2018年8月23日木曜日

拡張三平方の定理の2つの式がベクトルの内積により1つの余弦定理の式になる

 【三平方の定理】
上図の直角三角形で、式0であらわされた三平方の定理が成り立ちます。

【拡張三平方の定理】
上図の三角形で、式1であらわされた拡張三平方の定理が成り立ちます。
が小さくなって0になれば、この式1は式0に一致します。


(証明開始)
三角形ABCに関して、三角形の辺の二乗の引き算の公式を使うと、以下の式が成り立ちます。
(証明おわり)

 式の対称性から、以下の様に、この式は、他の式でも表現できる、複数の式があるというバラエティがあります。
すなわち:
(1)辺BCの長さaと、辺BC上への辺BAの射影の長さaの積を使う表現。
(2)辺BAの長さcと、辺BA上への辺BCの射影の長さcの積を使う表現。
との2つのバラエティがあります。
その式のバラエティは、ベクトルの内積を使った1つの式で表現できます。
 そして、その式は、余弦定理をあらわします。 

(補足)
 拡張三平方の定理の式の2つの式のバラエティは、下図のように、三角形ABCの辺ACの中点を中心にした円を使った方ベきの定理から理解できます。
しかし、2つの式のバラエティを含む定理は、方ベきの定理だけでは無く、以下の定理も、そのバラエティを含むので、頭を柔らかくしましょう。
https://schoolhmath.blogspot.com/2017/10/blog-post_11.html

リンク:
高校数学の目次


2018年8月19日日曜日

ベクトルPと単位ベクトルの内積はベクトルPの単位ベクトルへの射影




(ベクトルの内積の定義)
単位ベクトルA=ベクトルOA=(a,aの長さの2乗は、a・a+a・a=1 (式1)
であらわすことができる。
その値は、単位ベクトルAがどの方向を向いていても1になる。

この式1を拡張して、
ベクトルP=ベクトルOP=(p,p)があり、単位ベクトルA=ベクトルOA=(a,a)がある場合に、
ベクトルPとベクトルAの内積演算を、
・a+p・a (式2)

で定義する。

(注意)
 大学や、おそらく世界中の数学者は、式2でベクトルの内積を定義しています。しかし、日本の高校では、式4によってベクトルの内積を定義しています。
日本の大学の教科書・参考書を見ると、日本の大学では、学生が高校で教わった式4の定義を認めた上で、式2の定義を示し式2の定義の適用の広さを教えることで、学生に式2の定義の方が優れている事を諭しています。

 この式2で定義した内積を使うことで、余弦定理も証明できます。その証明において特に注意すべきことは、式4では内積を定義せず、式2で内積を定義することから証明を開始しなければなりません。その証明には、
「式2で内積を定義する」
と明記して、証明をしてください。
詳しくは:
「ベクトルpとベクトルaの内積の演算を、
(p,p)・(a,a)=p・a+p・a
で定義する。

その定義の結果、ベクトルの内積が、ベクトルの長さの積と、ベクトル同士が成す角度θの余弦cosθとの積であらわされる。」 
と明記して、証明をしてください。

「式4で内積を定義しても、余弦定理を使って式2が導き出せるので問題無い」という誤った認識が流通しているので注意して下さい。

式2は余弦定理が無ければ成り立たない式では無く、逆に、式2を用いて余弦定理も証明でき、かつ、式4も導き出せるのです。
 式4で内積を定義してしまったら、式4の根拠付けに余弦定理が使われていますので、内積を使って余弦定理を導き出すのは、その定義の根拠になった公式を導き出すという循環論法になるので、内積で余弦定理を導き出してはいけない事になります。
 そういう真実も、高校時代から学んで欲しいと考えます。

 なお、高校生になった学生は、心身ともに大人として完成する時期に入ったので、もう中学生時代のように受け身で勉強や生きる道を選択するのでは無く、自分から積極的に広く情報を集めて取捨選択して信頼できる情報を手に入れるようにして欲しいと思います。
 世間に流通している情報には、誤った情報の方が多く、正しい情報が少ないです。誤った情報しか手に入らないと、誤った情報は問題解決の役に立たないので自信が無くなり、どうしても受け身で勉強する姿勢になり易いです。
 正しい情報の貴重さを認識する経験を積んで欲しいと思います。そして、手に入れた正しい情報に基づいた確信と、生きる勇気を手に入れて、人生の永い道に乗り出して行って欲しいと思います。

(1)式2で内積を定義すると、
互いに垂直なベクトル同士の内積=0
になる。
実際、
単位ベクトルA(a,a)と
それに垂直なベクトルA(-a,a
との内積=-a+a=0 (式3)

