以下に、ベクトルの内積の計算を複素数で表現します。
【問】複素数平面上の原点Oを中心にする半径1の円(x2+y2=1)に対して、複素数であらわした点aから引いた2つの接線の円との接点bとcの位置を複素数であらわせ。
この問題は、ベクトルの内積を使って答えを計算する問題ですが、そのベクトルを複素数で表わして答えを計算する複素数の記号の使い方と内積の式の表現方法を以下で説明します。
以下の説明を見れば分かるように、ベクトル記号の→記号を毎回符号の上に追加して書くわずらわしさから解放されるので、複素数を使ってベクトルを表現した計算は、その式を書くのがとても楽になります。
(解)
先ず、この問題の円の中心Oから点aまでの単位ベクトルmを考えます。
先ず、この問題をもっと易しい問題に変換して解きます。
【問1】以下の点aから引いた2つの接線の円との接点bとcの位置ベクトルを求めよ。
このように簡単化した問題は、すぐ上の式であらわしたベクトルとしての複素数mが点bとcをあらわす解があります。
もう1つのやさしい問題を解きます。
【問2】以下の点aから引いた2つの接線の円との接点bとcの位置ベクトルを求めよ。
このようにベクトルとしての複素数aの長さが無限大の場合では、点bの複素数bは、値0を掛け算したベクトルとしての複素数mと、それに垂直なベクトルとしての複素数pの和の解になると解釈します。
もう1つのやさしい問題を解きます。
【問3】以下の点aから引いた2つの接線の円との接点bとcの位置ベクトルを求めよ。
このようにベクトルaの長さが√2の場合では、ベクトルとしての複素数bは、1/√2を掛け算したベクトルmと、それに垂直なベクトルpの何倍かの和の解になると解釈します。
次に、以上で得られた解から、一般的な解を以下のように推測します。
上の式のように、ベクトルとしての複素数bの公式をハッキリした式で推測しました。
また、この推測の結果は、この公式を導き出すための基準にするベクトルはベクトルmとそれに垂直なベクトルpを基準にしたら良いと示唆するという重要な指針(計算のガイド)を含んでいます。
これで得た公式は推測であって、本当にこの式になるかの確証があるわけではありません。
しかし、これで、公式の答えを予測できたので、正式な計算で公式を計算する道しるべができたという意味があります。
このように、答えを予測する計算は、初めて未知の問題を解くときに大切な一歩であり、必要な計算です。是非、答えの予測計算を心がけて欲しいと思います。
次に、正式な計算方法でこの公式を求めます。
【一番簡単な解き方の秘訣】
(あるベクトルbとベクトルABとが互いに垂直であるという条件のある図形の問題を解くときは、
(1)それらのベクトルbとABを、互いに垂直な単位ベクトルmとpの合成であらわして、
(2)そして、ベクトルbとABが垂直である条件として内積が0であるというベクトル方程式を作って計算すると、
計算が一番簡単になります。)
以下の図のような図を考えて、ベクトル方程式を解いてベクトルbをあらわす公式を計算します。
ここで、ベクトルとしての複素数bを、
互いに直交するベクトルmとpを用いてあらわし、
それらのベクトルが実数の未知数s倍とt倍されて合成されたものとしてあらわす。
そして、ベクトルbとベクトルABが直交する以下のベクトル方程式を作って、それらの未知数sとtを求めます。
このベクトルとしての複素数bの式の形を整えるにあたって、先に予測した式になっているかを確かめながら、予測した式になるように式を変形しました。
その結果、予測通りの式が得られました。
この結果を使って、ベクトルbが以下の図のようにあらわせます。
(計算を振り返ってどこが良かったかを考える)
以上の計算で大事なポイントは、先に公式の解の形を予測してから正式な計算に取りかかった事でした。答えを予測してから正式な計算をしたことで、正式な計算が、「本当に予測通りの答えを導き出せるのか」という期待に背中を押されて計算できました。
そして、式を計算していく過程で、どういう形の式に答えを導くべきかの目標がはっきりしているので、式を何に置き換えてまとめ上げるかの道に迷わず、答えを得ることができました。
すなわち、先に予測していた事が、式を次にどのような形に変形したら良いかというガイドになりました。
