2011年11月20日日曜日

(1)複素数平面



佐藤の数学教科書「式と証明・複素数」編の勉強
第6講 複素数平面

複素数平面は高校3年の範囲ですが、昔は高校2年で、虚数を教わると同時に、数直線が平面になって複素数があらわされると教わっていました。
 そのため、高校2年から、複素数平面を複素数を理解するための便利な道具として使う(例えば複素数の解を表す道具として使う)ようにしてください
(複素数平面に関して出題される複雑な問題は高校2年では解かずに、そういう問題は後で、高校3年になってから解くことにして良いです。)

複素数平面とは、
横軸に実数をあらわす実軸を持ち、
縦軸に虚数をあらわす虚軸を持つ平面であり、その平面上の点で複素数をあらわす平面です。

上図のように、例えば、iや、(1+i)/√2などの複素数を複素数平面上の点であらわします。

この複素平面で、実軸の右側にある数”1”が、全ての数の基準です。
この複素平面に置いてあらわした数と0をあらわす座標原点との距離を、”絶対値”と呼び、以下の式のように、複素数zを、|z|というように、||で囲んであらわします。
絶対値の例 |i|=1

この図には、虚数iの平方根である(1+i)/√2があらわされていますが、(1+i)/√2の絶対値は1であって、(1+i)/√2は、0を中心とする半径1の円上にあります。
しかも、(1+i)/√2の実軸と成す角度は45度で、0と1を結ぶ線(実軸)と、0とiを結ぶ線(虚軸)が成す角90度のちょうど半分です。

以下の話は後で説明しますが、
複素数zが、0と1を結ぶ線分から、0を中心に角度θ回転した位置にあるとき、
u=w・z
というように、複素数zを他の複素数wに掛け算した答えの複素数uは、0と複素数wを結ぶ直線を、0を中心にして角度θ回転した直線上にあります。
0と複素数zを結ぶ線分が0と1を結ぶ線分と成す角度θをarg(z)とあらわします(左回りを正の角度にします)。
arg(u)=arg(w)+arg(z)
なお、複素数uの絶対値は複素数wの絶対値と複素数zの絶対値を掛け算した値になります。
|u|=|w|・|z|

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2011年11月17日木曜日

第6講:複素数平面(4)正5角形の問題を複素数平面を用いて解く




「式と証明・複素数」の勉強

複素数平面において半径1の円に内接する正5角形を考える。


-1=0
の5つの解をX=1と、X、X、X、Xとする。


【問1】以下を証明せよ
|(1-X)(1-X)(1-X)(1-X)|=5
すなわち、
abab=5
を証明する。

【問2】以下を証明せよ
|(1-X)|+|(1-X)|+|(1-X)|+|(1-X)|=10
すなわち、
+b+b+a=10
を証明する。

【問3】図の長さsを計算せよ


この問題も自力で解くよう、努めてください。

(解答はここをクリックした先にあります。)

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2011年9月21日水曜日

3次方程式が重根を持つ条件

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「微分・積分」の勉強

以下の問題は、微分の基礎知識を勉強した後で解いてください。

【難問1】三次の方程式
+ax+b=0 (式1)
の根が重根を持つ場合に、パラメータaとbの間に成り立つ関係を求めよ。
(注意:どの3次方程式も変数を変換することでこの形の式に帰着できる)


(解答の方針)
この問題は、
方程式
f(x)=0 (式2)
が重根を持つ場合に以下の関係が成り立つという知識が無いと解くのがとても難しい問題ではないかと思います。

方程式2の重根の解x=αにおいて、
f’(α)=0 (式3)
が成り立つ。
すなわち、方程式2を微分した方程式の解も、その重根の解x=αと同じ解を持つ。
これは、以下のようにして証明できます。
(証明開始)
f(x)=(x-α)g(x)
という式であるとすると、この式を微分すると以下の式が得られる。
f’(x)=2(x-α)g(x)+(x-α)g’(x)
=(x-α){2g(x)+(x-α)g’(x)}
よって、
f’(α)=0 (式3)
が成り立つ。
(証明終わり)

そのため、
f(x)=x+ax+b=0 (式1)
の根が重根を持つ場合に、
f’(x)=3x+a=0 (式4)
の根の1つが、式1の根と等しい。
そのため、
式1と式4を連立させて、両式がともに成り立つxの値が、式1の重根である。
この公式を知っていれば、この問題は解ける。

