【問1】
関数f(x)が整式なら
f(f(x)) - x はf(x) - xでいつも割り切れることを証明せよ。
【証明の発案】
f(f(x)) - x = A(x-x1)(x-x2)・・・(x-xn), (1)
と因数分解できます。
x1,x2,・・・xn,は、
f(f(x)) - x = 0,
の複素数の解も含む全ての解です。
一方、
f(x) - x = B(x-a1)(x-a2)・・・(x-am), (2)
と因数分解できます。
a1,a2,・・・am,は、
f(x) - x = 0,
の複素数の解も含む全ての解です。
f(f(x)) - x
のxに
a1を代入します。
g=f(f(a1)) - a1,
ここで、
0=f(a1) - a1,
f(a1)=a1,
を使います。
g=f(f(a1)) - a1
=f(a1)-a1
=a1-a1
=0,
このことから、
f(f(a1)) - a1=0,
f(x) - x = 0,
の複素数の解も含む全ての解の
x=a1,a2,・・・am,
のどれを代入しても、
f(f(x)) - x=0,
(場合1)もし、
a1,a2,・・・amの全てが異なれば、
f(f(x)) - xは、
f(f(x)) - x=A{(x-a1)(x-a2)・・・(x-am)}(x-x1)(x-x2)・・・(x-xp)
と表せる。
そのときは、
f(f(x)) - xは、
B{(x-a1)(x-a2)・・・(x-am)}={f(x) - x}
で割り切れる。
(場合2)次に、
f(x) - x = 0,
の解の a1,a2,・・・amのa1とa2が同じ値の場合は、
微小量Δを使って、
a1,a1+Δ,・・・
を解とする、方程式
f(x) - x = 0,
を考える。
そのときは、
f(f(x)) - xは、
B{(x-a1)(x-a1-Δ)・・・(x-am)}={f(x) - x}
で割り切れる。
微小量Δを0に近づける極限では、
f(x) - xは、
B(x-a1)(x-a1)・・・(x-am)}
に収束し、
f(f(x)) - xは、
f(f(x)) - x = A{(x-a1)(x-a1)・・・(x-am)}(x-x1)(x-x2)・・・(x-xp)
に収束する。
そのため、極限においても、
f(f(x)) - xは、
B{(x-a1)(x-a1)・・・(x-am)}={f(x) - x}
で割り切れる。
同様に、
f(x) - x = 0,
の解の a1,a2,・・・amのどれかが同じ値である場合も、
その関数に対して、その同じ値の解を微小量Δで変化させて、全ての解の値を異ならせた関数を考え、その関数の極限を考えることで、
f(f(x)) - xは、
{(x-a1)(x-a2)・・・(x-am)}=(1/B){f(x) - x}
で割り切れる。
(証明おわり)
この問題のように、a1とa2が等しいという例外的な場合に、a1とa2が異なる場合での計算方法が活用できるようにするために、微小量Δを導入して極限の概念を使うのが良いです。
リンク:
高校数学の目次
関数f(x)が整式なら
f(f(x)) - x はf(x) - xでいつも割り切れることを証明せよ。
【証明の発案】
f(f(x)) - x = A(x-x1)(x-x2)・・・(x-xn), (1)
と因数分解できます。
x1,x2,・・・xn,は、
f(f(x)) - x = 0,
の複素数の解も含む全ての解です。
一方、
f(x) - x = B(x-a1)(x-a2)・・・(x-am), (2)
と因数分解できます。
a1,a2,・・・am,は、
f(x) - x = 0,
の複素数の解も含む全ての解です。
f(f(x)) - x
のxに
a1を代入します。
g=f(f(a1)) - a1,
ここで、
0=f(a1) - a1,
f(a1)=a1,
を使います。
g=f(f(a1)) - a1
=f(a1)-a1
=a1-a1
=0,
このことから、
f(f(a1)) - a1=0,
f(x) - x = 0,
の複素数の解も含む全ての解の
x=a1,a2,・・・am,
のどれを代入しても、
f(f(x)) - x=0,
(場合1)もし、
a1,a2,・・・amの全てが異なれば、
f(f(x)) - xは、
f(f(x)) - x=A{(x-a1)(x-a2)・・・(x-am)}(x-x1)(x-x2)・・・(x-xp)
と表せる。
そのときは、
f(f(x)) - xは、
B{(x-a1)(x-a2)・・・(x-am)}={f(x) - x}
で割り切れる。
(場合2)次に、
f(x) - x = 0,
の解の a1,a2,・・・amのa1とa2が同じ値の場合は、
微小量Δを使って、
a1,a1+Δ,・・・
を解とする、方程式
f(x) - x = 0,
を考える。
そのときは、
f(f(x)) - xは、
B{(x-a1)(x-a1-Δ)・・・(x-am)}={f(x) - x}
で割り切れる。
微小量Δを0に近づける極限では、
f(x) - xは、
B(x-a1)(x-a1)・・・(x-am)}
に収束し、
f(f(x)) - xは、
f(f(x)) - x = A{(x-a1)(x-a1)・・・(x-am)}(x-x1)(x-x2)・・・(x-xp)
に収束する。
そのため、極限においても、
f(f(x)) - xは、
B{(x-a1)(x-a1)・・・(x-am)}={f(x) - x}
で割り切れる。
同様に、
f(x) - x = 0,
の解の a1,a2,・・・amのどれかが同じ値である場合も、
その関数に対して、その同じ値の解を微小量Δで変化させて、全ての解の値を異ならせた関数を考え、その関数の極限を考えることで、
f(f(x)) - xは、
{(x-a1)(x-a2)・・・(x-am)}=(1/B){f(x) - x}
で割り切れる。
(証明おわり)
この問題のように、a1とa2が等しいという例外的な場合に、a1とa2が異なる場合での計算方法が活用できるようにするために、微小量Δを導入して極限の概念を使うのが良いです。
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