【問1】
以下の不定方程式の整数解をすべて求めよ。
(コメント)
この不定方程式は、ペル方程式
と呼ばれています。
大学入試問題にも出題されることがありますが、
高校の教育レベルを超える問題です。
そのため、以下の解き方は、参考に見ておくだけで十分です。
【解答】
ペル方程式は、
以下のように変形して解きます。
この因数分解で無理数√6が出てくるのがペル方程式の特徴です。
(無理数が出ないで因数分解できる場合は、通常の問題ですので、各項の整数が掛算されると右辺の数になる整数解を求めるやり方で問題を解いてください。)
先ず、以下の解を求めます。
ここで、右辺が1であるのがペル方程式の特徴です。右辺が1ですので、この式は何乗しても値が1のままで変わりません。
これがペル方程式の特徴です。
これがあるから問題が解けるのです。
(もし、ここで右辺が1でない場合は、整数解が無いこともある、難しい問題に変わります。)
(右辺に1があっても、左辺のxの2乗の項の様な係数が1の項が無い場合は、大学の研究室で研究するレベルの問題になります。)
上のk乗した式の左辺のうちの第1項は、展開すると、
の形の式になります。
式を展開して計算するこの2つの係数、すなわち、√6に掛る係数と、それ以外の係数は、以下のように求められます。
元の式を、√6を(-√6)に置き換えた式に交換し、その式を展開したら、
という、√6を(-√6)に置き換えた式になります。
そのため、各係数は、以下の式で計算できます。
そして以下の式が成り立ちます。
そのため、この2つの係数はペル方程式のαとβの解です。
1以上の自然数(k)毎に整数解がありますので、
整数解が、自然数の数と同じだけ無数にあります。
なお、このペル方程式の表すグラフと、そのグラフの漸近線と、整数解の格子点を以下の図に記載します。
(解答おわり)
(補足)このグラフの漸近線は、傾きが無理数であるので、格子点を周期的に避けることもできないので、この漸近線やその近くのグラフは、無限の遠くまで進む間に、どこかで格子点と交わってもおかしく無いと実感できると思います。
実際、上の式で計算した通り、このペル方程式の整数解が、上の式であらわせて無数にあります。
ここで、まだ証明しきれていないペル方程式の特徴として、
上の式であらわした整数解と、k=0の場合に対応する自明な解(1,0)とが、全ての解になるという特徴があります。
-----[ペル方程式の一般解の定理]--------------
ペル方程式を満足する自然数x,yのうち、x+(√6)yの値を最小とするものを(p,r)とする。このとき、自然数kについて(p+(√6)r)k=u+(√6)wで求まる(u,w)が自然数解のすべてである。
《 要するに、ペル方程式を満足するどの解(u,w)で作った(u+(√6)w)同士を掛算及び割り算して作った値(v+(√6)z)もペル方程式の解をあらわすことから、ペル方程式のどの解(u,w)で作った値も、すべて、(p+(√6)r)kであらわせる。》
------(ここまで)------------------------------
(大学で学んでその証明まで含めてペル方程式を理解したら、上の解が全ての解であると言えるようになります)
【問2】
以下の不定方程式の整数解をすべて求めよ。
(コメント)この問題は、本質的には問1と同じ問題であり、
問1と同様に解けます。
問2では、問1の解き方の知識と、以下で用いる式の変形技術が求められています。
【解答】
この式が成り立つには、sが6の倍数である必要がある。
この式の左辺を以下の様に因数分解する。
次に、この式の自明な解と、もう1つの解を見つける。
この式により、αとβからs、tがあらあわせるようになった。
更にxとyをそのsとtであらあわす式を求める。
ここで注意すべき点は、
x,yが整数の場合に必ずsとtは整数になりますが、
sとtが整数であってもxとyが整数になるとは限らないことです。
以上で計算した式を使って、
自明な解(k=0の場合)と、kが1の場合と2の場合の整数解(x,y)を計算して以下の表の値を得た。
次に、漸近線を計算する。
この式の左辺の2つの項を考える。
x及びyが無限に大きくなると、EかFのいずれかが無限に大きくなり、それにバランスを取って他方が0に近くなることで上式が成り立つ。
その、0に近くなり得る項が漸近線をあらわす。
よって、以下の2つの式が漸近線をあらわす。
この漸近線の式を足場にして、問題の不定方程式のあらわすグラフを書くと、以下のグラフが得られる。
(解答おわり)
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高校数学の目次