【問2】三次の方程式


の根が重根を持つ場合に、パラメータcのみが未知数の場合にcの値を求めよ。

【難問3】三次の方程式


の根が重根を持つ場合に、パラメータkのみが未知数の場合にkの値を求めよ。

【難問4】三次の方程式


の根が重根を持つ場合に、パラメータaのみが未知数の場合にaの値を求めよ。

【難問5】三次の方程式


の根が重根を持つ場合に、パラメータa、k、cの間に成り立つ関係を求めよ。

この問題の解答はここをクリックした先にある。


リンク:
三次方程式の判別式
3次方程式で1つの根がわかっている場合の残りの根
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2011年9月18日日曜日

円と放物線の接線(4)

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「微分・積分」の勉強

なめらかな曲線の接線は、微分によって初めて正しく定義できる。
接線を求める式に重根が含まれるとは限らない。

【問1】放物線
y=2-2x (式1)
とX軸で囲まれる範囲(x軸より上の範囲)にある円の半径の最大値を求めよ。

(解答の方針)
この問題で求める円は、式1の放物線とX軸とに接する円です。
その円は放物線と同じくY軸に関して対称(すなわち、Y軸上に中心がある)と考えられます。

その理由は、
もし、その円の中心がY軸上になければ、Y軸に関して全図形を左右に反転すれば、円の中心位置が左右に移動します。

放物線に接する円が左右に移動してしまったら、上図のように、円は放物線に接する位置から離れて、放物線に交わったり放物線から離れてしまったりします。

そのため、Yに関して全図形を左右に反転しても円が放物線に左右で接する形であるためには、円の中心はY軸上になければなりません。

求める円の中心がY軸上にあると考えると問題が大分簡単になります。

次に、考えることは、円と放物線が接する条件を求めることです。
なめらかな曲線の接線は、微分によって初めて正しく定義できるので、微分により接線の式を計算して方程式を書きます。

(解答)
(1)
放物線の式は
y=2-2x (式1)
であり、
X軸の式は
y=0 (式2)
である。
(2)
式1の放物線とX軸で囲まれる範囲にある最大の半径の円は、式1の放物線と左右で接して、円の下がX軸に接する円と考えられる。

全図形をY軸に関して左右に反転しても、その円は放物線に左右で接する形であるが、
もし、左右に反転すると円の中心が左右に移動すると考えると円が放物線から離れたり放物線に交わったりして、放物線とX軸で囲まれる範囲にある最大の半径の円である条件から外れてしまい矛盾する。

よって、全図形を左右に反転しても円の中心は左右に移動しない。すなわち、円の中心はY軸上にある。
よって、x軸に接する半径rの円の式は以下の式であらわされる。
(y-r)+x=r (式3)
(注意)
半径のつもりで、rというパラメータを導入しましたが、rというパラメータは、x軸より上の円では正になり、x軸より下の円では負になる。x軸に接する円がx軸の上か下かどちら側にあるかをあらわすパラメータであるという意味を持っていることに注意すべき。


(3)
求める円は、式1の放物線と接する円と考えられるので、
先ずは、円と放物線が接し得る接点を全て求める。

(4)
放物線と円の接点をA(a,h)とする。
式1から、
放物線 h=2-2a  (式4)
式3から、
円 (h-r)+a=r (式5)

(5)
式1の放物線の接点(a,h)における接線の傾きは、式1の関数をxで微分して計算し、
dy/dx=-4a
である。

式3の円の接点(a,h)における接線の傾きdy/dxは:
円の法線APの傾き(h-r)/aの逆数に(-1)を掛け算したものであって、
dy/dx=-a/(h-r) 

この2つの接線の傾きが等しいので、
-4a=-a/(h-r)
a{-4+(1/(h-r))}=0 (式6)
この式6(接点の座標の式)を解くと、
a=0 (式7)
or
h-r=1/4
h=r+1/4 (式8)

(6)
(式7(a=0)があらわす接点の座標を求める)
式7を放物線の式4に代入する。
h=2 (式9)
よって、1つの接点(a,h)=(0,2)が得られた。
この接点は式1があらわす放物線の頂点である。
この接点に接する円の半径r=1である。

(7)
(式8があらわす接点の座標を求める)
そのために、式8と式4と式5を連立して、接点の座標を導く。
(8) 

計算間違いを少なくするために、単純な式を早く作る。
そのために、先ず、式4と式5を整理して、aを消去して単純な式を得る。
式4から、
h-2+2a=0 (式4’)
式5から、
(h-r)+a-r=0 (式5’)
2×式5’-式4’を計算してaを消去する。
2(h-r)-2r-(h-2)=0
2h-4hr-h+2=0 (式9)
式9に代入すべき式8を変形する。
r=h-(1/4) (式8’)
式8’を式9に代入してrを消去する。
2h-4h(h-(1/4))-h+2=0
2h-4h+h-h+2=0
-2h+2=0
-1=0
(h-1)(h+1)=0
h=1
or
h=-1
h=-1は、x軸よりも下のy座標であるので、接点の座標として不適。
よって、
h=1 (式10) 

