2022年8月24日水曜日

三角形の内角の2等分線の長さの定理の式の覚え方

ベクトルの内積を使って、下図の三角形の長さa1,a2と頂角Aの二等分線の長さmの定理の式を簡単に覚えるようにしましょう。


(ベクトルa1とa2の内積が長さa1とa2の積です)
 この定理の式を覚えようとしても覚えられません(何度覚えても式を忘れます)。 定理の式が覚えられない対策として、この覚えられない式を速やかに導き出す方法を知ることで、式を覚えたのと同じ効果を得ましょう。
 そのため、以下のように定理の式を速やかに導出するようにしましょう。

(定理の式の導出おわり)
 これにより、長さa1とa2の積を長さmと長さbとcで表す式が簡単に求められた。

 ベクトルは、高校数学のかなめ石となっていますので、早めに学ぶ事をお勧めします。
 ベクトルにより、とても覚えにくかった三角形の余弦定理が覚え易くなります。
 また、ベクトルにより三角形の内角の2等分線の長さの定理が覚え易くなります。そのため、ベクトルを学びましょう。

やさしい高校数学《数Ⅱ・B》
の9章「ベクトル」
が、やさしくベクトルを学べるので良いと思います。


「やさしい高校数学」でベクトルを学ぶことを助言するサイト:
「【期末対策】「ベクトル」を1週間でマスターしよう!玉名高校2年生必見!」
https://www.takeda.tv/tamana/blog/post-207400/

「まず使うのはこちらの参考書です。
《やさしい高校数学 〈数Ⅱ・B〉 - はじめての人も学び直しの人もイチからわかる》

 ベクトルという分野は、全くゼロの状態から教科書を読み進めて問題を解いても、多分ちんぷんかんぷんだと思います。

 でも安心してください。それが普通です。そういう分野です。

 そんな方はまずこの参考書から始めましょう。こちらは解説・説明が非常に丁寧で、ベクトルの概念が分かりやすく解説されています。

 イメージとしては、分かりやすい先生の授業がそのまま参考書になったようなもので、ところどころ数学が苦手な生徒からの質問やツッコミが入ります。

まずはこれを読み進めましょう。

 ベクトルはこの参考書の9章で全部で32個のテーマ(約130ページ)に分かれています。

 なので、1日8テーマずつ読み進めてみてください。そうすれば4日ですべて読み終わる計算になります。」

 以上のように助言されていますが、
種々の定理を覚えるための「ベクトルの内積の計算」までを理解するためには、
そのうちの35ページを読むだけで足りる。
737ページから772ページまで読めば良い。(1日で読めると思います)。


 別の方法でこの定理の式を導き出す手順も、以下の問題の解答例の解答パターンで覚えておきましょう。
【問題1】
 以下の三角形ABCの頂角Aの内角の2等分線の長さAD=mを求めよ。


【解答】
 三角形の頂角Aの2等分線が底辺BCを分割する比の定理を使って、以下の図のように線分BDと線分DCの長さを求める。

 上図の、頂点の角度DAB=θと角度DAC=θが同じ値の2つの三角形ABDと三角形ACDに注目する。その2つの三角形の辺BDと辺CDの長さを5:3にする点Dは、辺BC上にある。
 そのため以下の、三角形ABDに対する余弦定理の式(1)と、三角形ACDに対する余弦定理の式(2)を連立することで、点Dの位置を辺BC上に限定する。

この式(1)と(2)から以下の式(3)が得られる。
(以下の計算は、三角形の辺の長さが違っても同じ計算で、ひっ算の大きな数を計算せずに計算できる。そのため、計算パターンをそっくり覚えてしまいましょう)

式(3)を式(1)に代入してθを消去してmだけの式にする。

(解答おわり)

《補足》
 以上の計算は、三角形の辺の長さ5=c,3=b,7=a,8=c+bに置き換えた計算で最後の形の式を得る計算手順をあらわす計算です。この計算パターンは、辺の長さa,b,cを使ってmをあらわす定理を導き出す計算そのものです。この計算には、掛け算により大きな数を求める過程を経ないので計算が楽という特徴がある。この計算パターンでmをあらわす定理が導き出せることを知っているので安心して、この楽なパターンの計算を開始できる。

