2013年8月26日月曜日

ベクトルの直線と点との距離及びベクトルの張る三角形の面積



「大学への数学」の勉強

【問】下図のように頂点の1つが原点Oにあり、他の2頂点が、A(a,a)とB(b,b)である三角形OABの点Bと辺OAとの距離hを求めよ。
上図から、点Bの距離hは、式(1)のように、ベクトルOAを左回りに90°回転したベクトルOPとベクトルOBの内積から求めることができる。

そして、三角形OABの面積Sは、式(2)のように、ベクトルOPとベクトルOBの内積によって求められる。

このクロス積の形をした式は、行列式とも呼ばれています。

【三角形の面積の公式】
 2つのベクトルaとbの張る三角形の面積はクロス積であらわしたベクトルの外積で計算できます。
 しかし、外積の演算については高校では教えていないので、その三角形の面積をベクトルの内積であらわすように覚えましょう。
 すなわち、ベクトルaを反時計回りに90度回転させたベクトルa又はベクトルbを反時計回りに90度回転させたベクトルbを考えて、内積
・b=-b ・a
の2分の1で三角形の面積をあらわすように覚えましょう。
各ベクトルの成分は以下の通りです。

 ベクトルの内積演算には、三角形の面積をあらわすことが不得意だという弱点があります。
 その弱点を補うために、与えられたベクトルaやbに加えて、それらを90度回転させたベクトルa 又はベクトルbを追加して計算に用います。その新たに加えたベクトルを使った内積の計算によって三角形の面積があらわせるのです。
  そうしないで、すなわち、ベクトルa又はベクトルbを追加しないで、無理やりにベクトルの内積で三角形の面積を表わそうとすると計算が難しくなります。

【三角形OABの高さベクトルh】

三角形OABの高さベクトル h は、上の式であらわせます。
この式を少し変形してみます。

(三角形の2辺を表す2つのベクトルの一方を90度回転させて他方のベクトルと内積を計算するのは、その三角形の面積の2倍を計算することと等価です。三角形は辺が3つあるので、三角形の2辺の組み合わせが3通りあります。そのどの組み合わせを使っても三角形の面積を表すことができる計算のバラエティがあります。)

この高さベクトルhの式を、ベクトルbとaだけであらわそうとすると以下の式のように式が複雑になります。
三角形の、ベクトルaに垂直な高さベクトルhをあらわすには、
ベクトルaとそれを90°回転させたベクトルを使った最初の式の方が良いと考えます。


このベクトルhの式の複雑な式を単純な式に変換する公式:
「90度回転したベクトルをベクトルの分解の公式であらわす」
のページの以下の公式を覚えましょう。

リンク:
三角形をずれ変形させて面積を求める
三角形の高さベクトルhの公式
三角形の面積をベクトルで分解して計算する
追加講 三角形の面積と行列式
高校数学の目次

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