2017年8月18日金曜日

高校2年生も覚えるべき置換積分法

「微分・積分」の勉強

(6)積分の知識:
 「置換積分法」
ここをクリックした先のページのpdfの108ページ(「微分積分学入門」著者:横田 壽)に、置換積分法が書いてあります。

3.2 置換積分法(integration by substitution)
不定積分∫f(x)dx を求めるときに,

f(x)dx の x を媒介変数 t の関数g(t) に置き換えることにより,
f(x)dx を f(g(t))g’(t)dt という,積分し易い形に変形することを置換積分法(integration by substitution) と いいます.

定理3.4 (置換積分法)
f(x) が連続であるとき,

x = g(t) とおくと,g(t) が微分可能であれば,
∫f(x)dx = ∫f(g(t))g’(t)dt
が成り立つ.


(証明開始)
(1)先ず、xを媒介変数 t の関数g(t)で表す。
xはtが変化したときにどのくらい変化するか調べるため、x=g(t)をtで微分する。
x=g(t)がtで微分可能((Δx/Δt)の極限が有限の値になる)なら、
Δxが以下の式であらわされる。
(2)その場合に、以下の式が成り立つ。
ただし、xで積分するxの積分範囲がg(a)からg(b)までの場合に、
tで積分するtの積分範囲は、aからbまでにする。
(証明おわり)

(置換積分の例題)
下図の関数の積分を考えます。
この積分は、以下の様に変数xを変数tに変換する置換積分で計算することができます。
=2
です。
この変数変換をすると、A点からB点までの積分は、下図の関数の積分に変わりました。
そのため、積分が簡単になり、
積分結果が2になりました。
(例題おわり)

(補足)
この関数の積分は、A点からC点までの範囲までならばリーマン積分が可能です。
その積分可能範囲は、C点をB点に近付けた場合の積分結果の極限値をB点までの積分値であると、積分可能範囲の定義を拡張できます。

 一方で、この積分は、以下の様に変数xを変数tに変換する置換積分で計算できました。
この変数変換をすることで、A点からB点までの積分は、下図の関数の積分に変わりました。
上図の積分の場合、A点からB点までの範囲での関数の値が有限値なので、リーマン積分が可能です。
この変数tに変換した積分のA点からB点までの積分可能範囲が、変数xでの積分の、拡張した積分可能範囲と一致しました。

リンク:
高校数学の目次

2017年8月17日木曜日

微分積分はどうすれば勉強できるか(2)

「微分・積分」の勉強
 高校2年生から、極限・微分・積分の「意味がわからない」「つまらない」「教わる計算方法が正しいと言える理由(証明)がわからない」で数学の学習から脱落する高校2年生が多いらしい。
 その脱落の原因を考えます。

高校では、定積分を以下のように教えています。
【関数f(x)の定積分を以下のように定義する】
(1)微分したらf(x)になる関数F(x)を見つけること。
この関数F(x)を原始関数と呼ぶ。
この原始関数を使って、以下の計算で定積分する。


【問題点】
 数学センスを持つ人が知っている以下の常識があります。
「何かが存在するならば、それで何かができる」という定理であって、
その存在する「何か」の集合がどういうものであるかが示せない、
言い換えると、その定理がいつ使えて、いつ使えないかを示せない、
という定理には、定理としての価値が無い』と言う常識です。
例えば、
「関数f(x)にxを掛け算した関数をF(x)とする。このとき、F(x)の微分がf(x)となる関数F(x)が存在するならば、その関数F(x)がf(x)の積分である」
という「定理」には価値が無い。
f(x)=1の場合
F(x)=xとなり、たしかにこの「定理」が成り立っている。
f(x)=xの場合、
F(x)=xとなり、
F’(x)=2x≠f(x)なので、この定理が規定する存在条件を満足する関数F(x)が無い。
よって、この場合も、この定理には矛盾がない。

