2015年5月3日日曜日

複素数平面を利用して直線の交点を計算する




複素数平面の直線の方程式を利用して直線の交点を計算しましょう。

【問1】
直線 x+2y=2 と
直線 x-y=1
の交点の座標を計算せよ。

【解1】
この問題を複素数平面の直線の方程式を利用して解いてみます。
このグラフのように直線の方程式はベクトルの内積であらわせます。
そのベクトルの内積であらわした直線の式を以下の式のように、複素数平面の直線の式であらわします。
この式のRe()を取り外します。
b①-a②:
これで、交点zの座標の答えが得られました。

【解2】
この問題の直線の交点を従来のやり方で計算してみます。
先ず、直線の式を書きます。
yの係数を合わせるために式②を2倍にします。
これでx座標が求められました。
ここまでの計算だけでしたら、複素数平面を使った計算よりも簡単に答えが得られました。

次に、この解のx座標を式①に代入してy座標も計算します。
以上の③と④で交点の(x,y)座標が得られました。

【解1と解2の比較】
 この問題の様に単純な式を計算する場合は、解2の方が速くx座標の解が得られるので、解2による計算の方が良いと思います。

 しかし、複雑な式を計算する場合は、
(1)解1の方が、(x,y)座標が同時に求められるので計算が楽。
(2)解1では、あらかじめ答えを与える式を覚えることができるので、
この答えの式を覚えておけば、計算間違いが入りにくい。
 そのため、複雑な式を計算する場合は、解1の解き方の方が良いのではないかと考えます。
 適宜、計算方法を使い分けて利用してください。 

【補足】
 複素数平面での直線の方程式と、XY平面上の直線の方程式とは、以下の計算で変換されて対応します。
 ここで、Re()の項がベクトルの内積になることは、以下の計算で再確認できます。
 この直線の方程式の対応関係は、以下の計算で説明されることが多いのですが、以下の計算式の全貌を覚えるよりは、上の計算式の方が全貌が覚えやすいと思います。

【蛇足】
蛇足になりますが、、、
連立方程式の解の整理された公式は、
だけでは無いです。
 この公式よりも覚えやすい連立方程式の解の公式が、
「2元連立方程式をベクトルの内積を使って解釈する」
の 「連立方程式の解の公式(その3)」にあります・
その方が覚えやすいので、上の公式を無理して覚えなくても良いのではないかとも考えます。

 上の公式は、複素数zの方程式を変形すればそのパターンの解が得られる事を心の奥底で覚えておき、複素数zを求める式の計算においてそのパターンの解が得られない場合に、
「何かがおかしい」
と気付く役に立てば、それで十分だとも思います。

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