2020年4月10日金曜日

必要条件と十分条件の表現のバラエティ

【問題1】
以下の命題から、何が何の必要条件であるかを述べよ。
また、何が何の十分条件であるかを述べよ。
(命題)
条件Aが成り立つ場合に、
「BならばCである。」

【解答1】
 この問題の命題は、
「AでありBならばCである。」
 と言い換えることができます。
AandB→C
そのため、
Cが(AandB )の必要条件です。
(AandB )がCの十分条件です。

【解答2】
問題文そのままを利用して、以下の解が得られます。
条件Aが成り立つ場合に、
CがBの必要条件です。
BがCの十分条件です。

【解答3】
少し場違い感がありますが、以下の解答も正しい解答です。
Bが成り立つ条件の下で、
CがAの必要条件です。

また、Bが成り立つ前提条件の下で、
(何が前提条件かをハッキリさせなければなりません)
AがCの十分条件です。

《補足》
ある結果をもたらすために必ず必要な条件が必要条件です。
必ずそうなる結果をもたらす条件が十分条件です。

前提条件の下での、ある結果をもたらすために必ず必要な条件も必要条件です。
前提条件の下での、必ずそうなる結果をもたらす条件も十分条件です。

【問題2】
xの方程式

(a,b,c:実数)
が2つの実数解α、βをもつことは、
であるための何条件ですか? 
ただし、重解の場合は2つの解を持つものとする。

【解答1】
(Step1)
先ず、十分条件の成立の可否を調べます。

a,b,cが実数であって、以下の方程式の解をαやβで表すという前提条件の下で、
xの方程式
の解が2つの実数解(重解も含む)をもつならば、
必ず、
a≠0
であって、
である。

(注意)
a=0
の場合は、この方程式は1つの解しかもたない。
(注意おわり)

そのため、
xの方程式
の解が2つの実数解(重解も含む)をもつ事は、
が成り立つことの十分条件である。
(必ずそうなる結果をもたらす条件が十分条件です)
(前提条件の下での、必ずそうなる結果をもたらす条件も十分条件です) 
 (十分条件の確認おわり) 

(Step2)
次に、必要条件の成立の可否を調べます。

少なくとも
a≠0
であって、
で表わせるαとβがある場合に、
方程式
の解は2つある(重解も含む)が、
その解が実数解であるとは限らない。
言い換えると:
少なくとも
a≠0
であって、
から計算することができるαとβがあることは、
方程式
の解が2つある(重解も含む)事の十分条件ではあるが、
その解は実数解であるとは限らない。

よって、
の解が2つある(重解も含む)事は、
少なくともa≠0
であって、
であるために必ず必要な条件(必要条件)である。

しかし、
の解が2つあり(重解も含む)、その解が2つとも実数解である事は、
少なくともa≠0
であって、
であるために必ず必要な条件(必要条件)では無い。
(必要条件の不成立の確認のおわり)
(解答おわり)

リンク:
高校数学の目次