複素数平面とは、
横軸に実数をあらわす実軸を持ち、
縦軸に虚数をあらわす虚軸を持つ平面であり、その平面上の点で複素数をあらわす平面です。
上図のように、例えば、iや、(1+i)/√2などの複素数を複素数平面上の点であらわします。
この複素平面で、実軸の右側にある数”1”が、全ての数の基準です。
この複素平面に置いてあらわした数と0をあらわす座標原点との距離を、”絶対値”と呼び、以下の式のように、複素数zを、|z|というように、||で囲んであらわします。
絶対値の例 |i|=1
この図には、虚数iの平方根である(1+i)/√2があらわされていますが、(1+i)/√2の絶対値は1であって、(1+i)/√2は、0を中心とする半径1の円上にあります。
しかも、(1+i)/√2の実軸と成す角度は45度で、0と1を結ぶ線(実軸)と、0とiを結ぶ線(虚軸)が成す角90度のちょうど半分です。
複素数zが、0と1を結ぶ線分から、0を中心に角度θ回転した位置にあるとき、
s=w・z
というように、複素数zを他の複素数wに掛け算した答えの複素数sは、0と複素数wを結ぶ直線を、0を中心にして角度θ回転した直線上にあります。
0と複素数zを結ぶ線分が0と1を結ぶ線分と成す角度θを偏角と呼び、arg(z)とあらわします(左回りを正の角度にします)。
arg(s)=arg(w)+arg(z)
なお、複素数sの絶対値は複素数wの絶対値と複素数zの絶対値を掛け算した値になります。
|s|=|w|・|z|
これが成り立つということを覚えてください。
s=z・z
というように、複素数zを2乗して複素数sを計算する場合を考えます。
先ず、各複素数の偏角を以下のように名づけておきます。
arg(s)≡β
arg(z)≡θ
これらを使って各複素数が以下のようにあらわせます(複素数の極形式での表示)。
s=|s|cos(β)+|s|sin(β)・i
z=|z|cos(θ)+|z|sin(θ)・i
その複素数の掛け算s=zの2乗の場合には、以下の公式が成り立ちます。
β=arg(s)=2arg(z)=2θ, (式1)
|s|=|z|・|z|, (式2)
以下で、複素数zの2乗を計算して、その結果を複素数sと比較する。
ここで、2倍角の定理との関係を分かり易くするため、複素数zの絶対値の
|z|=|s|=1
とする。

複素数zの2乗と、それに等しい複素数sとは、その実数部分が等しいので、その関係をあらわす1つの式を導き、更に、その虚数部分が等しいので、その関係をあらわす1つの式を導きます。それにより、以下の2つの関係式が導き出せます。

上の式4がcosの2倍角の公式であり、式5がsinの2倍角の公式です。
三角関数の2倍角の公式を以上の手順で素早く導き出せるように、以上の導き出し方を覚えておきましょう。
そうすれば、覚えるのにとても苦労する三角関数の加法定理が、覚えやすくなります。
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高校数学の目次
横軸に実数をあらわす実軸を持ち、
縦軸に虚数をあらわす虚軸を持つ平面であり、その平面上の点で複素数をあらわす平面です。
上図のように、例えば、iや、(1+i)/√2などの複素数を複素数平面上の点であらわします。
この複素平面で、実軸の右側にある数”1”が、全ての数の基準です。
この複素平面に置いてあらわした数と0をあらわす座標原点との距離を、”絶対値”と呼び、以下の式のように、複素数zを、|z|というように、||で囲んであらわします。
絶対値の例 |i|=1
この図には、虚数iの平方根である(1+i)/√2があらわされていますが、(1+i)/√2の絶対値は1であって、(1+i)/√2は、0を中心とする半径1の円上にあります。
しかも、(1+i)/√2の実軸と成す角度は45度で、0と1を結ぶ線(実軸)と、0とiを結ぶ線(虚軸)が成す角90度のちょうど半分です。
複素数zが、0と1を結ぶ線分から、0を中心に角度θ回転した位置にあるとき、
s=w・z
というように、複素数zを他の複素数wに掛け算した答えの複素数sは、0と複素数wを結ぶ直線を、0を中心にして角度θ回転した直線上にあります。
0と複素数zを結ぶ線分が0と1を結ぶ線分と成す角度θを偏角と呼び、arg(z)とあらわします(左回りを正の角度にします)。
arg(s)=arg(w)+arg(z)
なお、複素数sの絶対値は複素数wの絶対値と複素数zの絶対値を掛け算した値になります。
|s|=|w|・|z|
これが成り立つということを覚えてください。
s=z・z
というように、複素数zを2乗して複素数sを計算する場合を考えます。
先ず、各複素数の偏角を以下のように名づけておきます。
arg(s)≡β
arg(z)≡θ
これらを使って各複素数が以下のようにあらわせます(複素数の極形式での表示)。
s=|s|cos(β)+|s|sin(β)・i
z=|z|cos(θ)+|z|sin(θ)・i
その複素数の掛け算s=zの2乗の場合には、以下の公式が成り立ちます。
β=arg(s)=2arg(z)=2θ, (式1)
|s|=|z|・|z|, (式2)
以下で、複素数zの2乗を計算して、その結果を複素数sと比較する。
ここで、2倍角の定理との関係を分かり易くするため、複素数zの絶対値の
|z|=|s|=1
とする。

複素数zの2乗と、それに等しい複素数sとは、その実数部分が等しいので、その関係をあらわす1つの式を導き、更に、その虚数部分が等しいので、その関係をあらわす1つの式を導きます。それにより、以下の2つの関係式が導き出せます。

上の式4がcosの2倍角の公式であり、式5がsinの2倍角の公式です。
三角関数の2倍角の公式を以上の手順で素早く導き出せるように、以上の導き出し方を覚えておきましょう。
そうすれば、覚えるのにとても苦労する三角関数の加法定理が、覚えやすくなります。
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