2015年6月14日日曜日

三角形の辺と角の等式を複素数平面で証明




「(佐藤の)数学教科書[三角比・平面図形編]」(東進ブックス)の以下の問題を複素数平面を利用して解きます。

【問32】上の三角形ABCにおいて、次の等式を証明しなさい。
c(a・cos(B)-b・cos(A))=a2-b2  (1)

(証明開始)
 この等式の証明には、この等式の左辺から右辺を引き算した以下の(式2)を考えます。
c(a・cos(B)-b・cos(A))-{a2-b2}=0 (2)

この左辺が0になることが計算できれば、問題の等式が証明できます。

以下では、この問題を以下の複素数平面の図を利用して証明します。
以下の図のa,b,cは複素数とし、上式のa,b,cは|a|,|b|,|c|に書き直して計算します。
ベクトルaとcの内積、及びベクトルbとcの内積が以下の式であらわされる。
であるので、
上の(式2)の左辺は、以下のようにあらわして計算できます。
(証明おわり)

(補足)以上の計算は、途中から、以下のように計算する方が無理が無く計算できます。


 この問題は複素数平面(又はベクトル)を利用しないで解いた場合は、けっこう難しかったと思います。
 ベクトルの内積をあらわす複素数平面のRe()の計算式を利用して解くと、以上のように簡単に解けるようになりました。


リンク:
第3講「三角形の辺と角」(3)等式の証明
「三角形の辺と角」(2)余弦定理

「三角形の辺と角」(1)正弦定理
sinθとcosθの連立方程式で式からθを除去する方法
高校数学[三角比・図形]一覧
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2015年6月12日金曜日

複素数平面の公式を使ってベクトルの難問を解く



ベクトルの難問は、複素数平面の計算公式を使うと易しく解ける場合がよくある。

【ベクトルの難問】
 下図のように半径rの円周上に3点ABCがある。この場合に、以下の式1の関係が成り立つことを示せ。

【解答】
 この問題は、ベクトルの難問ですが、

複素数平面の計算公式のうちの複素数の切替の公式
を適用すると、以下の様に簡単に解けます。
上図において、
という関係があることに注目し、
複素数平面の切替の公式を適用する。
 よって、式(1)が成り立つことが証明できた。
(解答おわり)


 以上のように、複素数平面の計算公式により、式(1)の関係を簡単に求めることができました。

 ベクトルの難問は、複素数平面の計算公式を使うと簡単になる場合が多いです。

リンク:
ベクトルの難問の強力な解答手段
複素数計算の公式を覚える
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2015年6月5日金曜日

複素数平面が、円の2つの接線の交点問題を簡単にする




複素数平面が、円の2つの点の接線の交点を求める問題を簡潔明瞭にする。

【問】
 複素数平面上の原点Oを中心にする半径1の円に対して、
その円上の点zから引いた接線と、
点zから引いた接線の交点Pの位置ベクトルを複素数であらわせ。

(解答開始)
(ベクトルOPとベクトルOMが平行である)
(注)上の式は、図から得た。解答後の補足2で、この式を以下の式(接点の式)から導く。

(接点の式)

pの値の計算:
(解答おわり)

(補足1)
 この逆に、zとzをpであらわす式は以下の式になる。

(補足2)ベクトルOPとベクトルOMが平行である式:
は、以下の様にして、上の接点の式から導ける。
ここで、ベクトルとベクトルの長さが等しいので、ベクトル(z-z)は、ベクトル(z+z)に垂直である。
上の内積の式は、ベクトル(z+z)に垂直なベクトルにベクトルpが垂直であることをあらわしている。
ゆえに、ベクトルOP=pはベクトルOM=(z+z)/2に平行であって、
が成り立つ。

