2017年6月17日土曜日

方程式の有理数解の有無の判定

 最高次の係数が1である整数係数方程式が有理数の解を持つ場合、その解は整数解になる。
これを利用して、整数係数の方程式が有理数解を持つか否かを素早く見極めることができる。

以下の例題で、方程式の有理数解の有無の素早い判定方法を示す。

【例題1】
 以下の方程式1は有理数解を持たないことを確認せよ。

【解答】
 式1を、以下のようにして最高次の係数が1である整数係数方程式に変換する。
とする変数wを用いて、式1を以下の式3に書き変える。
 この式3は、最高次の係数が1の整数係数方程式であるので、式3が有理数解wを持つ場合、その解wは整数解になる。
ここで、式3を変形すると、以下の式4が得られるので、式3が整数解wを持つ場合、その解wは2の倍数になることがわかる。
 この結果、式1が有理数解xを持てば、その有理数解は、式2により、以下の様に整数解になる。
ここで、式1を変形すると、以下の式6が得られるので、式1が整数解xを持つ場合、その解xは1の約数で、1か-1になることがわかる。
この、x の解の候補1と-1のどちらも式1の解にならない。

よって、方程式1は有理数解を持たない。
(確認おわり)

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