 しかし、この論理には大きな欠陥があります。
「言っていることが成り立つ場合に、その定理が使える」
という条件を加えた定理は、いつだって成り立ちます。なぜならば、成り立たない場合は、その定理の適用範囲外だと規定しているからです。
 この「定理」は、いつ使えるかを明確化した定理に書き換えることができ、その書き換えた定理は:
「関数f(x)にxを掛け算した関数をF(x)とする。関数f(x)が定数である場合に限り、その関数F(x)がf(x)の積分である」
というように、内容を明確化して書き換えることができます。
 このように、いつ使えるかを明確化してみると、元の「定理」は、いつ使えて、いつ使えないかを定義せずあいまいにしている「ごまかし」があっただけとわかります。定理は、このように明確化しなければなりません。
 そのため、いつ使えて、いつ使えないかを定義していない定理は、
解くべき問題(いつ使えて、いつ使えないかという問題)を解かずに、
問題をあいまいにしている「ごまかし」があるので、
定理としての価値がありません。

【関数f(x)の定積分を以下のように定義する】では、原始関数F(x)が存在すれば、という適用除外条件があり、しかも、その適用が除外されない、存在するF(x)とはいかなるものかということが定義されていないので、無価値な定義です。
 原始関数の正しい定義は、以下のように定義できます。
【原始関数の正しい定義】
 微分不可能な点が無限にある関数F(x)もあります。その微分不可能な点では、その関数F(x)は原始関数ではありません。
 ただし、変数xの定義域から、微分不可能な点の変数xの値を除外した定義域では、その関数F(x)が原始関数になります。
(原始関数の定義)
 関数F(x)をxで微分する。その場合に、変数xの値のある範囲で微分でき、微分係数が与える関数がf(x)となった場合、
関数F(x)を、そのxの範囲に係わる関数f(x)の原始関数と呼び、
関数f(x)を関数F(x)の導関数と呼びます。
【原始関数の作り方】
 以下の式で定積分(定積分とは何かは後で説明します)をあらわすことができる関数F(x)を求める計算を積分と呼ぶ。

ここで得た関数F(x)を不定積分と呼ぶ。
この関数F(x)が、変数xのある範囲で微分できた(微分可能な)場合に、すなわち、
が成り立つ場合に、
F(x)は、先の原始関数の定義に従って、
xのその範囲に係わるf(x)の原始関数です。
(定義おわり)

 1997年からは、日本の高校の数学IIで面積が無定義に用いられという、数学センスを否定する蛮行が行なわれた。そして、関数f(x)のグラフとx軸で囲まれる領域の面積を,x方向で微分するともとの関数f(x)になり、面積の微分がf(x)となるという本末転倒なことを教えるようになった。
 このような、数学センスに反する無価値な情報をおぼえることを強制された場合、それを覚えることを拒否して良いと考えます。
 一つの選択としては、理系に進むのを止めて文系に進むことがあります。
 しかし、数学が好きな学生には、それはできない、と考えます。
その学生のために、以下の様に微分積分を学ぶことを推薦します。

(微分積分の学び方)
 ヨーロッパやアメリカでは、「高校で微分積分を教えるのは、直観にうったえる内容に限られ、正確な微分積分を教えられない」という理由で、微分積分は大学生に教える科目になっています。
 日本の大学でも、その欧米の教育に合わせて、初めて学ぶ者に分かるように微分積分を改めて教育しているようです。
 大学で使う微分積分の参考書は、高校で教える微分積分の知識を全く知らない学生に理解できるように書かれています。
 しかも、大学生向けの微分積分の参考書の方が、日本の高校生向けの微分積分の参考書よりやさしく分かり易い。

 高校の微分積分を勉強するなら、先ず、大学生向けの微分積分の参考書を読むことを推薦します。高校の微分・積分の教科書は分かりにくいだけで無く、間違いも含まれています。読まない方が良いのではないかと考えます。
 微分については、大学生向けの参考書で無料でダウンロードできる、
「微分積分学入門」(横田 壽)
を読んでみることをお勧めします。
(しかし、同じ著者の書いた高校生向けの参考書「確実に身につく微分積分(2012年)」の1版は、内容が劣化しているのでお勧めできません。大学生向けの本物の知識の参考書「微分積分学入門(2004年)」を読んでください。)

「微分積分学入門」(横田 壽)の読み方は、 66ページから始まる2章「微分法」の以前のページは斜め読みして、何が書いてあるらしいかを漠然と把握しておいて、
66ページ以降の2章「微分法」をお勧めします。
読んでいるうちに知らない関数や概念が出てきたら、66ページ以前に書いてありますので、探して、その部分を読んで理解するように勉強してください。