リンク:
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2022年8月22日月曜日

三角形の面積をベクトルで表す公式

 ベクトルは、高校数学のかなめ石となっていますので、早めに学ぶ事をお勧めします。
 ベクトルにより、とても覚えにくかった三角形の余弦定理が覚え易くなります。
 また、ベクトルにより三角形の面積が計算し易くなります。そのため、三角形の面積を計算するために、ベクトルを学びましょう。

(ベクトルの定義)
 数ベクトルとは,ざっくりいうと数を並べたものです。数を並べたものを「ベクトル」という一つのかたまりとして扱うことで,いろいろ便利なことがあるわけです。

 2次元のXY座標平面での点Aから点Bまでの(x,y)座標値の増分(Δx,Δy)がベクトルであり、3次元のXYZ座標空間での点Aから点Bまでの座標値の増分がベクトルです。それら、座標値の増分を表すベクトルは、点Aから点Bまでの矢印であらわし、矢印の大きさがあり、(大きさが0で無い場合に限り)方向がある、という特徴を持っています。

やさしい高校数学《数Ⅱ・B》
の9章「ベクトル」
が、やさしくベクトルを学べるので良いと思います。


「やさしい高校数学」でベクトルを学ぶことを助言するサイト:
「【期末対策】「ベクトル」を1週間でマスターしよう!玉名高校2年生必見!」
https://www.takeda.tv/tamana/blog/post-207400/

「まず使うのはこちらの参考書です。
《やさしい高校数学 〈数Ⅱ・B〉 - はじめての人も学び直しの人もイチからわかる》

 ベクトルという分野は、全くゼロの状態から教科書を読み進めて問題を解いても、多分ちんぷんかんぷんだと思います。

 でも安心してください。それが普通です。そういう分野です。

 そんな方はまずこの参考書から始めましょう。こちらは解説・説明が非常に丁寧で、ベクトルの概念が分かりやすく解説されています。

 イメージとしては、分かりやすい先生の授業がそのまま参考書になったようなもので、ところどころ数学が苦手な生徒からの質問やツッコミが入ります。

まずはこれを読み進めましょう。

 ベクトルはこの参考書の9章で全部で32個のテーマ(約130ページ)に分かれています。

 なので、1日8テーマずつ読み進めてみてください。そうすれば4日ですべて読み終わる計算になります。」

 以上のように助言されていますが、
三角形の面積の公式に使っている「ベクトルの内積の計算」までを理解するためには、
そのうちの35ページを読むだけで足りる。
737ページから772ページまで読めば良い。その中で三角形の面積の公式も説明されている(1日で読めると思います)。


(ベクトルの合成と分解)
 ベクトルの合成と分解のコツは、「ベクトルを分解する道を視線でたどって式を書く」(この行をクリックした先のページ)に書きました。


「ベクトルAE=点Aから点Eまで行く道」です。点Aをベクトルの始点と言い、点Eをベクトルの終点と言います。

ベクトルAEを、以下の式のように、実数の未知数tを使ってベクトルaとベクトルcであらわす。

ベクトルAEの紐の真ん中を点Oまで引っ張って紐AOEにして、真ん中の点Oで紐を切って紐AOと紐OEに分ける。
そして、紐AOの方向を逆にしたベクトルOAにして、マイナスを付けて①にする
①は、視線がベクトルaを逆向きにたどったのでマイナスを付けると考えても良い。
②は、順向きなので”+”のまま。

 ベクトルAEのAからの道AOの向きがベクトルaと逆方向に進むことを確認してベクトルaにはマイナスを付けてベクトルAEの展開式を書くようにします。
 こうすることで、思い込みによりベクトルaの符号をプラスにして式を書いてしまうミスを防げます。

(ベクトルの内積の定義)
 「ベクトルPと単位ベクトルAの内積はベクトルPの単位ベクトルへの正射影」(この行をクリックした先のページ)に書きました


単位ベクトルA=ベクトルOA=(a,a)の長さの2乗は、
(a・a)+(a・a)=1 (式1)
であらわすことができる。
その値は、単位ベクトルAがどの方向を向いていても1になる。