このガイドが無ければ、式の計算が最後の形にまで変形できなかったかもしれませんので、先に行なった解の推測の計算がとても大切な役割を果たしました。
特に、先に行なった解の推測の計算は、問題を解くために、どのベクトルを基準にしたら良いかを示唆するという重要な指針を含んでいますので、問題を解くためにとても大切な役割を持っていました。
【解2】
以下の様に解くこともできます。
(bとcの解答おわり)
リンク:
高校数学の目次
【問】複素数平面上の原点Oを中心にする半径1の円(x2+y2=1)に対して、複素数であらわした点aから引いた2つの接線の円との接点bとcの位置を複素数であらわせ。
以下の説明を見れば分かるように、ベクトル記号の→記号を毎回符号の上に追加して書くわずらわしさから解放されるので、複素数を使ってベクトルを表現した計算は、その式を書くのがとても楽になります。
(解)
先ず、この問題の円の中心Oから点aまでの単位ベクトルmを考えます。
先ず、この問題をもっと易しい問題に変換して解きます。
【問1】以下の点aから引いた2つの接線の円との接点bとcの位置ベクトルを求めよ。
もう1つのやさしい問題を解きます。
【問2】以下の点aから引いた2つの接線の円との接点bとcの位置ベクトルを求めよ。
もう1つのやさしい問題を解きます。
【問3】以下の点aから引いた2つの接線の円との接点bとcの位置ベクトルを求めよ。
次に、以上で得られた解から、一般的な解を以下のように推測します。
上の式のように、ベクトルとしての複素数bの公式をハッキリした式で推測しました。
また、この推測の結果は、この公式を導き出すための基準にするベクトルはベクトルmとそれに垂直なベクトルpを基準にしたら良いと示唆するという重要な指針(計算のガイド)を含んでいます。
これで得た公式は推測であって、本当にこの式になるかの確証があるわけではありません。
しかし、これで、公式の答えを予測できたので、正式な計算で公式を計算する道しるべができたという意味があります。
このように、答えを予測する計算は、初めて未知の問題を解くときに大切な一歩であり、必要な計算です。是非、答えの予測計算を心がけて欲しいと思います。
次に、正式な計算方法でこの公式を求めます。
【一番簡単な解き方の秘訣】
(あるベクトルbとベクトルABとが互いに垂直であるという条件のある図形の問題を解くときは、
(1)それらのベクトルbとABを、互いに垂直な単位ベクトルmとpの合成であらわして、
(2)そして、ベクトルbとABが垂直である条件として内積が0であるというベクトル方程式を作って計算すると、
計算が一番簡単になります。)
以下の図のような図を考えて、ベクトル方程式を解いてベクトルbをあらわす公式を計算します。
互いに直交するベクトルmとpを用いてあらわし、
それらのベクトルが実数の未知数s倍とt倍されて合成されたものとしてあらわす。
そして、ベクトルbとベクトルABが直交する以下のベクトル方程式を作って、それらの未知数sとtを求めます。
その結果、予測通りの式が得られました。
この結果を使って、ベクトルbが以下の図のようにあらわせます。
(計算を振り返ってどこが良かったかを考える)
以上の計算で大事なポイントは、先に公式の解の形を予測してから正式な計算に取りかかった事でした。答えを予測してから正式な計算をしたことで、正式な計算が、「本当に予測通りの答えを導き出せるのか」という期待に背中を押されて計算できました。
そして、式を計算していく過程で、どういう形の式に答えを導くべきかの目標がはっきりしているので、式を何に置き換えてまとめ上げるかの道に迷わず、答えを得ることができました。
すなわち、先に予測していた事が、式を次にどのような形に変形したら良いかというガイドになりました。
このガイドが無ければ、式の計算が最後の形にまで変形できなかったかもしれませんので、先に行なった解の推測の計算がとても大切な役割を果たしました。
特に、先に行なった解の推測の計算は、問題を解くために、どのベクトルを基準にしたら良いかを示唆するという重要な指針を含んでいますので、問題を解くためにとても大切な役割を持っていました。
【解2】
以下の様に解くこともできます。
(bとcの解答おわり)
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