 積分については,ここをクリックした先のpdfファイルにある原教授の以下のコメントが大切です。
---(原教授のコメント開始)---------
 積分については高校でも習ってはいるが,その基礎を突き詰めていくといろいろと困ったことがでてくる.
特に 「積分は微分の逆演算」として定義すると,「ある関数 f の積分を求めよ」という問題や「この関数の積分は定義でき るか?」という問題でハタと困ってしまう.
(微分して f になるような関数がわからない場合,高校までの知識ではお手上げだ.)
この節では高校までの知識はいったん忘れて,「積分とは何か」「積分をどのように定義すべきか」か ら話を始める.

4.1 積分(定積分)の定義
 ということで,まずやるべきは「与えられた関数f(x) に対して,その積分を定義すること」である.
これから見ていくように,かなり広いクラスの関数に対してその積分(定積分)を定義することができる.
定積分を通して不定積分も定義できるので,高校までの知識とのつながりがつくことになる.
・・・
積分の最も素朴な定義はこれから紹介する「リーマン和」に基づくもので、、、
---(原教授のコメントおわり)------ 


(積分の計算の基本)
 以下のグラフのように、面積を分割して、分割した要素の総計を求めてグラフの面積を計算する手法が「定積分」です。
 この計算のための法則性を整理して覚えることが「積分」を勉強するということです。

(「リーマン積分可能」の定義)
「微分積分学入門」(横田 壽)の124ページから125ページに「リーマン積分可能」の定義が書いてあります:

 ここではドイツの数学者G.F.B. Riemann (1826-1917) によって示されたRiemann 積分につ いて学んでいきます.リーマン積分による「積分可能」の定義は、全ての種類の「積分可能」の定義の基礎になっています。
  f(x) は閉区間[a, b] で定義されているとします.この閉区間[a, b] を次のような点xi(i = 1, 2, . . . , n) でn 個の小区間に分割します.
(a = x0 < x1 < x2 < · · · < xi < · · · < xn = b)

 この分割をΔ で表わし, Δxi = xi − xi−1 (i = 1, 2, . . . , n) のうちで最も大きい値を|Δ| で 表わします.
いま,それぞれの小区間[xi−1, xi] のなかに任意の点ξi をとり,Riemann 和 (Riemann sum) とよばれる次の和を考えます.

このとき、
となる実数S が存在するならば,このS をf(x) の定積分(definite integral) といい, f(x) は閉区間[a, b] で積分可能(integrable) であるといいます.また,このS を次のように表わします.
つまり関数f(x) が閉区間[a, b] で積分可能であるということは,分割の仕方および点ξi(i = 1, 2, . . . , n) のとり方に関係なく、各点の関数値の和が一通りに定まるということです.

 この定義に従い、関数の積分可能性を以下の様にして調べることができます。
先ず小さな閉区間[a, b] を定めて、
その閉区間の小区間への分割の仕方および点ξi(i = 1, 2, . . . , n) のとり方に関係なく、各点の関数値の和が一通りに定まる(積分可能)か否かを調べることができます。 

(積分可能な例1)
以下の図の関数f(x)のグラフを考えます。
この関数は、x=0の点での極限とx=2の点での極限が存在しません。
x=0の点とx=2の点で関数は不連続であり、また、極限も存在しませんが、
-1≦x≦3
の区間を細分した各小区間での関数の値の和が一通りに定まるので、その不連続点を中間に持つ区間でも積分可能です。
この関数f(x)を積分して、以下の図の関数F(x)を求めることができます。
この関数F(x)を微分して下図のグラフの関数を求めます。
x=0とx=2の点では、微分係数が存在しないので、その点では微分できません。
この(dF(x)/dx)のグラフは、x=0とx=2で関数値が存在しないという点で、関数f(x)と異なるグラフになるという特徴があります。
(関数f(x)の原始関数について)
変数xの、x≠0とx≠2の範囲に係わる関数f(x)の原始関数がF(x)であると言えます。

