【問1】(超難問)
以下の不定方程式の整数解をすべて求めよ。
(コメント)
この問題はとても難しいので、理系最難関大学か医学部を受験する大学受験生も含め、大学の数学専門コース専攻者以外は、この問題を無視して良いと考えます。
【解答】
この問題の解として、正の整数x=z1とy=z2を求める。以下で扱うx,yは全て正であるものとする。
先ず、この問題の解が1つでもあれば、それ以外の解を1つ求めるための漸化式を以下の様にして求めます。
(その漸化式は、残りの解のうちの一部を導き出せるだけの漸化式が見つかれば、それで十分である。)
以下の式2の行列Mで定義される漸化式を求めます。
なお、問1の式1は、以下の式3(及び4)に一般化します。
式3及び4は以下の式5で代表させる。
そして、式5に漸化式Mの行列を導入し易くするために、行列aを使って式5の左辺をあらわします。
式8に行列Mを導入して変形すると以下の式9が得られます。
ここで、行列Mが以下の式10を満足するものとします。そうすれば、この行列が漸化式をあらわす行列になります。
式10を成り立たせる行列Mであれば、以下の式11が成り立つからです。
式10が成り立てば、行列Mの行列式の絶対値が1になります。ここで、行列式の値が1とした式12も、行列Mを限定する条件に加えます。
式11が式13に変形でき、更に式14に変形できる。
式14を具体的に以下の式に書く。
この式の左右の項を計算し以下の式15が得られる。
この式を解き、変数cとdで表した以下の式16が得られる。
ここで、行列式12によって、以下の式17が得られる。
この式17はペル方程式である。
この式17の最小の解を探し、以下の解18を得た。
この解を使って以下の式19の行列Mが得られ、漸化式20が得られる。
これで、解が1つ見つかれば、それ以外の解を計算できる漸化式が得られた。
次に、この行列Mの逆行列が以下の式21で得られ、漸化式20の逆に、解の値を小さくしていく式22が得られた。
この式22があらわす逆漸化式を使うことで、もし解があれば、その解を小さくしていくことが可能である。
ただし、この逆漸化式22は、正の値のx=z1とy=z2に適用して、正の値のx=z1と負の値のy=z2を導き出すことが可能であるという特徴がある。
また、そうして得た正の値のx=z1と負の値のy=z2にこの逆漸化式を適用する場合を考えると、xと(-y)に対する漸化式に書き直すと、式20になる。すなわち、xと(-y)の解の絶対値を大きくしていく漸化式であるとも言える。
(漸化式によって得られる解の大きさ)
漸化式20のうちの1つは以下の式23である。
ここで、式1から、解のx=z1とy=z2とは以下の式24であらわされ、概ね比例する。
式23を変形して以下の式25が得られる。
また、式18から、以下の式26が得られる。
この式26を式25に代入して以下の式27が得られる。
この式27の関係により、漸化式は、解のx=z1とy=z2の大きさを概ね89×2≒180倍に大きくする。
その逆に、行列Mの逆行列による逆漸化式は、解の大きさを概ね180分の1程度に小さくする。
例えば、この漸化式は、
(x,y)の、
(1,1)を(155,209)にし、
(1,2)を(221,298)にし、
(2,3)を(376,507)にする。
もし式1に180以上の解があれば、その解は、その解から逆漸化式によって180分の1になる小さな正値の解にリンクしている。
逆漸化式22のうちの1つは、以下の式28である。
ここで、式1から、解のx=z1はy=z2で、以下の式29であらわされる。
式29を式28に代入して計算する。
(この式30からも、yが逆漸化式によって180分の1以下に小さくなることが言える)
なお、 x=z1は、以下の式で与えられる。
式30は、y=z2がある値よりも小さければ、逆漸化式22で得られるyの値は負の値になってしまうが、その値よりも大きければ正の値になることを示している。
これが、逆漸化式22によってより小さな正の解を導く限界を与える。
この限界値以上のyの解は、逆漸化式22によって、より小さな正の値の解が導き出され、その小さな解に漸化式20を適用することで導き出すことができる解なので、調べる必要は無い。
一方、その限界値未満の解は、逆漸化式22によってはより小さい正の解が得られないので、正の値の解に漸化式20を適用することでは得られない。
そのため、その限界値未満の解については、それが解であるかを直接に計算して調べる必要がある。
以下で、解を調べるべき限界値を計算する。
式30が正になる条件がその限界の条件である。それは、以下の式で与えられる。
式32により、x=z1≧20が、式30が正になる条件である。よって、xが20以上の範囲の解を除外した、xが20未満の解を調べるだけで、全ての解の存在の有無を確認することができる。
その範囲内の全ての値のxが解にはなら無いことを計算して確認した。
そのため、 式1には、どのように大きな解も存在し得ず、解が存在しないことがわかった。
【問2】(超難問)
以下の不定方程式の整数解をすべて求めよ。
【解答】(途中まで)
この問2は、更に難問ですが、以下の式に変形できるので、同様に「無限降下法」を使うことで、限定された値の範囲に解が存在しなければ、全く解が無いことが証明できる。
(その限定された値の範囲で解を発見できれば、漸化式を適用することで得られる無限個の解がある。)
この式2は、以下のように変形できる。
この式4は、
解が無さそうであるが、
解が無いことが簡単には証明できない。
しかし、問1と同様に漸化式Mを求めて「無限降下法」を使うことで解が存在しないことを証明できると考える。
そのためには、ある限定された値の範囲内で解が存在しないことを確認する。
(あるいは、その限定された値の範囲内で、1つ以上の解を発見するかもしれない)
その、有限の範囲内の確認を行なえば解が存在するかしないかの決着をつけられると考える。
・・・
(解答の途中)
