2017年6月18日日曜日

楕円同士が接触する条件

数Ⅲ 「いろいろな曲線」
エクセル表計算ソフトの勧め

楕円の式は数Ⅲで学びます。
回転した楕円の式もあらわせます。

下図は、2つの楕円のグラフをエクセル表計算ソフトを使って、散布図グラフであらわしたグラフです。
 この2つの図形の接触の有無を数式処理で判定するのは難しいですが、エクセル表計算ソフトを使って、散布図グラフであらわし、近似計算でグラフが接触する条件を求めることができます。

 とにかく楽に問題を解く方法を探すのが「数学の心」 なので、
エクセル表計算ソフトを使えば問題を解くのが楽になるなら、
そのソフトを大いに使うべきです。

 上の楕円の中心のY座標=a を少しづつ変えて、楕円同士が接触する場合の楕円の中心のY座標=a を求めてみます。


 この様に、エクセル表計算ソフトを使って、
2つの楕円が接触する場合が、近似的に、
a=3.35
の場合であることを求めることができました。

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2017年6月17日土曜日

方程式の有理数解の有無の判定

 最高次の係数が1である整数係数方程式が有理数の解を持つ場合、その解は整数解になる。
これを利用して、整数係数の方程式が有理数解を持つか否かを素早く見極めることができる。

以下の例題で、方程式の有理数解の有無の素早い判定方法を示す。

【例題1】
 以下の方程式1は有理数解を持たないことを確認せよ。

【解答】
 式1を、以下のようにして最高次の係数が1である整数係数方程式に変換する。
とする変数wを用いて、式1を以下の式3に書き変える。
 この式3は、最高次の係数が1の整数係数方程式であるので、式3が有理数解wを持つ場合、その解wは整数解になる。
ここで、式3を変形すると、以下の式4が得られるので、式3が整数解wを持つ場合、その解wは2の倍数になることがわかる。
 この結果、式1が有理数解xを持てば、その有理数解は、式2により、以下の様に整数解になる。
ここで、式1を変形すると、以下の式6が得られるので、式1が整数解xを持つ場合、その解xは1の約数で、1か-1になることがわかる。
この、x の解の候補1と-1のどちらも式1の解にならない。

よって、方程式1は有理数解を持たない。
(確認おわり)

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2017年6月16日金曜日

球の表面積を積分で求める

「微分・積分」の勉強

(1)積分:
 以下の問題を考えます。
【問題】 
 なぜ、半径 r の球の表面積Sは、
表面積S=4π r
なのか。

 この問題は、以下の様に解くことができます。

先ず、問題をやさしくするために、半径 r が1の場合を考えます。

 次に、以下の図のように、球の表面を輪切りにして多数のリングに分割し、
その1つのリングの面積を計算します。 
リングの幅をΔwとします。
球を輪切りにする間隔のΔxあたりのリングの面積が求められました。
このリングの面積の総和が球の表面積です。
球の表面積が4πになりました。
これから、半径 r の球の表面積Sは、
表面積S=4π r
になることがわかりました。 

 この様に、要素に分割して総和を計算することが「積分」をするということです。

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2017年6月14日水曜日

「微分・積分」はどうすれば勉強できるか

「微分・積分」の勉強

 高校の数Ⅱで、微分・積分を学ぶようになり、その勉強がつまらなくなり数学を学ぶのをあきらめて文系に進むことにする学生が多いらしい。そうなる以前に早めに数学がつまらなくなることを見切って早々と文系に進むことに決める学生も多いらしい。

 そのため、このページでは、「微分・積分」をどうすればおもしろく勉強できるかというコツを考えます。

先ず、勉強の順番が、
(1)極限
(2)微分
(3)積分
になっている事が、
「微分・積分」の勉強をつまらなくしていると考えます。

 数学が好きでいつも数学を勉強している学生は、「微分・積分」の授業の順番には「微分・積分」を学んでいないと考えます。

 数学の問題を多く解いていて、数学の問題を解く技術を磨いてきた学生は、「微分・積分」の基礎的な概念は既に考えたことがあり、その概念も利用して問題を解いている。
 そして、「微分・積分」の授業に出会ったら、既に知っている自分の知識を整理するために役立てようとして授業を聞くから、「微分・積分」の勉強ができるのだと考えます。