 この微分結果のグラフを再度積分したらどうなるでしょうか。
その積分結果は、再び同じ関数F(x)が得られると考えます。
x=0の点とX=2の点の有無で異なる2つのグラフを積分したら、同じ関数F(x)が得られました。
そのため、関数f(x)に積分結果の関数F(x)を対応させる写像変換は、
2個以上の関数f(x)に1つの関数F(x)を対応させる、
複数対1の写像であると考えられます。

 特に、積分では、被積分関数が連続関数である場合と、その連続関数の1点の関数値が存在しない(あるいは0等の値になる)不連続関数である場合とが区別できない。
(不連続関数f(x)の積分と、その微分の例)
 関数f(x)を:
変数xが整数の点では関数値が存在せず、
変数xが整数以外の点では値が1、
である不連続関数とします。
(上図において、x=整数の不連続点のxの値に対して、そのxの値における極限の値をf(x)の値に置き換えてf(x)=1とすれば関数が連続関数になります。そういう不連続点のことを、「除去可能な不連続点」と呼びます。)
 この不連続関数 f(x)のグラフを積分したら、
連続な関数 F(x)=xが得られます。
この連続関数F(x)=xを微分したら、
連続関数であるy=1が得られます。
(関数f(x)の原始関数について)
整数以外の変数xの範囲に係わる関数f(x)の原始関数がF(x)=xであると言えます。

 このように、微分積分学では、あらゆる関数に微分積分を行う理論を作ろうとすると、いろいろな難しい問題があることがわかりました。
 関数f(x)の変数xの一部の区間での積分結果がF(x)となる関数F(x)と元の関数f(x)との間の微分積分のあり得る関係が以下の図であらわせます。
(上図で、関数f(x)は、除去可能な不連続点を除去した関数です。関数F(x)は、変数xの値の範囲が、x1とx4を除いた範囲でf(x)の原始関数です。一方、関数F(x)は、変数xの値の範囲が、x1を除いた範囲で関数f(x)の原始関数でもあります
 このように、関数の不連続点がらみで、関数f(x)とF(x)の間に難しい関係があることが分かりました。

 微分積分学で、難しい問題が生じない関数の範囲を把握して、その範囲内で微分積分の計算をすることで、応用上で微分積分を使い易くできます。
 そのため、使い易い関数として、極限が存在する「連続関数」 を主に扱う対象にし、また、「微分可能性」で関数の変数の定義域を制限して、微分積分を行う範囲を制限します。その範囲内で成り立つ法則を把握して、種々の公式を導き出して使うことで微分積分学を最大限に応用できるようになります。

 微分積分学は、微分可能な関数と積分可能な関数を定義して、その種の関数の間で微分したり積分をします。「微分可能」と「積分可能」という制限条件を定め、その制限条件を満足する関数を扱うのが微分積分学だと認識することがとても大切です。

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2017年8月16日水曜日

連続関数の定義

 高校2年になり学ぶ微分積分は、あらゆる関数に対する微分積分を考えるととても難しくなります。
極限の無い不連続関数が特に問題を難しくする元になっています。

 そのため、不連続関数を除外することで、微分積分の問題を易しくします。

 そのように、不連続関数を除外した残りである連続関数を正確に定義し、頭を整理しましょう。  

ここをクリックした先のページのpdfの39ページ(「微分積分学入門」著者:横田 壽)に、連続関数の定義が書いてあります。

不連続関数を含めた関数の極限、
を考えるときには,
x0 での極限の有無にかかわらず、 x0 での関数f(x)の値f(x0)定義されている必要はありませんでした.
また,関数f(x)の値 f(x0) が存在しても、その値がx0 での極限値
 
と一致する必要もありませんでした.

そのように無制限な関数の条件に、新たに、
極限値とそこでの関数の値が等しいという条件を加えてみます。

そうすることは,以下で説明するように、
関数がある点で連続である
という条件を加えるという意味を持ちます.
【定義1.4 (連続関数) 】
 関数f(x) は区間(x0 − δ, x0 + δ) で定義されている.

が成り立つとき, f(x) はx = x0 で連続(continuous) であるという.

 この定義により,関数f(x) の定義域が区間(x0 − δ, x0 + δ) を含んでいるとき,関数f(x) は次 の2 つの不連続の場合を除外できて、
x = x0 で連続になります.
 
