2026年3月16日月曜日

同値変形の考え方の要約

ページ外へのリンク:
▷必要条件の見分け方
▷方程式の全ての解の導出公式
▷存在記号∃の意味
▷存在条件の代入原理

このページは、
「同値変形の考え方」のページの要約です。

【同値変形とはなにか】
 同値変形とは、命題Aの全ての情報を過不足なく保持させて命題Bに変換する処理です。
つまり、同値変形とは、命題Aのあらわす情報を保持したまま、表現を書き換えて命題Bにする処理です。
 命題Aがあらわす情報は、方程式の集合である場合や、または、(X,Y)座標であらわされる点の集合である場合や、その他、数の集合だったりします。

【方程式の集合の同値変形】
《同値変形の例1》
 以下の連立方程式は等価であり、左の式の群から右の式の群が導き出せる。
左から右まで、等価な式の群が、同値変形で、導き出される。


《必要条件の見分け方》
 命題Bが命題Aの必要条件になるか否かは、以下のように考えて判定できる。
 命題Bが命題Aの必要条件になるということは、以下の命題が成り立つことである。
命題Aならば命題Bである。
この命題は、以下の命題に置き換えることができる。
(命題A)で無いか、又は、(命題B)である。
 
《同値変形の例2》

 以下の式の群も、左側の式の群から右側の式の群に同値変形されます。


《同値変形の例3》 軌跡(2)から:
 以下の式の群も、左側の式の群から右側の式の群に同値変形されます。


最初の連立方程式は、以下のようにも同値変形できる。

式がこの形に同値変形できたので、元の方程式の解は、「方程式の全ての解の導出公式」にしたがって、式(3) と、Y≠0における式(4) と、を満足する全ての点(X,Y) に対して、方程式の解(X,Y,m) が存在する。

【点の集合(X,Y) をあらわす表現の同値変形】
《同値変形の例4》
 例3の連立方程式において、以下の図の命題Bのように、命題のあらわす情報(条件B)を、パラメータmを利用してあらわした点(X,Y)の集合のみをあらわすようにする。そうした場合は、点(X,Y)の集合の情報あらわすために使ったパラメータmは、点(X,Y)の情報には含まれない。それゆえ、点(X,Y)の集合のみをあらわす命題B(条件B)の表現を同値変形で言い換える際には、そのパラメータmは残す必要がない。そのため、以下の図のように、その命題Bがあらわす点(X,Y)の集合の情報は、下図の右側の命題Aがあらわす点(X,Y)の集合の情報と同じである。


 
 なお、命題Bが表す点の集合(X,Y) の情報は、以下の命題Cや命題Dとして表現することもできる。

《存在記号∃の意味》
 上記の必要十分条件の連鎖の最後に示した命題Dの以下の表現の意味を説明する。


存在記号∃を使ってあらわしたこの命題Dが先の命題Cと必要十分な関係にある。以下で、なぜそうだと言えるのかを説明する。
 命題Dにおいて、存在記号∃を付けたパラメータmを存在記号∃が束縛すると言う。パラメータmは存在記号∃に束縛されている。mのことを束縛変数(ダミー変数)と呼ぶ。命題Dがあらわす情報は、命題Dを「真」にする、(ダミー変数m以外の)数XとY(自由変数と呼ぶ)の組の集合(点(X,Y) の集合)である。
 束縛変数mには、命題Dにあらわれている点(X,Y) を制約する役割がある。命題Dが、パラメータmが存在しなければならないという指令によって制約されることで、点(X,Y) が所定の範囲内に制限され、その結果、命題Dが、そのように制限された点(X,Y) の集合をあらわす。点(X,Y) の情報をあらわすためにパラメータmが利用されている。
 すなわち、命題Dは、パラメータmの具体的値m1で命題Dが成り立つ場合の点(X,Y) の集合の情報(のみ)をあらわす。つまり、存在記号∃が付けられたパラメータmは、命題があらわそうとする数の集合からは除外される。そのため、命題Dは、「確かに在るパラメータmを使ってあらわされた点(X,Y) の集合をあらわす。それゆえ、命題Dは命題Cと同じ(必要十分な関係にある)である。

