。
【複素数平面のグラフの変換には媒介変数を使うべし】
そのため、複素数平面の変換には、この様に制約されないため、媒介変数を使ってグラフを変換するべきです。
双曲線の座標zは、媒介変数θを使って以下の式で表せます。
(式2で双曲線があらわせます)
この複素数zを
ω=1/z
で変換したグラフは、以下の式で表せます。
(変換結果の式)
cos(2θ)が負になるθの値では、グラフがあらわせませんが、その場合には双曲線でもグラフが表せていませんでしたので、双曲線と事情が同じです。
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【課題】
ベクトルの分解の公式と合成の公式に対応して、複素数平面の複素数の分解の公式と合成の公式が考えられます。
【ベクトルの分解の公式】
ベクトルaとbを反時計回りに90度回転した単位ベクトルavと単位ベクトルbvを加えて考えると、以下の図の関係がある。
ベクトルOZは、上図の式、又は、以下の式で、ベクトルaとbであらわせる。
この式がベクトルの分解の公式である。
【図形で説明】
ベクトルの分解の公式は、以下の図の様にあらわせる。
この、ベクトルの分解の公式に対応して、複素数平面の複素数の分解の公式が以下の式であらわせる。
【複素数の分解の公式】
この複素数の分解の公式は、以下の式の変形によって証明できる。
(証明おわり)
【複素数の合成の公式】
以下の形の式の複素数があれば、それは複素数Zに合成できる。
【証明開始】
この式の左辺が以下のように変形できる。
(証明おわり)
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ベクトルの合成の公式と分解の公式と2元連立方程式の解
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【三角形の高さhの公式】以下の公式の証明を考える。
この図で、以下の公式が成り立つ。
【証明1】先ず、三角関数を使って証明する。
(証明おわり)
【証明2】ベクトルを使って証明する。
(証明おわり)
この証明の簡単さの差はどこから来たのだろうか。
それは、以下のように証明する事でわかる。
【証明3】
(証明おわり)
これは、証明というよりも、ベクトルcをあらわす式そのものが、公式の本質を含んでいると言う方が正確な状況をあらわしている。
(公式の位置付け)
この公式は、ベクトルaとbとcが分かっている場合に外接円の半径が分からないでも、三角形の高さhを求める公式として使える。
そして、他の公式から、高さhは、
2hR=|c|・|b|
という事も分かるので、
両公式を使う事で外接円の半径Rも計算できる。
ただし、外接円の長さRを求めるだけならば、
外心の辺BC上の高さmが分かった時点で、
辺BC/2の2乗とmの2乗の和がRの2乗になる事から求められるという他の計算の道もある。
【ベクトルaが任意のベクトルの場合】
この公式のベクトルaが、
の場合も含む任意のベクトルの場合、
この公式は以下の形の式になる。
(ここで、ベクトルavは、ベクトルaを左回りに90°回転させたベクトルである。)
この式は、座標軸をベクトルaとベクトルav の座標系に変えた場合の、新座標系で見たベクトルの成分で計算する、ベクトルの内積の公式をあらわしている。
座標系の回転変換は、ベクトルの得意技です。回転変換に係る計算をする場合は、三角関数の計算よりも、ベクトルの計算の方が簡単になります。
【練習しておこう】
また、この公式の変形として、
以下の左辺の式があらわれたら、直ぐに右辺の式を思い付く練習もしておいてください。
ベクトルaが、
の場合も含む任意のベクトルの場合、
になります。すなわち、ベクトルcの、ベクトルaに垂直な高さと、ベクトルbの、ベクトルaに垂直な高さとの積になります。
この式は、
「90度回転したベクトルをベクトルの分解の公式であらわす」のページの以下の式にベクトルbを内積した式です。
そのため以下の公式を先に覚えましょう。
また、以下の式については:
この式の本質は、
「90度回転したベクトルをベクトルの分解の公式であらわす」のページの以下の式です。
そのため以下の公式を先に覚えましょう。
【三角形の高さベクトルhの公式】
また、以下の図の三角形での以下の公式を覚えましょう。
三角形の高さベクトルDA=hを表す以下の公式が成り立つ。
(高さベクトルの公式おわり)
【三角形の垂線の足までのベクトルの公式】
また、三角形の高さベクトル(垂線)の足までのベクトルBDを表す以下の公式が成り立つ。
(垂線の足までのベクトルの公式おわり)
リンク:
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三角形の高さと外接円の半径の関係
三角形の垂心の図の全ての線分を三角関数の積で表す
このページの構成
▽問題1
▽ベクトルbに垂直なベクトルとベクトルcの内積
▽ベクトルbとベクトルcの内積
▽式の展開に同期させた図形の変換
▽三角形の高さベクトルhの公式
▽三角形の高さベクトル
▽高さベクトルhを表す2つの式
▽三角形の高さhの公式
【問題1】
