下図のグラフの関数は連続関数で、関数の極限が存在するが、でこぼこしていて、でこぼこがxのあらゆる有理数にまで在り、どの有理数のxの位置においても微分不可能な関数です。
上図のグラフのよう微分不可能な位置(x=有理数の点)が無限にある関数であっても、その積分範囲で1つながりに連続な関数は、積分はできます。
元の関数が連続関数等の、関数の極限が存在する関数の場合は、その関数を積分した関数は微分可能な関数になります。
こうして、極限が存在して1つながりに連続な関数を積分して関数群を作れば、その関数群は皆、微分可能な関数であることが保証されます。
(どの様な関数f(x)を積分しても得られない連続関数F(x))
連続関数であり、かつ、あらゆるところで微分不可能な関数であるワイエルシュトラス関数等は、どのような関数f(x)を積分しても得ることができません。
(極限が存在しない点が無限にあり、積分不可能な関数)
しかし、下のグラフの関数f(x)のように、どの位置においても関数の極限が存在しない関数もあり得ます。
例えば、
xが有理数の場合にf(x)=0であって、
xが無理数の場合のf(x)=1
という、極限が存在しない関数f(x)などです。
(f(x) ≡ 1-ディリクレ関数)
そういう、極限が存在しない関数f(x)を積分して関数F(x)を得た場合(もし積分できた場合)、その積分により得られた関数F(x)は微分可能だろうか。
そもそも、微分の計算は極限を求める計算なので、その関数f(x)が積分できても、その積分した関数F(x)を微分した場合に、元の関数f(x)は(極限値が存在しないので)、微分によっては得られないと考えます。
この関数f(x)の変数x=x1からx=x2までの変数xの閉区間をn等分した小区間を作り、その小区間毎にf(x)の値f(ξ)を求めて、その値の和で積分します。
(1)その際に、 変数x=ξが全て有理数なら、f(ξ)=0になり、積分結果は0になります。
(2)一方、変数x=ξが全て無理数√2の有理数倍なら、f(ξ)=1になり、積分結果は(x2-x1)になります。
(3)小区間内の点ξの取り方によってf(ξ)の和による積分結果が変わるような計算の値は定かでは無いので、その様な関数f(x)は積分することができません。
(但し、無理数は有理数の可付番無限大倍よりも多く圧倒的に多い無理数を優先して計算するルベーグ積分という定義もあります。)
(極限が存在しない点が無限にあり、積分可能な関数)
上図のノコギリ関数g(x)を使って以下の関数を作ります。
この関数f(x)は、以下のx座標で極限が存在しない。
その他、
x=奇数/(整数×2)
の点では極限値が存在しない。
しかし、この関数f(x)は積分できて、連続関数G(x)が得られる。
積分結果の連続関数G(x)は微分できるxの値がある。
(関数G(x)は、元の関数f(x)の極限が存在しない有理数のxの値では、微分不可能です)
関数G(x)の微分結果は、以下の関数g2(x)を使ってあらわすことができる。
微分結果のグラフは、以下のf2(x)のグラフになります。
ただし、このf2(x)のグラフは、関数f2(x)の極限が存在しない有理数のxの値では、このグラフf2(x)が不連続であり、かつ、グラフf2(x)の関数値が存在しない。
この関数f2(x)は、連続で無い点では関数値が存在しないが、関数f(x)は、連続で無い点でも関数値が存在します。
その点で、関数f2(x)が、積分以前の関数f(x)と異なっています。
しかしながら、「微分可能」な変数xの値での関数f2(x)の値は積分以前の関数f(x)の値と同じになります。
おもしろいことに、この関数f2(x)のグラフは、
x=無理数の位置で「連続」です。
そのxの無理数の値から無限に小さい距離の近くにも有理数の値のxの連続で無い点があるにもかかわらずです。
このように、微分積分学では、あらゆる関数に微分積分を行う理論を作ろうとすると、いろいろな難しい問題があることがわかりました。
積分前の関数f(x)と、微分前の関数F(x)との、変数xの一部の定義域での微分積分のあり得る関係が以下の図であらわせます。
(上図で、関数f2(x)は、除去可能な連続で無い点を除去した関数です。関数F(x)は、関数F(x)の連続で無い点を除いた変数xの範囲でf(x)の不定積分であるとともに、f2(x)の不定積分でもあります)
このように、関数の連続で無い点がらみで、関数f(x)とF(x)の間に難しい関係があることが分かりました。
微分積分学で、難しい問題が生じない関数の範囲を把握して、その範囲内で微分積分の計算をすることで、応用上で微分積分を使い易くできます。
そのため、使い易い関数として、極限が存在し、かつ、1つながりに連続な「連続関数」 を主に扱う対象にし、また、「微分可能性」で関数の変数の定義域を制限して、微分積分を行う範囲を制限します。
(ただし、連続関数というxの演算式が存在するわけでは無く、関数のグラフに連続で無い点が無い変数xの範囲を定義した定義域に制限して考える関数が連続関数と定義されます)
その範囲内で成り立つ法則を把握して、種々の公式を導き出して使うことで微分積分学を最大限に応用できるようになります。