 その、既に知っている「微分・積分」の知識とは、どのようなものかを以下で考えます。

 数学が好きでいつも数学を勉強している学生は、好奇心を満足させる面白いテーマの順に数学を学んで行くと思います。
 面白い数学の課題を見つける都度、その課題を自分で研究するという道草を食います。その道草の1つに、基礎的な「微分・積分」の概念の修得があると思います。

 そのため、以下では、その、面白い順に、「微分・積分」を学んでいこうと思います。

(1)積分
(2)微分
(3)極限
の概念の順に学ぶのが面白く、
それを学んだら、
(4)極限の概念の精密化
(5)微分の知識の整理
(6)積分の知識の整理
を勉強するのが、勉強の順番として適切だと考えます。

(1)積分:
 以下の問題を考えます。
【問題1】 
 なぜ、三角錐の体積Vは、
体積V=底面積S×高さh×(1/3)
なのか。
 この公式は、何とか覚えられたと思いますが、
もっと、すっきり覚える方法が無いか?
と考えたことがあると思います。
 この問題は、以下の様に分析することができます。
この解に法則性があるように思われますが、
この問題は難しいので、これを解くための準備として、
この問題をもっとやさしくした以下の問題を先に解くことにします。

 【問題2】
 なぜ、三角形の面積Sは、S=底辺L×高さh×(1/2)
なのか。
この問題ならば、上のような場合を考えて、解くためのヒントを見つけることができます。

この問題2で得られたヒントを拡張して、 
以下の様に問題1を解析します。

 【問題1】
これは、以下のグラフの面積を分割して計算することに対応すると考えることができます。
このように問題を解析することで、後は、この2次関数のグラフの面積を与える法則性を把握すれば、この種の問題が自由に解けるようになることが理解できます。

 この様に、分割した要素の総計を求めてグラフの面積を計算する手法が「積分」です。
 また、その計算のための法則性を整理して覚えることが「積分」を勉強するということです。

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曲線同士が接する条件は点の座標の解の重なり

「微分・積分」の勉強

(1)なめらかな曲線の接線は、微分を使って見通し良く正しく定義できる。
(2)接点の座標の計算だけで2曲線の接触を判定する場合は、接点(x,y)が重解を持つか否かで判定する。接点(x,y)のx座標かy座標の一方の座標だけでの重解の有無で判定してはいけない。

【問1】放物線y=x/4と円x+(y-1)=1は接するか?

(方程式が重根を持つかで解析する方法) 
放物線 y=x/4  (式1)
円 x+(y-1)=1 (式2)
この2つの図形は、(0,0)で接することが図から明らかである。
そして、接線は、
接線 y=0 (式3)
であることが明らかである。
 

実際に、式1の放物線と式3の直線を連立させて、方程式からyを消去すると、
0=x/4
xは0となる重根を持ち、式1の放物線は式3の接線と(0,0)で接する。
 

次に、式2の円と式3の直線を連立させて、方程式からyを消去すると、
+(0-1)=1
=0
xは0となる重根を持ち、式2の円は式3の接線と(0,0)で接する。
 

【この問題で注意する点】
 曲線同士が接する条件は、
接点(x,y)が重解を持つか否かで判定するべきであり、接点(x,y)のx座標かy座標の一方の座標だけで重解の有無を判定してはいけない。
 

【解答】
式1の放物線と式2の円の方程式を連立させる。
放物線 y=x/4  (式1)
円 x+(y-1)=1 (式2)
式1から、
=4y (式4)
式4を式2に代入してxを消去する。
4y+(y-1)=1
+2y=0
y(y+2)=0 (式5)