(補足3) 
  pをとzであらわす式は、分母の複素数を実数化した以下の式に変換できる。
pの、この形の式は、XY座標系で計算した、点とzでの接線の交点Pの解と同じ形の式である。
 分母の実数化は、もう1つできる(こちらの方が考え易い)。
 以上の2つは、同じpの分母を実数化する2つの解をあらわしている。そのため、pの解は、以下の2つのあらわし方がある。
 この2つの表し方が等しいことを証明するのは簡単では無かったが、複素数平面を使うと、上の2つの計算によって、両者が等しいことが証明できる。
 また、この2つの式は、複素数の偏角αを使って、以下の1つの式であらわすことができる。

(補足4)
 この問題は、上図のように複素数平面を使って、簡潔明瞭にあらわせます。
 2接線の交点Pの位置座標は、2接点の中点Mの位置によって定まる。
 しかも、その中点Mの位置ベクトルmと交点Pの位置ベクトルpは平行である。
 このように複素数平面であらわして考えると、2接線の交点を求める問題を、2接点の中点Mを求める簡単な問題に変換できます。

リンク:
円の極の座標の解の変換
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2015年6月4日木曜日

複素数計算の公式を導き出す

http://schoolhmath.blogspot.jp/2015/04/blog-post_2.html
http://schoolhmath.blogspot.jp/2015/04/blog-post_3.html

複素数の計算を推進する以下の公式を導きだしましょう。

(第1優先事項)
 複素数平面のグラフをあらわす方程式を変換する問題は、複素数の計算をせずに、図形の考察で答えを求めるようにしましょう。すなわち、複素数平面のグラフを表わす複素数の方程式同士を計算でつながないで図形の考察でつなげば何とか問題が解けますのでそれを第1優先にしましょう。

(優先順位の2位以下のこと)
 それよりは優先順位が低いことですが、以下のような、複素数平面の計算の公式の導き出し方を身に付けると、少し計算が推進されますので、以下の公式も、簡単に導き出せるようになればとても良いと思います。
以下の公式も導き出してください。
以下の公式も導き出してください。

(この公式の証明は、ここをクリックした先にあります)

以下の公式も導き出して、計算を推進させてください。

また、以下の公式も成り立ちます。
 以上の公式は使う場合が多いと思いますので、計算の中で必要に応じてすぐ導き出して使えたら良いなと思います。

 以下の公式も使う場合が多いと思います。
また、以下の式も大切です。

先の式から、以下の式が成り立ちます。
(上の式で、上から2行目の式と3行目の式は、|α|=|β|の場合には、右辺が第1項のみになります。それを利用して、以下の公式が使えます。)
 実数係数kを利用してβを下式のように絶対値がαと同じ複素数β’であらわします。

以上の公式で、以下の部分が特に重要です。

同様に、以下の公式も使えます。
ただし、kは、βを以下の関係のβ’に置き換える実数係数です。

 以上の式に対しては、任意の実数θとεに関して、
α⇒αexp(iθ)
β⇒βexp(iε)
という式の置き換えを行えます。
その置き換えでは、以下の式の左辺が変化しないので、以下の式が成り立ちます。

 以下の公式も計算の推進の道具にしてください。
上の式に対しても、任意の実数θとεに関して、
α⇒αexp(iθ)
β⇒βexp(iε)
という式の置き換えを行えます。
その置き換えでは、最初の式が変化しないからです。

 以下の公式は、使う場面が少ないので無理に導き出す必要は無いと思いますが、このような形に式が変形できるように頭を柔らかくする発想の練習ができたら良いと思います。



(複素数の切替の公式)
(条件)複素数αとβの絶対値が等しい場合:
以下の公式が成り立つ。
(複素数の切替の公式おわり)

(2複素数の非対称共役化の公式)
 この複素数の切替の公式を使うことで、以下の「2複素数の非対称共役化」公式が導ける。

(条件)複素数αとβの絶対値が等しい場合:
以下の公式が成り立つ。



これらの「2複素数の非対称共役化」公式は、以下の問題例の様に使うと良いと思います。
(問題例1)ベクトルの難問を解く
(問題例2)円周角の定理を示す

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