この式1を拡張して、
ベクトルP=ベクトルOP=(p,p
があり、
単位ベクトルA=ベクトルOA=(a,a
がある場合に、
ベクトルPと単位ベクトルAの内積演算を、以下の式2で定義する。



その定義の結果、以下の式4が成り立つ。
この式のθは、ベクトルPが単位ベクトルAと成す角度です。
 ベクトルPと単位ベクトルAの内積は、ベクトルPの単位ベクトルAの方向への正射影の長さをあらわします。

《三角形の面積をベクトルで表す公式》

上図は、「三角形の面積のベクトル・成分を用いた公式」のサイトから引用しました。


 また、以下の計算でも三角形の面積を求めることができます。



このように、三角形の面積Sを、ベクトルの内積を使った公式等の式で簡単に計算できます。

それ以外に、
「三角形の面積の公式」のサイトに、
三角形の辺の長さa,b,cを使って三角形の面積Sを表すヘロンの公式があります。



リンク:
高校数学の目次


2022年8月10日水曜日

やさしい高校数学《数Ⅱ・B》の9章「ベクトル」を読んで余弦定理を覚える

 ベクトルは、高校数学のかなめ石となっていますので、早めに学ぶ事をお勧めします。
 ベクトルにより、とても覚えにくかった三角形の余弦定理が覚え易くなります。
そのため、三角関数の余弦定理が出てきたら、先ず、ベクトルを、内積の概念まで学びましょう。

《ベクトルの定義》
下の図のようにXY平面上に2点A,Bがある。

今、動点PがAからBまで移動したとすると、この移動量は、
「X方向に+3,Y方向に+4」
である。これを、
「点Pは

だけ移動した。」
と書くことにし、AからBまでの移動量を、

と表現できる。この点の座標の複数の成分の移動量の集合をベクトルABと呼ぶ。また、もっと一般的には、複数の数の集合をベクトルと呼ぶ。
(ベクトルの定義おわり)

ベクトルは、合同な図形と似ていますが、以下の図のようにベクトルは回転させたら異なるベクトルになります。

 2次元のXY座標平面での点Aから点Bまでの(x,y)座標値(複数の成分を持つ)の増分(Δx,Δy)がベクトルであり、3次元のXYZ座標空間での点Aから点Bまでの座標値の増分がベクトルです。それら、座標値(複数の成分)の増分を表すベクトルは、点Aから点Bまでの矢印であらわし、矢印の大きさがあり、(大きさが0で無い場合に限り)方向がある、という特徴を持っています。

(ベクトルに方向があるとは限らない)
 0ベクトル(0,0)には方向がありません。

やさしい高校数学《数Ⅱ・B》
の9章「ベクトル」
が、やさしくベクトルを学べるので良いと思います。


「やさしい高校数学」でベクトルを学ぶことを助言するサイト:
「【期末対策】「ベクトル」を1週間でマスターしよう!玉名高校2年生必見!」
https://www.takeda.tv/tamana/blog/post-207400/

「まず使うのはこちらの参考書です。
《やさしい高校数学 〈数Ⅱ・B〉 - はじめての人も学び直しの人もイチからわかる》

 ベクトルという分野は、全くゼロの状態から教科書を読み進めて問題を解いても、多分ちんぷんかんぷんだと思います。

 でも安心してください。それが普通です。そういう分野です。

 そんな方はまずこの参考書から始めましょう。こちらは解説・説明が非常に丁寧で、ベクトルの概念が分かりやすく解説されています。

 イメージとしては、分かりやすい先生の授業がそのまま参考書になったようなもので、ところどころ数学が苦手な生徒からの質問やツッコミが入ります。

まずはこれを読み進めましょう。

 ベクトルはこの参考書の9章で全部で32個のテーマ(約130ページ)に分かれています。

 なので、1日8テーマずつ読み進めてみてください。そうすれば4日ですべて読み終わる計算になります。」

 以上のように助言されていますが、
余弦定理を覚えるためには、
そのうちの35ページを読むだけで足りる。
737ページから772ページまで読むだけで足りる(1日で読めると思います)。

