大学への数学(旧B)「複素数」編の勉強
【問】
x3=1の複素数の解を複素数平面上で表示すると、以下の図のようになります。
上の図で、x=1,A,Bが、x3=1の3つの解です。
全ての複素数yは、2次元べクトルと同様に、2つの独立な複素数AとBの合成で、
y=(s×A)+(t×B) (1)
とあらわすことができます。
(ただし、sとtは実数とする)
そのようにして、
y3+py+q=0 (2)
(pとqは実数とします)
の形であらわされる3次方程式が実数でない複素数解を1つは持つ場合に、その1つの複素数を、式(1)であらわしてみます。
その場合に、この式(2)の3次方程式の残りの解を求めよ。
【解答】
実数係数の高次方程式の複素数解は、その解に共役な複素数も、その解である。
よって、複素数Aを共役な複素数Bに置き換え、BもAに置き換えた、式(1)の複素数に共役な複素数
y=(s×B)+(t×A) (3)
もまた、式(2)の解である。
よって、式(2)は、第3の解をCとすると、以下の式であらわせる。
(y-(sA+tB))(y-(sB+tA))(y-C)=0 (4)
この式が、式(2)の形であって、yの2乗の項の係数が0になるためには、
式(4)のyの2乗の項の係数を0にする以下の式が成り立つ必要がある。
(sA+tB)+(sB+tA)+C=0
(s+t)(A+B)+C=0 (5)
ここで、A+B=-1であるので、式(5)は以下の式になる。
-(s+t)+C=0,
C=s+t, (6)
よって式(2)の3つ目の解Cは、上の式(6)であらわせる。
以上をまとめると、式(2)の全ての解は、
sA+tB (1)
sB+tA (3)
s+t (6)
の3つである、
(解答おわり)
【研究】
この問題の場合に、式(2)の方程式の各項の係数pとqと、解のパラメータsとtとの関係はどうなっているか調べてみよう。
式(2)と、式(4)を展開した式のyの項の係数と定数項を比較する。
yの1次の項は:
p=(sA+tB)(sB+tA)+C(sA+tB+sB+tA)
=s2AB+st(A2+B2)+t2AB+C(A+B)(s+t)
=s2+st(B+A)+t2-C(s+t)
=s2-st+t2-(s+t)(s+t)
=(s+t)(s+t)-3st-(s+t)(s+t)
=-3st (7)
定数項は:
q=-(sA+tB)(sB+tA)C
=-(s2AB+st(A2+B2)+t2AB)C
=-(s2+st(B+A)+t2)(s+t)
=-(s2-st+t2)(s+t)
=-(s3+t3) (8)
よって、pとqと、解のパラメータsとtとの関係は:
p=-3st (7)
q=-(s3+t3) (8)
の関係がある。
この(7)と(8)を使うと、pとqが与えられたら、s3とt3を計算でき、それから、sとtを計算できます。
リンク:【問】
x3=1の複素数の解を複素数平面上で表示すると、以下の図のようになります。
上の図で、x=1,A,Bが、x3=1の3つの解です。
全ての複素数yは、2次元べクトルと同様に、2つの独立な複素数AとBの合成で、
y=(s×A)+(t×B) (1)
とあらわすことができます。
(ただし、sとtは実数とする)
そのようにして、
y3+py+q=0 (2)
(pとqは実数とします)
の形であらわされる3次方程式が実数でない複素数解を1つは持つ場合に、その1つの複素数を、式(1)であらわしてみます。
その場合に、この式(2)の3次方程式の残りの解を求めよ。
【解答】
実数係数の高次方程式の複素数解は、その解に共役な複素数も、その解である。
よって、複素数Aを共役な複素数Bに置き換え、BもAに置き換えた、式(1)の複素数に共役な複素数
y=(s×B)+(t×A) (3)
もまた、式(2)の解である。
よって、式(2)は、第3の解をCとすると、以下の式であらわせる。
(y-(sA+tB))(y-(sB+tA))(y-C)=0 (4)
この式が、式(2)の形であって、yの2乗の項の係数が0になるためには、
式(4)のyの2乗の項の係数を0にする以下の式が成り立つ必要がある。
(sA+tB)+(sB+tA)+C=0
(s+t)(A+B)+C=0 (5)
ここで、A+B=-1であるので、式(5)は以下の式になる。
-(s+t)+C=0,
C=s+t, (6)
よって式(2)の3つ目の解Cは、上の式(6)であらわせる。
以上をまとめると、式(2)の全ての解は、
sA+tB (1)
sB+tA (3)
s+t (6)
の3つである、
(解答おわり)
【研究】
この問題の場合に、式(2)の方程式の各項の係数pとqと、解のパラメータsとtとの関係はどうなっているか調べてみよう。
式(2)と、式(4)を展開した式のyの項の係数と定数項を比較する。
yの1次の項は:
p=(sA+tB)(sB+tA)+C(sA+tB+sB+tA)
=s2AB+st(A2+B2)+t2AB+C(A+B)(s+t)
=s2+st(B+A)+t2-C(s+t)
=s2-st+t2-(s+t)(s+t)
=(s+t)(s+t)-3st-(s+t)(s+t)
=-3st (7)
定数項は:
q=-(sA+tB)(sB+tA)C
=-(s2AB+st(A2+B2)+t2AB)C
=-(s2+st(B+A)+t2)(s+t)
=-(s2-st+t2)(s+t)
=-(s3+t3) (8)
よって、pとqと、解のパラメータsとtとの関係は:
p=-3st (7)
q=-(s3+t3) (8)
の関係がある。
この(7)と(8)を使うと、pとqが与えられたら、s3とt3を計算でき、それから、sとtを計算できます。
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