2017年8月16日水曜日

連続関数の定義

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 高校2年になり学ぶ微分積分は、あらゆる関数に対する微分積分を考えるととても難しくなります。
不連続関数が特に問題を難しくする元になっています。

 そのため、不連続点以外の、関数が連続する範囲で関数を考えることで(そのように範囲を限って考えた関数が連続関数です)、微分積分の問題を易しくします。

 その連続関数(グラフの点における関数の連続性)を正確に定義し、頭を整理しましょう。

(注意)連続関数という表現は誤解を招きやすい表現です。関数が連続な所定領域内で扱う関数が「連続関数」であって、その所定領域外で関数が不連続点を持つことができるからです。
 不連続関数という表現は更に誤解を招く表現です。関数を扱う領域内に不連続点があれば「不連続関数」と表現できると思いますが、その不連続点を除外した領域でその関数は連続であって「連続関数」でもありますので、「不連続関数」という表現は不適切な表現であり、そういう表現は使わない方が良いと考えます。 

「微分積分学入門」(横田 壽)の39ページ近くに、連続関数の定義が書いてあります。

不連続点の存在も考慮した関数の極限、

を考えるときには,
x0 での極限の有無にかかわらず、 x0 での関数f(x)の値f(x0)が定義されている必要はありませんでした.
また,関数f(x)の値 f(x0) が存在しても、その値がx0 での極限値
と一致する必要もありませんでした.

そのように無制限な関数の条件に、新たに、
極限値とそこでの関数の値が等しいという条件を加えてみます。

そうすることは,以下で説明するように、
関数がある点で連続である
という条件を加えるという意味を持ちます.
【定義1.4 (連続関数) 】
 関数f(x) は少なくとも、区間

x0 − δ<x<x0 + δ
で定義されている.
が成り立つとき, f(x) はx = x0 で連続(continuous) であるという.

-----(定義の言い換え)----
 この定義をハッキリ把握するために、想像力を膨らませて、この定義を、以下の様に噛み砕いて自分の言葉で言い換えて定義を覚えてください。
(0)
 先ず、関数の連続を確認する点x=x0 については、その点の座標よりも広い範囲の、少なくとも、
x0 − δ<x<x0 +δ
で関数が定義されていることが大前提です。
(1)
次に、
x0に近いがx0では無いxを考える。
(2)
x0から、値δの範囲内でずれる、x0では無い全てのxについてf(x)を考える。
 この定義における「全てのx」の意味は、例えば関数の変数の定義域による変数xの範囲の制限も無視して、その制限に制約されずにx0から、値δの範囲内でずれる値の変数xは全て考慮することを意味します。
(3)
その全てのf(x)の値のバラツキの誤差を求める。
その誤差<εとするεでバラツキの範囲を定める。
すなわち、どのx(ただし、x≠x0)の値の関数値f(x)についても、
-ε< (f(x)-f(x0))<ε
となるεを定める。
(4)
xの値のx0からずれる範囲の値δを十分小さくすれば、
その範囲内の全ての値のx(ただし、値x0は除外)によるf(x)の値のバラツキが小さくなり、バラツキの範囲の値 ε がいくらでも小さくできるならば;
f(x)はx=x0 で極限値を持つ。
(5)
 そして、その極限値がf(x0)に等しいならば、
関数f(x)は、
x=x0 で連続である。
すなわち、
が成り立つ場合に、関数f(x)はx=x0 で連続になります。
----(定義の言い換えおわり)-----------

(不連続の事例)
(場合1:関数の定義域の境界点は不連続な点)
 関数f(x)の変数xの定義域が、
a≦x≦b
である関数f(x)は、
その定義域の端の、
x=aやx=bでは、
不連続です。
なぜなら、関数f(x)がx=aで連続であるためには、
変数xに関して:
十分小さいδにおいて、
0<|x-a|<δ (式1-1)
の範囲内のあらゆる実数値のxの関数値f(x)が、
|f(x)-f(a)|<ε (式1-2)
となるようにできるという条件を満足しなければならないからです。