【点(X,Y) の集合をあらわす命題だと認識すべし】
《存在条件の代入原理》

 上記の式において、最初の、存在記号を付けたパラメータmを使って表した命題Aは、パラメータmを利用して点(X,Y) の集合の情報をあらわした命題である。
 命題Aは、「以下の式を満足する点(X,Y) の集合」と明示した命題にすべきである。
 点(X,Y) の集合の情報をあらわすために使ったパラメータmは、点(X,Y) の集合の情報には含まれない。点(X,Y) の集合の情報をあらわす命題A(条件A)の中の、パラメータmをXとYであらわす式は、点(X,Y) の集合を制限する影響がない。そのため、点(X,Y) の集合をあらわすためには、残す必要がない式であるので削除する同値変形をして最後の命題に変形する。
 その最後の命題は、方程式(a4)を満足する点(X,Y) の集合の情報を表す命題である。その命題には、存在記号∃を消す際に、先ずは、「以下の式を満足する点(X,Y) の集合」という言葉が補われて命題の意味が明確にされる。

 その、「以下の式を満足する点(X,Y) の集合」と言う言葉は大切な情報なので、たとえ冗長であっても、なるべく、消さずに残しておくことが望ましい。
「冗長」だと言った意味は、

以上の同値変形に対して、
(先生A曰く)「そもそも方程式は点の集合をあらわすものなので、点(X,Y) の集合という言葉を使ってあらわされていた(パラメータmがある)当初の命題から余分なパラメータmを使った文が消えた最後の命題では、わざわざ
『以下の式を満足する点(X,Y) の集合』という言葉を残す必要もない。」
という先生もいるからです。
 高校生が先生から、「そもそも方程式は点の集合をあらわすものである。更には~」と言われても、方程式の深い意味や、更には~、という知識を教わっていないので、わけが分からない。高校生にとって、「以下の式を満足する点(X,Y) の集合」という言葉が命題の意味を理解する助けになるので、「以下の式を満足する点(X,Y) の集合」と言う言葉は、たとえ冗長(人によっては当たり前)であっても、消さずに残しておくことが望ましい。

〘重要〙ここをクリックした先のyoutubeで、存在記号∃の意味を詳しく説明して、「以下の式を満足する点(X,Y) の集合」という言葉が冗長だと分かるレベルまでの知識を与えた上で、存在条件の代入原理が当たり前だと分かる知識を与え、存在条件の代入原理の応用の練習もさせ、更には、存在条件の代入原理を使って解く大学入試問題の2問を解いている。
とても参考になるので、是非視聴して、「以下の式を満足する点(X,Y) の集合」と言う言葉が冗長だというのが当たり前と分かるレベルまで成長することが望ましい。

【数の集合をあらわす表現の同値変形】
《同値変形の例5》
 同値変形する情報が、数αをあらわす情報の場合、その数αの情報を説明するために付随するパラメータ(あるいは、関係ないパラメータ)は、数αの情報の同値変形において残す必要はない。以下の図の、数αをあらわす表現の同値変形の関係が成り立つ。これは、数αをあらわす表現を言い換える同値変形をしているのである。



 数αをあらわす表現の同値変形を、以下の図のように少し変えてあらわす。数αをあらわす表現においては、αに関係ない数xの事項は、数αには関係ないので無くても情報が変わらない。

ただし、数αに関係ない事項であっても、命題(条件)を偽にしてしまうという、命題(条件)に甚大な被害を与えるような事項(それは命題(条件)があらわす情報を変える重大事項である)は、命題(条件)から除去できない。


【2つのパラメータであらわす点(X,Y) の表現】
《同値変形の例6》
 点(X,Y) をパラメータsとtであらわす以下の連立方程式(1) と(2) が以下のように同値変形できる。