のみが有効。
式10を式8’に代入する。
r=1-(1/4)=3/4
また、式10を式4’に代入する。
1-2+2a=0
2a=1
=1/2
a=±(√2)/2 (式11)
よって、半径r=3/4の円について、
2つの接点(a,h)=A(√2/2,1)とB(-√2/2,1)が得られた。


(9)
以上で得た、円が放物線と接し得る点を全て列挙すると:
(9-1);
放物線の頂点(0,2)が接点になるとき、円の半径r=1
である。
(9-2);
A(√2/2,1)とB(-√2/2,1)が接点になるとき、
円の半径r=3/4
である。
(10)
しかし、半径r=3/4の円において既に放物線に接しているので、
(9-1)の場合の、円の半径が1になって放物線の頂点に円が接する場合には、円は、その他の点で放物線と交差していて、放物線の下には収まりきれていない。

 よって、(9-2)の場合のみが有効な解であり、放物線の下に収まりきれる最大の円の半径は、
r=3/4
である。
(解答おわり)

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2011年9月4日日曜日

接線と放物線の交点

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佐藤の数学教科書「微分」編の勉強

なめらかな曲線の接線は、微分によって初めて正しく定義できる。
(接線を求める式に重根が含まれるとは限らない。)

【問1】放物線
y= x+1 (式1)
上の任意の点Pにおける接線が、放物線
y=x (式2)
と交わる点をQ,Rとするとき、次のことが成り立つことを示せ。
Pは線分QRの中点である。

(解答の方針)
式1の放物線上の点P(p,p+1)での接線の式をあらわし、
その接線点の式と式2とを連立させて、交点Q,Rの座標を計算する式を求めれば良い。
ただし、問題の解き方も工夫する。

(解答)
式1を微分して式1のグラフの傾きを求める。
y’= 2x
P(p,p+1)での傾きy’は、
y’= 2p (式3)
式1の放物線上の点P(p,p+1)での接線の式は以下の式になる。
y-(p+1)=y’(x-p)
y=y’(x-p)+(p+1)
この式に式3を代入して、y’を式3の右辺で置き換える。
y=2p(x-p)+(p+1) (式4)
式4と式2を連立して、接線と式2の放物線の交点Q,Rの座標を求める式を計算する。
=2p(x-p)+(p+1)
-2px+p-1=0 (式5)
ここで問題の解き方を工夫する。
根と係数の関係により、交点Q,Rのx座標をqとrとすると、式5のxの係数との間に以下の関係が成り立つ。
2p=q+r
p=(q+r)/2
これは、接線上の点Pのx座標が、点QとRの中点のx座標であることを意味する。
∴ Pは線分QRの中点である。
(解答おわり)

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2011年8月25日木曜日

2つの放物線の共通接線

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佐藤の数学教科書「微分」編の勉強

なめらかな曲線の接線は、微分によって初めて正しく定義できる。
(接線を求める式に重根が含まれるとは限らない。)

【問1】2つの放物線
y= x (式1)
y=-(x-2) (式2)
の共通接線の方程式を求めよ。


(解答の方針)
式1の接点A(a,b)での接線の式をあらわし、
式2の接点C(c,d)での接線の式をあらわし、
それらの接線の式が等しいとする方程式を書いて、
その方程式を解けば良い。

ただし、その方程式を解く過程で計算間違いをすると正しい答えが出ない。
そのため、計算間違いを少なくする問題の解き方を工夫する。

(解答)
y= x (式1)
y=-(x-2) (式2)

(1)
式1を微分して式1のグラフの傾きを求める。
y’=2x (式3)
接点A(a,)での式1の接線の式は
傾きy’=2a
だから、以下の式になる。
y-a=y’(x-a) 
y-a=2a(x-a) (式4)

(2)
式2を微分して式2のグラフの傾きを求める。
y’=-2(x-2) (式5)
接点C(c,-(c-2))での式2の接線の式は
傾きy’=-2(c-2)
 だから、以下の式になる。
y+(c-2)=y’(x-c)
y+(c-2)=-2(c-2)(x-c)
この式を、
c-2=e (式6)
とおいて、以下のように単純な式であらわす。
y+e=-2e(x-c) (式7)
このように単純な形に式をあらわすことで、計算が簡単になり、計算間違いを少なくすることができる。
式7に残っているcもeにおきかえる。
y+e=-2e(x-e-2) (式8)

(3)
接線の式8と4の傾きが等しい条件式を求める。
-2e=2a
e=-a (式9)
(4)
式4と式8のそれ以外の項も等しくなる条件式を求める。
+2e(-e-2)=-a+2a・a
-e-4e=a
式9を代入してeをaにおきかえる。
-a+4a=a
-2a+4a=0
a(a-2)=0
a=0 (式10)
or
a=2 (式11)

