【覚えよう】
以下の式の因数分解の問題があります。この問題は、実は難問です。
この問題が難問であることをあいまいにすると、因数分解はどこまで計算したら良いのか、やり方がわからなくなりますので、ここで、この問題の考え方をはっきりさせておきます。
この式の因数分解の計算の最初の段階では、この式がx,y,zを入れ替えても同じ式になる対称な形の式であることを利用して解きます。
x,y,zの対称な形の式は、以下の要素s,t,uを使ってあらわすことができます。
つまり、以下のように、s,t,uの関数fであらわせます。
既に、この式の因数の1つがsであることを予測していますので、この式を、s,t,uであらわすように変形すれば、因数分解もできるだろうと予測できます。
そのため、以下の様にして、式をs,t,uであらわす変形を行ないます。
sで因数分解ができました。
ただし、変数x,y,zの式を変数s,t,uの式に変換する式の変形において、式の対称性を維持しつつ変形すると、以下のようになり、より優れた解答が得られます。
こうして、sで因数分解ができました。
なお、以下のようにして因数分解することもできます。
この計算手順は、以下のようにして導かれる計算の要点をまとめたものである。
このため、以下の計算をする。
ここで、このs=x+y+z の右に掛かる項は因数分解しなくて良いのでしょうか。
この問いに対する答えは、
「その項も因数分解しなければいけません」
です。
この因数分解が難しいのでその計算は求められない場合が多いと思います。しかし、因数分解の精神としては、この式も因数分解しないといけないという基本精神は歪めないで、しっかり心に刻んでおいてください。
この因数分解は難しいですが、2000年頃は高校で教えられていたようですので、この因数分解もできるようにしましょう。
この項を因数分解するために多大な試験時間を浪費する危険を防ぐために、
以下に、この式の因数分解の答えを書きますので、答えを覚えて、その答えだけを書くようにして下さい。
この因数分解の覚え方は以下のようにします。
最初の式:
x3+y3+z3-3xyz
のyを(ωy)に置き換えて、zを(ω2z)に置き変えた式が、
x3+(ωy)3+(ω2z)3-3x(ωy)(ω2z)
=x3+y3+z3-3xyz
となって、最初の式と同じ式になる。
一方、
yを(ωy)に置き換えて、zを(ω2z)に置き変えた式で計算すると、
置き換え前の計算で、因数分解の1つの項のs=(x+y+z)を導き出したのと同様に、
置き換え後の計算でも、因数分解の1つの項のs’=(x+ωy+ω2z)が導き出される。
このパラメータの置き換えをしても、最初の式は変わらないので、置き換えたパラメータを基礎にして得た因数分解の項s’=(x+ωy+ω2z)もまた、最初の式の因数分解の項である。
と考えて覚えてください。
因数分解したカッコの中の式では、xにだけωが掛からないので、式がx,y,zに関して対称な形で無いので気持ちが悪いという人は、以下のように式を変形してみましょう。
この因数分解の結果を見ると、完全に因数分解された式は、s,t,uだけであらわすことはできませんでした。最初の式をs,t,uの関数fであらわす計算手法は、最初の因数分解の項sを導き出すときだけに通用しました。
(補足1) この完全な因数分解を解く計算は、以下の様に考えて解くのが良いと考えます。
【解】
この問題は難しいので、先ず、z=0の場合を以下の様にして解く。
ωは複素数平面(高校3年で学ぶ概念です)上で以下の様にあらわされます。
こうして、z=0の場合は、完全に因数分解できました。
zが0で無い場合は、zはこの式のどこに入ってくるでしょうか。
以下の式はどうでしょうか。
この左辺の式のx,y,zを以下の様に置き換えても式が変わりません。そして、この右辺の式も、置き換えによって変わりません。
そのため、この式が確からしいことがわかります。
左辺の式の因数の1つが、
であることを以下で確認してみます。
それは、この因数が0になる以下の式を左辺に代入して左辺が0になることで確認できます。
左辺が0になったので、因数の1つが確認できた。
左辺の式の因数のもう1つが、
であることも同様にして確認できます。
(直接因数分解する計算方法)
なお、予測した因数分解の答えに合わせて、以下の様に式を展開することによって、式を直接に因数分解することができる。
(解答おわり)
(補足2)
この因数分解を応用すると、
3次方程式の解を媒介する定数sとtの存在が示される。
リンク:
高校数学の目次
以下の式の因数分解の問題があります。この問題は、実は難問です。