そこまで読んだら、
「ベクトルによる三角形の余弦定理のやさしい覚え方」のページ(ここをクリック)
を読んで、余弦定理をベクトルの内積で導出して覚えてください。



(ベクトルの合成と分解)
 ベクトルの合成と分解のコツを以下に書きます。


「ベクトルAE=点Aから点Eまで行く道」です。点Aをベクトルの始点と言い、点Eをベクトルの終点と言います。

ベクトルAEを、以下の式のように、実数の未知数tを使ってベクトルaとベクトルcであらわす。

(ベクトルというのは始点と終点を持つ紐のようなものです。ベクトル足し算は、第1の紐の終点に第2の紐の始点を結んで1本の紐を作ることを意味します。)

ベクトルAEの紐の真ん中を点Oまで引っ張って紐AOEにして、真ん中の点Oで紐を切って紐AOと紐OEに分ける。

そして、紐AOの方向を逆にしたベクトルOAにして、マイナスを付けて①にする
①は、視線がベクトルaを逆向きにたどったのでマイナスを付けると考えても良い。
②は、順向きなので”+”のまま。

 ベクトルAEのAからの道AOの向きがベクトルaと逆方向に進むことを確認してベクトルaにはマイナスを付けてベクトルAEの展開式を書くようにします。
 こうすることで、思い込みによりベクトルaの符号をプラスにして式を書いてしまうミスを防げます。

(ベクトルの内積の定義)
 ベクトルPと単位ベクトルAの内積は、以下の図に示すように、ベクトルPの単位ベクトルへの正射影の長さです。


単位ベクトルA=ベクトルOA=(a,a)の長さの2乗は、
(a・a)+(a・a)=1 (式1)
であらわすことができる。
その値は、単位ベクトルAがどの方向を向いていても1になる。

この式1を拡張して、
ベクトルP=ベクトルOP=(p,p
があり、
単位ベクトルA=ベクトルOA=(a,a
がある場合に、
ベクトルPと単位ベクトルAの内積演算を、以下の式2で定義する。



その定義の結果、以下の式4が成り立つ。
この式のθは、ベクトルPが単位ベクトルAと成す角度です。
 ベクトルPと単位ベクトルAの内積は、ベクトルPの単位ベクトルAの方向への正射影の長さをあらわします。

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2022年6月11日土曜日

因数分解のたすき掛けの方法

ページ内リンク
▷xの2乗の係数が1でない(例4の別解)
▷たすき掛けしないで自動的に計算する(例5の別解)
▷xの2乗の係数が1でない2次関数の因数分解

【問題1】 

以下の式を因数分解する:


この式は、以下のたすき掛けの方法で因数分解できます。

上の図の右端の列の(3x)と(4x)を足すと、最初の式

のxの1次の項(7x)になります。
こうして、
f=(2x+3)(x+2),
に因数分解できました。

(例1)以下のように因数分解します。

〘係数(定数)を積に分割するコツ(その1)〙2つの項の和を-17にするのが目標。-17が2の倍数ではないので和を求める各項は、両者が一緒に2の倍数にはならない。
そのため、2次式の定数(ー60)を積に分割する際に、2の倍数と2の倍数との積にはしない。例えば、(-10)×(6)という積に分割しない。(ー30)×(2)という積に分割しない。

(例2)以下のように因数分解します。

〘係数(定数)を積に分割するコツ(その2)〙2つの項の和を9にするのが目標。9が3の倍数なので和を求める2つの項は、両者が一緒に3の倍数である。
そのため、2次式の定数(18)を積に分割するとき、両者が一緒に3の倍数である場合:
18=3×6
だけが有効な分割である。

(例3)以下のように因数分解します。

2つの項の和を15にするのが目標。15が3の倍数なので和を求める2つの項は、両者が一緒に3の倍数である。
そのため、2次式の定数(18)を積に分割するとき、両者が一緒に3の倍数である場合:
18=3×6
だけが有効な分割である。