(関数がx = x0 で不連続となる2つの場合)
   (場合1)      (場合2)
図1.13 不連続の例

 (場合1)
 
が存在しない場合。

(場合2)
は存在するがその値はf(x0) と等しくない場合。
(場合1)では、x0 は真性不連続点(essential discontinuity) といい,
(場合2)では,
x0 は除去可能な 不連続点(removable discontinuity) といいます.
 つまり,(場合2)では,f(x0) の値を新たに 定義することにより,x0 で関数を連続に修正することができます.


 ここで,関数を連続に修正できない(場合1)であるか否かを調べるのに便利なものがあります.

(左側極限値)(left-hand limit)
 x をx0 に近づけるとき,
特にx < x0 という制限があるときには, 
x はx0 より小さい値を とりながらx0 に近づくので,これを
x → x0 − 0 またはx → x0− 
と表わします.
(右側極限値)(right-hand limit)
   同様に,
x がx0 より大きい値をとりながら, x0 に近づくとき,これを
x → x0 + 0 またはx → x0+ 
と 表わします.

 この左側極限値と右側極限値が一致すれば、極限値を持ち、
x0 において場合2の、修正可能な不連続な関数であるか、
又は、
x0 において連続な関数か、
のどちらかです。

そして、更に、その極限値をf(x0) と等しくすれば、
x0 において連続な関数になります。

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2017年8月12日土曜日

積分可能の定義

「微分・積分」の勉強
 高校2年生から、極限・微分・積分の「意味がわからない」「つまらない」「教わる計算方法が正しいと言える理由(証明)がわからない」で数学の学習から脱落する高校2年生が多いらしい。
 その脱落の原因は、高校2年の極限・微分・積分の授業では、数学のうたい文句から外れた教育がされるからではないかと考えます。
すなわち、今までは、
「数学は、公式を正しく証明した後にその公式を使う」
と言って来たが、
高校2年生の、極限・微分・積分の授業からは、
「数学は、計算結果さえ合えば良い、途中の経緯は問わない、公式の証明は間違っていても問題視しない」
という教育思想が入り込み、
その思想の行き過ぎを避けるため、
「便利すぎる公式は、それをつかって直ぐ答えが得られてしまうから教えない」
という思想が混ざり、
数学教育に大きな濁りが入り込むので「微分積分がつまらない」となる原因があるのではないかと考えます。

 その濁りに押し流され無いため、高校2年生も 公式を厳密に証明して納得してから使う、数学の心に従って極限・微分・積分の学習をして欲しいと考えます。

 先ず、積分とは何かを、積分可能のハッキリした定義を知ることで頭を整理しましょう。
 積分については,ここをクリックした先のpdfファイルにある原教授の以下のコメントが大切です。
---(原教授のコメント開始)---------
 積分については高校でも習ってはいるが,その基礎を突き詰めていくといろいろと困ったことがでてくる.
特に 「積分は微分の逆演算」として定義すると,「ある関数 f の積分を求めよ」という問題や「この関数の積分は定義でき るか?」という問題でハタと困ってしまう.
(微分して f になるような関数がわからない場合,高校までの知識ではお手上げだ.)
この節では高校までの知識はいったん忘れて,「積分とは何か」「積分をどのように定義すべきか」か ら話を始める.

4.1 積分(定積分)の定義
 ということで,まずやるべきは「与えられた関数f(x) に対して,その積分を定義すること」である.
これから見ていくように,かなり広いクラスの関数に対してその積分(定積分)を定義することができる.
定積分を通して不定積分も定義できるので,高校までの知識とのつながりがつくことになる.
・・・
積分の最も素朴な定義はこれから紹介する「リーマン和」に基づくもので、、、
---(原教授のコメントおわり)------


(積分の計算の基本)
定義6.1(Riemann積分) 同志社大学 押目教授

閉区間[a, b]上において有界(有限な最大値と有限な最小値を持つ)な関数f(x)に対して、
以下の小区間への分割の仕方および小区間内の点ξi(i = 1, 2, . . . , n) のとり方に関係なく、各点の関数値の和Sが一通りに定まる時,
f(x)は閉区間[a, b]において(Riemann)積分可能という.


