2022年6月11日土曜日

因数分解のたすき掛けの方法

【問題1】 
以下の式を因数分解する:


この式は、以下のたすき掛けの方法で因数分解できます。

上の図の右端の列の3と4を足すと、最初の式

のxの1次の項(7x)の係数7になります。
こうして、
f=(2x+3)(x+2),
に因数分解できました。


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2022年6月8日水曜日

(各人が区別された)6人をA,B,Cの3組に分ける組分けの数

 【問題1】
 (各人が区別された)3人をA,B,Cの3組に分ける、分け方の分類毎の組分けの数を求めよ。

【解答】
(1)先ず、(各人が区別された)3人を(0人の組があっても良い)A,B,Cの3組に分ける組分けの総数は、

通りある。
すなわち、3人をA,B,Cの3組に入れる事象の連鎖の糸の総数が27本ある。

(2)次に、この27個の事象の連鎖の糸を、A組にm人、B組にn人、C組にt人という組の人数の事象の連鎖の種類で分類した枝に束ねる。すなわち、組の人数の事象の連鎖の枝毎に、対応する事象の連鎖の糸を割り当てて編集した以下の樹形図を作成する。


この樹形図から、組み分け人数の枝のバラエティの数(組の人数の事象の連鎖の枝の数)は、10通りあることがわかる。(その各枝は、上式の各項に対応している)

 しかし、各々の組の人数の事象の連鎖の枝に対応する人の組み合わせの数は、以下に示す通りに、異なっている。
(2-1)3人を1つに組に入れる場合は、組分けの人数による組分けのバラエティの数は、その3人をどの組 に入れるかの3つがあり、3つの枝に分岐する。

 その1つの枝毎の、その1つの組に入る人のバラエティの数は、1つだけである。
(2-2)3人を2つの組に(各組に1人以上)入れる場合の、組分けの人数による組分けのバラエティの枝は、2人を入れる第1の組を選ぶバラエティの数の3と、その他の2つの組から、1人を入れる第2の組を選ぶバラエティの数の2、との積の、6つの、組分けの人数による組分けのバラエティの枝に分岐する。

 その1つの枝毎の、その2つの組に(各人を区別した)3人を入れるバラエティの数は、1人だけ入れた第2の組に、aかbかcかのどの人を入れるかのバラエティの数であり、3である。
 その6つの枝の数とバラエティの数3の積の値は:上図の式(x+y+z)^3を用いると、3人を各組に1人以上入れて2つの組に入れる組分けの数である。その組分けの数の値は、式の各項に対応する6つの枝に関して、以下の式の左辺と右辺との2通りに計算できる。


(2-3)3人を3つの組に(各組に1人ずつ)入れる場合の枝は、組の人数に偏りが無いので、組分けの人数による組分けのバラエティの数が1つだけであり、1つの枝に分岐する。

 その1つの枝での、その各組にどの人を入れるかのバラエティの数は、組Aにどの人を入れるかのバラエティの数3と、組Bに残りの2人のうちのどの1人を入れるかのバラエティの数2、との積であり、6である。
(3)なお、各枝毎の、どの人によって各組を編成するかの組編成の組み合わせの数は、上図に記載した式(x+y+z)^3を展開した各項の係数に対応する関係がある。

(4)上図の式(x+y+z)^3を用いると、3人を各組に1人以上入れてA,B,Cの3組に分ける組分けの数は、式の項に対応する1つの枝に関して、以下の式の左辺と右辺との2通りに計算できる。

(解答おわり)

【問題2】
 (各人が区別された)4人をA,B,Cの3組に分ける、分け方の分類毎の組分けの数を求めよ。

【解答】
 各組を編成するかの組編成は、下図に記載した式(x+y+z)^4を展開した各項と、その係数に対応させて把握できる。

 そして、(区別された)4人を1つの組は0人にして、それ以外の2つの組の各々に1人以上入れる組分けの数の値は、3つの変数x,y,zのうちの2つの変数の積だけを含む9種の項に対応する枝に関して、以下の式で計算できる。

(解答おわり)

【問題2b】
 (各人が区別された)4人を各組に1人以上入れてA,B,Cの3組に分ける組合せの数を求めよ。

【解答1】
 4人を各組に1人以上入れてA,B,Cの3組に分ける組分けの数は、上の問題2で得たxとyとzの式のxyzを含む項に係る枝に関して、以下の式で計算できる。

(解答1おわり)

【解答2】
 上の解答1とは異なる考え方で解きます。
(4人を各組に1人以上入れてA,B,Cの3組に分ける組合せの数)=
=(A組に2人、B組に1人、C組に1人入れる組合せの数)×(2人の組をA組以外に変えるバラエティの数)
=(A組に2人、B組に1人、C組に1人入れる組合せの数)×3,

(A組に2人、B組に1人、C組に1人入れる組合せの数)は以下の式で計算できる。

よって、(4人を各組に1人以上入れてA,B,Cの3組に分ける組合せの数)=

(解答2おわり)