 最初の連立方程式の式(1) と(2) は、点(X,Y) を、2つのパラメータsとtであらわす式である。2つのパラメータを使ってあらわされた点(X,Y) の集合は面になる。その連立方程式を、上記の同値変形によって、パラメータsとtを点(X,Y) の座標によって表す式(6) から(9) を得た。パラメータsとtの実数の解が存在するためには、点(X,Y) が式(3) の条件を満足しなければならない。
 上記の連立方程式の同値変形の結果は、実数のパラメータsとtを使った連立方程式で点(X,Y) の集合をあらわす表現が、以下の方程式(3) を使って点(X,Y) の集合をあらわす表現に同値変形できることをあらわしている。

 すなわち、先の、同値変形した方程式の群は、「以下の式を満足する点(X,Y) の集合」という、情報の限定条件を付けると、式(6) ~(8) が、パラメータsとtが求められるというだけの点(X,Y) を制限するわけでもない情報なので、表すべき情報とは関係ない不要な情報になるので削除される。
 なお、式(3) は、実数のパラメータsとtの解が存在し得る条件であるが、それがそのまま、点(X,Y) の集合があらわす面の領域の範囲をあらわしている。
 なお、元の式のパラメータsとtに存在記号∃を付けてあらわした以下の式は、パラメータsとtを、あらわすべき情報から除外するという意味の式になる。そのため、その式は、「以下の式を満足する点(X,Y) の集合」という、情報の限定条件を付けた式と同じ情報をあらわす式(等価な式)になる。


 先の式(3) を求める解き方は、以下のように、sとtを順次に減らしていく解き方で以下の式(7) を求めて解いても良い。




リンク:
無理方程式を解くときに注意すること3つ
二重根号の外し方の4つの方法
高校数学の目次


2026年3月7日土曜日

同値変形の考え方

(注意)このページは長くなり過ぎたので、このページの内容の要約を、
「同値変形の考え方の要約」
のページに記載した。
 先ず、その要約ページを見てから、このページを読むと良いと思う。

ページ内リンク:
▷必要条件の見分け方
▷方程式の全ての解の導出公式
▷存在記号∃の意味
▷存在条件の代入原理

【同値変形とはなにか】
 同値変形とは、命題Aの全ての情報を過不足なく保持させて命題Bに変換する処理です。
つまり、同値変形とは、命題Aのあらわす情報を保持したまま、表現を書き換えて命題Bにする処理です。
 命題Aがあらわす情報は、方程式の集合である場合や、または、(X,Y)座標であらわされる点の集合である場合や、その他、数の集合だったりします。

【方程式の集合の同値変形】
《同値変形の例1》
 以下の連立方程式は等価であり、左の式の群から右の式の群が導き出せる。
左から右まで、等価な式の群が、同値変形で、導き出される。

 下図の左側の式の群の情報(条件A)がある場合に、必ず右側の式の群の情報(条件B)が抽出できる。右側の式の群(条件B)が必ず成り立つ。右側の式の群(条件B)を、左側の式の群(条件A)の必要条件と呼んでいる。

 下図の左側の式の群の情報(条件)がある場合に、右側の式の群の情報(条件)が全て抽出できるわけではない。そのため、左側の式の群(条件)が成り立つ場合に必ず右の式の群(条件)が成り立つわけではない。右の式の群(条件)は、左側の式の群(条件)の必要条件ではない。

下図のように、左側の式の情報(条件)がある場合に、その式の情報に新たな式の情報を追加して合わせた式の群(条件A)があれば、合わせた式の群の情報(条件A)は右側の式の群の情報(条件B)と同じになる。

すなわち、左側の式の当初からの情報(α=1)に、y=1という情報を、当初からの条件と定めて加えた、全ての情報(条件A)は、右側の式の情報(条件B)と同じになる。そうだからと言って、元の左側の式の情報(α=1)がある場合に、yの情報が当初から定められていなければ、右側の式の群の情報(条件B)が全て抽出できるわけではない。

