2019年7月10日水曜日

変数変換して無理関数の根号を外す公式

【無理関数の根号を外す公式】
【第1の無理関数】
以下の無理関数は、以下の変数変換によって根号を外すことができます。

先ず、
と置く。
ただし、t>0とする。
t≧1の場合にx≧0になり、
t<1の場合にx<0になる。

すると:
が成り立ち、根号が外れる。
特に、以下の式は、以下の様に簡単な式になる。
この式は、変数tの式を変数xの式に戻すための式でもある。

《別の切り口からの変数tの導入方法》
先ず、

と置いて変数uを定義する。
すると以下の計算により、式1と式2(式2b)が成り立つ。


このように、変数uの導入から始めて、変数tを定義すれば、変数tの値の範囲を設定する手間もいらずに、無理無く、式1と式2bが導けた。

(補足)
 この導き方では、変数u>0であり、また、u>|x|なので、変数t>0であることも容易にわかる。

【第2の無理関数】
以下の無理関数も、以下の変数変換によって根号を外すことができます。


先ず、
と置く。

《x≧0の場合は》
t≧1とする。
すると:
が成り立ち根号が外れる。
特に、以下の式は、以下の様に簡単な式になる。
この式は、変数tの式を変数xの式に戻すための式でもある。

《x<0の場合は》

において、
0>t≧-1とする。
すると:

が成り立ち根号が外れる。
特に、以下の式は、以下の様に簡単な式になる。


この式は、変数tの式を変数xの式に戻すための式でもある。

《別の切り口からの変数tの導入方法》
先ず、

と置いて変数uを定義する。
すると以下の計算により、式1と式2(式2b)が成り立つ。

このように、変数uの導入から始めて、変数tを定義すれば、変数tの値の範囲を設定する手間もいらずに、無理無く、式1と式2bが導けた。

(補足)
この導き方では、|u|<|x|なので、x<0ならばt<0になり、また、x>0ならばt>0である事も容易にわかる。また、t<0であっても、式2のuがu≧0であるために、0>t≧−1である。

《研究:変数tの定義を異ならせる》
先ず、

と置いて変数uを定義するまでは同じ。
しかし、先の解き方とは変数tの定義を変えた以下の計算により、以下の式1と式2(式2b)を成り立たせることも可能である。

このように、変数tの定義を異ならせて解くことも可能である。変数tの定義が異なるが、式1は前の計算と同じ形の式になる。この導き方でも、x<0ならばt<0になり、x>0ならばt>0である。
 しかし、t<0であっても、式2のuがu≧0であるために、-1≧tである事が異なる。

《研究問題》
以下の式で変数tを定義する。


この場合に、

を変数tで表せ。
(問題おわり)

この問題の解き方の道を、以下のように、調べてみます。望ましい形の式の計算は以下のように計算したら良いと考えます。


ここで、得られた式2を直ちに式1に代入して計算するのが良い形の計算だと思います。

しかし、計算の形は良くは無いですが、式2が得られた場合に、下の様に計算を進めた場合はどうでしょうか。

絶対値が付いた式4が得られます。ここで計算を止めて良いでしょうか。答えを知っているので、これで計算を終わりしてはいけない事が分かっています。しかし、答えを知らない場合に、ここで計算を終えてはいけない事がどうしたら分かるでしょうか。

(考え方)
 絶対値が付いた式が得られたら、以下のように、絶対値の中の式に、既に分かっている関係式を代入して計算して結果が正になるか負になるか、正負が不明なのかを調べてみます。


この計算の結果の式5によって、絶対値記号の中の式の正負が分かりました。
その結論を式4に代入する事で、以下の式6が得られます。


こうすれば、絶対値を外した式6までたどり着きました。式6は、式5と同じ式であって、結果的に式4はいらない式になってしまいましたが、計算過程において、式4に留まる事は防げました。

【例題1】
以下の、2重根号が外れない式を使った分数式の計算方法を考える。
この式は、以下の様に計算することで簡単な式にできる。
以下のパラメータtを使う。
 Fは以下の式であらわせ、
根号の式は、tを使った以下の式に変換できる。
これを使って、問題の式を変形する。
こうして、簡単な式に変形することができた。

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