 接点(x,y)が多重の解を持つかどうかはx座標も確認しないといけない。
 上の計算で得た式5に式4を代入して、x座標であらわした以下の式6に書き直す。
(x/4)/4+2)=0 (式6)
(x)(x+8)=0 (式7)
(x+8)≠0 なので、
=0 (式8)
が得られる。
式8から、xの値が重根の値0を持つことがわかり、
「多重根ができるから接する」。
(解答おわり)

(補足)
 この例題のように、曲線の接触の確認には、接点(0,0) の x 座標が重根になるのであって、重解の2点のy座標は同じになるため、 x 座標が重根になる事を確認しなければならない。

(注意)
 ここで、この問題のグラフの x 座標を、
t ≡ x
で定義されるt座標を使い、 t,y 座標系での曲線の接点を求める問題と考えたらどうなるか。
t ≧ 0,
(式1)→ y=t/4  (式1b)
(式2)→ t+(y-1)=1 (式2b)
 この場合は、式2bに式1bを代入すると、
t+((t/4)-1)=1,
16t+((t-4)=16,
+8=0,
t(t+8)=0,
t=0
このように、t座標の解も重根を持たない。
 それでは、2つのグラフが接しないという解になってしまう。
 一方、与えられた2つのグラフの t,y 座標系に写像した2つのグラフは、下図のようになり、この2つのグラフは接しない。
よって、 t,y 座標系では、この2つの曲線は接しないという結論は正しい。

 2つのグラフが接するという事は、 x,y 座標系でのみ成り立つ現象である。変数変換をしたら、グラフが接するかどうかは不明になる。

(結論)
 曲線の式と曲線の式を連立させて方程式を解く場合には、
曲線が接する判定条件は、(x,y)の座標点が重解になるかどうかで判定するべきである。


(補足)
 以上の計算における曲線の接触の判定の計算は、「この式8が得られることで正しく重解の存在を判定できるのか?」 という疑問が湧くという、接点の判定条件が怪しげで不明瞭であるという問題がある。
 この不明瞭さを解消するには、式の微分を用いることで明瞭な判定ができる。その判定方法は、後のページの例題で例示する。

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2017年6月10日土曜日

対数関数の微分

 高校2年の微分の授業で、対数関数の微分を教えていない。
 対数関数の微分は、高校3年の理系学生に、数Ⅲの「微分法」でようやく教えているようです。
 しかし、ある関数の微分を教えない微分の授業というのは、微分の本質を教えていない。数学教育の崩壊に近いのではないかと考えます。

【対数関数の微分の公式】
 以下で、対数関数の微分の公式を証明します。
ここで e はネイピア数と呼ばれる重要な数です。

【証明開始】
 以下で、対数関数の微分を計算する。
(証明おわり)
 こうして、対数関数の微分の公式が導き出せ、
また、ネイピア数 e が無理無く導入できた。

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2017年6月5日月曜日

微分方程式をラプラス変換で解く

【問1】
以下の微分方程式を解け。

【解答】
ラプラス変換を利用して以下の様に計算して解く。
式3から6を使って式1をラプラス変換する。
この式は、以下の形の式に分解できる。
この式8を逆ラプラス変換する。
(解答おわり)

(補足)
 ラプラス変換は、 t 座標であらわした関数 f と s 座標であらわした関数 F の間の写像変換と考えることができる。
 その写像は、 t 座標であらわした式の1つの項に、写像先の s 座標であらわした1つの項が対応する。
 式の写像は項単位で行なう。写像の単位の項を写像し易いように、写像する式は単純な形の式の項の和に分割してから写像変換する。
 特に、 t 座標の関数 f の微分演算が、 s 座標では、s を関数 F に掛け算した項ともう1つの項の和に変換される特徴がある。
 写像変換した後で、s 座標での s の加減乗除で関数 F を計算する。その関数 F の式を t 座標であらわした関数 f に逆写像する。
 そうすることで、t 座標での微分方程式の解 f を解くことができる。

