【問2】X5=1の解を求めよ。
X5-1=0
この方程式の5つの解を複素数平面上で表示すると、以下の図のようになります。
上の図で、
が、X5-1=0
の5つの解です。
X1は、複素数平面上で、0と1を結ぶ実軸上の線分から原点を中心にして単位円上を左回りに2π/5ラジアン回転した位置にあり、更に、順次に2π/5ラジアン回転した位置が、この方程式の解です。
それらの解は、X1の累乗であらわせます。
X2=X12
X3=X13
X4=X14
です。
ここで、一旦、この問2から離れて、
5次方程式の根と係数の関係の1つの以下の関係について考察します。
この関係を整理すると、以下の式になります。
このように定理が得られたのですが、この定理を証明せよと求められたら、証明のし方が以下の2つあります。
【解1】
式①から式②を導く。
(これは、既に示しました。)
【解2】
以下のようにして、絶対値が1の複素数X1を基準にした式を使って証明できます。
この解き方をすることで以下の教訓が得られました。
「この問題は、絶対値が1の複素数X1を基準にして、全ての解をX1の累乗に置き換えた式を使うときれいに解ける。」
更に、次の定理も証明しましょう。
【問3】
【解】
先ず、以下の置き換えをします。
以下のように式を変形します。
この問題も、絶対値が1の複素数X1を基準にして、全ての解をX1の累乗に置き換えた式を使うときれいに解けました。
次に、問2に戻って、5次方程式の解き方を考えます。
【問2】
このように因数分解できたので、以下の4次方程式③を求める問題に変わりました。
この4次方程式③を2つの2次方程式に因数分解して問題を解く方法があります。
それは力仕事の計算になると思います。
【4次方程式③の解(その1)】
一方、今までに得た知識を使って、以下のように解くと、
2次方程式を解く計算になるので、
少し楽のように思います。
定理1(式②)を使うと、以下のように問題が解ける利点があります。
この式②を、cos(2π/5)=tであらわした式④に書き換えます。
(注意)
ここで、式②を、cos(4π/5)=tであらわした式に書き換えた場合も、
その場合に(2t2-1)のあらわすcos(8π/5)がcos(2π/5)に等しいので、
式②から作るその式も式④と同じ式になります。
それを理解しているならば、
すなわち、
「この式④は、tの解が
cos(2π/5)とcos(4π/5)とを解に持つ式である」
ことを理解しているならば、
この式④から、cos(2π/5)とcos(4π/5)との2つの解を得ることができます。
以下では、それを理解していない場合の、
(それでも正しい解答ですが) 解答を書きます。
この式のtを与える2つの解のうちからcos(2π/5)をあらわす適切な解を選びます。
--(注意)-----------
ここで、二重根号が出て来たので、この二重根号は外すことができるか以下のチェックをします。
√(102-4×5)=√80=4√5⇒平方根記号が外せないので、元の式の二重根号は外せません。
-------------------
これで1つの解が得られました。
この解に式②を使うと、
もう1つの解の実数成分cos(4π/5)が得られ、
その虚数成分も計算することでもう1つの解も得られます。
この2つの解の共役複素数が残りの2つの解になります。
こうして、全ての解が求められます。
この解き方の方が、4次方程式③を因数分解して解くより少し楽なのではないかと思います。
(人により、どれが楽な解き方か個人差があるかもしれませんが)
【4次方程式③の解(その2)】
以下の解き方もあります。
(場合1)
の場合:
以上の計算で現れた二重根号が外せるか否かは、以下の計算で判定します。
以上の式変換によって二重根号が外れないので、この二重根号は外すことができませんでした。
(場合2)
の場合:
以上の場合1と場合2の解をまとめると:
(4次方程式③の解(その2)おわり)
リンク:
高校数学の目次
X5-1=0
この方程式の5つの解を複素数平面上で表示すると、以下の図のようになります。
上の図で、
が、X5-1=0
の5つの解です。
X1は、複素数平面上で、0と1を結ぶ実軸上の線分から原点を中心にして単位円上を左回りに2π/5ラジアン回転した位置にあり、更に、順次に2π/5ラジアン回転した位置が、この方程式の解です。
それらの解は、X1の累乗であらわせます。
X2=X12
X3=X13
X4=X14
です。
ここで、一旦、この問2から離れて、
5次方程式の根と係数の関係の1つの以下の関係について考察します。
この関係を整理すると、以下の式になります。
このように定理が得られたのですが、この定理を証明せよと求められたら、証明のし方が以下の2つあります。
【解1】
式①から式②を導く。
(これは、既に示しました。)
【解2】
以下のようにして、絶対値が1の複素数X1を基準にした式を使って証明できます。
この解き方をすることで以下の教訓が得られました。
「この問題は、絶対値が1の複素数X1を基準にして、全ての解をX1の累乗に置き換えた式を使うときれいに解ける。」
更に、次の定理も証明しましょう。
【問3】
【解】
先ず、以下の置き換えをします。
以下のように式を変形します。
この問題も、絶対値が1の複素数X1を基準にして、全ての解をX1の累乗に置き換えた式を使うときれいに解けました。
次に、問2に戻って、5次方程式の解き方を考えます。
【問2】
このように因数分解できたので、以下の4次方程式③を求める問題に変わりました。
この4次方程式③を2つの2次方程式に因数分解して問題を解く方法があります。
それは力仕事の計算になると思います。
【4次方程式③の解(その1)】
一方、今までに得た知識を使って、以下のように解くと、
2次方程式を解く計算になるので、
少し楽のように思います。
定理1(式②)を使うと、以下のように問題が解ける利点があります。
この式②を、cos(2π/5)=tであらわした式④に書き換えます。
(注意)
ここで、式②を、cos(4π/5)=tであらわした式に書き換えた場合も、
その場合に(2t2-1)のあらわすcos(8π/5)がcos(2π/5)に等しいので、
式②から作るその式も式④と同じ式になります。
それを理解しているならば、
すなわち、
「この式④は、tの解が
cos(2π/5)とcos(4π/5)とを解に持つ式である」
ことを理解しているならば、
この式④から、cos(2π/5)とcos(4π/5)との2つの解を得ることができます。
以下では、それを理解していない場合の、
(それでも正しい解答ですが) 解答を書きます。
この式のtを与える2つの解のうちからcos(2π/5)をあらわす適切な解を選びます。
--(注意)-----------
ここで、二重根号が出て来たので、この二重根号は外すことができるか以下のチェックをします。
√(102-4×5)=√80=4√5⇒平方根記号が外せないので、元の式の二重根号は外せません。
-------------------
これで1つの解が得られました。
この解に式②を使うと、
もう1つの解の実数成分cos(4π/5)が得られ、
その虚数成分も計算することでもう1つの解も得られます。
この2つの解の共役複素数が残りの2つの解になります。
こうして、全ての解が求められます。
この解き方の方が、4次方程式③を因数分解して解くより少し楽なのではないかと思います。
(人により、どれが楽な解き方か個人差があるかもしれませんが)
【4次方程式③の解(その2)】
以下の解き方もあります。
(場合1)
の場合:
以上の計算で現れた二重根号が外せるか否かは、以下の計算で判定します。
以上の式変換によって二重根号が外れないので、この二重根号は外すことができませんでした。
(場合2)
の場合:
以上の場合1と場合2の解をまとめると:
(4次方程式③の解(その2)おわり)
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