2015年1月30日金曜日

二次方程式の解の公式を初めて解く方法

【問題0】
aX+bX+c=0
この解の公式を解け。

【問題への取り組み方】
 初めて、こういう問題に出会った時、どのように勉強すれば良いか?教科書の例題の解き方を覚えて解けるようにするか?

 例題の解き方を見て覚えるというのでは、本当の数学の力がつきませんので、数学を勉強しているとは言えないと思います。
 この問題に対する取り組み方は、以下のように勉強したら良いと思います。

【数学的な問題の解き方の原則】
 先ず、この問題より易しい問題を作って、その問題を解きます。

【よりやさしい問題1】
+bX+c=0
この解の公式を解け。

この問題1の式は、問題0をaで割り算した式ですので対応関係は簡単です。
です。 

【よりやさしい問題2】
+c=0
この解の公式を解け。

《公式 P - Q =(P-Q)(P+Q)を使う》

この問題2の式は、以下の式に因数分解できます。

これにより、以下の2つの解が得られました。
この問題2が解けたので、
次に、
問題1を解きましょう。

【よりやさしい問題1】
+bX+c=0
この解の公式を解け。

 問題2が解けたので、この問題1を問題2の形であると解釈して、
以下の式の「xの有無項の二乗の引き算の公式」を使った

平方完成の公式を適用して
解きます。

+bX+c=+d
と考えます。右辺の式は問題2の式なので解けることが分かっています。
それで、左辺の式を、平方完成の公式を使って、右辺の式の形に変形します。 
 これで変形ができました。
です。 
ですから、
ここで、虚数 i を√(-1)、-√(-1)のいずれに置き換えても答えが変わらない式に、
上の因数分解の式を書き換えます。

これにより、問題1が解けて、以下の2つの解が得られました。

この解が得られたので、問題0も解けます。

(注意)
 ここで、虚数 i を√(-1)、-√(-1)のいずれに置き換えても答えが変わらない式に、上の式を書き換えた理由は、√(-1)には、虚数 i と -i との2つの解があるからです。
 そのため、その2つの解のどちらであっても答えが変わらないように式を変形しなければなりませんでした。
 このように虚数を使った式の計算で近道をするには細心の注意が必要です。この論理をハッキリ意識して式を計算しなければなりません。
 このように細心の注意をするのが面倒くさい人は、因数分解の1つ前の式に戻って、式の計算をキチンとやり直すと、面倒くさくなくて良いです。以下のようにすれば良いです。


【問題0】
aX+bX+c=0
この解の公式を解け。

よって、平方完成の公式を使って、

これにより、問題0が解けて、以下の2つの解が得られました。
解の公式はいろいろな表わし方があります。
この式は、解の公式の1つのあらわし方です。 

このように、易しい問題から難しい問題まで、何度も問題を解くことにより、自力で難問を解くことができます。

 この解き方は、学校で教わる事は無いかもしれませんが、真剣に数学を勉強した人だけが知っている、問題の解き方の技術の1つです。

リンク:
高校数学の目次