になる。

(2)下図の様に、ベクトルPを、ベクトルAに平行なベクトルPと、ベクトルAに垂直なベクトルPに分解し、両ベクトルを合成したベクトルと考える。


すると、ベクトルAに垂直なベクトルPとベクトルAの内積は0になる。

そのため、ベクトルPとベクトルAの内積は、ベクトルPからベクトルAに垂直なベクトルPを除去して、残ったベクトルAに平行なベクトルPとベクトルAとの内積になる。
ベクトルPはベクトルPのベクトルAへの射影である。

単位ベクトルAの大きさは1だから、ベクトルPとベクトルAの内積は、ベクトルPにおけるベクトルAに平行な部分のベクトルPの大きさ(長さ)になる。

(3)ベクトルPと単位ベクトルAの内積は、
ベクトルPから単位ベクトルAに垂直な
ベクトルPを除去して、残ったベクトルAに平行なベクトルPの長さに等しい。
すなわち、ベクトルPと単位ベクトルAの内積は、
ベクトルPの、ベクトルAに平行な直線への射影の長さに等しい。

 

例えば、ベクトルPがベクトルAと成す角度がθの場合、
ベクトルPの、ベクトルAに平行な直線への射影の長さ=|P|cosθである。
よって、
ベクトルPと単位ベクトルAの内積=|P|cosθ (式4)

 
こうして、ベクトルPと単位ベクトルAとの内積によって、
ベクトルPの、単位ベクトルAに平行な直線上への射影の長さをあらわすことができます。

 このベクトルの内積の持つ性質(式4)は重要な性質なので、心に銘記して覚えるべき事と思います。
 高校の数学教育では、ベクトルの内積のこの重要な性質(式4)を学生が忘れないようにする配慮から、いっその事、ベクトルの内積のこの性質(式4)を、「ベクトルの内積の定義」として教えているのだろうと考えます。

(4)もう1つ大切な事を付け加えておきます。それは、ベクトルの内積の値は、座標系を回転させても変わらないことです。
 これは、ベクトルPと単位ベクトルAとの内積の値は、ベクトルPの、単位ベクトルAに平行な直線上への射影の長さを表わすので、その値が座標系を回転させても変わらないのは当たり前のことです。
 しかし、式2で定義した内積を計算するためのベクトルの成分は座標系によって定められるので座標系の回転変換によって変化します。それにもかかわらず、内積の値は変わらないという事は不思議で面白いことです。

(角度はベクトルを使って定義される)
 また、4次元空間における2つのベクトルの成す角度θの余弦=cosθを、2つのベクトルの内積の値を使って定義することができます。
単位ベクトルP(p,p,p,p)があり、
単位ベクトルA(a,a,a,aがある場合に、
4次元空間での単位ベクトルPと単位ベクトルAが成す角度θの余弦=cosθを、
cosθ=・a+p・a+p・a+p・a
で定義することができます。
 この例の様に、ベクトルの成す角度θというものは、ベクトルの成分を使って測られ、定義されるものであって、ベクトルの成分に従属するものです。
 そのため、何かを定義するとき、それをベクトルの成す角度θを使って定義するよりは、そのθも定義する要素である、ベクトルの成分(,p,p,p等)を使って定義する方が、より根源的なしっかりした定義であると言えます。

リンク:
高校数学の目次

2018年8月12日日曜日

2階微分の記号の定義

【2階微分】
左辺の式は、右辺の様に微分を2回続けて行なう操作をあらわしています。
例えば、関数f(x)が以下の式1で定義されている場合:
式2の解を得る計算をすることが2階微分の定義です。

この定義を学生に周知せずに、この記号を使った問題が出題されることがありました。
その場合に、学生が、この2階微分の記号の意味を、以下の式3の意味であると解釈して解答する場合がありました。
式3は、以下の様に求めます。
先ず、以下の式4で変数tを定義します。
この準備をした上で、式3を以下の様に計算します。
 (解答おわり)

この解答は、正しい解答の式2と異なり、誤った解答です。
しかし、学生がこの解答をした場合は、
2階微分の記号の定義を周知させずに、この記号を使った問題を出題する教育の方が間違っていると考えます。

リンク:
高校数学の目次


2018年8月4日土曜日

微分の傾き0を一瞬で把握するコツ

https://schoolhmath.blogspot.jp/2017/06/blog-post_2.html
https://schoolhmath.blogspot.jp/2017/08/blog-post_17.html

【課題】
以下の関数のグラフの概形を素早く求める方法を考える。

【図形の概形】
(1)

x→±∞のとき、このグラフが、
y=1/(x2+1)→0
0に収束することを想像する。
(2)

x座標の正負反転で対象なグラフであることも想像する。
(3)

x=0のとき、
y=1
になるグラフであることも想像する。


(4)

詳しく微分の計算をしてx=0での微分係数を求める手間をかけずに、
x→Δxのとき、
y=1/(Δx2+1)の値が1からほとんど変わらないと考える。

それにより、
x=0でのグラフの傾きΔy/Δxは0であると想像する。


リンク:
高校数学の目次