〘積に分割した数を嚙み合わせるコツ〙この因数分解をする際に、かけて18の定数になる組合せは3と6。かけて2になる係数の組合せは1と2。両者の嚙み合わせをチェックするとき、以下の図のような(嚙み合わせのたすき掛け位置の数同士に公約数がある)ものはチェックしないで良い。

もし、1つのカッコでくくられる2項に公約数がある場合には、因数分解をする前に、以下のように式を変形して公約数をくくり出した式を因数分解するようにしている。

公約数をくくり出した式を因数の積に分けた各因数の中の数には(既にくくり出された)公約数が無いから、噛み合わせのたすき掛けの位置の数同士には公約数が無いからである。

(例4)以下のように因数分解します。

2つの項の和を-67にするのが目標。-67が2の倍数ではないので和を求める2つの項は、両者が一緒に2の倍数にはならない。両者が一緒に3の倍数にもならない。
そのため、2次式の定数(180)を積に分割する際に、2の倍数同士の積にはしない。3の倍数同士の積にもしない。
180=(-20)×(-9),  
180=(-45)×(-4),
という2つの分割のみが有効である。

〔分割した数の噛み合わせに注意する〕
 xの二乗の係数の6の積への分割については、
6=(1)×(6)
6=(2)×(3)
という2つの分割のみが有効である。
 係数6=(2)×(3)という積の分割と、定数180=(-20)×(ー9)という積の分割を噛み合わせるときに、たすき掛けの位置の数同士に公約数が生じないように注意して嚙合わせる。
6=(2)×(3)の順の積の分割に、180=(-20)×(-9)の順の積の分割を嚙み合わせるのが良い。
6=(2)×(3)の順の積の分割に、180=(-9)×(-20)の順の積の分割を嚙み合わせると、たすき掛けの位置の数同士に、公約数の2や3が表れてしまうので、その順の積の分割は噛み合わせない。

《例4の、たすき掛けの手順の別解》
 例4の上記の表において、xの係数の-67を足して求めるための上記の表の真ん中の2つ数、-40と-27との積は必ず、xの2乗の係数の6と、定数項180との積(6×180)に等しい。

 そのため、上図の表のように、以下の手順で計算する。
(第1の処理)
 その積(6×180)を、=(-40)×(-27)という積に分割して、足してー67になる積の分割を求める。
-40+(-27)=ー67
▷(ただし、足してー67にする積の分割は、その和がー67のときは、ともに2の倍数にもならず3の倍数にもならないので、積の分割の一方の数を27の倍数にしてもう一方の数が3の倍数にならないようにして、数の選定作業を節約する)。
そのように積を分割した2つの数(ー40)と(-27)を、上図のたすき掛けの計算表の真ん中に書き込む。
(第2の処理)
 表の真ん中のその2つの数を、 xの2乗の係数6の因数と、定数項180の因数と、の積であらわす。
2つの数のうちの第1の数(-40)の因数には、
ー40=2×(-20)、
というように、xの2乗の係数(6)の因数2と、定数項(180)の因数(ー20)を用いる。
2つの数のうちの第2の数(ー27)の因数には、
ー27=3×(-9)
というように、xの2乗の係数(6)の残りの因数3と、定数項(180)の残りの因数(-9)を用いる。
その因数の嚙み合わせをたすき掛けして因数分解の式を完成させる。

(例4B)以下の式も同様にして、以下のように計算する。

xの2乗の係数の3と、定数項2との積(3×2=6)を計算する。
(第1の処理)
 その積(6)を、=(3)×(2)という積に分割して、足して、xの1乗の係数(5)になる積の分割を求める。
3+2=5
そのように積を分割した2つの数(3)と(2)を、上図のたすき掛けの計算表の真ん中に書き込む。
(第2の処理)
 表の真ん中のその2つの数を、 xの2乗の係数3の因数と、定数項2の因数と、の積であらわす。
2つの数のうちの第1の数の(3)の因数には、
3=(3)×(1)、
というように、xの2乗の係数(3)の因数3と、定数項(2)の因数(1)を用いる。
2つの数のうちの第2の数(2)の因数には、
2=(1)×(2)
というように、xの2乗の係数(2)の残りの因数1と、定数項(2)の残りの因数(2)を用いる。
その因数の嚙み合わせをたすき掛けして因数分解の式を完成させる。

