2019年11月4日月曜日

三角形の高さhの公式の証明の簡単さの差

【三角形の高さhの公式】以下の公式の証明を考える。

この図の上記の式が成り立つ。


【証明1】先ず、三角関数を使って証明する。
(証明おわり)

【証明2】ベクトルを使って証明する。
(証明おわり)
この証明の簡単さの差はどこから来たのだろうか。
それは、以下のように証明する事でわかる。
【証明3】
(証明おわり)
 これは、証明というよりも、ベクトルcをあらわす式そのものが、公式の本質を含んでいると言う方が正確な状況をあらわしている。

(公式の位置付け)
 この公式は、ベクトルaとbとcが分かっている場合に外接円の半径が分からないでも、三角形の高さhを求める公式として使える。
 そして、他の公式から、高さhは、
2hR=|c|・|b| 
という事も分かるので、
両公式を使う事で外接円の半径Rも計算できる。 
 ただし、外接円の長さRを求めるだけならば、
外心の辺BC上の高さmが分かった時点で、
辺BC/2の2乗とmの2乗の和がRの2乗になる事から求められるという他の計算の道もある。 

【ベクトルaが任意のベクトルの場合】
この公式のベクトルaが、
の場合も含む任意のベクトルの場合、
この公式は以下の形の式になる。
(ここで、ベクトルavは、ベクトルaを左回りに90°回転させたベクトルである。)

 この式は、座標軸をベクトルaとベクトルav の座標系に変えた場合の、新座標系で見たベクトルの成分で計算する、ベクトルの内積の公式をあらわしている。
 座標系の回転変換は、ベクトルの得意技です。回転変換に係る計算をする場合は、三角関数の計算よりも、ベクトルの計算の方が簡単になります。

【練習しておこう】
また、この公式の変形として、
以下の左辺の式があらわれたら、直ぐに右辺の式を思い付く練習もしておいてください。
ベクトルaが、
の場合も含む任意のベクトルの場合、
になります。すなわち、ベクトルcの、ベクトルaに垂直な高さと、ベクトルbの、ベクトルaに垂直な高さとの積になります。

この式は、
「90度回転したベクトルをベクトルの分解の公式であらわす」のページの以下の式にベクトルbを内積した式です。
そのため以下の公式を先に覚えましょう。

また、以下の式については:
この式の本質は、
「90度回転したベクトルをベクトルの分解の公式であらわす」のページの以下の式です。
そのため以下の公式を先に覚えましょう。

【三角形の高さベクトルhの公式】
また、以下の図の三角形での以下の公式を覚えましょう。
三角形の高さベクトルDA=hを表す以下の公式が成り立つ。
(高さベクトルの公式おわり) 

【三角形の垂線の足までのベクトルの公式】
また、三角形の高さベクトル(垂線)の足までのベクトルBDを表す以下の公式が成り立つ。
(垂線の足までのベクトルの公式おわり)

逆に、この垂線の足までのベクトルの公式を使うと以下の公式が成り立つ。

(高さベクトルhをあらわす別の公式も得られた)

 また、ベクトルBA=cと、ベクトルCA=bを使って高さベクトルを表すと、以下の公式になる。


リンク:
高校数学の目次
三角形の高さと外接円の半径の関係
三角形の垂心の図の全ての線分を三角関数の積で表す


0 件のコメント:

コメントを投稿