以下の不定方程式の整数解をすべて求めよ。
(コメント)
この不定方程式は、ペル方程式
と呼ばれています。
大学入試問題にも出題されることがありますが、
高校の教育レベルを超える問題です。
そのため、以下の解き方は、参考に見ておくだけで十分です。
【解答】
ペル方程式は、
以下のように変形して解きます。
この因数分解で無理数√6が出てくるのがペル方程式の特徴です。
(無理数が出ないで因数分解できる場合は、通常の問題ですので、各項の整数が掛算されると右辺の数になる整数解を求めるやり方で問題を解いてください。)
先ず、以下の解を求めます。
ここで、右辺が1であるのがペル方程式の特徴です。右辺が1ですので、この式は何乗しても値が1のままで変わりません。
これがペル方程式の特徴です。
これがあるから問題が解けるのです。
(もし、ここで右辺が1でない場合は、整数解が無いこともある、難しい問題に変わります。)
(右辺に1があっても、左辺のxの2乗の項の様な係数が1の項が無い場合は、大学の研究室で研究するレベルの問題になります。)
上のk乗した式の左辺のうちの第1項は、展開すると、
式を展開して計算するこの2つの係数、すなわち、√6に掛る係数と、それ以外の係数は、以下のように求められます。
元の式を、√6を(-√6)に置き換えた式に交換し、その式を展開したら、
という、√6を(-√6)に置き換えた式になります。
そのため、各係数は、以下の式で計算できます。
そして以下の式が成り立ちます。
そのため、この2つの係数はペル方程式のαとβの解です。
1以上の自然数(k)毎に整数解がありますので、
整数解が、自然数の数と同じだけ無数にあります。
なお、このペル方程式の表すグラフと、そのグラフの漸近線と、整数解の格子点を以下の図に記載します。
(解答おわり)
(補足)このグラフの漸近線は、傾きが無理数であるので、格子点を周期的に避けることもできないので、この漸近線やその近くのグラフは、無限の遠くまで進む間に、どこかで格子点と交わってもおかしく無いと実感できると思います。
実際、上の式で計算した通り、このペル方程式の整数解が、上の式であらわせて無数にあります。
ここで、まだ証明しきれていないペル方程式の特徴として、
上の式であらわした整数解と、k=0の場合に対応する自明な解(1,0)とが、全ての解になるという特徴があります。
-----[ペル方程式の一般解の定理]--------------
ペル方程式を満足する自然数x,yのうち、x+(√6)yの値を最小とするものを(p,r)とする。このとき、自然数kについて(p+(√6)r)k=u+(√6)wで求まる(u,w)が自然数解のすべてである。
《 要するに、ペル方程式を満足するどの解(u,w)で作った(u+(√6)w)同士を掛算及び割り算して作った値(v+(√6)z)もペル方程式の解をあらわすことから、ペル方程式のどの解(u,w)で作った値も、すべて、(p+(√6)r)kであらわせる。》
------(ここまで)------------------------------
(大学で学んでその証明まで含めてペル方程式を理解したら、上の解が全ての解であると言えるようになります)
【問2】
以下の不定方程式の整数解をすべて求めよ。
(コメント)この問題は、本質的には問1と同じ問題であり、
問1と同様に解けます。
問2では、問1の解き方の知識と、以下で用いる式の変形技術が求められています。
【解答】
この式が成り立つには、sが6の倍数である必要がある。
この式の左辺を以下の様に因数分解する。
次に、この式の自明な解と、もう1つの解を見つける。
この式により、αとβからs、tがあらあわせるようになった。
更にxとyをそのsとtであらあわす式を求める。
ここで注意すべき点は、
x,yが整数の場合に必ずsとtは整数になりますが、
sとtが整数であってもxとyが整数になるとは限らないことです。
以上で計算した式を使って、
自明な解(k=0の場合)と、kが1の場合と2の場合の整数解(x,y)を計算して以下の表の値を得た。
この式の左辺の2つの項を考える。
x及びyが無限に大きくなると、EかFのいずれかが無限に大きくなり、それにバランスを取って他方が0に近くなることで上式が成り立つ。
その、0に近くなり得る項が漸近線をあらわす。
よって、以下の2つの式が漸近線をあらわす。
この漸近線の式を足場にして、問題の不定方程式のあらわすグラフを書くと、以下のグラフが得られる。
(解答おわり)
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