2016年9月22日木曜日

因数分解の応用問題

【問1】
次の式を因数分解せよ。
+b-2a-4a-4b+4

(注意)

 この問題の計算方法には、覚えておいた方が良い計算方法(別解)がありますので、この問題を解いた後で、以下の解答ページの別解の解き方を読んでおいて下さい。

解答は、ここをクリックした先のページにあります。

【問2】
次の式を因数分解せよ。
+b+c-2a-2b-2c

(注意)

 この問題の計算方法には、解に至る計算の2つの道がありますので、この問題を解いた後で、以下の解答ページの2つの計算の道を読んで心に留めておいて下さい。

解答は、ここをクリックした先のページにあります。

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2016年9月11日日曜日

整式の除法(2)

私が提案した、融通がきく整式の除法の計算において:
割る式が複雑になった場合は、以下の様に計算すれば良いと考えます。
上の方に書いたsの定義の式(s≡2x-3x+1)を、計算の進行につれて、現在書いている式のなるべく近くに表示するために、時々は、sの定義の式を再度書いて見やすくした方が良いです。
こうして、元の式に少しずつ s を注入して計算します。

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2016年9月7日水曜日

整式の除法

整式の除法は、以下の様に計算するように教わります。
 この様に計算するのは分かりやすいのですが、
以下の様に計算する方が、もっと計算に融通がきく優れた方法ではないでしょうか。
この式の様に計算を整理してみると、整式の除法の計算というものは、元の式に少しずつ s=x-1 を注入する計算方法だと分かります。

以下の様な式の除法の場合には、十分融通性を利かせることが必要で、こちらの計算方法を用いた方が良いと考えます。

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2016年9月5日月曜日

数学で納得できない公式は覚えない方が良い

 数学の本質は好奇心を刺激するものだから、数学は好奇心の本能のままに勉強するのが良いと考えます。

(自分の納得できない数学の公式は覚えないようにして、好奇心の純潔を保ちましょう。
勉強して納得できてから公式を覚えれば十分間に合います。
 数学のテストの成績のためにといって納得できないことを無理に詰め込んでいると、いつか破綻すると思いますので、無理はしないようにしましょう。)

(反論への反論(1))
 上の考え方には、以下のような反論が考えられます。
(1)「公式を覚えなければ数学の学力が低下して授業についていけなくなり、結局落ちこぼれてしまうではないか。」
「先ず公式を覚えて使っているうちに公式の意味が分かってくる。だから、納得できなくても公式を覚えた方が良い。」
という反論が考えられます。
 その反論に対しては以下のように反論したいと思います。
(2)数学は勉強すれば学力が伸びる学問だと思います。公式が覚えられるまで納得できるまで数学を勉強することで授業についていくようにして欲しい。
 公式は、自分で問題を解く体験によってつかみ取った、自分で使える生きた公式を覚えてください。使えない死んだ公式は、問題を解く用に使えない(それが必要なタイミングでは思い出せない)無駄な雑音なので覚えない方が良い。
 問題を自分で解こうと努力する体験の中で、死んでいる公式が、使える生きた公式に変わります。(自分が分からなかった解き方の解説に自分が納得できた時(これが大事)は、そこで使われている公式の価値が分かる)そのときに、その公式を覚えてください。

(反論への反論(2))
 以下のような反論も考えられます。
(1)「公式はただでさえ覚えられないので、絶えず覚える努力を続け無いと覚えられない。『覚え無いで良い』という意見は、その努力を中断させる甘い言葉であって、勉強の緊張感を弱める戯言である。」
という反論が考えられます。
 その反論に対しては以下のように反論したいと思います。
(2)数学は公式を覚える学問では無く、公式を導き出す学問です。公式は自分で速やかに導き出せるように修練すべきです。公式を自分で導き出す努力もせず、ただ覚えるだけで良いという考えは、数学を学ぶ緊張感が無い甘い考えだと思います。

--引用開始----------------
公式を暗記するのではなく、理解する

 数学では公式という道具を使いながら問題を解いていくことになります。数学の問題には、 確かに公式を知っていればすぐ解けてしまう問題があります。最初のうちなので、それで済んでしまうので、そういう人も多いはずです。しかし、公式は単に覚えているだけでは限界があります。応用問題からは、確実に公式を理解していなければ上手く公式を使うことも出来ないでしょう。
 なので、公式を確実に理解するためにも、公式は導出をしっかり自分で出来るようにしましょう。そして、公式の 『持つ意味』『いつ使えるか』『どう使えるか』を絶対理解しておきます。数学が得意な人ほど、そのような本質的な部分に強いです。なぜなら、そうでなければ応用問題なんて解けないからです。

---次の引用----------------

公式を「覚える」のではなく「理解する」

 数学の勉強で大切なことは
公式を覚えるのではなく、理解することです。
 そしてその際、基礎的な内容は具体的に、高度な内容は実際に数学的に証明して理解することです。
 覚えても、理解しても同じではないかと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、ただ意味も理由も分からず覚えている内容というのは応用できないのです。
 全ての科目に言えることですが、理解した内容でなければ応用できません。
 公式は覚えるものという認識をまず捨て、時間がかかってもいいので、基礎的な内容は具体的に、高度な内容は数学的に証明して理解していきましょう。

