2021年7月5日月曜日

サイン分の1の積分

【問1】 以下の不定積分を求めよ。


【解1】特殊な解き方
この問題を、
cos(t)=xとする変数tを導入して以下の様に解く特殊な解き方を説明したいと思います。

こうしておいて、以下のように、次の計算の準備をします。

こうして準備した上で、
以下の積分の計算をします。


(解1おわり)

なお、以下の式にも変換できます。


ただし、分母が0で無い場合に限り等式が成り立つ。

【解2】
「積分計算と相性が良い三角関数の積の分数の分解の公式」を用いて、以下のように計算することもできます。

ここで、「積分計算と相性が良い三角関数の積の分数の分解の公式」を適用する。

(解2おわり)

(補足1)
 なお、この積分では、変数変換をして、
被積分関数を、
1/sin(t)の t による積分に変換して計算をしました。
この計算で求めた以下の式は公式として覚えておくと便利だと思います。
この形の式は公式として覚えやすいと思います。
分母がcos(x)の積分の場合は、このような単純な形では表せませんので、分母がsin(x)の場合のこの積分の公式が際立っているので記憶に留めるのが良いと思います。
 なお、この積分は、以下の式で表すこともできます。

この式の形の公式ならば、分母がcos(x)の式の積分の場合の公式も似た形で表せます。
(補足1おわり)

(補足2)
この問題の変数tの解の式の不定積分で、
正確に不定積分を記述すると:
(1)-(π/2)<(t/2)<0 での式
(2)0<(t/2)<(π/2) での式
(3)(π/2)<(t/2)<(2π/2) での式
(4)(2π/2)<(t/2)<(3π/2) での式
・・・
という、異なる開区間の定義域で定義された無限個の不定積分の集まりの解であると書くのが正確な解の記述です。

(各不定積分の積分定数Cは、各不定積分毎に異なります。)


 この不定積分F(x)を使って
定積分
F(b)-F(a)
を計算する場合は、
各々の不定積分F(x)が定義されている開区間をはみだして定積分してはいけません。
異なる不定積分F(x)の定義域にまたがって
F(b)-F(a)
を計算してはいけないのです。

 積分が無限大まで進んで次に無限大を引き算して再び有限に戻って辻褄があうようにも見えますが、それは見せかけです。無限大から無限大を引き算して0になるという計算をしてはいけないのです。
(なお、不定積分は必ず1つながりに連続な関数になります。不定積分が1つながりに連続で無い点をまたがって関数を定積分しないようにしましょう。)
(補足2おわり)

【解3】
以下のように解くこともできます。

(解3おわり)

(補足3)
以下の式が成り立つ。


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