以下の、高さhの三角形ABCについて、
点Oを中心にする外接円の半径がRの場合に、
公式:
bc=2Rh
を、
ベクトル計算で証明する。
この問題の、以下の解答の一部は、ここをクリックした先の問題の解答でもあります。
【注意】
この公式:
bc=2hR
は、ベクトル計算で証明するような公式では無く、
逆に、この公式を前提にして、ベクトルの種々の計算をするべき公式です。
しかし、ここでは、ベクトル計算の練習用に、あえて、この公式をベクトル計算で導き出してみます。
【解答】
(1)
先ず、ベクトルbに垂直なベクトルとベクトルcの内積を、以下の式で、三角形の高さベクトルhを導入して、計算する。
(以下の式でSは三角形ABCの面積をあらわす。)
この計算結果は、
2S=2hR・sinA
を意味する。
2S=ab・sinA
と組み合わせると、
2hR=ab
が導ける。
しかし、その解き方では、ベクトルBOが、垂直ベクトルhと角度Aを成すという、円周角の定理に関連する定理を使っています。
以下では、その角度Aに関する定理が分からない(証明されていない)事を前提にして、
以下の様にして、この問題を解いてみます。
(2)ベクトルbとベクトルcの内積
次に、ベクトルbとベクトルcの内積を以下の式で計算する。
先ず、ひし形の対角線の直交の公式により、以下の式が成り立つ事を利用する。
以下の様にベクトルbとベクトルcの内積を、三角形の高さベクトルhを導入して、計算する。
(3)
以上で得た式を、
《2つのベクトルの大きさの積の三平方の定理》
に代入する以下の計算をする。
(証明おわり)
【式の展開に同期させた図形の変換】
(1)
ベクトルbに垂直なベクトルとベクトルcの内積の式の変形計算は、以下の図形でのベクトルの変換の想像と同期させて欲しい。
(2)
また、ベクトルbとベクトルcの内積の式の変形計算は、以下の図形でのベクトルの変換の想像と同期させて欲しい。
以上の図形でのベクトルの変換の想像に同期させて、ベクトルの式の変換の計算をする事が望ましい。
図形でのベクトルの変換の方が、単なるベクトルの式の変換の計算よりも解を得る見通しが良いからです。
自分の頭の中では、図形でのベクトルの変換を思い描く。
そのように、自分の頭の中では、図形の変換を想像し、解答用紙には、ベクトルの式の変形の計算を記載すれば良いと考えます。
こうして得た結果を使って、
最後の式:
を記載して、解答用紙の証明を終了すれば良い
と考えます。
頭の中で思い描く図形のベクトルの変換は解答用紙に記載できませんが、
常に、以上の図形でのベクトルの変換を頭の中で思い描く想像力を働かせて欲しいと思います。
【三角形の高さベクトルhの公式】
また、以下の式も、三角形の高さベクトルhの公式として覚えて欲しい。
以上の2つの式から直ぐに導き出される以下の公式も、
ついでに覚えておくと役に立つかもしれない。
この様な式を証明せよという問題が出題されても、この様にあり得なさそうであって、どこから手をつけたらよいか分からず途方にくれるような問題が出題されても、大丈夫だと思えるようになる。
そう思えれば、受験のプレッシャーから開放される、おまじないになるかもしれない。
【三角形OABの高さベクトルh】
三角形OABの高さベクトル h は、上の式であらわせます。
この式を少し変形してみます。
この式を、次に説明するように、ベクトルbとcだけであらわそうとすると式が複雑になります。
三角形の、ベクトルaに垂直な高さベクトルhをあらわすには、
ベクトルaとそれを90°回転させたベクトルを使った最初の式の方が良いと考えます。
【高さベクトルhを表す2つの式】
以下の図の三角形を考える。
三角形の高さベクトルDA=hを表す以下の公式が成り立つ。
ここで、av は、ベクトルaを反時計回りに90度回転したベクトルをあらわし、それはベクトルPです。
avと同様に、bvとcvも、それぞれ、ベクトルbとベクトルcを反時計回りに90度回転させたベクトルです。
(ベクトルbとcだけであらわす)
このベクトルDAを、ベクトルbとc(そして、ベクトルa=ベクトルc-ベクトルb)を使って、以下の式で表す。
この様に、ベクトルh=ベクトルDAを、ベクトルbとcであらわすこともできますが、式が複雑です。
また、この式を使ってベクトルDAの成分を計算する計算も複雑です。
この複雑な式も、先に示した簡単な式も、異なる観点から表した式であって、最終的な解をどの式が表すのが良いのか決められない、対等の価値を持つ式です。
この様に、同じベクトルDAであっても、そのベクトルを表す観点の違いによって、異なる式であらわされます。
また、その一方の式から他方の式へ変換する計算は簡単ではありません。
ベクトルDAが2つの式であらわされるので、以下の式が成り立つ。
【三角形の高さhの公式】
以下の公式も覚えておくと便利かもしれない。
この図で、以下の公式が成り立つ。
【証明1】
(証明おわり)
【証明2】
(証明おわり)
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三角形の高さと外接円の半径の関係
三角形の垂心の図の全ての線分を三角関数の積で表す