《式を置き換えて考える》
 下図の、左から右まで、等価な式の群が、同値変形で、導き出される。

この式の群のどれもが等価である。
 この式の群のうちの1つを取り出して、先に評価した式、すなわち、左側の式にyに関する情報を加えた式と右側の式の群を比べる式、の項をそれに置き換えて考える。

 上図の左側の式の群の情報(条件)がある場合に、右側の式の群の情報(条件)が全て抽出できるわけではない。そのため、左側の式の群(条件)が成り立つ場合に必ず右の式の群(条件)が成り立つわけではない。右の式の群(条件)は、左側の式の群(条件)の必要条件ではない。
 下図のように、左側の式の情報がある場合に、その式の情報に新たなyの式の情報を追加して合わせた式の群(条件A)があれば、合わせた式の群の情報(条件A)は右側の式の群の情報(条件B)と同じになる。

すなわち、左側の式の当初からの情報(α+α=2)に、y=αという情報を、当初からの情報と定めて加えた、全ての情報(条件A)は、右側の式の情報(条件B)と同じになる。そうだからと言って、元の左側の式の情報(α+α=2)がある場合に、yの情報が当初から定められていなければ、右側の式の群の情報(条件B)が全て抽出できるわけではない。

《命題の例2》
 以下の論理式全体であらわす命題は、その全体の命題の左側の命題Aと右側の命題Bとに、以下の関係があるものとする命題である。
(命題A)→(命題B)
(命題Bが命題Aの必要条件である)
その例:
X=1, → X=10ー9,
上記の全体の命題の論理式の右側の部分の命題Bは、Xを、
10-9
という数式であらわしている。この命題Bの情報は、結局は10-9の計算の結果で得られた値1が、Xの値であることをあらわしている命題である。
 この命題B(条件B)を、条件が最も本質的な形になるまで同値変形することで、
10-9
という計算の結果の値の1のみを残すという、条件が最も本質的な形になるまで同値変形して条件B’にする。 命題B(条件B)のあらわす情報を説明するために使った計算式10-9を除去した条件B’(それは命題Bと同じ情報である)が、命題A(条件A)の必要条件(条件Aが成り立てば必ず成り立つ情報)である。

《必要条件の見分け方》
 命題Bが命題Aの必要条件になるか否かは、以下のように考えて判定できる。
 命題Bが命題Aの必要条件になるということは、以下の命題が成り立つことである。
命題Aならば命題Bである。
この命題は、以下の命題に置き換えることができる。
(命題A)で無いか、又は、(命題B)である。
 これが成り立つことを以下で確かめてみる。
(命題A)で無いことは、
X≠1である、ということである。
(命題B)であることは、
X=10-9である、ということである。
つまり、
X=1である、ということである。
そのため、(命題A)で無いか、又は、(命題B)である。
ということは、
X≠1であるか、
X=1である、ということである。
これは常に成り立つ。
そのため、(命題A)で無いか、又は、(命題B)である。
よって、命題Aならば命題Bである。
ゆえに、命題Bが命題Aの必要条件である。

《同値変形の例3》

 以下の式の群も、左側の式の群から右側の式の群に同値変形されます。


《同値変形の例4》 軌跡(2)から:
 以下の式の群も、左側の式の群から右側の式の群に同値変形されます。

《方程式の全ての解の導出公式》
 なお、上記の連立方程式を同値変形して、以下の式(a1) と式(a2) の連立方程式が得られた場合は、その軌跡の式(a1) を満足する全ての点(X,Y) が、連立方程式の全ての解(X,Y,m) を与える。

詳しくは、以下の内容である。すなわち、方程式の群(連立方程式)の同値変形によって;①、パラメータmが点(X,Y) の解として与えられる方程式(a2) が求められた。また、②、XとYとの軌跡の方程式(a1) が求められた。①と②が得られたならば、軌跡の方程式(a1) を満たす全ての点(X,Y) に対して、方程式の解(X,Y,m) が存在する。という公式である。
 この公式は、(存在条件の代入原理:)「①と②が得られたならば、パラメータmを消して全ての点が解となる軌跡の式(a1) が求められる」という、(消さなくても良い)「パラメータmを消す」回りくどい言い方をする「存在条件の代入原理」よりも分かりやすいと思う。

