高校2年生から、極限・微分・積分の「意味がわからない」「つまらない」「教わる計算方法が正しいと言える理由(証明)がわからない」で数学の学習から脱落する高校2年生が多いらしい。 その脱落の原因は、高校2年の極限・微分・積分の授業では、数学のうたい文句から外れた教育がされるからではないかと考えます。
すなわち、今までは、
「数学は、公式を正しく証明した後にその公式を使う」
と言って来たが、
高校2年生の、極限・微分・積分の授業からは、
「数学は、計算結果さえ合えば良い、途中の経緯は問わない、公式の証明は間違っていても問題視しない」
という教育思想が入り込み、
その思想の行き過ぎを避けるため、
「便利すぎる公式は、それをつかって直ぐ答えが得られてしまうから教えない」
という思想が混ざり、
数学教育に大きな濁りが入り込むので「微分積分がつまらない」となる原因があるのではないかと考えます。
その濁りに押し流され無いため、高校2年生も 公式を厳密に証明して納得してから使う、数学の心に従って極限・微分・積分の学習をして欲しいと考えます。
【合成関数の微分の公式の適用限界】
合成関数の微分の公式は、その公式を関数に適用できる限界があります。
以下で、関数値が複素数になる関数の合成関数の微分を試すことで、その限界を見ていきます。
以下の図の、式1を満足する半円の変数xの定義域を拡張して、xの2乗が1より大きい場合には関数値が虚数になる関数f(x)を使います。
この関数f(x)は、xのどの値でも式1を満足する関数です。
この関数 f(x)を使った以下の合成関数g(x)を考え、
先ずは、その関数g(x)を直にxで微分してみます。
関数g(x)を直接に変数xで微分した結果、式3が得られました。
合成関数の微分の公式を使っても、xが-1と1の場合以外は式3と同じ結果が得られます。
しかし、x=-1と1における微分係数だけは、
以下で説明するように、合成関数の微分の公式では求められません。
【関数g(x)の微分を合成関数の微分の公式を使って求める】
(微分係数の計算開始)
先ず、-1≦x≦1の範囲で関数g(x)の微分を計算する。
式4aによって微分係数の値が計算できました。
(注意)ここで注意しなければならない事は、x=-1とx=1においては微分が定義できません。
例えば、x=1での微分係数が無限大に発散するので、x=1での微分係数が定義できない(微分可能では無い)。
次に、x>1とx<-1の範囲で関数g(x)の微分を計算する。
式4bによって微分係数の値が計算できました。
こうして、合成関数の微分の公式を使って、
x≠-1、かつ、x≠1の場合の変数xの値における合成関数g(x)の微分係数が式4aと式4bで求める事ができました。
(微分係数の計算おわり)
こうして、合成関数の微分の公式を使っても、xが-1と1の場合以外は式3と同じ結果が得られました。
しかし、x=-1と1における微分係数だけは、
合成関数の微分の公式では求められませんでした。
すなわち、合成関数の微分の公式を使うことでは、公式の適用条件(各関数が全て微分可能(無限大はダメ)でなければならないという制約)が存在するため、
x=-1と1における微分係数だけは、合成関数の微分の公式では求められませんでした。
(補足:日本の高校の極限と微分積分の教育)
ヨーロッパやアメリカでは、「高校で微分積分及び極限を教えるのは、直感にうったえる内容に限られ、正確な微分積分を教えられない」という理由で、微分積分は大学生に教える科目になっています。
日本の大学でも、その欧米の教育に合わせて、初めて学ぶ者に分かるように微分積分及び極限を改めて教育しているようです。
大学で使う微分積分の参考書は、高校で教える微分積分の知識を全く知らない学生に理解できるように書かれています。
しかも、大学生向けの微分積分の参考書の方が、日本の高校生向けの微分積分の参考書よりやさしく分かり易い。
高校の微分積分を勉強するなら、先ず、大学生向けの微分積分の参考書を読むことを推薦します。高校の微分・積分の教科書は分かりにくいだけで無く、間違いも含まれています。読まない方が良いのではないかと考えます。
数学センスのある学生が学習を一歩も前に進めることができなくなることが無い、安心して微分積分の勉強を進めることができる、ごまかしの無い本は、高校生用の教科書や参考書なのでは無く、大学1年生向けの参考書:例えば:「やさしく学べる微分積分」(石村園子) ¥2000円 などだと思います。その本は、微分積分を初めて学ぶ高校2年生にとって、内容がわかり易くて、しかも正確であって良いと思います。その本の36ページから45ページまで勉強するだけで、微分の必須知識が学べます。
