【問】以下の図で三角形ABCがある。その辺(延長線)上に図のようにDF点を置く。直線ACと線DFの交点をEとする。この場合に、比s=CE/EAを求めよ。
【解答】
以下では、線DFに垂直なベクトルVへの各ベクトルの射影を見て交点Eにおける比s=CE/EAを求める。
(そのベクトルの射影の長さは、線DFを水平線とした場合のベクトルの高さです)
(解答おわり)
上の解答では、ベクトルFBの高さをzとして、図に順次に、水平線DFに対する各点の高さを書き込みました。
この問題の解答は④の計算までで終わりですが、
⑤の式のように、計算結果を整理すると、メネラウスの定理が導けました。
この問題はメネラウスの定理の応用問題だったのです。
このように、線の垂直線への射影を利用すれば、メネラウスの定理が自然に導けるので、メネラウスの定理を覚えるよりは、線の垂直線への射影の利用方法を優先して覚えてください。
(ベクトルBDとベクトルDCは逆方向なので、線分の長さの比はマイナスとして計算し、積がマイナス1になる式が正確なメネラウスの定理です。
しかし、この積をプラス1とした式でメネラウスの定理があらわされる場合が多いので、メネラウスの定理の表現は不正確だと思います)
また、メネラウスの定理の問題点は、以下のあいまいさもある事です。以下の図は全てメネラウスの定理です。これらの場合を全て証明しましたか?
(メネラウスの定理は、三角形ABCの所定の辺を、1本の点線で表される直線に交わるまで延長した図形の定理です。点線が元の三角形ABCに交わる場合(内メネ)と交わらない場合(外メネ)との2種類があります。)
【メネラウスの定理の定義】
高校数学でのメネラウスの定理の定義があいまいです。定理の定義がはっきりしないので、それは、定理の形を成していません。
そのため、以下でメネラウスの定理の定義を明確にします。
メネラウスの定理は:
(1)上の4つの図において、三角形ABCの各辺毎の3つの直線AB,BC,CAと、点線で表した1つの直線DE(水平線)との、各直線同士の交点A,B,C,D,E,Fを定める。
(2)三角形ABCの各辺毎の3つの直線上における、交点間の線分の長さの間に、以下の関係がある。
(2a)全ての交点を、三角形ABCの各辺毎の3つの直線同士の交差点である(頂点)A,B,Cと、その(頂点で無い点)D,E,Fとに分類する。頂点で無い点は、(水平線の点)です。
(2b)そして、全ての交点を、三角形ABCの各辺毎の3つの直線上をたどる(4つ目の点線DEはたどら無い)一筆書きの様な順(線の重なりはOK)で、以下の順に交点を選んで、定理の式を書く。
(頂点)→(水平線の点)→
(頂点)→(水平線の点)→
(頂点)→(水平線の点)→(最初に選んだ頂点)
の順に点を選んで、その定理の式を定義する。
例えば:
(頂点A)→(水平線の点F)→
(頂点B)→(水平線の点D)→
(頂点C)→(水平線の点E)→(最初に選んだ頂点A)
の順に選ぶ。
以下の式のように、その選んだ順に点を結んだ線分の間の式を記述し、その式の値を1とする。(ただし、線分の正負の方向性は定めないものとする)
この式がメネラウスの定理を表す。
(メネラウスの定理の定義おわり)
《補足》
メネラウスの定理を表す上の式は、このページの一番上の図を使って解釈し、以下の関係式を変形した式であると解釈できる。
(点線で表した)水平線DFの垂直線へ射影した:
{(点Aの高さ)/(-点Bの高さ)}
{(点Bの高さ)/(-点Cの高さ)}
{(点Cの高さ)/(-点Aの高さ)}=-1
《メネラウスの定理の適用の仕方》
与えられた図形に、メネラウスの定理の定義に従って、以下の様にメネラウスの定理を当てはめれば良い。
(1)長さが書き込んである3つの直線を求める。(線分の長さの比がわかっている2つの直線と、線分の長さの比を求めたい1つの直線を定める)
(2)その3つの直線に交わる4つ目の直線を抽出し、それを水平線と認識する。その4つ目の直線と先の3つの直線との交点だけで全ての点が表せるならば、メネラウスの定理が適用できる。
(3)それら4つの直線の全ての交点を、3つの直線同士の交差点である3つの(頂点)と、それ以外の、4つ目の直線(水平線)上の点(水平線の点)とに分類する。(頂点以外の3つの水平線上の点が存在し、3つの水平線上の点が1直線上に並ぶことが、その図形にメネラウスの定理が適用できる条件である)
(4)全ての交点を、3つの直線上をたどる(水平線はたどら無い)一筆書きの様な順(線の重なりはOK)で、以下の順に交点を選んで、定理の式を書く。
(頂点)→(水平線の点)→
(頂点)→(水平線の点)→
(頂点)→(水平線の点)→(最初に選んだ頂点)
の順に点を選んで、メネラウスの定理の式を書く。
(注意)最初に選ぶ点は(水平線の点)では無いことに注意。
また、定理の式を書くとき、
分母から分子の順に式を書いても良いし、
分子から分母の順に式を書いても良い。
リンク:
メネラウス・チェバの定理のちょっとした小手技(pdf)
3点が1直線上にある証明
高校数学の目次
【解答】
以下では、線DFに垂直なベクトルVへの各ベクトルの射影を見て交点Eにおける比s=CE/EAを求める。
(そのベクトルの射影の長さは、線DFを水平線とした場合のベクトルの高さです)
(解答おわり)
上の解答では、ベクトルFBの高さをzとして、図に順次に、水平線DFに対する各点の高さを書き込みました。
この問題の解答は④の計算までで終わりですが、
⑤の式のように、計算結果を整理すると、メネラウスの定理が導けました。
この問題はメネラウスの定理の応用問題だったのです。
このように、線の垂直線への射影を利用すれば、メネラウスの定理が自然に導けるので、メネラウスの定理を覚えるよりは、線の垂直線への射影の利用方法を優先して覚えてください。
(ベクトルBDとベクトルDCは逆方向なので、線分の長さの比はマイナスとして計算し、積がマイナス1になる式が正確なメネラウスの定理です。
しかし、この積をプラス1とした式でメネラウスの定理があらわされる場合が多いので、メネラウスの定理の表現は不正確だと思います)
また、メネラウスの定理の問題点は、以下のあいまいさもある事です。以下の図は全てメネラウスの定理です。これらの場合を全て証明しましたか?