この問題が難問であることをあいまいにすると、因数分解はどこまで計算したら良いのか、やり方がわからなくなりますので、ここで、この問題の考え方をはっきりさせておきます。
この式の因数分解の計算の最初の段階では、この式がx,y,zを入れ替えても同じ式になる対称な形の式であることを利用して解きます。
x,y,zの対称な形の式は、以下の要素s,t,uを使ってあらわすことができます。
つまり、以下のように、s,t,uの関数fであらわせます。
既に、この式の因数の1つがsであることを予測していますので、この式を、s,t,uであらわすように変形すれば、因数分解もできるだろうと予測できます。
そのため、以下の様にして、式をs,t,uであらわす変形を行ないます。
sで因数分解ができました。
ただし、変数x,y,zの式を変数s,t,uの式に変換する式の変形において、式の対称性を維持しつつ変形すると、以下のようになり、より優れた解答が得られます。
こうして、sで因数分解ができました。
なお、以下のようにして因数分解することもできます。
この計算手順は、以下のようにして導かれる計算の要点をまとめたものである。
このため、以下の計算をする。
ここで、このs=x+y+z の右に掛かる項は因数分解しなくて良いのでしょうか。
この問いに対する答えは、
「その項も因数分解しなければいけません」
です。
この因数分解が難しいのでその計算は求められない場合が多いと思います。しかし、因数分解の精神としては、この式も因数分解しないといけないという基本精神は歪めないで、しっかり心に刻んでおいてください。
この因数分解は難しいですが、2000年頃は高校で教えられていたようですので、この因数分解もできるようにしましょう。
この項を因数分解するために多大な試験時間を浪費する危険を防ぐために、
以下に、この式の因数分解の答えを書きますので、答えを覚えて、その答えだけを書くようにして下さい。
この因数分解の覚え方は以下のようにします。
最初の式:
x3+y3+z3-3xyz
のyを(ωy)に置き換えて、zを(ω2z)に置き変えた式が、
x3+(ωy)3+(ω2z)3-3x(ωy)(ω2z)
=x3+y3+z3-3xyz
となって、最初の式と同じ式になる。
一方、
yを(ωy)に置き換えて、zを(ω2z)に置き変えた式で計算すると、
置き換え前の計算で、因数分解の1つの項のs=(x+y+z)を導き出したのと同様に、
置き換え後の計算でも、因数分解の1つの項のs’=(x+ωy+ω2z)が導き出される。
このパラメータの置き換えをしても、最初の式は変わらないので、置き換えたパラメータを基礎にして得た因数分解の項s’=(x+ωy+ω2z)もまた、最初の式の因数分解の項である。
と考えて覚えてください。
因数分解したカッコの中の式では、xにだけωが掛からないので、式がx,y,zに関して対称な形で無いので気持ちが悪いという人は、以下のように式を変形してみましょう。
この因数分解の結果を見ると、完全に因数分解された式は、s,t,uだけであらわすことはできませんでした。最初の式をs,t,uの関数fであらわす計算手法は、最初の因数分解の項sを導き出すときだけに通用しました。
(補足1) この完全な因数分解を解く計算は、以下の様に考えて解くのが良いと考えます。
【解】
この問題は難しいので、先ず、z=0の場合を以下の様にして解く。
ωは複素数平面(高校3年で学ぶ概念です)上で以下の様にあらわされます。
こうして、z=0の場合は、完全に因数分解できました。
zが0で無い場合は、zはこの式のどこに入ってくるでしょうか。
以下の式はどうでしょうか。
この左辺の式のx,y,zを以下の様に置き換えても式が変わりません。そして、この右辺の式も、置き換えによって変わりません。
そのため、この式が確からしいことがわかります。
左辺の式の因数の1つが、
であることを以下で確認してみます。
それは、この因数が0になる以下の式を左辺に代入して左辺が0になることで確認できます。
左辺が0になったので、因数の1つが確認できた。
左辺の式の因数のもう1つが、
であることも同様にして確認できます。
(直接因数分解する計算方法)
なお、予測した因数分解の答えに合わせて、以下の様に式を展開することによって、式を直接に因数分解することができる。
(解答おわり)
(補足2)
この因数分解を応用すると、
3次方程式の解を媒介する定数sとtの存在が示される。
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