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2017年6月4日日曜日

指数関数の微分

 高校2年の微分の授業で、指数関数の微分を教えていない。
 指数関数の微分は、高校3年の理系学生に、数Ⅲの「微分法」でようやく教えているようです。
 しかし、ある関数の微分を教えない微分の授業というのは、微分の本質を教えていない。数学教育の崩壊に近いのではないかと考えます。

 以下で、指数関数の微分を簡単に説明します。
指数関数のうち一番重要なネイピア数 e の指数関数の微分の式1を説明します。

【式1の証明の試み1】
ネイピア数 e は以下の式2で定義されます。
この式2を使って、ネイピア数 e の指数関数が以下の式3で定義できます。
この式3を微分して以下の式が得られます。
(証明おわり?)

【上の証明の数学的批判】
 上の証明では、ネイピア数 e のx乗を、大きな数mを使った極限であらわした式に対して微分の公式を適用して答えを計算しています。
 しかし、そもそも「微分」とは、無限に小さい微小量に関して、関数の変化率を求める計算のことです。無限に小さい微小量を使う以前にネイピア数 e の値が確定している必要があります。そのため、微分で使う無限に小さい微小量よりも、ネイピア数 e の値を定義する微小量=(1/m)の方がもっと小さい微小量でなければなりません。
 (1/m)にくらべれば、微分に使う微小量の方がきめが粗いのです。そのため、(1/m)における極限を求めるよりも先に微分の公式を使うのは、数学的におかしい計算です。

【式1の証明】
  (1/m)にくらべれば、微分に使う微小量Δxの方がきめが粗いということが分かったので、その、きめが粗い微小量Δxを使った微分の定義の式を使って、m乗の式を展開した以下の式を計算する。
この式は、mが十分大きいと以下の式に変形できる。
 このように、先にmの極限の計算をしてから、次にΔxの極限の計算をした。
すなわち、きめの細かい(1/m)の極限を先に計算して、次に、Δxの極限の計算をしたので、この計算ならば問題ない。
(証明おわり)

(補足1)
 上の計算のように、 きめの細かい(1/m)と、きめの粗いΔxを混在させた式を書くと、Δxの値が十分小さければ、それが(1/m)よりも大きくても、Δxの二乗以上の項を省略することができることが顕わにわかる。
 その計算は、結果的に、mの極限を計算する前に微分の公式を適用したのと同じになりますが、その計算をしても良いことを顕わにして計算するので、その順に計算しても正しく論理性が保たれた証明ができます。

(補足2)
 この様に、ネイピア数 e の指数関数が、m乗の式3で定義されているので、そのm乗の式をΔxのk乗(k=0~m)の項の和から成る多項式に展開することができ、それにより、微分の値を計算することができた。
 ネイピア数 e 以外の数を底にした指数関数も、式3と同様のm乗の式であらわすことで、その指数関数の微分を計算することができる。
 全ての指数関数のうち、ネイピア数 e の指数関数が、最も単純な形の式3であらわすことができる。そのため、ネイピア数 e の指数関数が最も基本的な指数関数である。

(補足3)
 ネイピア数eは、以下の様にして指数関数を微分する公式を求めようと努力する中で、以下の様に定義することができる。
この式4の指数関数を微分しようとしても、直ぐには微分の計算方法がわからない。
であることを考慮して、
この式4を以下の多項式5に展開する。そうすると微分の計算ができるようになる。
先ず、以下の式6で定義する簡単な形の指数関数を考える。

この式6を、以下の様に展開する。
こうして、式5の形に展開した式8が得られた。
この式を各項毎に微分して式9を得る。
この式9により、式6で定義したネイピア数の指数関数は、微分しても同じ指数関数に戻ることがわかった。

(補足4)
 ネイピア数は、指数関数の微分よりも先に対数関数の微分を考えることで、以下のように無理無く導入できる。
こうして、対数関数の微分の公式が無理なく導き出せた。

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