《例4の続き》
例4の方程式は、以下のように同値変形できる。

式がこの形に同値変形できたので、元の方程式の解は、「方程式の全ての解の導出公式」にしたがって、式(3) と、Y≠0における式(4) と、を満足する全ての点(X,Y) に対して、方程式の解(X,Y,m) が存在する。

【点の集合(X,Y) をあらわす表現の同値変形】
《同値変形の例5》
 同値変形する元の命題Aのあらわす情報(条件A)が、「方程式」という情報ではなく、点(X,Y)の集合をあらわす情報の場合、点(X,Y)の集合の情報あらわすために使ったパラメータは、点(X,Y)の情報には含まれない。それゆえ、点(X,Y)の集合をあらわす命題A(条件A)の表現を同値変形で言い換える際にそのパラメータは残す必要がないことを注意しておく。例えば、以下の図のように点(X,Y)の集合をあらわす命題Aの表現を、以下のようにパラメータmを消して同値変形できる。
 このような、方程式の群ではなく、点(X,Y)の集合の情報をあらわす命題A(条件A)の表現を言い換える同値変形があるので要注意である。

以下の問題を解く場合の同値変形を考える。
【問1】実数のmの値が変化するとき、2直線
mx-y+5m=0 (直線1)
x+my-5=0  (直線2)
の交点P(X,Y)の軌跡を求めよ。


 この問題の直線1と直線2の連立方程式は、先ずは、方程式の同値変形ができる。

 下図の左側の命題Bとして、その方程式のあらわす点(X,Y)の集合だけ(mの値に応じて点の位置が動く)をあらわす命題Bを考える。命題Bは、点(X,Y)の集合の情報を、ー∞<m<∞の範囲の値が可能なパラメータmを使ってあらわしている。
 その命題Bがあらわす点(X,Y)の集合は、下図の右側の命題Aがあらわす点(X,Y)の集合の情報と同じである。


 下の図であらわす命題B(条件B)において、パラメータmは、点(X,Y)の集合の説明に使っているだけである。命題B(条件B)が与える情報にはパラメータmは含まれない。そのため、命題Bは命題Aから導き出される必要条件になる。

 命題Bが命題Aの必要条件になるか否かは、以下のように考えて判定できる。
 命題Bが命題Aの必要条件になるということは、以下の命題が成り立つことである。
命題Aならば命題Bである。
この命題は、以下の命題に置き換えることができる。
(命題A)で無いか、又は、(命題B)である。
 これが成り立つことを以下で確かめてみる。
(命題A)で無いことは、
以下の図の、「点(-5,0)を除いた半径5の円周上の点」では無い点(X,Y)である、ということである。

一方で、(命題B)であることは、
上図の、点(-5,0)を除いた半径5の円周上の点(X,Y)である、ということである。
 そのため、「(命題A)で無いか、又は、(命題B)である」
ということは、点(X,Y) のあり得る位置が、XY平面上のどの点でも良いということである。
これは常に成り立つ。
そのため、(命題A)で無いか、又は、(命題B)である。
よって、命題Aならば命題Bである。
ゆえに、命題Bが命題Aの必要条件である。