(5)式10の場合:
a=0 (式10)
式10を式4に代入。
y=0 (式12)

(6)式11の場合:
a=2 (式11)
式11を式4に代入。
y-4=4(x-2)
y=4x-4 (式13)

以上の結果、式1と2の放物線の共通接線の方程式は、
y=0 (式12)
と、
y=4x-4 (式13)
である。
(解答おわり)

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2011年8月24日水曜日

3次関数の曲線の形

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佐藤の数学教科書「微分」編の勉強

なめらかな曲線の接線は、微分によって初めて正しく定義できる。
(接線を求める式に重根が含まれるとは限らない。)

【覚えておくべきこと】3次関数の曲線
y= x+ax+bx+c (式1)
の形は、中心点Aを中心にして点対象な形をしている。

その中心点Aのx座標は、式1を微分した式、
y= 3x+2ax+bx (式2)
の2次関数のグラフが左右対称になる対称軸の座標、
x=-a/3
である。


式1を微分した2次関数のグラフが、その対称軸の左右で対称であるので、
式1のあらわす3次関数のグラフは、中心点Aの左右で傾きが等しい。
そのため、式1のあらわす3次関数のグラフが、中心点Aを中心にして点対象な形になる。

 3次関数のグラフで、極大値と極小値とを持つグラフには、以下の寸法の関係があることを覚えておくと便利です。(これが成り立つことの証明は各自で行っておくこと)


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2011年8月22日月曜日

放物線の極線

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佐藤の数学教科書「微分」編の勉強

なめらかな曲線の接線は、微分によって初めて正しく定義できる。
(接線を求める式に重根が含まれるとは限らない。)

【難問】放物線
y= x (式1)
に、点P(a,b)を通る傾きm直線が交差する交点をQとRとするとき、
点Qでの放物線の接線と点Rでの放物線の接線との交点をSとするとき、
傾きmを変化させたとき、Sはある直線上にあることを示せ。

この問題は、以下の問題と同じ問題です。
【問題2】放物線
y= x (式1)
に、点P(a,b)を通る直線が交差する交点をQとRとするとき、
点Qでの放物線の接線と点Rでの放物線の接線との交点Sは、点Pから放物線に引いた2つの接線の接点を結んだ直線上にあることを示せ。

また、以下の問題とも同じです。
【問題3】放物線
y= x (式1)
に、点P(a,b)を通る傾きmの直線が交差する交点をQとRとするとき、
点Qでの放物線の接線と点Rでの放物線の接線との交点Sは、mの値に関係なく、ある直線上にあることを示せ。

(解答の方針)
この問題は、放物線外の一点Pから、放物線に弦を無数に引いたとき、弦の両端における2本の接線の交点を結んでできる直線(これは極線と呼ばれている。その極線を作る元になる点Pは「極」と呼ばれている)を求める、有名な問題です。

この問題は、何度でも解いて練習すべき問題として推薦します。

(解答)
(1)
点P(a,b)を通る傾きmの直線を以下の式で定義する。
y-b=m(x-a) (式2)
点Q(c,d)とR(e,f)との座標c及びeを求める式は、式1に式2を代入してyを消去することで求められる。
=m(x-a)+b
-mx+ma-b=0
-mx+ma-b=(x-c)(x-e) (式3)
(2)
点Q及び点Rでのx=t(t=c,e)の位置でも接線の傾きは式1を微分することで求められる。
y’=2x (式4)
式4から、x=tの位置での接線の傾きは2tである。
よって、x=tとなる放物線上の点の接線の式は、以下の式であらわせる。
y-t=2t(x-t)
この式をtについて整理する。
-2xt+y=0 (式5)
この式5は、
(x,y)が、点Qの接線とRの接線とで共通な値となるとき、
すなわち、両接線の交点S(x,y)の座標をあらわすとき、
tに、点Q(c,d)の座標値cを代入して成り立つ式であり、
かつ、R(e,f)の座標値eをtに代入して成り立つ式である。
よって、式5は、S(x,y)の座標に関する式で、t=c、t=eを根に持つ二次方程式である。
-2xt+y=(t-c)(t-e) (式6)
(3)
式3と式6を比べると、
-mx+ma-b=(x-c)(x-e) (式3)
-2xt+y=(t-c)(t-e) (式6)
式3と式6の根と係数の関係より、
-m=-(c+e)=-2x
m=2x (式7)
ma-b=ce=y
ma-b=y (式8)
式7と8よりmを消去すると、
2xa-b=y
y=2ax-b (式9)
点Sは、この直線9(極線)上にある。
(解答おわり)

