2019年7月21日日曜日

3つの複素数の交代式の簡単化公式

 対称式とは,どの2つの変数を入れ替えても元の値と変わらない式のことです。 対称式に似た交代式があります。 交代式とは,どの2つの変数を入れ替えても −1 倍になるような式のことです。

 以下では、3つの複素数の交代式を簡単化して扱い易くする公式を考えます。 

「交代式は常に差積と対称式の積でかける」
ハズなのですが、
共役複素数も混じっている交代式では、そうはいきません。

【公式1】
(1)先ず、以下の交代式の公式が成り立ちます。
(2)以下の交代式は、以下の式に簡単化できます。
ただし、この簡単化の公式を引き出すために、
以下の簡単化した例によって、この公式を把握します。
この式によって、この公式の本質を把握します。

以下の式の変形は、この本質に沿って式が変形できます。


(補足1)
 3つの複素数の交代式は、最初の形の式や、途中で導いたIm()の形で表した交代式よりも、上式のようにIm()の中に積の形で表した式にした方が、式が簡単であり、扱いやすい利点があります。

(補足2)
 この3つの複素数の交代式は、以下の図の三角形の面積に比例しています。
 上式のような3つの複素数の交代式をIm()の形で表した展開した交替式で表すよりも、先の式の様に、Im()の中に1つの積がある形で表した式(その式の表現は複数あるが)の方が、積の演算を1つしか必要としない式だから、式が簡単になります。
 それは、「三角形の面積と行列式」の場合に式を展開しない方が式が簡単になるのと同じです。 

【公式2】
(1)以下の交代式の変換の公式が成り立つ。
(公式2(1)計算その1おわり)
これは、以下の様に計算することもできます。
(公式2(1)計算その2おわり)

また、この公式は、以下の様に考えて見つけることもできます。
 この関係を満足する式は、もしかしたら、以下の式ではないか?

(2)この公式(1)から、以下の公式が成り立つ。

(3)また、公式(1)から、以下の公式も成り立つ。

(4)また、(1)の式から、各変数が一斉にδだけ増す場合に、U/Dもδだけ増す:
というように、式U/Dも、同じくδだけ増す。
この式U/Dは、三角形の外心を表すという意味を持つ。

(5)以下の3つの複素数の変換公式も成り立つ。
(6)以下の3つの複素数の変換公式も成り立つ。
(7)以下の4つの複素数の変換公式も成り立つ。

リンク:
高校数学の目次


0 件のコメント:

コメントを投稿