 以下のグラフのように、面積を分割して、分割した要素の総計を求めてグラフの面積を計算する手法が「積分」です。
 この計算のための法則性を整理して覚えることが「積分」を勉強するということです。

(「リーマン積分可能」の定義)
「微分積分学入門」(横田 壽)の124ページから125ページに「リーマン積分可能」の定義が書いてあります:

 ここではドイツの数学者G.F.B. Riemann (1826-1917) によって示されたRiemann 積分につ いて学んでいきます.リーマン積分による「積分可能」の定義は、全ての種類の「積分可能」の定義の基礎になっています。
  f(x) は閉区間[a, b] で定義されているとします.この閉区間[a, b] を次のような点xi(i = 1, 2, . . . , n) でn 個の小区間に分割します.
(a = x0 < x1 < x2 < · · · < xi < · · · < xn = b)

 この分割をΔ で表わし, Δxi = xi − xi−1 (i = 1, 2, . . . , n) のうちで最も大きい値を|Δ| で 表わします.
いま,それぞれの小区間[xi−1, xi] のなかに任意の点ξi をとり,Riemann 和 (Riemann sum) とよばれる次の和を考えます.

このとき、
となる実数S が存在するならば,このS をf(x) の定積分(definite integral) といい, f(x) は閉区間[a, b] で積分可能(integrable) であるといいます.また,このS を次のように表わします.
つまり関数f(x) が閉区間[a, b] で積分可能であるということは,小区間への分割の仕方および小区間内の点ξi(i = 1, 2, . . . , n) のとり方に関係なく、各点の関数値の和が一通りに定まるということです.

 この定義に従い、関数の積分可能性を以下の様にして調べることができます。
先ず小さな閉区間[a, b] を定めて、
その閉区間の小区間への分割の仕方および小区間内の点ξi(i = 1, 2, . . . , n) のとり方に関係なく、各点の関数値の和が一通りに定まる(積分可能)か否かを調べることができます。 

(積分可能な例1)
以下の図の関数f(x)のグラフを考えます。
この関数は、x=0の点での極限とx=2の点での極限が存在しません。
x=0の点とx=2の点で関数は不連続であり、また、極限も存在しませんが、
-1≦x≦3
の閉区間を小区間に細分した各小区間での関数の値の和が一通りに定まるので、その不連続点を中間に持つ区間でも積分可能です。
この関数f(x)を積分して、以下の図の関数F(x)を求めることができます。
この関数F(x)を微分して下図のグラフの関数を求めます。
x=0とx=2の点では、微分係数が存在しないので、その点では微分できません。
この(dF(x)/dx)のグラフは、x=0とx=2で関数値が存在しないという点で、関数f(x)と異なるグラフになるという特徴があります。
(関数f(x)の原始関数について)
変数xの、x≠0とx≠2の範囲に係わる関数f(x)の原始関数がF(x)であると言えます。

 この微分結果のグラフを再度積分したらどうなるでしょうか。
その積分結果は、再び同じ関数F(x)が得られると考えます。
x=0の点とX=2の点の有無で異なる2つのグラフを積分したら、同じ関数F(x)が得られました。
そのため、関数f(x)に積分結果の関数F(x)を対応させる写像変換は、
2個以上の関数f(x)に1つの関数F(x)を対応させる、
複数対1の写像であると考えられます。

 特に、積分では、被積分関数が連続関数である場合と、その連続関数の1点の関数値が存在しない(あるいは0等の値になる)不連続関数である場合とが区別できない。 

(不連続関数f(x)の積分と、その微分の例)
 関数f(x)を:
変数xが整数の点では関数値が存在せず、
変数xが整数以外の点では値が1、
である不連続関数とします。
(上図において、x=整数の不連続点のxの値に対して、そのxの値における極限の値をf(x)の値に置き換えてf(x)=1とすれば関数が連続関数になります。そういう不連続点のことを、「除去可能な不連続点」と呼びます。)
 この不連続関数 f(x)のグラフを積分したら、
連続な関数 F(x)=xが得られます。
この連続関数F(x)=xを微分したら、
連続関数であるy=1が得られます。
(関数f(x)の原始関数について)
整数以外の変数xの範囲に係わる関数f(x)の原始関数がF(x)=xであると言えます。