(メネラウスの定理は、三角形ABCの所定の辺を、1本の点線で表される直線に交わるまで延長した図形の定理です。点線が元の三角形ABCに交わる場合(内メネ)と交わらない場合(外メネ)との2種類があります。)
【メネラウスの定理の定義】
高校数学でのメネラウスの定理の定義があいまいです。定理の定義がはっきりしないので、それは、定理の形を成していません。
そのため、以下でメネラウスの定理の定義を明確にします。
メネラウスの定理は:
(1)上の4つの図において、三角形ABCの各辺毎の3つの直線AB,BC,CAと、点線で表した1つの直線DE(水平線)との、各直線同士の交点A,B,C,D,E,Fを定める。
(2)三角形ABCの各辺毎の3つの直線上における、交点間の線分の長さの間に、以下の関係がある。
(2a)全ての交点を、三角形ABCの各辺毎の3つの直線同士の交差点である(頂点)A,B,Cと、その(頂点で無い点)D,E,Fとに分類する。頂点で無い点は、(水平線の点)です。
(2b)そして、全ての交点を、三角形ABCの各辺毎の3つの直線上をたどる(4つ目の点線DEはたどら無い)一筆書きの様な順(線の重なりはOK)で、以下の順に交点を選んで、定理の式を書く。
(頂点)→(水平線の点)→
(頂点)→(水平線の点)→
(頂点)→(水平線の点)→(最初に選んだ頂点)
の順に点を選んで、その定理の式を定義する。
例えば:
(頂点A)→(水平線の点F)→
(頂点B)→(水平線の点D)→
(頂点C)→(水平線の点E)→(最初に選んだ頂点A)
の順に選ぶ。
以下の式のように、その選んだ順に点を結んだ線分の間の式を記述し、その式の値を1とする。(ただし、線分の正負の方向性は定めないものとする)
この式がメネラウスの定理を表す。
(メネラウスの定理の定義おわり)
《補足》
メネラウスの定理を表す上の式は、このページの一番上の図を使って解釈し、以下の関係式を変形した式であると解釈できる。
(点線で表した)水平線DFの垂直線へ射影した:
{(点Aの高さ)/(-点Bの高さ)}
{(点Bの高さ)/(-点Cの高さ)}
{(点Cの高さ)/(-点Aの高さ)}=-1
《メネラウスの定理の適用の仕方》
与えられた図形に、メネラウスの定理の定義に従って、以下の様にメネラウスの定理を当てはめれば良い。
(1)長さが書き込んである3つの直線を求める。(線分の長さの比がわかっている2つの直線と、線分の長さの比を求めたい1つの直線を定める)
(2)その3つの直線に交わる4つ目の直線を抽出し、それを水平線と認識する。その4つ目の直線と先の3つの直線との交点だけで全ての点が表せるならば、メネラウスの定理が適用できる。
(3)それら4つの直線の全ての交点を、3つの直線同士の交差点である3つの(頂点)と、それ以外の、4つ目の直線(水平線)上の点(水平線の点)とに分類する。(頂点以外の3つの水平線上の点が存在し、3つの水平線上の点が1直線上に並ぶことが、その図形にメネラウスの定理が適用できる条件である)
(4)全ての交点を、3つの直線上をたどる(水平線はたどら無い)一筆書きの様な順(線の重なりはOK)で、以下の順に交点を選んで、定理の式を書く。
(頂点)→(水平線の点)→
(頂点)→(水平線の点)→
(頂点)→(水平線の点)→(最初に選んだ頂点)
の順に点を選んで、メネラウスの定理の式を書く。
(注意)最初に選ぶ点は(水平線の点)では無いことに注意。
また、定理の式を書くとき、
分母から分子の順に式を書いても良いし、
分子から分母の順に式を書いても良い。
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メネラウス・チェバの定理のちょっとした小手技(pdf)
3点が1直線上にある証明
高校数学の目次
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