 なお、命題Aが表す点の集合(X,Y) を表現を変えて表した命題Bは、以下の命題Cや命題Dとして表現することもできる。

《存在記号∃の意味》
 上記の必要十分条件の連鎖の最後に示した命題Dの以下の表現の意味を説明する。


存在記号∃を使ってあらわしたこの命題Dが先の命題Cと必要十分な関係にある。以下で、なぜそうだと言えるのかを説明する。
 命題Dにおいて、存在記号∃を付けたパラメータmを存在記号∃が束縛すると言う。パラメータmは存在記号∃に束縛されている。命題Dがあらわす情報は、命題Dを「真」にする、(パラメータm以外の)数XとYの組の集合(点(X,Y) の集合)である。
 パラメータmには、命題Dにあらわれている点(X,Y) を制約する役割がある。命題Dが、パラメータmが存在しなければならないという指令によって制約されることで、点(X,Y) が所定の範囲内に制限され、その結果、命題Dが、そのように制限された点(X,Y) の集合をあらわす。点(X,Y) の情報をあらわすためにパラメータmが利用されている。
すなわち、命題Dは、パラメータmの具体的値m1で命題Dが成り立つ場合の点(X,Y) の集合の情報(のみ)をあらわす。そのため、命題Dは、「確かに在るパラメータmを使ってあらわされた点(X,Y) の集合をあらわす。それゆえ、命題Dは命題Cと同じ(必要十分な関係にある)である。

【点(X,Y) の集合をあらわす命題だと認識すべし】
《存在条件の代入原理の証明》

 上記の式において、最初の、存在記号を付けたパラメータmを使って表した命題Aは、パラメータmを利用して点(X,Y) の集合の情報をあらわした命題である。
 命題Aは、「以下の式を満足する点(X,Y) の集合」と明示した命題にすべきである。
 点(X,Y) の集合の情報をあらわすために使ったパラメータmは、点(X,Y) の集合の情報には含まれない。それゆえ、点(X,Y) の集合の情報をあらわす命題A(条件A)の表現を同値変形で言い換える際にそのパラメータmは残す必要がない。
 その命題Aを同値変形して得た最後の命題は、方程式(a4)を満足する点(X,Y) の集合の情報を表す命題である。その命題には、存在記号∃を消す際に、先ずは、「以下の式を満足する点(X,Y) の集合」という言葉が補われて命題の意味が明確にされる。
(この続きが、ここをクリックした先にある)

《整数XとYの座標値の点の集合の命題の同値変形の例》
 特に、数XとYとが整数であると定義されている問題では、当初の命題が、更に、有限個の点(X,Y) の集合を列記した命題に同値変形される。
 例えば、以下の式で点の集合(X,Y) をあらわす命題Aの同値変形を考える。



以下で、方程式(6) を方程式(7) に変形する。

変形した方程式(7) を使って命題Eをあらわす。

この命題Eに係わる方程式(7) は以下のグラフをあらわす。

このグラフから求めた解は、以下の命題Fになる。

結局、命題Aは命題Fに同値変形された。

この命題Fがあらわす有限個の点(X,Y) の集合にあてはまる方程式は、方程式(7) 以外にも存在し得る。
例えば、以下の命題Gに係わる方程式がそうである。

なぜなら、この命題Gを同値変形すると、以下の命題Hが得られるからである。

この命題Hに係わる方程式(8) は以下のグラフをあらわす。

そして、このグラフから求めた解は命題Fになる。

そのため、先に示したように、命題Gは命題Fに同値変形される。
命題G(命題H)に係わる方程式(8) は、命題Fがあらわす点(X,Y) の集合に同値変形されるが、方程式(8) は、命題Aに係わる方程式(7) とは、同じ有限個の点(X,Y) の集合をあらわす、という共通点しかない。
命題Aと命題Gが等価(同値)であっても、その有限個の点(X,Y) の集合をあらわす方程式(7) も方程式(8) も、座標の値が整数の点(X,Y) 以外の余分な情報を含んでいる。その余分な情報があるので、方程式(7) と方程式(8) は互いに変換されない。その状況では、方程式(7) も方程式(8) も、いずれの方程式も、命題Aの本質を表現する基本的な式ではない。方程式(7) も方程式(8) も、いずれの方程式も、「座標の値が整数の点(X,Y) 」という前提条件と結び付けられることで、余分な情報が消え、点の集合をあらわす命題Fという必要十分な情報になる。
 そのように、「以下の式を満足する(整数の)点(X,Y) の集合」と言う言葉は大切な情報なので、たとえ冗長であっても、なるべく、消さずに残しておくことが望ましい。
「冗長」だと言った意味は、