【注意】

この問題を、点Sの軌跡を求める問題と考える場合は、点Sの軌跡は式9であらわされる直線のうち、式1の放物線で切り取られる弦の外側の部分を描くことに注意。

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2011年8月21日日曜日

4次曲線の2点への接線

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佐藤の数学教科書「微分」編の勉強

なめらかな曲線の接線は、微分によって初めて正しく定義できる。
(接線を求める式に重根が含まれるとは限らない。)

【難問】4次曲線
y= x-x+x (式1)
に、直線
y=ax+b (式2)
が相異なる2点で接するときa、bの値を求めよ。

(解答の方針)
問題の条件をあらわす方程式の形に従って、問題の解き方が決まってしまう。問題を解き易い形に問題の条件をあらわすには、問題の条件を可能な限り図形であらわして問題の条件をどういう図形であわらすかを工夫することが大切です。

この問題では、グラフを想像しながら方程式(のあらわすグラフ)を変形して問題を解くことが大切なポイントです。


4次曲線は、上の図のようにあらわせる。
式1に式2を代入すると、
-x+x=ax+b
-x+(1-a)x-b=0 (式3)
この式3が、接点のx座標x=αとx=βとで成り立つ、しかも、αとβそれぞれが重根であることが、式2の直線が式1のグラフに2点で接する接線になる条件である。

ここで、そのような式3を求めるということは、
y=x-x+(1-a)x-b=0 (式4)
という4次曲線がx軸と2点で接する条件を求めることと同じである。

(1)4次曲線は、座標軸xを平行移動することで、3次の項が無い式になる(式1は既にそうなっている)。
(2)次に、その4次曲線はxの1次の項を無くせば、y軸に関して、x方向の左右で対称な形のグラフになる。そのグラフは、x軸に平行な直線に2点で接する。
  すなわち、式3のxの項の(1-a)=0にすれば、x軸に平行な線に接するグラフになる。
(3)そうすれば、y軸に関して、x軸方向で左右対称なグラフになるので、接点のx座標はαと-αとになる。
つまり、式4は、
y=((x-α)(x+α))+C
y=(x-α+C
というグラフになる。

このC=0とするように、値bを調整したグラフにすれば、そのグラフはx軸に2点で接する。
そのようにグラフを変形するように、aとbを定めれば良い。

【解答1】
(1)
式1に式2を代入すると、
-x+x=ax+b
-x+(1-a)x-b=0 (式3)
この式3が、接点のx座標x=αとx=βとで成り立つ、しかも、αとβそれぞれが重根を持つことが、式2の接線に対して成り立つ条件である。
その条件は、
y=x-x+(1-a)x-b=0 (式4)
という4次曲線がx軸と2点で接する条件を求めることと同じである。

(2)
先ず、
a=1 (式5)
とすると、
式4は、以下の式になる。
y=x-x-b=0 (式6)
この式6のグラフはx軸に平行な線に2点で接するグラフである。
この式6を変形する。
y=(x-(1/2))-(1/4)-b=0 (式7)
(3)
次に、
b=-1/4 (式8)
とすると、
式7は以下の式になる。
y=(x-(1/2))=0 (式9)
この式9はx軸と2点で接するグラフである。
その接点のx座標は、
-(1/2)=0
x=±√2/2

このように、式4で、a=1、b=-1/4としたら、x軸にx=±√2/2で接する式9のグラフになったので、求める直線のaとbは、
a=1 (式5)
b=-1/4 (式8)
である。
(解答おわり)

(補足)
 この問題は、図形を思い描かないで計算力だけで答えを得ようとすると落とし穴に落ちる難問です。
 なぜなら、この問題で、(重なることを許した)2点で接するという問題と考えて計算力だけで答えを計算しようとすると、答えは:
(1)下凸の異なる2点で接する。
(2)下凸の1点と上凸の1点との2点が1点に重なった点で接する。
という2種類の答えが出て来るからです。
その2種類の答えのうち、(1)の答えのみが、異なる2点で接しますので、計算力で求めた答えを選別してやっと答えにたどり着きますので、その回り道をする分だけ時間がかかってしまうという落とし穴に落ちます。
 その落とし穴に落ちないために、先ず、グラフの図形を思い描いて答えの条件を絞り込んだ上で答えを計算することが望ましいです。