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上図のグラフのよう微分不可能な位置(x=有理数の点)が無限にある関数であっても、その積分範囲で1つながりに連続な関数は、積分はできます。
元の関数が連続関数等の、関数の極限が存在する関数の場合は、その関数を積分した関数は微分可能な関数になります。
こうして、極限が存在して1つながりに連続な関数を積分して関数群を作れば、その関数群は皆、微分可能な関数であることが保証されます。
(どの様な関数f(x)を積分しても得られない連続関数F(x))
連続関数であり、かつ、あらゆるところで微分不可能な関数であるワイエルシュトラス関数等は、どのような関数f(x)を積分しても得ることができません。
(極限が存在しない点が無限にあり、積分不可能な関数)
しかし、下のグラフの関数f(x)のように、どの位置においても関数の極限が存在しない関数もあり得ます。
例えば、
xが有理数の場合にf(x)=0であって、
xが無理数の場合のf(x)=1
という、極限が存在しない関数f(x)などです。
(f(x) ≡ 1-ディリクレ関数)
そういう、極限が存在しない関数f(x)を積分して関数F(x)を得た場合(もし積分できた場合)、その積分により得られた関数F(x)は微分可能だろうか。
そもそも、微分の計算は極限を求める計算なので、その関数f(x)が積分できても、その積分した関数F(x)を微分した場合に、元の関数f(x)は(極限値が存在しないので)、微分によっては得られないと考えます。
この関数f(x)の変数x=x1からx=x2までの変数xの閉区間をn等分した小区間を作り、その小区間毎にf(x)の値f(ξ)を求めて、その値の和で積分します。
(1)その際に、 変数x=ξが全て有理数なら、f(ξ)=0になり、積分結果は0になります。
(2)一方、変数x=ξが全て無理数√2の有理数倍なら、f(ξ)=1になり、積分結果は(x2-x1)になります。
(3)小区間内の点ξの取り方によってf(ξ)の和による積分結果が変わるような計算の値は定かでは無いので、その様な関数f(x)は積分することができません。
(但し、無理数は有理数の可付番無限大倍よりも多く圧倒的に多い無理数を優先して計算するルベーグ積分という定義もあります。)
(極限が存在しない点が無限にあり、積分可能な関数)
上図のノコギリ関数g(x)を使って以下の関数を作ります。
この関数f(x)は、以下のx座標で極限が存在しない。
その他、
x=奇数/(整数×2)
の点では極限値が存在しない。
しかし、この関数f(x)は積分できて、連続関数G(x)が得られる。
積分結果の連続関数G(x)は微分できるxの値がある。
(関数G(x)は、元の関数f(x)の極限が存在しない有理数のxの値では、微分不可能です)
関数G(x)の微分結果は、以下の関数g2(x)を使ってあらわすことができる。
微分結果のグラフは、以下のf2(x)のグラフになります。
ただし、このf2(x)のグラフは、関数f2(x)の極限が存在しない有理数のxの値では、このグラフf2(x)が不連続であり、かつ、グラフf2(x)の関数値が存在しない。
この関数f2(x)は、連続で無い点では関数値が存在しないが、関数f(x)は、連続で無い点でも関数値が存在します。
その点で、関数f2(x)が、積分以前の関数f(x)と異なっています。
しかしながら、「微分可能」な変数xの値での関数f2(x)の値は積分以前の関数f(x)の値と同じになります。
おもしろいことに、この関数f2(x)のグラフは、
x=無理数の位置で「連続」です。
そのxの無理数の値から無限に小さい距離の近くにも有理数の値のxの連続で無い点があるにもかかわらずです。
このように、微分積分学では、あらゆる関数に微分積分を行う理論を作ろうとすると、いろいろな難しい問題があることがわかりました。
積分前の関数f(x)と、微分前の関数F(x)との、変数xの一部の定義域での微分積分のあり得る関係が以下の図であらわせます。
(上図で、関数f2(x)は、除去可能な連続で無い点を除去した関数です。関数F(x)は、関数F(x)の連続で無い点を除いた変数xの範囲でf(x)の不定積分であるとともに、f2(x)の不定積分でもあります)
このように、関数の連続で無い点がらみで、関数f(x)とF(x)の間に難しい関係があることが分かりました。
微分積分学で、難しい問題が生じない関数の範囲を把握して、その範囲内で微分積分の計算をすることで、応用上で微分積分を使い易くできます。
そのため、使い易い関数として、極限が存在し、かつ、1つながりに連続な「連続関数」 を主に扱う対象にし、また、「微分可能性」で関数の変数の定義域を制限して、微分積分を行う範囲を制限します。
(ただし、連続関数というxの演算式が存在するわけでは無く、関数のグラフに連続で無い点が無い変数xの範囲を定義した定義域に制限して考える関数が連続関数と定義されます)
その範囲内で成り立つ法則を把握して、種々の公式を導き出して使うことで微分積分学を最大限に応用できるようになります。
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