以下のような同値変形をすると、

(先生A曰く)「そもそも方程式は点の集合をあらわすものなので、点(X,Y) の集合という言葉を使ってあらわされていた(パラメータmがある)当初の命題から余分なパラメータmを使った文が消えた最後の命題では、わざわざ
『以下の式を満足する点(X,Y) の集合』という言葉を残す必要もない。」
という先生もいるからです。
 高校生が先生から、「そもそも方程式は点の集合をあらわすものである。更には~」と言われても、方程式の深い意味や、更には~、という知識を教わっていないので、わけが分からない。高校生にとって、「以下の式を満足する点(X,Y) の集合」という言葉が命題の意味を理解する助けになるので、「以下の式を満足する点(X,Y) の集合」と言う言葉は、たとえ冗長(人によっては当たり前)であっても、消さずに残しておくことが望ましい。

〘重要〙ここをクリックした先のyoutubeで、存在記号∃の意味を詳しく説明して、「以下の式を満足する点(X,Y) の集合」という言葉が冗長だと分かるレベルまでの知識を与えた上で、存在条件の代入原理が当たり前だと分かる知識を与え、存在条件の代入原理の応用の練習もさせ、更には、存在条件の代入原理を使って解く大学入試問題の2問を解いている。
とても参考になるので、是非視聴して、「以下の式を満足する点(X,Y) の集合」と言う言葉が冗長だというのが当たり前と分かるレベルまで成長することが望ましい。

【数の集合をあらわす表現の同値変形】
《同値変形の例6》
 同値変形する情報が、「方程式」という情報ではなく、数αをあらわす情報の場合、その数αの情報を説明するために付属するパラメータは、数αの情報の同値変形において残す必要はない。以下の図の、数αをあらわす表現の同値変形の関係が成り立つ。これは、方程式の群を同値変形しているわけではない。数αをあらわす表現を言い換える同値変形をしているのである。



 数αをあらわす表現の同値変形を、以下の図のように少し変えてあらわす。数αをあらわす表現においては、αに関係ない数xの事項は、数αには関係ないので無くても情報が変わらない。

ただし、数αに関係ない事項であっても、命題(条件)を偽にしてしまうという、命題(条件)に甚大な被害を与えるような事項(それは命題(条件)があらわす情報を変える重大事項である)は、命題(条件)から除去できない。


【2つのパラメータであらわす点(X,Y) の表現】
 点(X,Y) をパラメータsとtであらわす以下の連立方程式(1) と(2) が以下のように同値変形できる。


 最初の連立方程式の式(1) と(2) は、点(X,Y) を、2つのパラメータsとtであらわす式である。2つのパラメータを使ってあらわされた点(X,Y) の集合は面になる。その連立方程式を、上記の同値変形によって、パラメータsとtを点(X,Y) の座標によって表す式(6) から(9) を得た。パラメータsとtの実数の解が存在するためには、点(X,Y) が式(3) の条件を満足しなければならない。
 上記の連立方程式の同値変形の結果は、実数のパラメータsとtを使った連立方程式で点(X,Y) の集合をあらわす表現が、以下の方程式(3) を使って点(X,Y) の集合をあらわす表現に同値変形できることをあらわしている。

 すなわち、先の、同値変形した方程式の群は、「以下の式を満足する点(X,Y) の集合」という、情報の限定条件を付けると、式(6) ~(8) が、パラメータsとtが求められるというだけの点(X,Y) を制限するわけでもない情報なので、表すべき情報とは関係ない不要な情報になるので削除される。
 なお、式(3) は、実数のパラメータsとtの解が存在し得る条件であるが、それがそのまま、点(X,Y) の集合があらわす面の領域の範囲をあらわしている。
 なお、元の式のパラメータsとtに存在記号∃を付けてあらわした以下の式は、パラメータsとtを、あらわすべき情報から除外するという意味の式になる。そのため、その式は、「以下の式を満足する点(X,Y) の集合」という、情報の限定条件を付けた式と同じ情報をあらわす式(等価な式)になる。


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