【解答2】
 以下で、図形を思い描かないで計算力だけで行なった解答例を示します。

(1)
式1に式2を代入すると、
-x+x=ax+b
-x+(1-a)x-b=0 (式3)
この式3は、
y=x-x+(1-a)x-b=0 (式4)
という4次曲線がx軸と2点で接する条件を求めることと同じである。
この式3が、接点のx座標x=αとx=βとで成り立つ、しかも、αとβそれぞれが重根を持つことが、式2の接線に対して成り立つ条件である。
その条件は、式9であらわされる。
この式9の形をしている式 f を微分した式gを計算する。
この式 g と式 f の最大公約多項式 h が式12になる。
「グラフが直線に相異なる2点で接する」という条件を、上の式13であらわす。
(2)
 次に、ユークリッドの互除法を利用して式 f を式 g で割り算した余り h が式 f と g の最大公約多項式になる条件を導き出す。
ここで、この余りの式 h =式12に関する式13の条件は、以下の式15であらわせる。
余りの式 h が式 f と g の最大公約多項式になる条件は、この式 h で式 g を割り算した余り k が0になることである。
この式16であらわされる余りの多項式 k が0になる。
そのため、以下の式17と18が成り立つ。

(3)
この式17と18を連立して解を求め、その解のうち、式15を満足する解を選別する。
式18から式19が得られる。
この解は式15を満足した。
次に、b=1/12の場合の解を調べる。
この解は式15を満足しない。
よって、求める解は、
a=1,
b=-1/4,
である。
(解答おわり)

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2011年8月20日土曜日

放物線の直交接線の交点の軌跡

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https://schoolhmath.blogspot.jp/2017/08/blog-post_17.html
佐藤の数学教科書「微分」編の勉強

なめらかな曲線の接線は、微分によって初めて正しく定義できる。
(接線を求める式に重根が含まれるとは限らない。)

【難問】放物線
y=x (式1)
について、互いに直交する2つの接線の交点は定直線上にあることを証明せよ。


この問題の解答は、ここをクリックした先にあります。

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2011年8月19日金曜日

2つの放物線の接線が直交する

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佐藤の数学教科書「微分」編の勉強

なめらかな曲線の接線は、微分によって初めて正しく定義できる。
(接線を求める式に重根が含まれるとは限らない。)

【難問】2つの放物線
y= x-2x+2 (式1)
y=-x+ax+b (式2)
は、それらの交点の1つPで、接線が互いに直交しているものとする。
このとき、放物線(式2)は、a、bの値に無関係な一定の点Qを通ることを証明し、Qの座標を求めよ。

(解答の方針)
「一定の点Qを通る」というような耳慣れない性質を求める問題が出て来ても、あわてずに、
先ず、与えられた全ての条件を数式で表わす。
そうする理由は、その数式の解き方のパターンは限られていて、
この問題は、どの解き方のパターンで解けば良いかが数式から分かるからです。

交点P(c,d)とする。
交点Pのdが式1と式2とであらわされるから、交点P(c,d)を代入した式1=式2が成り立つ
-2c+2=-c+ac+b (式3)

式1の放物線の接線の傾きは、
y’=2x-2 (式4)
式2の放物線の接線の傾きは、
y’=-2x+a (式5)
点Pでの接線が互いに直交する条件は、次式になる。
(2c-2)(-2c+a)=-1 (式6)

点Q(x,y)は放物線(式2)上にあるので、
y=-x+ax+b (式2)
である。

結局、以下の式の群が得られた。
-2c+2=-c+ac+b (式3)
(2c-2)(-2c+a)=-1 (式6)
y=-x+ax+b (式2)

これら3つの式を使って問題を解くのは、未知数を順次に減らす計算パターンしか無い。
未知数は、a、b、c、x、yである。
式が3つあるので、未知数を2つ消去できる。
そのように未知数を消去する計算をすると、未知数群(a,b,c)のうちで残った1つの未知数と(x,y)とを含む1つの式が得られる。

そのため、この問題は、その1つの式から(x,y)を求める問題であることがわかる。
すなわち、この問題は、
「1つの未知数に関する1つの式から、未知数の値に無関係な一定の点Q(x,y)の値を求める」
という問題である。

問題を言いかえると、
「(1つの)未知数の値が変化しても一定の値の(x,y)によって式が満足される、そういう値(x,y)を求める」
という問題である。

更に問題を言いかえると、
「(1つの)未知数の値がどのように変化しても式がいつも成り立つようにする(x,y)を求める」
という問題である。

ここまで言いかえると、この問題は、
「(1つの)未知数に関する式を恒等式にする条件を満足する(x,y)を求める」
という問題であることがわかる。
それで、この問題を解くめどが立った。

このように、数式を書けば、その数式の解き方のパターンの数が限られているので、どういう問題であるかの、問題の意味が見えて来る。

(解答)
(1)
交点P(c,d)とする。
交点Pのdが式1と式2とであらわされるから、交点P(c,d)を代入した式1=式2が成り立つ
-2c+2=-c+ac+b (式3)
2c-(2+a)c+2-b=0 (式7)