(例5)以下のように因数分解します。

〔分割した数の噛み合わせに注意する〕
係数(3a)=(3)×(a)の順の積の分割に、定数(-2a)=(2)×(-a)の順の積の分割を噛み合わせるのが良い。
係数(3a)=(3)×(a)の順の積の分割に、定数(-2a)=(-a)×(2)の順の積の分割を噛み合わせると、たすき掛けの位置の数同士に、公約数の(a)が表れてしまうので、その順の積の分割は噛み合わせない。

《例5の別解》たすき掛けしないで自動的に計算する

 たすき掛けが考えにくい場合は、以下のように式を計算すれば良い。
 先ずxの2乗の項の係数と、定数項とを掛けあわせた式

を計算する。
次に、それを2つの式の積に分割する。
その2つの式の和が、xの1乗の項の係数になるように、2つの式の積に分割する。

という2つの式の積に分割すれば、その2つの式の和が、xの1乗の項の係数になる。
 その積への分割が見つかったら、分割した式をしっかり分けて
(xの1乗の項を2つに分けて) 以下のように式を書く。
そして、隣合う式同士を合わせて、同じ因数を括りだしていく。

こうすると、上の式のように自動的に因数分解できる。

(例6)以下のように因数分解します。


(例7)以下のように因数分解します。

2つの項の和を89にするのが目標。
項の和が89になるには、各項が一緒に2の倍数にはならない。各項が一緒に5の倍数にはならない。そのため、用いることができるのは:
かけて75になる組み合わせは、1と75、3と25の2つだけ、
かけて164になる組み合わせは、1と164、4と41の2つだけです。
その組合せの中から、2項の和がちょうど89になる組合せを選ぶだけです。

扱う数が大きな数というだけで、通常のたすき掛けの問題を解くのと同じようにして解けました。

《xの2乗の係数が1でない2次関数の因数分解》
《例7の別解》例4の別解と同様な解き方

xの2乗の係数の75と、定数項(-164)との積を、2つの数の積に分解して、その2つの数の和がxの係数の89になるようにする。
▷積に分解した数の和が89になるには、各数が一緒に2の倍数にはならない。各数が一緒に5の倍数にはならない。
そうなる数の組み合わせは、123と(-100)、164と(-75)、1025と(ー12)、などの8組しかない。そのうち、2つの数の和がちょうど89になる組合せは、164と(-75)です。
この組合せが求められたので、75の積への分割の2つの数と、(-164)の積への分割の2つの数と、を嚙合わせて164と(-75)が得られるように各項の積の分割を定める。

《例7の別解(2)》たすき掛けしないで自動的に計算する

 先ずxの2乗の項の係数と、定数項とを掛けあわせた式

を計算する。
次に、それを2つの式の積に分割する。
その2つの式の和が、xの1乗の項の係数になるように、2つの式の積に分割する。

という2つの式の積に分割すれば、その2つの式の和が、xの1乗の項の係数になる。
 その積への分割が見つかったら、分割した式をしっかり分けて
(xの1乗の項を2つに分けて)以下のように式を書く。
そして、隣合う式同士を合わせて、同じ因数を括りだしていく。

こうすると、上の式のように自動的に因数分解できる。

(例8)例4の別解と同様な因数分解方法

xの2乗の係数の12と、定数項(-5)との積を、2つの数の積に分解して、
その2つの数の和がxの係数の(-4)になるのが目標。
▷目標の(-4)が2の倍数なので、積に分解した2つの数の和が2の倍数の目標になるには、その2つの数が一緒に2の倍数になる。
 そうなる2つの数の組合せは、2と(-30)、6と(-10)、の2組しかない。そのうち、2つの数の和がちょうど(-4)になるのは、6と(-10)の場合である。
 この2つの数(6と(-10))が求められたので、
この2つの数を、xの2乗の係数の12の因数と、定数項(-5)の因数と、の積であらわす。
すなわち、
6=6×1、
とする式の右辺の6に、xの2乗の係数(12)の因数6を用い、右辺の1に、定数項(-5)の因数1を用いる。
また、
ー10=2×(-5)
とする式の右辺の2に、xの2乗の係数(12)の残りの因数2を用い、右辺の(-5)に、定数項(-5)の残りの因数(-5)を用いる。
そのように、それらの因数を分割して嚙合わせて目標の6と(-10)を得る。