リンク:
高校数学の目次
すなわち、今までは、
「数学は、公式を正しく証明した後にその公式を使う」
と言って来たが、
高校2年生の、極限・微分・積分の授業からは、
「数学は、計算結果さえ合えば良い、途中の経緯は問わない、公式の証明は間違っていても問題視しない」
という教育思想が入り込み、
その思想の行き過ぎを避けるため、
「便利すぎる公式は、それをつかって直ぐ答えが得られてしまうから教えない」
という思想が混ざり、
数学教育に大きな濁りが入り込むので「微分積分がつまらない」となる原因があるのではないかと考えます。
その濁りに押し流され無いため、高校2年生も 公式を厳密に証明して納得してから使う、数学の心に従って極限・微分・積分の学習をして欲しいと考えます。
【合成関数の微分の公式の適用限界】
合成関数の微分の公式は、その公式を関数に適用できる限界があります。
以下で、関数値が複素数になる関数の合成関数の微分を試すことで、その限界を見ていきます。
以下の図の、式1を満足する半円の変数xの定義域を拡張して、xの2乗が1より大きい場合には関数値が虚数になる関数f(x)を使います。
この関数f(x)は、xのどの値でも式1を満足する関数です。
この関数 f(x)を使った以下の合成関数g(x)を考え、
先ずは、その関数g(x)を直にxで微分してみます。
合成関数の微分の公式を使っても、xが-1と1の場合以外は式3と同じ結果が得られます。
しかし、x=-1と1における微分係数だけは、
以下で説明するように、合成関数の微分の公式では求められません。
【関数g(x)の微分を合成関数の微分の公式を使って求める】
(微分係数の計算開始)
先ず、-1≦x≦1の範囲で関数g(x)の微分を計算する。
式4aによって微分係数の値が計算できました。
(注意)ここで注意しなければならない事は、x=-1とx=1においては微分が定義できません。
例えば、x=1での微分係数が無限大に発散するので、x=1での微分係数が定義できない(微分可能では無い)。
次に、x>1とx<-1の範囲で関数g(x)の微分を計算する。
式4bによって微分係数の値が計算できました。
こうして、合成関数の微分の公式を使って、
x≠-1、かつ、x≠1の場合の変数xの値における合成関数g(x)の微分係数が式4aと式4bで求める事ができました。
(微分係数の計算おわり)
こうして、合成関数の微分の公式を使っても、xが-1と1の場合以外は式3と同じ結果が得られました。
しかし、x=-1と1における微分係数だけは、
合成関数の微分の公式では求められませんでした。
すなわち、合成関数の微分の公式を使うことでは、公式の適用条件(各関数が全て微分可能(無限大はダメ)でなければならないという制約)が存在するため、
x=-1と1における微分係数だけは、合成関数の微分の公式では求められませんでした。
(補足:日本の高校の極限と微分積分の教育)
ヨーロッパやアメリカでは、「高校で微分積分及び極限を教えるのは、直感にうったえる内容に限られ、正確な微分積分を教えられない」という理由で、微分積分は大学生に教える科目になっています。
日本の大学でも、その欧米の教育に合わせて、初めて学ぶ者に分かるように微分積分及び極限を改めて教育しているようです。
大学で使う微分積分の参考書は、高校で教える微分積分の知識を全く知らない学生に理解できるように書かれています。
しかも、大学生向けの微分積分の参考書の方が、日本の高校生向けの微分積分の参考書よりやさしく分かり易い。
高校の微分積分を勉強するなら、先ず、大学生向けの微分積分の参考書を読むことを推薦します。高校の微分・積分の教科書は分かりにくいだけで無く、間違いも含まれています。読まない方が良いのではないかと考えます。
数学センスのある学生が学習を一歩も前に進めることができなくなることが無い、安心して微分積分の勉強を進めることができる、ごまかしの無い本は、高校生用の教科書や参考書なのでは無く、大学1年生向けの参考書:例えば:「やさしく学べる微分積分」(石村園子) ¥2000円 などだと思います。その本は、微分積分を初めて学ぶ高校2年生にとって、内容がわかり易くて、しかも正確であって良いと思います。その本の36ページから45ページまで勉強するだけで、微分の必須知識が学べます。
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高校数学の目次
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