(2)
式1の放物線の接線の傾きは、
y’=2x-2 (式4)
式2の放物線の接線の傾きは、
y’=-2x+a (式5)
点Pでの接線が互いに直交する条件は、次式になる。
(2c-2)(-2c+a)=-1 (式6)
 -4c+2ca+4c-2a=-1
-4c+2ca+4c-2a+1=0
4c-2ca-4c+2a-1=0
4c-(2a+4)c+2a-1=0 (式8)

(3)
点Q(x,y)は放物線(式2)上にあるので、
y=-x+ax+b (式2)
である。

(4)
これらの式を整理して並べると、
2c-(2+a)c+2-b=0 (式7)
4c-(2a+4)c+2a-1=0 (式8)
y=-x+ax+b (式2)

この3つの式から未知数a,b,cのうちの2つの未知数を消去し、残った未知数の式が恒等式になるように(x,y)の値を定める。

ここで、式7と式8から、複雑な式を成す未知数cが消去できることがわかる。
(式7)×2-(式8)を計算する。
4-2b-(2aー1)=0
4-2b-2a+1=0 (式9)

(5)
式2から、
b=y+x-ax (式2’)
この(式2’)を式9に代入してbを消去する。
4-2(y+x-ax)-2a+1=0
この式を未知数aに関して整理する。
a(2x-2)+4-2y-2x+1=0

この式が未知数aに関して恒等式になる条件は、
2x-2=0 (式10)
4-2y-2x+1=0 (式11)

(5-1)
式10から、
2x=2
x=1 (式12)
(5-2)
式12を式11に代入する。
4-2y-2+1=0
3=2y
y=3/2

よって、
Q(x,y)=(1,3/2)
(解答おわり)

【注意】この問題を解くのに、最初に未知数cを消去したが、他の未知数を消去して最後まで未知数cを残しても、同様に、解くことができる。

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2011年8月13日土曜日

円の接線の公式を微分で導く

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ページ内リンク:
▷円の接線の公式をベクトルの内積で求める

なめらかな曲線の接線は、微分によって初めて正しく定義できる。
(ある直線と曲線の交点を求める式が重根を持つときその直線が必ず接線であるとは言えない。下図の曲線にO点で交わる直線と曲線の交点を求める式は重根を持つ。しかし、ABを通る直線のような方向を向いた直線でもO点で重根を持って曲線と交わる。)

【研究問題】円の接線の公式は既に学習していると思いますが、
接線は、微分によって初めて正しく定義できるので、
改めて、円の接線の公式を微分により導いてみます。

円 x+y=1 (式1)
この円の式全体を微分します。

《注意:恒等式の両辺を微分する演算》
方程式の左右の辺をxで微分した式が間違った式にならないためには、以下の条件が必要である。
▷(演算結果の有効性の条件1:微分可能であること)
 その計算をする場合は、その得られた式は、全ての項が微分可能な場合のみに、得られた式が有効になる。
上記の(式1)の両辺を微分する場合は、
変数yも微分可能である場合に限って、微分で得られた式が有効である。
(式1)の円の方程式で、x=1の点では、円への接線の傾きが無限大になって、変数yはxで微分できない、その点では、得られた式は無効である。

▷(演算結果の有効性の条件2:元の式が、恒等式であるか、xの恒等式と言えるために、元の式の従属変数yを定めるxの関数f(x) を表現する式であること。

(xの恒等式ではない等式の例)
例えば、
x=5,
という等式の両辺をxで微分した式:
1=0,
は間違った式である。
この等式、x=5, は、変数xに関する恒等式ではない。
この等式の両辺をxで微分した式は無効である。

(xの恒等式だと言える等式の例)
y=2,
という等式の場合は、従属変数yが独立変数xの関数の、
f(x)=2, をあらわす式、すなわち、y≡f(x) と定義されていることを前提にした式である。
y≡f(x) なのだから、
y'≡f'(x) であり、
y'=0, または、
f '(x)=0,
という意味のある式になる。

式の両辺を微分する計算には要注意。
(両辺の微分演算の前提条件おわり)

 式1の左右の辺をxで微分して正しい式が得られるのは、以下の理由によります。
方程式1の解で、
y=f(x)
という、(陰関数)f(x)が存在する場合は、
式1の両辺をxで微分した式が正しい式になります。
 その理由は、
式1の方程式から、
y=f(x)
という陰関数の解が得られます。
式1のyを、式1から得られる解の1つのy=f(x)という解があらわすxの関数(陰関数)f(x)であるとみなします。yをそういう関数f(x)であるとみなせば、式1は、以下の計算で示すように、yにf(x)を代入した式1に等価な式の左辺が恒等的に1になります。
+(f(x))=1,

