2020年1月30日木曜日

試験中に心を落ちつかせる:図形の線形変換

(試験中に心を落ち着かせるには)
 試験で図形の問題に出あったら、図形をやさしい図形に線形変換して考えます。

以下の問題を例にして、図形をやさしい図形に線形変換して考えるコツを説明します。

【問】以下の図で、

三角形の頂点Aから対向する辺BCの中点Dまで引いた直線ADがあり、
頂点Bから対向する辺CAの中点Eまで引いた直線BEがあり、
頂点Cから対向する辺ABの中点Fまで引いた直線CFがある。
直線ADと直線BEの交点Pを直線CFも通る事を証明せよ。
(問題おわり)

 この問題は、三角形の重心Pを3つの直線ADとBEとCFが通るという問題です。


 この問題の証明方法は、十分に勉強して来たと思います。
しかし、試験会場で試験の本番になると、頭がパニックになって、覚えている事を思い出せなくことがあります。

 そうならないように心を落ち着かせるために、以下の様に図形をやさしい図形に線形変換して考えましょう。

 以下の図の様に、歪んだ三角形を正三角形に変換するのが線形変換です。
三角形の形を正三角形に変換すると、この問題で証明するべき「直線ADと直線BEの交点Pを直線CFも通る」関係が成り立つ事が一目で分かります。

 線形変換によってこの正三角形を歪めて元の歪んだ三角形に戻すと、
(1)1つの点は1つの点に変換され、
(2)1つの直線は1つの直線に変換され、
(3)その直線上の線分同士の長さの比は変わらない、
ように図形が変換されます。

そのため、上の図の正三角形で
「直線ADと直線BEの交点Pを直線CFも通っている」
ことと、
辺BCの中点がDであり、
辺CAの中点がEであり、
辺ABの中点がFである
関係が、
線形変換した元の歪んだ形の三角形でも、
成り立っていて、
「直線ADと直線BEの交点Pを直線CFも通る」
関係が成り立ちます。

 このように、先ず歪んだ三角形を正三角形に線形変換する。

次に、その正三角形では、証明するべき関係が成り立っている事を理解する。
そうして理解した後で問題を解くようにすれば、問題がずいぶんと易しくなり、心が落ち着きます。
それによって、覚えていた証明方法も思い出せるようになります。

 なお、上で説明した線形変換を、高校で習うベクトルの変換の関係であると理解している学生ならば、
上図の正三角形で関係が成り立つことを根拠に、
線形変換した歪んだ三角形でもその関係が成り立つ事を説明して、それだけで、この問題を証明する事もできます。


リンク:
中学数学の目次

高校数学の目次

0 件のコメント:

コメントを投稿