【問題3】
 (各人が区別された)5人をA,B,Cの3組に分ける、分け方の分類毎の組分けの数を求めよ。

【解答】
 各組を編成するかの組編成は、下図に記載した式(x+y+z)^5を展開した各項と、その係数に対応させて把握できる。

 5人を(2つの組を0人にして)1つの組だけに入れる組分けの数は、3つの変数x,y,zのうちの1つの変数だけで作られる3種の項の数であり、3つある。
 5人を1つの組は0人にし、それ以外の2つの組の各々に1人以上入れる組分けの数は、3つの変数x,y,zのうちの2つの変数の積だけで作られる12種の項に対応する枝に関して、以下の式で計算できる。

 5人をどの組にも1人以上入れてA,B,Cの3組に分ける組分けの数は、式のxyzを含む6種の項に対応する枝に関して、以下の式で計算できる。

(解答おわり)

【問題4】
 (各人が区別された)5人を、A組に2人、B組に2人、C組に1人に分ける、分け方の組分けの数を求めよ。

【解答】
 組が名前で区別されている場合の組分けの数は、
5人を順番に並べ、その並べた順に、2人、2人、1人のA,B,C組に分け、
A組の2人は、同じ2人の順番の並び替えのバラエティの2!で割り算し、
B組の2人は、同じ2人の順番の並び替えのバラエティの2!で割り算し、
5!/(2!*2!) で計算できる。
(解答おわり)

【問題5】
 (各人が区別された)5人を、(区別されない)3組に2人、2人、1人に分ける、分け方の組分けの数を求めよ。

【解答】
 ここで、A組、B組は、同じ2人の人数の組なので、
組を組名で区別しないことにすると、
ある4人をA組とB組に組み分けした組み分けの数を、A組とB組の(2つの組の)名前を付け替えるバラエティの数2!で割り算する必要がある。
 一方で、「組を区別(名前で)しない」と言っても、 2人の組と1人の組(C組)は人数が違うので、明らかに区別できる。
 よって、A組とB組との2つの組の名前を付け替えるバラエティの数2!で割り算するだけでよい。

 そのため、
(区別されない)3組に2人、2人、1人に分ける組分けの数は、
(各人が区別された)5人を、A組に2人、B組に2人、C組に1人に分ける、分け方の組分けの数を、
A組とB組との2つの組の名前を付け替えるバラエティの数2!で割り算する。
すなわち、
{5!/(2!*2!)}/2!
で計算できる。
(解答おわり)

【問題6】
 (各人が区別された)5人を(0人の組があっても良い)A,B,Cの3組に分ける、分け方の分類毎の組分けの数を求めよ。

【解答】
(各人が区別された)5人を(0人の組があっても良い)A,B,Cの3組に分ける組分けの総数は、

通りある。
(解答おわり)

【問題7】
 (各人が区別された)5人を(0人の組があっても良く)(区別されない)3組に分ける組分けの数を求めよ。

【解1】
 (各人が区別された)5人を(0人の組があっても良く)(区別されない)3組に分ける組分けの数は、
「組に区別なく人数指定なく(各人を区別できる)人を組分けする数と組分け問題の本質」
のページの【問1】の解き方で解くことができる。
「(1)(各人を区別できる人を)A組1人以上、B組1人以上、C組1人以上の場合での、ある1つの組分けは、
組の名前を入れ替えると、3!の異なる組分けができる。
(2)A組0人、B組1人以上、C組1人以上の場合での、ある1つの組分けも、
組の名前を入れ替えると、3・2=3!の異なる組分けができる。
(3)しかし、A組0人B組0人C組5人の場合の、1つの組分けは、
組の名前を入れ替えても、3つの組分けができるだけである。」
そのため、組の名前を入れ替えることで出来る複数の組分けは1つの組分けであるものとすることで、組の区別なく3つの組に分ける組み合わせの数は、
以下の数で計算できる。

(解1おわり)

《補足》
 ここで、A組0人B組0人C組5人の組分けだけが、組の名前を入れ替えて3倍になるバラエティがある。それ以外の組分けは、組の名前を入れ替えると6倍になるバラエティがある。(注意)組み分けをxとyとzの積の項であらわした式では、その6つのバラエティが、あたかも3つしかないように見え、6つのバラエティが隠されている。

この組分けから、組を区別しない組分けを抽出すると以下の組分けになる。


【問題8】
 (区別された)6人をA,B,Cの3組に分ける、分け方の分類毎の組分けの数を求めよ。

【解答】
 各組を編成するかの組編成は、下図に記載した式(x+y+z)^6を展開した各項と、その係数に対応させて把握できる。

 (区別された)6人を、ある組は0人にし、それ以外の2つの組には1人以上入れてA,B,Cの3組に分ける組分けの数は、式のその項に対応する15個の枝に関して、以下の式で計算できる。

 また、6人を各組に1人以上入れてA,B,Cの3組に分ける組分けの数は、式のその項に対応する10個の枝に関して、以下の式で計算できる。

(解答おわり)

(補足)
 以上で与えた一連の等式を以下で導き出しておく。



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