 定義域の端のx=aにおいては:
x=aーδ+0
となるxの値では、関数値f(aーδ+0)がそもそも存在しないので、そのxの値では式(1-2)を満足しません。
そのため、関数f(x)は、x=aにおいて不連続です。
(仮説の設定)
 仮に、この関数f(x)がx=aにおいて連続であると仮定すると、この関数は既にx=aで連続ということになります。
 その場合に、この関数に、
x<aにおいて、
f(x)=sin(1/(x-a))
と定義した関数を接続すると、
x<aにおいて、
x→aー0
の場合に、
関数f(x)の値が振動して定まらないのにもかかわらず、f(a)において、この関数が連続であることになってしまい、明らかな矛盾を生じます。
 よって、元の関数f(x)を、その定義域の境界のx=aにおいて連続であると定めることはできません。
 関数f(x)を、x=aの右側に連続する(関数値f(a)が右側極限値と一致する)と定めることは可能ですが、それは、関数f(x)をx=aにおいて連続であると定める事とは異なります。
(これにより、仮説が否定されました)
 よって、この関数f(x)は定義域の境界点のx=aで不連続です。

(場合2)下図の関数は、x=0で関数が定義されないので、x=0で不連続です。
このように、連続関数から、1つの変数xの関数値f(x)を取り除くと、その除去された点で関数が不連続になります。
 関数の点を除去することで、不連続な点が増えることはあっても、連続な点が増えることはありません。

(場合3)
下図の関数は、定義域が
0<x<1
なので、x=0で不連続です。
(場合4)
下図の関数は、x=0で不連続です。
 この不連続な関数から、x<0の点を全て除去した下図の関数は、
その残った点の定義域の境界点のx=0で、元の通り不連続です。
関数から点群を除去すると、不連続点が増えることはあっても、不連続点が減ることは無いからです。
(ただし、除去された点については、連続性に関して「考え無いことにする」という定義をすることはできます。定義域の境界点については、「連続性を考え無いことにする」という定義をすれば、「考え無いこと」にしたので、その点で連続性を問う事自体が無意味になります。
 しかし、そうすると、関数f(x)=x/xにおける、x=0の点も「連続性を考え無いことにした定義域の境界点」に該当する可能性を生じ、その点x=0での連続性を問う事も無意味になりかねない。
 「考え無いことにする」という定義は、一種のごまかしなので、そういう定義は極力避けて、なるべく何でも考えられるようにするのが数学センスが良い考え方だと思います。)

《下図に各種の関数の集合の包含関係をまとめた》

(関数f(x)が連続になるxの値に幅を持たせた領域の定義の仕方)
 例えば、以下の図の関数f(x)は、x=0で不連続ですが、その不連続点以外の図の、関数が連続な範囲a≦x≦b内のxで連続です。その範囲内で、この関数f(x)が連続関数であると定義されます。
(ただし、この連続関数f(x)がa≦x≦bの領域において連続であると言うときには、論理的帰結として、関数f(x)が、その領域の範囲より広い領域の定義域を持っています。下図の関数f(x)=1/xの例では、x=0以外のあらゆる実数の値の領域がこの関数f(x)の定義域です。)
すなわち、連続関数では、その関数f(x)が連続となる変数xの領域よりも、必ず定義域の方が広いです。
f(x)の定義域の内側の、境界点よりも内側のxの領域を関数f(x)が連続な領域と定義します。

この連続関数f(x)=1/xの連続な区間の取り方の1つに、
0<x≦b
というように、左の端点が存在しないように関数f(x)の変数xの区間を定めることもできます。
 そのように端点を解放した区間で関数f(x)が連続であることが分かっている場合:
この関数f(x)=1/xを積分する場合:
この関数f(x)は、x=0の値での関数値f(0)が-∞であり、有限な関数値が存在しないので、
関数f(x)は、関数値f(x)が存在する領域である、
0+δ≦x≦b
の範囲で積分します。
この積分の境界点x=δでは、この関数f(δ)≠∞なのであって、f(x)を、0+δ≦x≦b積分可能です。

(場合5)変数xのある領域において、xの実数値の関数値f(x)が無い場合は、その領域内では、変数xのどの値でも関数f(x)が不連続である。

 例えば、関数f(x)が変数xが有理数の場合だけで関数値が定義され、変数xの無理数の値に対する関数値f(x)が存在しない関数f(x)の場合は:
変数xのあらゆる無理数の値の位置で不連続であり、
更に、変数xのあらゆる有理数の値の位置でも不連続です。
なぜなら、点x=aで連続な関数f(x)は、少なくとも、
a-δ<x<a+δ  (式2-1)
の範囲の全ての実数で、
|f(x)-f(a)|<ε (式2-2)
となる条件を満足しなければならないのにもかかわらず、
この式2-1の範囲内にある無理数xが式2-2を満足しないからです。
(備考)
 連続性は実数まで考えることで正しく定義できるので、関数を連続関数であると定義すると、関数が変数xの実数の範囲で定義される必要があります。
 その変数xの値として有理数の値のみしか扱わず無理数の値を全く意識しない場合でも、微分される関数が実数でも定義されているというバックグラウンドをその関数に持たせる必要があると考えます。

