【問1】座標原点を中心にする半径rの円(x2+y2=r2)と直線ax+by=cとの交点の座標を求めよ。
(地道な計算練習を心がけよう)
直観的に答えを求める解法を見つける感覚を磨くことも必要ですが、その他に、数学の力を薄っぺらな表面的なものにしないために、地道に方程式を解く計算練習を心がけましょう。
(1)方程式の難しい式を単純な形の式にして無理無く計算するコツを身につけましょう。
(方程式を計算するコツ)
複雑な式の項を新たな記号の項に置き換えるときは、用いる新たな記号は、その記号の値の単位を最小単位にする方が良い。
例えば、記号aやbやrの単位である[長さ]は最小単位です。一方、記号cの単位は[面積]であって、[長さ]の2乗であり、最小単位ではありません。
そのため、cは[長さ]の単位を持つαの2乗に置き換えることで、式の計算を見通し良くします。
方程式では、足し合わされる項は必ず単位の同じ項のみが足し合わされます。足し合わされる項の単位が食い違っている式は誤りです。
その単位の食い違い、すなわち式の間違いを発見し易くするために、できれば、式の全ての記号を、単位が[長さ]の記号に揃えることが望ましいのです。
(なお、単位が無い無次元量の記号もありますので、無次元量の記号には目印を付けて分かりやすくします)
【解答1】
(先ず、方程式を書きます)
この第1項の係数を単純化する記号dを以下で定義します。
上の式のように、覚え易い整った式を導入するためです。
覚え易い式を導入することで、
この式を応用してaを直ぐにdに変換するアイデアを出やすくするためです。
特に、式(6’)の右辺の式が現れたら直ぐに気付いて1に単純化できるようにするためです。
式(5)に式(6)を代入して式の形を簡単にします。
以下で、この式(7)の右辺を単純化します。
上の式の中に式(6’)の形の項が現れた際に、それを速やかに発見して式を単純化できるためには、dを導入した際に生まれた式(6’)が覚え易い事が必要でした。
こうして得られた結果を式(7)に代入します。
この式(8)の記号dを元の記号に戻すため、記号dの式を整理します。
式(8)に、式(9)と式(3)と式(4)を代入します。
√gの形でgを定義する理由は、この√gは仮の形であって、計算の最後には速やかに元の式に戻すために、目印として√を加えてgを定義します。
このように地道に計算して、交点AとBの座標が求められた。
(解答おわり)
(ベクトルの概念で見ると方程式の風景が変わって見える)
次に、ベクトルの観点で問題の方程式を見ることで見える計算の道筋に従って、やはり地道に問題を解いてみます。
【解答2】
先ず、方程式1と2から始める。
この式2においては、記号aと似ている記号αを、記号wに書き換えて、記号を間違える計算ミスを防ぐようにしました。
次に、(a,b)というベクトルの単位ベクトル(長さが1のベクトル)の係数を使って式2を式3に書き直す。
ベクトルの視点から見ると、式4と式5は合わせて、以下のベクトルの合成の式になります。
この問題は、(x,y)であらわされる円の式と直線の式の交点を求めることです。
その問題を解くことは、(s,t)であらわされる円の式と直線の式の交点を求め、その解を使って式4と式5で求められます。
式4と式5を使って、式1の円の式を変数sと変数tで表してみます。
この直線の式7を円の式6に代入して、交点(s,t)の解を求めます。
交点(s,t)の解が得られました。
この式7と式9を式4と式5に代入します。
このxとyの式は以下の式12に整理できます。
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