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高校数学の目次
以下の不定方程式の整数解をすべて求めよ。
(コメント)
この問題はとても難しいので、理系最難関大学か医学部を受験する大学受験生も含め、大学の数学専門コース専攻者以外は、この問題を無視して良いと考えます。
【解答】
この問題の解として、正の整数x=z1とy=z2を求める。以下で扱うx,yは全て正であるものとする。
先ず、この問題の解が1つでもあれば、それ以外の解を1つ求めるための漸化式を以下の様にして求めます。
(その漸化式は、残りの解のうちの一部を導き出せるだけの漸化式が見つかれば、それで十分である。)
以下の式2の行列Mで定義される漸化式を求めます。
なお、問1の式1は、以下の式3(及び4)に一般化します。
式3及び4は以下の式5で代表させる。
そして、式5に漸化式Mの行列を導入し易くするために、行列aを使って式5の左辺をあらわします。
式8に行列Mを導入して変形すると以下の式9が得られます。
ここで、行列Mが以下の式10を満足するものとします。そうすれば、この行列が漸化式をあらわす行列になります。
式10を成り立たせる行列Mであれば、以下の式11が成り立つからです。
式10が成り立てば、行列Mの行列式の絶対値が1になります。ここで、行列式の値が1とした式12も、行列Mを限定する条件に加えます。
式11が式13に変形でき、更に式14に変形できる。
式14を具体的に以下の式に書く。
この式の左右の項を計算し以下の式15が得られる。
この式を解き、変数cとdで表した以下の式16が得られる。
ここで、行列式12によって、以下の式17が得られる。
この式17はペル方程式である。
この式17の最小の解を探し、以下の解18を得た。
この解を使って以下の式19の行列Mが得られ、漸化式20が得られる。
これで、解が1つ見つかれば、それ以外の解を計算できる漸化式が得られた。
次に、この行列Mの逆行列が以下の式21で得られ、漸化式20の逆に、解の値を小さくしていく式22が得られた。
この式22があらわす逆漸化式を使うことで、もし解があれば、その解を小さくしていくことが可能である。
ただし、この逆漸化式22は、正の値のx=z1とy=z2に適用して、正の値のx=z1と負の値のy=z2を導き出すことが可能であるという特徴がある。
また、そうして得た正の値のx=z1と負の値のy=z2にこの逆漸化式を適用する場合を考えると、xと(-y)に対する漸化式に書き直すと、式20になる。すなわち、xと(-y)の解の絶対値を大きくしていく漸化式であるとも言える。
(漸化式によって得られる解の大きさ)
漸化式20のうちの1つは以下の式23である。
ここで、式1から、解のx=z1とy=z2とは以下の式24であらわされ、概ね比例する。
式23を変形して以下の式25が得られる。
また、式18から、以下の式26が得られる。
この式26を式25に代入して以下の式27が得られる。
この式27の関係により、漸化式は、解のx=z1とy=z2の大きさを概ね89×2≒180倍に大きくする。
その逆に、行列Mの逆行列による逆漸化式は、解の大きさを概ね180分の1程度に小さくする。
例えば、この漸化式は、
(x,y)の、
(1,1)を(155,209)にし、
(1,2)を(221,298)にし、
(2,3)を(376,507)にする。
もし式1に180以上の解があれば、その解は、その解から逆漸化式によって180分の1になる小さな正値の解にリンクしている。
逆漸化式22のうちの1つは、以下の式28である。
ここで、式1から、解のx=z1はy=z2で、以下の式29であらわされる。
式29を式28に代入して計算する。
(この式30からも、yが逆漸化式によって180分の1以下に小さくなることが言える)
なお、 x=z1は、以下の式で与えられる。
これが、逆漸化式22によってより小さな正の解を導く限界を与える。
この限界値以上のyの解は、逆漸化式22によって、より小さな正の値の解が導き出され、その小さな解に漸化式20を適用することで導き出すことができる解なので、調べる必要は無い。
一方、その限界値未満の解は、逆漸化式22によってはより小さい正の解が得られないので、正の値の解に漸化式20を適用することでは得られない。
そのため、その限界値未満の解については、それが解であるかを直接に計算して調べる必要がある。
以下で、解を調べるべき限界値を計算する。
式30が正になる条件がその限界の条件である。それは、以下の式で与えられる。
式32により、x=z1≧20が、式30が正になる条件である。よって、xが20以上の範囲の解を除外した、xが20未満の解を調べるだけで、全ての解の存在の有無を確認することができる。
その範囲内の全ての値のxが解にはなら無いことを計算して確認した。
そのため、 式1には、どのように大きな解も存在し得ず、解が存在しないことがわかった。
【問2】(超難問)
以下の不定方程式の整数解をすべて求めよ。
【解答】(途中まで)
この問2は、更に難問ですが、以下の式に変形できるので、同様に「無限降下法」を使うことで、限定された値の範囲に解が存在しなければ、全く解が無いことが証明できる。
(その限定された値の範囲で解を発見できれば、漸化式を適用することで得られる無限個の解がある。)
この式2は、以下のように変形できる。
この式4は、
解が無さそうであるが、
解が無いことが簡単には証明できない。
しかし、問1と同様に漸化式Mを求めて「無限降下法」を使うことで解が存在しないことを証明できると考える。
そのためには、ある限定された値の範囲内で解が存在しないことを確認する。
(あるいは、その限定された値の範囲内で、1つ以上の解を発見するかもしれない)
その、有限の範囲内の確認を行なえば解が存在するかしないかの決着をつけられると考える。
・・・
(解答の途中)
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