----引用おわり---------

(3)自分で問題を解きながら、良い解き方のパターンをつかみ取って、そのパターンを覚えやすい自分の公式の形に表わして、その使える生きた公式を覚えるよう心がけてください。
(4) 実際、数学の実力が学年の平均を上回っているからといっても、使える生きた公式を学んでいない人が実に多いように思います。そういう状況なので、たとえ数 学を一切勉強していなくて学年最下位の成績であっても、自分で使える生きた数学の公式をつかみ取り始めたら、通常の数倍の速度で実力が向上する、という特 徴が数学という学問にはあります。
(5)数学を嫌いになると、そういう急速な学習を妨げることになりますので、数学を嫌いにならないでください。
(6) 高校3年間、数学の授業は一切聞かない最下位の学生で、しかし、数学にいやな思いを持たず数学が嫌いにならなかった学生は、1年間もあれば、3年間勉強し て来て学年平均以上の数学の実力があるが数学をあまり好きでは無い学生を大きく引き離す数学の力をつけられるものです。
 そのため、数学を嫌いにならないようにする手段として、「数学を勉強しない」という手段を選んでも良いから、数学を嫌いにならないようにしてください。
「そうすれば、生きた数学を勉強し始めたら急速に成長できます。その芽を摘み取らないようにして、有意義な人生を送って行って欲しいと思います。」

(最後に注意)
 高校2年生の後期になると、「微分積分」を教えられます。残念ながら、高校で教えられる「微分積分」では納得できない公式を覚える事が強制させます。特に、合成関数の微分の公式の説明にごまかしがあります。そのとき、その筋の通らない公式を覚えない選択は数学のセンスがある学生の正しい選択だと考えます。
 しかし、
「それでは、微分積分の受験問題が解けないのではないか」
というもっともな意見があります。
 それを改善するには、受け身で学習するのでは無く、自らで、正しい説明をしている参考書を探して、正しい参考書から正しい学力を得るようにして欲しいと思います。

 それと、高校数学の公式を覚えるという数学センスから考えると、微分積分の教科書に入っている嘘とごまかしは、数学を覚えにくくするので禁物なのです。なぜかと言うと、数学の公式を覚えるというのは公式を導き出す小さなヒントだけ覚えて、そのヒントから公式全体を導き出せるようにすることだからです。
 小さなヒントだけ覚えれば良いので多くの公式を覚える量が本当に少なくて済み、覚えるのが楽になります。その様にして多くの公式を全て導き出して使うのです。そうすると、とても多くの公式を全て覚えているのと同じ結果になります。
 しかし、嘘とごまかしによっては、そこから正しい公式全体を導き出せ無くなります。そのような不純物(嘘、ごまかし)が心に入ると、もう数学の力は失われてしまい、何もわからなくなります。

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2016年9月2日金曜日

自分で問題を解いて、何が良いかを自分で考える

高校数学は、何でも疑って、
自分で問題を解いて、良い事であると確かめられた事だけを覚える心が大切だと思います。

その勉強の仕方の例として、
以下の問題を自分で解いてみます。
【問1】

を利用して、

を因数分解せよ。

【疑い】
この問題の、

という式は、問題の式

を因数分解する助けにはなるかもしれないが、その式は他の式を因数分解する役には立つのか?


【先ずは、この式を使わずに自分で問題を解く】 

を因数分解する問題は難しいので、先ず、c=0の場合を解く。

c=0の場合は解けた。
それでは、c=0で無い場合は、cは、c=0の場合に得られた式のどこに入ってくるだろうか。

は、aとbとcを入れ替えても同じ式になるので、
それを因数分解した式もaとbとcを入れ替えても同じ式になるハズです。
それでは、cを以下の様に右辺の式に入れたらどうだろうか。

この様に因数分解の答えを予測しました
 この右辺の式を展開したら、以下の様に左辺の式が得られた。

よって、この右辺の式が因数分解の解である。
(解答おわり)

(補足)
  左辺の式の因数の1つが(a+b+c)であることを素早く確認する方法:
右辺の式のように(a+b+c)が掛った式は、
c=-(a+b)
の場合に0になる。そのため、
c=-(a+b)
を左辺に代入して、以下の計算をしたら0になるので、
左辺の式の因数の1つが(a+b+c)であることが素早く確認できます。

この様にして(a+b+c)が因数であることが分かったら、

を(a+b+c)で割り算することで、(a+b+c)にかかる項を、確実な計算で求めたいものです。
その確実な計算方法は、
(a+b+c) ≡ s
とおいて、

の式の中にsを注入する。
その注入方法は、 以下の計算の様に、
c=s-(a+b)
という式を代入して、この式を、変数a,b,cの式から変数a,b,sの式に変換してsを注入すれば良い。
そうしてから式を整えていけば、自ずから答えが得られます。
 ここで、sを因数とすることができたので、sに掛る項を整えることで求める解が得られます。
 