(積分可能な例2)
上のグラフは、不連続な関数f(x)のグラフですが、積分可能なグラフの例を示しています。

 上の図の関数f(x)がリーマン積分可能なのは、変数xの全区間の部分区間毎です。
第1の部分区間:
ー∞<x<A
第2の部分区間:
A’<x≦C
(点Aで関数は不連続であり、また、極限も存在しませんが、
ー∞<x≦C
まで合わせた区間でも、関数の区間を細分した各小区間での関数の値の和が一通りに定まるので、その不連続点Aを中間に持つ区間でも積分可能です。)

(点Bでは、関数が無限大になるので積分ができません)
第3の部分:
D≦x<+∞

(注意1)
 リーマン積分では、点A’から点Dまで、関数f(x)の値が無限に大きくなる点Bを中間に持った区間で関数f(x)を積分することができません。
その理由は:
無限に関数値が大きくなる点Bを中間に持つと、その点Bを中間に持つxの小区間で、
細分の幅Δxがどれだけ小さな値であっても、
(1/Δx)≪f(ξ)
となる関数値f(ξ)を選ぶことができるからです。
そういう関数値f(ξ)を選んでしまうと、関数値の総和が定まらなくなってしまうからです。

(注意2)
 しかし、上図の関数f(x)は、B点の左側の区間で、X=A’からx=Cまでの積分の値の、Cを無限にBに近付けた極限の有限の値を持つものとします。
また、B点の右側の区間で、X=DからX=+∞までの積分の値の、Dを無限にBに近付けた極限の有限の値を持つものとします。
「そのように左側の区間のC点及び右側の区間のD点をB点に近付けた極限での積分の値が存在するならば、
B点の左側の区間の積分値と、B点の右側の区間の積分値の和を、点Bを中間に持つxの区間での積分とする」
と言うように、関数f(x)の「積分可能性」の定義を拡大することができます。 

(連続関数の積分)
 下図のグラフの関数は連続関数で、関数の極限が存在するが、でこぼこしていて、でこぼこがxのあらゆる有理数にまで在り、どの有理数のxの位置においても微分不可能な関数です。
 上図のグラフのよう微分不可能な位置(x=有理数の点)が無限にある関数であっても、積分はできます。
元の関数が連続関数等の、関数の極限が存在する関数の場合は、その関数を積分した関数は微分可能な関数になります。
こうして、極限が存在する関数を積分して関数群を作れば、その関数群は皆、微分可能な関数であることが保証されます。

(極限が存在しない点が無限にあり、積分不可能な関数)
 しかし、下のグラフの関数f(x)のように、どの位置においても関数の極限が存在しない関数もあり得ます。
 例えば、 
xが有理数の場合にf(x)=0であって、
xが無理数の場合のf(x)=1
という、極限が存在しない関数f(x)などです。
(f(x) ≡ 1-ディリクレ関数)
 そういう、極限が存在しない関数f(x)を積分して関数F(x)を得た場合(もし積分できた場合)、その積分により得られた関数F(x)は微分可能だろうか。
 そもそも、微分の計算は極限を求める計算なので、その関数f(x)が積分できても、その積分した関数F(x)を微分した場合に、元の関数f(x)は(極限値が存在しないので)、微分によっては得られないと考えます。

 この関数f(x)の変数x=x1からx=x2までの変数xの閉区間をn等分した小区間を作り、その小区間毎にf(x)の値f(ξ)を求めて、その値の和で積分します。
(1)その際に、 変数x=ξが全て有理数なら、f(ξ)=0になり、積分結果は0になります。
(2)一方、変数x=ξが全て無理数√2の有理数倍なら、f(ξ)=1になり、積分結果は(x2-x1)になります。
(3)小区間内の点ξの取り方によってf(ξ)の和による積分結果が変わるような計算の値は定かでは無いので、その様な関数f(x)は積分することができません。
(但し、無理数は有理数の可付番無限大倍よりも多く圧倒的に多い無理数を優先して計算するルベーグ積分という定義もあります。)

(極限が存在しない点が無限にあり、積分可能な関数)
上図のノコギリ関数g(x)を使って以下の関数を作ります。
この関数f(x)は、以下のx座標で極限が存在しない。
その他、
x=奇数/(整数×2)
の点では極限値が存在しない。

