2017年6月28日水曜日

楕円に円が接触する問題

数Ⅲ 「いろいろな曲線」
エクセル表計算ソフトの勧め

楕円の式は数Ⅲで学びます。
回転した楕円の式もあらわせます。

下図は、楕円のグラフと円のグラフをエクセル表計算ソフトを使って、散布図グラフであらわしたグラフです。
 この2つの図形の接触の有無を数式処理で判定するのは難しいですが、エクセル表計算ソフトを使って、散布図グラフであらわし、近似計算でグラフが接触する条件を求めることができます。

 とにかく楽に問題を解く方法を探すのが「数学の心」 なので、
エクセル表計算ソフトを使えば問題を解くのが楽になるなら、
そのソフトを大いに使うべきです。

 上の円の中心のY座標=a を少しづつ変えて、楕円に円が接触する場合の円の中心のY座標=a を求めてみます。
 この様に、エクセル表計算ソフトを使って、
楕円に円が接触する場合が、
a=3
の場合であることを求めることができました。

 この問題は、解のaが簡単な有理数になるように作りました。

円の寸法を定めてから、解のaを計算しようとすると:
(1)図形が交差する条件を表した4次方程式を書いて、
(2)次に、図形が接する条件を表した3次方程式を書いて、
(3)両方の方程式が共通する解を持つものとして、ユークリッドの互除法で、順次に方程式の変数xの次数を下げていき、最後にxの次数が0の定数をあらわす、 a のみの式を求める。
(注目点)両方の方程式が共通するxの解(x=α)を持つ場合は、ユークリッドの互除法で計算する式が(x-α)で割り切れ、得られるxの次数が0の定数の式(aのみで表した式)は0でなければならない。それによりaを求める方程式が得られる。

 この方法で a の条件をあわらす方程式を計算するのは、(3)の計算をしているうちに、aの式がどんどん複雑になって、とても処理しきれない、大変難しい問題でした。
 それでも、エクセル表計算ツールの助けも借りて無理やり計算した結果、最後に、以下の a のみの式を展開した形の複雑な式が得られた。その複雑な式を因数分解すると以下の式になった。
 この式の解は、何と、全てが、円が楕円に接する場合の a の値をあらわしている。

 それに対して、円の寸法を定めずに、
(1)図形の交点Aを定める。
(2)A点での接線の傾きを求める。
(3)そのA点で接する円の寸法と円の中心座標を計算する。
方法ならば、スムーズに計算が進みます。

問題は、易しく解ける方が良いです。

上の円の半径は、そうして定めました。

交点Aの座標も、楕円の式の上の有理数解を見つけて、問題を簡単にしました。
交点Aの座標は
A(1/2,3/2)
です。
このとき、
A点で接する円の中心のY座標
a=3
が求められました。
最後に、
円の半径rの二乗が5/2
と定めることができました。

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