2011年7月19日火曜日

対数の大小の公式2



佐藤の数学教科書「指数関数・対数関数」編の勉強

【問2】log4とlog6の大小関係を求めよ。

(解答の方針)
底の変換公式を使う。


対数関数の大小は、以下の対数の大小の公式を(以下の数の範囲で)利用することで必ず解くことができる。


《対数の大小の公式》

底について  1<m<u
真数について s≧p
である場合は、上の公式が成り立つ。
(対数の大小の公式おわり)

 この公式を、以下のように利用することで、大小関係を必ず解くことができる。
(1)底を1より大きくし、真数も1より大きくした式に変換した上で、
(2)小さい方(と思われる)対数関数の底を、他の対数関数の底よりも大きくする。
(3)大きい方(と思われる)の対数関数がlogmC≡Hであり、
小さい方(と思われる)の対数関数がloguD≡Lである場合、
対数関数Hの真数Cと底mを使って、1より大きい真数であって、なるべく1に近い真数のCn/mtを作る。
それを、対数関数Lの真数Dと底Aを使って同じ形に作った真数Dn/ut と比べる。
このように真数を変換することは、元の対数関数をn倍にした値からtを引き算することを意味する。
nH-t=logm(Cn/mt
nL-t=logu(Dn/ut

対数関数HがLより大きければ、
nとtを十分大きくして、1より大きな真数で、なるべく1に近い真数を作れば、
対数関数Hから作った真数は必ず、対数関数Lから(同様にして)作った真数よりも大きくなり、先の公式にあてはまるようになる。

(その理由は、大きなnで対数関数の大小関係が拡大されているので、対数関数HとLの真数の値は、対数の底の違い以上に大きさが異なるようになるためである。
なお、tを引き算する理由は、対数関数の値が同じなら、底が異なっても真数を同じにするためである。)


 この方法を使えば、必ず、対数関数の大小関係を求めることができる。

【解答はじめ】
L≡log
H≡log
(1)この2つの対数関数の大小関係は、多分H>Lである。
そのため、対数関数Hの底を、Lの底=3より小さくする。

2H=log
2L=2log4=log16

(2)真数を1に近づける(ただし1より大きくする)ために、対数関数から2を引き算する。
2H-2=log(6/4)=log(3/2)
2L-2=log(16/9)

(3-1)対数関数を更に2倍にする。
4H-4=log(9/4)
4L-4=log(256/81)

(3-2)
真数9/4=2+(1/4)
     =底{1+(1/4)/2}
真数256/81=3+(13/81)
     =底{1+(13/81)/3}
ここで、(1/4)/2>(13/81)/3
よって、対数の大小の公式によって、
4H-4>4L-4
∴ H>L

log6>log
(解答おわり)

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