しかし、この関数f(x)は積分できて、連続関数G(x)が得られる。
積分結果の連続関数G(x)は微分できるxの値がある。
(関数G(x)は、元の関数f(x)の極限が存在しない有理数のxの値では、微分不可能です)
関数G(x)の微分結果は、以下の関数g2(x)を使ってあらわすことができる。
微分結果のグラフは、以下の(x)のグラフになります。
ただし、このf(x)のグラフは、関数f(x)の極限が存在しない有理数のxの値では、このグラフf(x)が不連続であり、かつ、グラフf(x)の関数値が存在しない。
この関数f(x)の不連続点の値の変数xでは関数値が存在しないが、その変数xの値で関数f(x)の値が存在します。
その点で、関数f(x)が、積分以前の関数f(x)と異なっています。
しかしながら、「微分可能」な変数xの値での関数f(x)の値は積分以前の関数f(x)の値と同じになります。
おもしろいことに、この関数f(x)のグラフは、
x=無理数の位置で「連続」です。
そのxの無理数の値から無限に小さい距離の近くにも有理数の値のxの不連続点があるにもかかわらずです。

 このように、微分積分学では、あらゆる関数に微分積分を行う理論を作ろうとすると、いろいろな難しい問題があることがわかりました。
 関数f(x)の変数xの一部の区間での積分結果がF(x)となる関数F(x)と元の関数f(x)との間の微分積分のあり得る関係が以下の図であらわせます。
(上図で、関数f(x)は、除去可能な不連続点を除去した関数です。関数F(x)は、変数xの値の範囲が、x1とx4を除いた範囲でf(x)の原始関数です。一方、関数F(x)は、変数xの値の範囲が、x1を除いた範囲で関数f(x)の原始関数でもあります
 このように、関数の不連続点がらみで、関数f(x)とF(x)の間に難しい関係があることが分かりました。

 微分積分学で、難しい問題が生じない関数の範囲を把握して、その範囲内で微分積分の計算をすることで、応用上で微分積分を使い易くできます。
 そのため、使い易い関数として、極限が存在する「連続関数」 を主に扱う対象にし、また、「微分可能性」で関数の変数の定義域を制限して、微分積分を行う範囲を制限します。その範囲内で成り立つ法則を把握して、種々の公式を導き出して使うことで微分積分学を最大限に応用できるようになります。 

 微分積分学は、微分可能な関数と積分可能な関数を定義して、その種の関数の間で微分したり積分をします。「微分可能」と「積分可能」という制限条件を定め、その制限条件を満足する関数を扱うのが微分積分学だと認識することがとても大切です。
 しかし、この一番大切な概念を高校2年には教えない。高校3年に至っても「積分可能」の概念を教えていないようです。 
 しかも、1997年からは、日本の高校の数学IIで面積が無定義に用いられという、数学センスを否定する蛮行が行なわれた。そして、関数f(x)のグラフとx軸で囲まれる領域の面積を,x方向で微分するともとの関数f(x)になり、面積の微分がf(x)となるという本末転倒なことを教えるようになった。
 このようなデタラメな教育では、高校生に微分積分が分からないのも無理無いと考えます。

注意 5.3 1969年の日本書院の高校の教科書の数学IIIで, 定積分は次のように定義されている.
関数 y = f(x) は閉区間 [a, b] で連続とする. 

この区間を図のように (n-1) 個の点
, x, … , xn-1
で n 個の小区間
[a,x], [x,x], … , [xn-1, b]
に分ける.それら小区間内にそれぞれ任意の点
, t, … , t …①
をとって,和

を作る.ただし、a=x0,b=xとする。
すべての小区間の長さが,いずれも 0 に近づくように n を限りなく大きくするとき, ①の点のとり方にかかわらず, 和Sは一定の極限値に近づくことが知られている. この極限値を,関数 f(x) の区間 [a, b] における定積分といい

で表す. ■

 この定義は高校生のための定積分の定義として優れている. リーマン積分の理論と断絶することなく,そこに開かれている. 「収束」の意味,区間和の上限,下限などを学習し, 連続関数ならSが収束すること,積分可能であることをつかんだ段階で, 高校での定義を再認識することができる. 高校教科書はこのようでなければならない.


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