その因数の噛み合わせをたすき掛けして、
(6x-5)(2x+1)
という因数分解の式が求まる。

《例8の別解(2)》たすき掛けしないで自動的に計算する

 先ずxの2乗の項の係数と、定数項とを掛けあわせた式

を計算する。
次に、それを2つの式の積に分割する。
その2つの式の和が、xの1乗の項の係数になるように、2つの式の積に分割する。

という2つの式の積に分割すれば、その2つの式の和が、xの1乗の項の係数になる。
 その積への分割が見つかったら、分割した式をしっかり分けて
(xの1乗の項を2つに分けて)以下のように式を書く。
そして、隣合う式同士を合わせて、同じ因数を括りだしていく。

こうすると、上の式のように自動的に因数分解できる。

(例9)例4の別解と同様な因数分解方法

xに関する定数項(3(y-1)(y-2))と、
xの2乗の項の係数の(2)との積(6(y-1)(y-2))を計算する。
そして、その数を、2つの数の積に分解する。
その2つの数の和が、
(目標にする)、xの1次の項の係数(5y-8)
になるようにする。

その2つの数は、
2(y-1)=2y-2と、
3(y-2)=3y-6と
が良い。
その2つの数の、
2(y-1)と、
3(y-2)と
を、
xの2乗の項の係数(2)の因数と、定数項(3(y-2)(y-1))の因数と、
の積であらわす。

(1)すなわち、1つ目の数を:
2(y-1)=2×(y-1)
という式で、xの2乗の項の係数(2)の因数(2)と、定数項(3(y-2)(y-1))の因数(y-1)の積にする。
(2)また、2つ目の数を:
3(y-2)=1×3(y-2)、
という式で、xの2乗の項の係数(2)の残りの因数(1)と、定数項(3(y-2)(y-1))の残りの因数(3(y-2))の積にする。
(3)その因数の嚙み合わせをたすき掛けして因数分解の式:
f=(2x+3(y-2))(x+(y-1))
を完成させる。

《例9の別解(2)》たすき掛けしないで自動的に計算する

 先ずxの2乗の項の係数と、定数項とを掛けあわせた式

を計算する。
次に、それを2つの式の積に分割する。
その2つの式の和が、xの1乗の項の係数になるように、2つの式の積に分割する。

という2つの式の積に分割すれば、その2つの式の和が、xの1乗の項の係数になる。
 その積への分割が見つかったら、分割した式をしっかり分けて
(xの1乗の項を2つに分けて)以下のように式を書く。
そして、隣合う式同士を合わせて、同じ因数を括りだしていく。

こうすると、上の式のように自動的に因数分解できる。

(例10)たすき掛けでは因数分解できない式の判定方法

xの2乗の係数の(1)と、定数項(96)との積の(96)を、2つの数の積に分解して、
その2つの数の和がxの係数の(36)になるのが目標。
▷目標の(36)が2の倍数なので、積に分解した2つの数の和が2の倍数の目標になるには、その2つの数が一緒に2の倍数になる必要がある。また、目標の(36)が3の倍数なので、積に分解した2つの数の和が3の倍数になるには、その2つの数が一緒に3の倍数になる必要がある。
 しかし、(96)を、2つの3の倍数の数の積に分解することが不可能である。そのため、この式は、たすき掛けでは因数分解できない。
 この式の因数分解は、平方完成の方法で因数分解するしかない。

(例4の因数分解の、平方完成による方法)



(例11)以下の式の因数分解は、たすき掛けでは因数分解できない。そのため、この式を因数分解するには、根号を使った式に因数分解する必要がある。|a|≦1の場合には、以下の式に因数分解できる。


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