こうして、因数分解の解を得ることができました。



(補足(その2))
この自分の解き方は、ずいぶんいいかげんな解き方のように見える。
なぜなら、この解き方ならば、
以下の様な解の予測もできるからです。

しかし、事実は、

であるので、

は、この左辺の式

の因数にはならないです。

それで、この左辺の式

は、この方法では因数分解の解が見つけられません。

しかし、以下の式の関係もあるので、

この左辺の式

の因数には、


もなることができません。
結局、この左辺の式

は因数分解が不可能でした。


因数分解が不可能な式は、もともと解くことができないのですから、「もし解けるなら解はこうなる」という示唆の価値は損なわれていません。

そのため、この自分の解き方は、それほどいいかげんな解き方ではありませんでした。


 一方で、最初の、問題の解の求め方の示唆はどうでしょうか。
この、

の式を因数分解しようとしてみます。
その因数分解のためには、

 
が役にたつかもしれないという示唆しかありません。
そして、それを使ってもこの式は因数分解ができないのです。
なぜなら、この式

は因数分解が不可能だからです。



そうなると、
 
を使う解き方の価値は、
自分が使った、簡単な問題の解を使って、難しい因数分解の問題の答えを推測して、その答えを展開して元の式になることを確認して、因数分解の答えを得る解き方と比べると、
問題の解答の見通しが悪いので、
劣った方法である
と判定せざるを得ません。

そのため、その価値に納得できませんので、

を使う解き方は覚える必要が無い
と判定します。

(3)「安易に、納得していない疑わしい公式を覚えないこと」

の原則に従って、この方法は覚えないようにします。

この方法を覚えずに問題を解く方法は、
自分の方法で問題を解く方法であって、
答案の解答の書き方は:
「問題の式を、(~~~)で因数分解したら、
因数分解できたから、これが答えです。」
と答えれば良い、と考えます。

ただし、後に教わる、以下の解き方は覚える価値があると考えます。
この式の因数分解の計算の最初の段階では、この式がx,y,zを入れ替えても同じ式になる対称な形の式であることを利用して解きます。
 その方針で解く理由は、先に、この式の因数が(x+y+z)であると予測した(これが大切!)ことにあります。そして、その因数(x+y+z)が、x,y,zを入れ替えても変わらない対称な式の基本要素の式sだからです。
 x,y,zの対称な形の式は、以下の要素s,t,uを使ってあらわすことができます。

つまり、以下のように、s,t,uの関数fであらわせます。
そうできるので、以下で、この変数x,y,zであらわされた式を、変数s,t,uの式に変換します。 
こうして、sで因数分解ができました。

(考察) この計算方法は、
先に行なった、
(a+b+c) ≡ s と定義した変数sを、

の式の中に注入して、式を整える方法と同じ種類の、式の変換方法と考えます。
 こちらの式の変換方法では、先に行なった、変数a,b,cの式を変数a,b,sの式に変換して式を整えた方法とは違って、sの注入を少しづつ行なう。こちらの式の変換方法では、変数x,y,zの式を変数s,t,uの式に変換する明確な指針に従って式を少しづつ整えた。 
 こちらの変数x,y,zの式の変換方法を参考にして、先に行なった、変数a,b,cの式を変数a,b,sの式に変換して式を整える方法を改良できる。改良した方法では、こちらの式の変換方法とほとんど同じになる。
 上の式の、変数x,y,zの式を変数s,t,uの式に変換する式の1行目から6行目の式(sで因数分解をした式)は、変数x,y,zの式のxを少しづつsの式に置き換えて変数s,y,zの式に変換する式と同じです。 

ただし、変数x,y,zの式を変数s,t,uの式に変換する式の変形において、式の対称性を維持しつつ変形すると、以下のようになり、より優れた解答が得られます。

更に進んだ内容は、ここ「因数分解の難問」をクリックした先にあります。


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2016年9月1日木曜日

因数分解の問題を易しくして解く

【問1】
次の式を因数分解せよ。

(問題を見たら最初に考える事)
 難しい問題に出会ったら、先ずは、それを易しい問題に直して解いてみます。

「難しい問題は、簡単な問題に変えて解いて、その後に、元の難しい問題を解こう」
という方針が、
高校数学の全ての問題を解くときの、基本的考え方です。

【解答】
難しいので、この問題を、
c=0の場合の問題に直して、それを解いてみます。


c=0の場合は解けました。

cが0で無い場合は、cが上の式のどこに入りこんで来るかを推理します。
以下の式はどうでしょうか。

左辺の式が、aとbとcの置き換えで同じ式になる対称な式なので、
因数分解しても、aとbとcを置き換えても同じな、こういう式になるのではないでしょうか。

もしこの式が正しいならば、右辺の式が0になる条件である、
a=-b
a=-c
b=-c
の各場合を、
左辺の式に代入しても、それぞれ0になるはずです。
それを以下で確認してみます。
 全部0になりましたので、推測した右辺の式が正しいことがわかりました。
(解答おわり)

【別解】
問題の答えが分かったので、次は、この答えを、問題を易しくしないでも解ける方法を探してみます。
その結果、以下の解き方で解けるようになりました。
(解答おわり)

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