【問】
実数の媒介変数(t)を-∞から∞まで変化させたとき、
z=1/(1+it) (式1)
であらわされる複素数zが複素数平面で描く軌跡を示せ。
【第1の解】
先ず、従う条件が決まっている(it)単体をzの式であらわす。
(ここで、z≠0であるものとする。)
複素数(1-z)を複素数zで割り算した値の複素数の偏角は、複素数(1-z)と複素数zの偏角の差θである。
複素数(1-z)/zが純虚数になる事は、複素数(1-z)と複素数zの偏角の差θが90°であって、両複素数が直交する事を意味する。
複素数(1-z)と複素数zが直交することは、複素数zが、複素数の値が1の点と0の点とを直径の両端にした円の上にある事を意味する。
(第1の解おわり)
【第2の解】
第1の解の式は更に、以下の様に変形することができる。
この式は、点1からzまで引いたベクトル(z-1)と、原点からzまで引いたベクトル(z)の内積が0であること、すなわち、それらのベクトルが直交することをあらわしている。
円周角が直角であるため、点zは、z=0とz=1を直径の両端とする円の上にある。
その円は、点(1/2)を中心にする半径(1/2)の円である。
ただし、式の前提にz≠0があるので、z=0の点は除く。
(第2の解おわり)
(注意) tが全実数範囲を動くときzがこの円の全範囲(z=0の点は除く)を網羅することは、図形を解析して確認する必要があります。
【第3の解】
以上の第2の解の計算を、以下の様に続けて、良く知られた円の式を導き出すことができる。
この式は、zが点(1/2)を中心にした半径が(1/2) の円の上にあることを表している。
(第3の解おわり)
(補足1)
もっと一般的には、以下の式(1b)が成り立つ場合に、その式(1b)から始めて、以下の様に計算することで、結局は、この式(1b)で表された複素数zが、複素数の値がα+βの点とβの点とを直径の両端にした円の上にある事を示すことができます。
(補足2)
zの逆数の式が以下の式(1c)や式(1d)のような式で変換される場合は、以下の計算のように、直線の式(2c)に変換されます。
(補足3)
zの逆数の式が以下の式(1e)のような式で変換される場合は、εが純虚数では無い場合は、以下の計算のように、円の式(2e)に変換されます。
このように、zの1次式を分母に持つ式1eの形の式は、円を表すか、(εが純虚数の場合に)直線を表すかの何れかである。
(補足3(その2))
補足3の式1eは、他には、以下の計算によって、変数zのグラフが、実数の媒介変数Φであらわされる円の式で表すことができます。
実数の媒介変数Φを使ったこの式は、円のグラフを表す。
【第4の解】
直線の式は、wとその共役複素数を使って以下の式11で表せる。
そのため、zは円上にある。
(解答おわり)
【第5の解】
第4の解の式13は以下の式に変形できる。
複素数(z-1)をzで割り算すると純虚数になるので、複素数(z-1)とzは直交する。点1から点zまでのベクトル(z-1)と原点から点zまでのベクトルzが直交するので、円周角一定の定理の逆によって、点zは、1が表す点と減点とを直径とする円上にある。
(解答おわり)
【共役複素数を使ってグラフを解析する方法に関する本質的な問題点】
共役複素数を使ってグラフを表現する方法では、以下の双曲線のグラフを変換した場合のグラフの形がどういう形になるかを解析することができません。
要するに、グラフを複素数zとその共役な複素数で表した場合、そのグラフの形が理解できるのは、答えのグラフが、直線か円かの、よく知られた形のみに限定されます。
自分の知らないグラフに対しては新しい情報を得ることができないという、有用性が限定された手法です。
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実数の媒介変数(t)を-∞から∞まで変化させたとき、
z=1/(1+it) (式1)
であらわされる複素数zが複素数平面で描く軌跡を示せ。
【第1の解】
先ず、従う条件が決まっている(it)単体をzの式であらわす。
(ここで、z≠0であるものとする。)
複素数(1-z)を複素数zで割り算した値の複素数の偏角は、複素数(1-z)と複素数zの偏角の差θである。
複素数(1-z)/zが純虚数になる事は、複素数(1-z)と複素数zの偏角の差θが90°であって、両複素数が直交する事を意味する。
複素数(1-z)と複素数zが直交することは、複素数zが、複素数の値が1の点と0の点とを直径の両端にした円の上にある事を意味する。
(第1の解おわり)
【第2の解】
第1の解の式は更に、以下の様に変形することができる。
この式は、点1からzまで引いたベクトル(z-1)と、原点からzまで引いたベクトル(z)の内積が0であること、すなわち、それらのベクトルが直交することをあらわしている。
円周角が直角であるため、点zは、z=0とz=1を直径の両端とする円の上にある。
その円は、点(1/2)を中心にする半径(1/2)の円である。
ただし、式の前提にz≠0があるので、z=0の点は除く。
(第2の解おわり)
(注意) tが全実数範囲を動くときzがこの円の全範囲(z=0の点は除く)を網羅することは、図形を解析して確認する必要があります。
【第3の解】
以上の第2の解の計算を、以下の様に続けて、良く知られた円の式を導き出すことができる。
この式は、zが点(1/2)を中心にした半径が(1/2) の円の上にあることを表している。
(第3の解おわり)
(補足1)
もっと一般的には、以下の式(1b)が成り立つ場合に、その式(1b)から始めて、以下の様に計算することで、結局は、この式(1b)で表された複素数zが、複素数の値がα+βの点とβの点とを直径の両端にした円の上にある事を示すことができます。
(補足2)
zの逆数の式が以下の式(1c)や式(1d)のような式で変換される場合は、以下の計算のように、直線の式(2c)に変換されます。
(補足3)
zの逆数の式が以下の式(1e)のような式で変換される場合は、εが純虚数では無い場合は、以下の計算のように、円の式(2e)に変換されます。
このように、zの1次式を分母に持つ式1eの形の式は、円を表すか、(εが純虚数の場合に)直線を表すかの何れかである。
(補足3(その2))
補足3の式1eは、他には、以下の計算によって、変数zのグラフが、実数の媒介変数Φであらわされる円の式で表すことができます。
実数の媒介変数Φを使ったこの式は、円のグラフを表す。
【第4の解】
直線の式は、wとその共役複素数を使って以下の式11で表せる。
そのため、zは円上にある。
(解答おわり)
【第5の解】
第4の解の式13は以下の式に変形できる。
複素数(z-1)をzで割り算すると純虚数になるので、複素数(z-1)とzは直交する。点1から点zまでのベクトル(z-1)と原点から点zまでのベクトルzが直交するので、円周角一定の定理の逆によって、点zは、1が表す点と減点とを直径とする円上にある。
(解答おわり)
【共役複素数を使ってグラフを解析する方法に関する本質的な問題点】
共役複素数を使ってグラフを表現する方法では、以下の双曲線のグラフを変換した場合のグラフの形がどういう形になるかを解析することができません。
要するに、グラフを複素数zとその共役な複素数で表した場合、そのグラフの形が理解できるのは、答えのグラフが、直線か円かの、よく知られた形のみに限定されます。
自分の知らないグラフに対しては新しい情報を得ることができないという、有用性が限定された手法です。
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