 (連続関数を使う利点)
変数xが、
a≦x≦b
で関数f(x)が連続であると定義された関数f(x)は、
論理的帰結として、
関数f(x)の定義域は、少なくとも、
a-δ<x<b+δ
の範囲を含みます。
その定義域以内で定義された関数f(x)は、
その定義域 
a-δ<x<b+δ
より狭い範囲の、a≦x≦b
において、
微分可能になり得ます。
この範囲は、関数f(x)が連続であることが分かっている範囲と同じ範囲になります。
すなわち、関数f(x)が連続な変数xの範囲で、関数f(x)が微分可能にもなり得るという、使い易い利点があります。
 また、関数f(x)が連続な範囲a≦x≦bがあることが分かっている場合は、それより広い範囲:
a-δ<x<b+δ
に定義域があり、その定義域内の所定区間内に積分区間
a-δ2≦x≦b+δ2
を定めて積分することができます。
その積分で得た関数F(x)は、そのxの範囲:
a-δ2≦x≦b+δ2
内で関数値F(x)を持ちF(x)がそのいxの範囲で定義されます。
その関数F(x)は、そのxの範囲より狭い範囲の:
 a≦x≦b
で、微分可能になり得て、
F’(x)=f(x)が得られます。
その微分可能な範囲は、
関数f(x)が連続な
 a≦x≦b
と同じになり得るという、使い易い利点があります。

(場合6)
 関数f(x) は次 の2 つの場合には不連続です。
(関数がx = x0 で不連続となる2つの場合)
   (場合1)      (場合2)
図1.13 不連続の例

(場合6-1)
 
が存在しない場合。

(場合6-2)
極限値
は存在するがその値はf(x0) と等しくない場合。

(場合6-1)では、x0 は真性不連続点(essential discontinuity) といい,
(場合6-2)では,x0 は除去可能な 不連続点(removable discontinuity) といいます.
 つまり,(場合6-2)では,f(x0) の値を新たに 定義することにより,x0 で関数を連続に修正することができます.


 ここで,関数を連続に修正できない(場合6-1)であるか否かを調べるのに便利なものがあります.

(左側極限値)(left-hand limit)
 x をx0 に近づけるとき,
特にx < x0 という制限があるときには, 
x はx0 より小さい値を とりながらx0 に近づくので,これを
x → x0 − 0 またはx → x0− 
と表わします.
(右側極限値)(right-hand limit)
 同様に,
xがx0 より大きい値をとりながら, x0 に近づくとき,これを
x → x0 + 0 またはx → x0+ 
と表わします.

 この左側極限値と右側極限値が一致すれば、極限値を持ち、
x0 において除去可能な不連続点を持つ、場合2の関数であるか、
又は、
x0 において連続な関数か、
のどちらかです。

そして、更に、その極限値をf(x0) と等しくすれば、
x0 において連続な関数になります。

(場合7:微妙に不連続な関数の例)
x≠0の場合:
f(x)≡ sin(1/x)
x=0の場合:
f(0)≡0

上図の関数 f(x) は
x→0で
Yの極限値が存在しません。
そのため、関数f(x)はx=x0 ≡0で不連続です。
関数f(x)は、xが0に近づくとー1と1の間を振動します。
 この関数f(x)は、xがx0 ≡ 0の値に無限に近い点で、f(x)の値が0になるかもしれないし、-1から1の間のどの値になるかもしれないので、
x→0+
における極限値が何になるかがわかりません。
そのため、
x→0+における関数値f(x)と、
x=0における関数値f(0)=0
が同じであるか異なるかどうかも分かりません。
それでも、関数の連続性の定義の【定義1.4 (連続関数) 】に従って、この関数f(x)がx=0で不連続であると言えます。
①先ず、関数f(x)は区間(x0 − δ, x0 + δ) で定義されています。
②しかし、
が成り立つかどうかを調べると、
x→0+におけるf(x)の値が振動して、極限値が存在しないので、
この連続関数の定義の極限の式は成り立ちません。
そのため、この関数f(x)は、x=0で不連続です。

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