すなわち、式1は、yがそういう関数f(x)であるならば、1=1という恒等式を表しています。恒等式ならば、その恒等式をxで微分した結果も0=0になり、その式は正しい式になるからです。
《注意おわり》


式1の微分の際に、
微分の基本公式
(f・g)’=f’・g+f・g’
を使います。

x’・x+x・x’+y’・y+y・y’=1’ 
x’=1であって、また、1’=0であるから、
上の式は以下の式2になる。
2x+2y・y’=0 (式2)
接点(x,y)での接線の傾きy’は、
(yが0(xが1か-1の場合)で無い場合は)
式2を変形した以下の式3であらわせます。
接点を(x,y)とすると、式3は以下の式になります。
接線の式は、

点(x,y)は式1を満足するので、
+y=1
∴ yy+xx=1
この、円の接線の公式は既に学んでいる接線の式です。
(y=0の場合は)
y’=∞になって、y’が存在しません。
しかし、y’が存在しなくても、
dx/dy=0になって、dx/dyが存在します。
この場合の接線も上の式であらわされて、
x=±1
であらわされる接線があらわせます。
こうして、円の接線の公式が得られました。

  【研究問題その2】
楕円の式は高校3年の数学ⅢCで学びますが、高校2年でも、その式だけは覚えていても良いと思います。
楕円 x/a+y/b=1 (式1)
です。

この楕円の接線の公式は、微分により導けます。

この楕円の式全体を微分します。
その微分の際に、
微分の基本公式 (f・g)’=f’・g+f・g’
を使います。
x’=1であって、また、1’=0だから、
接点(x,y)での接線の傾きy’は、
(yが0で無い場合は)
式2を変形した以下の式であらわせます。
接点を(x,y)とすると、式3は以下の式になります。
接線の式は、

点(x,y)は式1を満足するので、 
(y=0の場合は)
y’=∞になって、y’が存在しません。
しかし、y’が存在しなくても、
dx/dy=0になって、dx/dyが存在します。
(その場合は、最初の計算を変えて、yで式全体を微分する計算を行うことで、改めて上の式を導きます。)
この場合(y=0の場合)の接線も上の式であらわされて、
x=±a
であらわされる接線があらわせます。

こうして、楕円の接線の公式が得られました。

 なお、下図のように、接線を持つグラフの集合方が、微分可能な点を持つグラフの集合よりも広いので、上の計算の様に、y≠0の場合と、y=0の場合に分けて計算する必要がありました。 
《下図に各種の関数の集合の包含関係をまとめた》

【研究問題その3】
なお、グラフの式の左右の式を同時に微分する場合は、
以下の注意をする必要があります。

 グラフの式の左右の式を同時に微分するということは、
yがxで微分可能な場合のみに成り立つ式を、合成関数の微分の公式を使って求めているのである。そのため、
グラフを表す関数y=f(x) が、
y=f(x)
がxで微分可能で無いxの点では、後の【事例2】で説明するように、グラフの式の左右の式をxで微分して得た式が無効である

 また、
y=f(x)
という関数f(x)が存在しない場合は、
式の両辺を微分しても正しい式が得られるための前提条件である、「y=f(x)を式に代入して方程式を恒等式にできる」という前提条件が成り立っていない。
そのため、その式の両辺を微分して得た式は間違っている。

【事例1】
x=0,
という方程式のグラフの場合には、
y=f(x),
という(陰)関数f(x)が存在しません。
その場合は、

微分すべき対象になる関数が存在しないので、
方程式:
x=0,
の両辺をxで微分した式:
1=0,
は、
無効な式になります

 事例2を参考にして考えると、
xy座標でのグラフを表す式の両辺をxで微分できる条件は:
「(dy/dx)が存在する点に限る」
という条件があります。
x=0というグラフでは、そのグラフのどの点(x,y)においても、
dy/dxが存在しません。
そのため、x=0の両辺をxで微分することはできない。


【事例2】 
以下のグラフ
y=f(x)
は、x=0の位置では変数xで微分不可能です。
このグラフは、
y≦0 :  x = −y^2,
y≧0 :  x = y^2,
という式であらわせます。
この式の左辺と右辺をxで微分した式は、
x=0
の位置で、
1=0・y' ,   ただし、y'=∞ ,
という式になり、
右辺が不定値を表す式になり、左辺の値1と同じでは無い、
無効な式になります。

【事例3】
y=0,
という方程式で表されるグラフの場合には、
y=f(x),
という関数f(x)が存在します。
その場合は、
方程式:
y=0,
の両辺をxで微分した式:
y'=0,
は、
有効な式になります。

《円の接線の公式をベクトルの内積で求める》
 円の接線の公式は、以下のようにして、ベクトルの内積を使って求めることができます。

このようにベクトルによって円の接線の公式を導き出す方が明確だと思います。

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