【問1】(難問)
点Oを原点とするXY座標平面において、Y軸上のY=5の位置とY=1の位置に点Aと点Pがあり、
X軸上のX=-2の位置とX=6の位置に点Bと点Cがあり、
直線BPと直線ACの交点をQとし、
直線CPと直線ABの交点をRとするとき、
∠POQ=∠POR
となることを示しなさい。
【三平方の定理】
上図の直角三角形で、式0であらわされた三平方の定理が成り立ちます。
【拡張三平方の定理】
上図の三角形で、式1であらわされた拡張三平方の定理が成り立ちます。
a1が小さくなって0になれば、この式1は式0に一致します。
(重要な注意)
以下、このページでこの拡張三平方の定理を証明します。この証明を自力で行なって知能ホルモンを分泌させたい方は、以下を読まないで、この拡張三平方の定理を証明してください。
それ以外の方には、以下で、この拡張三平方の定理の証明を解説しますので、見てください。
【拡張三平方の定理の証明】
三角形ABCの2辺ACとABを辺BCに射影し、三角形の辺の二乗の引き算の公式を適用すると、以下の式が成り立ちます。
(証明おわり)
上の式の計算の途中の式を、三角形の辺の二乗の引き算の公式として覚えて、以下の図と式を書いて拡張三平方の定理を思い出したら良いと考えます。
(以上が、拡張三平方の定理)
上の式の1行目が三角形の辺の二乗の引き算の公式であり、
2行目が拡張三平方の定理の式です。
このように、三角形の辺の二乗の引き算の公式と拡張三平方の定理の式は、1行の式の変形で結び付いている等価な公式です。
【三角形の辺の二乗の引き算の公式】
(以上が、三角形の辺の二乗の引き算の公式)
この、三角形の辺の二乗の引き算の公式は、以下の図の正方形①②③を心が思い描いて心が公式を導き出すので、覚え易い(導き出し易い)です。
三角形の辺の二乗の引き算の公式は、以下の図の下の2つの式の組みにして覚えると良い
この下側の式は、拡張三平方の定理にかなり近い形をしています。下側の式の左辺の項を上側の式の左辺の項に置き換えれば拡張三平方の定理になります。
【拡張三平方の定理の他の導出方法】
以下の図の様に、未知数xを導入して、xを使って三角形ADCに関する三平方の定理の式を記述します。
(以上が拡張三平方の定理)
(補足)
式の対称性から、以下の式2も成り立ちます。
拡張三平方の定理には:
(1)辺BCの長さaと、辺BC上への辺BAの射影の長さa1の積を使う表現。
(2)辺BAの長さcと、辺BA上への辺BCの射影の長さc1の積を使う表現。
との2つのバラエティがあります。
【斜辺aに関する拡張三平方の定理】
(補助線CDを使って作った全ての直角三角形を利用して、斜辺aに関する拡張三平方の定理を導くことができました)
(公式を自力で導き出す勧め)
覚えた定理は時が経つと忘れてしまいます。
(最初教えられた時には覚えていたのに、時がたつと忘れている事に気づき、最初に覚えた記憶が戻らない)
数学の公式を覚えていても、その公式に近い形の新しい定理があらわれると、その新しい定理を覚えるために先に覚えていた公式がじゃまになるので、先の記憶を忘れ去ります。公式の表面的な記憶というのはその様に不確実なものです。
数学の公式は覚えられない(時が経つと忘れる)ので、公式を導き出して使う練習をしましょう。
公式を自力で導き出して再現できる学生は、自己発電ができるパソコンのようで、自力で公式を導き出す都度、公式の理解が深まり、記憶を維持するエネルギーが発電され、いつまでも記憶が保たれます。
公式を忘れないようにするには、自力で公式を導き出す作業が欠かせません。公式を使う都度、自力で導き出すことを覚えて欲しいと思います。
拡張三平方の定理を思い出す毎に、以下のように、「2項の積と二乗の差との変換公式」を使って、三角形の辺の二乗の引き算の公式に変換できる事を確認することで、思い出した記憶に間違いが無い事を確認してください。
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【問1】
上の図のような、AB=AC=1の二等辺三角形ABCと、その頂角Aと斜辺ABを共有し∠Dが90°の直角三角形ABDがある。
BC=x
AD=y
とするとき、
(1)xの値が分かっているときyをxであらわしなさい。
(2)yの値が分かっているときxをyであらわしなさい。
《解答手順》
図形問題では、先ず、足りない図形の補助線を埋め込み、同じ角度には同じ印を付け、なるべく対称な形に、図形を完成させる。その次に問題の解き方を考えるように心がけてください。
この問題の解答は、ここをクリックした先にあります。
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