2020年5月17日日曜日

立体をずれ変形させて体積を求める

三角形をずれ変形させて面積を求めた様に、立体もずれ変形させて体積を求めることができる。
上図のように頂点の1つが原点Oにあり、他の3頂点が、A,B,Cである三角錐OABCの体積Vを求める。

以下の図の様に、図形のX座標を、Y座標に比例させて変化させる「ずれ変形」をさせる。このずれ変形によって、図形は歪むが、各部分の体積は変わらない。
この変形により、以下の様に図形がX方向に歪んで:
以下の図形に変わる。
更に、以下の図の様に、図形のZ座標を、X座標に比例させて変化させる「ずれ変形」をさせる。
この変形により、立体がZ方向に歪んで、以下の図形に変わる。
この変形した三角錘OABCの体積Vは、以下の式で計算できる。
(計算おわり)

(補足)
 なお、以上の計算で、図形のずれ変形操作は、横にしたベクトルAとBとCを縦に並べて、それらのベクトルのx座標の列を定数数倍して、y座標の列やz座標の列に加える操作であるとわかりました。
 そのずれ変形操作によっては、それらのベクトルの張る立体の体積が変わりません。
 また、一方で、ベクトルAを、定数倍にして他のベクトルBやベクトルCに加える操作も行えます。その操作は、立体図形OABCの点Bや点CをベクトルAに平行に移動させる操作になります。その操作でも、ベクトルの張る立体の体積が変わりません。
 結局、
(1) 横にしたベクトルAとBとCを縦に並べた数字の行列を作る。
(2)その行列の縦の列を定数倍して他の列に足し算しても、ベクトルの張る立体図形の体積が変わらない。
(3)また、行列の横の行を定数倍して他の行に足し算しても、ベクトルの張る立体図形の体積が変わらない。
(結論)
 これらの(2)や(3)の操作を繰り返して、ベクトルA,B,Cを計算に都合の良いベクトルに変形できます。そうして、立体の体積を計算する事ができます。
 この事は大学に入学した後で線形代数で学びます。

リンク:

三角形をずれ変形させて面積を求める
三角形の面積をベクトルで分解して計算する
高校数学の目次

0 件のコメント:

コメントを投稿